日記 |
2002. 9/ 5 |
020801(木) その子は、悪いことをした。 後ろ手にしばられ、大人たちに取り囲まれた。 覚悟をしたのか、その子は、逃げも暴れもしない。 両目を火であぶられても、悲鳴すらあげなかった。 大人たちが、囲いを広げる。ひとりが通れる道を作る。 そこから現れたのは、火炎放射器を持った兵士だった。 その子は、それに気がつかない。見えない目は、意味をなさない。 次の瞬間、その子は火にあぶられた。 肌が黒く焦げていく。その子は、悲鳴ではなく、なにかを叫んだ。 顔が、胴が、腕が、足が、ゆっくりと炭化していく。 それをボクは、どうにもせず、どうすることもせず、ただ、眺めていた。 8月の、最初の夢は、そんなんだった。 020802(金) 骨は見えないように、皮をはがされた人間が、押しつぶされてできていた。 床も、壁も、天井も、この空間のすべてが、そうして作られていた。 真っ赤ではない赤の世界。違う色があるとすれば、自分と、正面の小さい光だけ。 ここがどこなのか、なんなのか、今がどうなっているのか、見当もつかない。 それでも冷静でいられるのは、あまりにも現実離れしているからだ。 唯一、現実的なモノは、自分ではなく、その手にしていた小銃だけだった。 これだけが、頼りだった。 腰を落とし、小銃を構え、小さい光の方向へと、ゆっくりと歩いていく。 床は、血ですべり、筋や肉や内蔵や鼻や、そうしたものでつまづきやすかった。 時折、うめき声が聞こえるのは、つぶされた人が生きているからだろう。 一歩、前に進む。 床から、微かな音がした。生きていない目が、こちらを見ていた。 だから、一発、撃った。目が、死んだ。 そうやって歩いてきた。 導くような光への一本道は、延々とした直線であり、延々と、人の壁だった。 いつの間にか、小銃を構えることすらしなくなった。生き延びた人も見捨てていた。 歩く時の嫌な感触も、今は、もう、どうでもいい。 すべてが、どうでもいいような気さえしてくる。 せめて、光が近づいてくれば。そう思う。 せめて、この悪玉でも出てくれば。そうも思う。 なにか、今が正解であると感じられる変化があれば、まったく、違うのに。 それでも、歩くのをやめなかった。一本道を進んでいった。 いつかは、いつかはなにか、終わりがあると信じて、歩くしかなかった。 人の壁の中を、歩いていった。 020803(土) 440というライブハウスに行ったら、当日券、売り切れって言われた。 トモフスキー人気なのか、HARCO人気なのかわからないけれど、くーやーしーいー。 当日券がないのでダメってゆわれたの、初めてかもしんない。くーやーしーいー。 それで、Queに行ったら、堂島くんとハックルベリーフィンのライブがあって。 でも、これも当日券、売り切れ。くーやーしーいー。なんか恨みあんのかコラ!! そのあとの、ダメもとの誘いも断られ、まったくいいところのない一日になってしまった。 死にたい。 -1500。 020804(日) 夏休みらしく、ワンダーフェスティバルに行った。 毎回、見るだけなのに、今日は買った。プラモデルを買ってしまった。 1/144のガンダムと、ガンダムマークツー。安かったんだもん。 前者が200円で、後者が280円。信じらんない。 でも、色は塗ってないし、接着剤が必要だし、めんどくせーと思った。 だいたい、色を揃えたら、けっきょく、お金、かかっちゃうし。 色つきのリガジィにすればよかったかしら。ちょっと後悔。 死にたい。 020805(月) 死にたい。 って、書いておくでしょ。 一ヶ月後に読み直すと、それこそ死にたい気分になれるの。 うわ、ナニ書いてんだ、俺、みたいな。そんな感じ。 お手軽ひとり凌辱プレイ。みなさまのご家庭でも、ぜひどうぞ。 020806(火) 来年から、いろいろと変化する。 今の形で行うのは、これが最後。 だとしたら、ちょうどいいのかな、と。 逃してきたやめ時の、本当に最後の機会なのかな、と。 Tシャツを作りながら、そんなことを思った。 020807(水) [芝居] ORGY / 駅前劇場 映画でもそうだけど、単純に面白いのが好き。 それも、知的なものよりも、バカ一代って感じの、直球勝負系がいい。 そういう意味で、ラブリーヨーヨーのお芝居は、自分に合っていると思った。 前回のリユニオンを観て、そして、今回の、ORGYで確信した。 人里離れた山寺の、とある雨の日の出来事、という内容。 和尚と坊主とやくざと脱獄囚が繰り広げる騒動は、なるほど、ORGY。 らんちき騒ぎ、みたいな意味らしいけれど、まさに、そんな感じ。 コントっぽいノリが楽しくていい。話としての最後のオチも、無難でいい。 次の公演が来年なのが、ホント、悔しい。今年中にもう一度、やってほしい。 020808(木) そりゃね、対人間ですからね。 プログラムされたモノが相手じゃないですからね。 でも、だからって、こおゆう展開はアリなのか? 俺は読めなかった。まったくもって、予測不可。 このあとなんて、もっともっとわかんない。 筋書のないドラマ、なんつってさ。 けどさ、いやさ、あったんじゃないの? 筋書が。 そう聞いていたんだけどな。おっかしいな。 流れが全然、違うんですけど。もっとドラマチックじゃなかったっけ? もしかして、役者として、俺じゃ足りないの? だからこそ、あーゆー展開になっちゃったんだろうけれど。 ますます、信じられね。寝起きはかわいかったけど。 やる予定だった、日曜日の準備は、半分が終わっただけ。 まぁ、明日、刷って折って綴じれば、それで完了なんだけど。 なんにしても、アレだ。 最後の夏がやってくる。 020809(金) 夏コミ初日。 東京駅からバスで会場入り。 11時に到着して、10分後には入場できた。 お盆前の平日とあってか、参加人数が少ないのかもしれない。 おかげで、原稿の推敲をする時間を得られなかった。 並んでいる最中にやるつもりだったから。 炎天下で待たされるより、マシかもしれないけれど。 会場に入っても、特にお目当てもなく、ぶらぶら。 そのままコスプレ広場に入ったら、同級生2のコスプレを、ひとり見つけた。 この広場の中に同級生2がひとりだけ…やるな、エルフ!! 帰宅後、日曜日の準備をする。 どれだけ刷ればいいのか、予想に頭を悩ませる。 すごく中途半端な結論を出して、刷って、荷造りをして完了。 そんな感じの1日目。 020810(土) [ライブ] TETSUYA TAKAHASHI LIVE2002 LOOL BACK IN ANGER / 高橋徹也 夏コミ2日目。 仕事並みに早起きをして、会場へ向かう。 今日は、競馬サークルさんに居候。委託でTシャツも置いてもらう。 慣れない西館の、慣れないジャンルの手伝いは、いろいろと刺激があった。 気分は交換留学生。勝手の違い、ひとつひとつが、デカルチャー。 特に感じたことは、当然なんだけど、真面目に作った本は面白い、ということ。 北関東競馬本を読ませてもらった時に、そう思った。面白かった。 自分は真面目に本を作っているのかと問えば、下を向くしかない。反省。 反省といえば、押し切られたことも反省しないといけない。 でも、今回はこちらもお願いしているだけに、仕方ないのだけれども。 これをだらだらと続けないようにすることが大切。 東京湾花火大会を避けるように、おやつすぎに会場を抜ける。 りんかい線経由で月島で下車。集まる人をすり抜けて、近くの銭湯へ。 汗を流してさっぱり。ついでに、気持ちの切り替えにもなった。意外な効果。 月島の駅に向かう道中、浴衣の女の子をたくさん見る。一番は別のところに。 大江戸線、小田急線と乗り継いで下北沢に。 久しぶりのQueは、なんだかひどく狭く感じる。こんなんだっけ? だから、すぐにいっぱいになったし、でも、案外といい場所で見られた。 1年ぶりぐらいの、高橋徹也のワンマン。始まりは、犬と老人。 こうして聴くと、つくづくいい歌だな、と思う。わけもなく、涙が出てくる。 それ以降は、発売されたばかりのアルバムの曲を中心に、新旧折り混ぜての演奏。 当然といえば当然だけど、聴き鳴れたものばかりだから、ちょっと物足りない。 物足りないというよりは、あれもこれもと、勝手に欲張っているだけなんだけど。 せめて、今年に入ってからの曲は、全部、やってほしかった。いいものばかりだから。 それでも、夕暮れ星を歌ってくれたのは嬉しかった。いつかは、音源化してほしい。 それにしても、今日のお客さんは、いい意味で、熱い人が多かった気がする。 拍手も掛け声も、ノリがなにか違う。Queのワンマンって、なんだかいいなぁ。 あとは、自分の気分がよければよかったのに。押し切られたのが、ここでも響く。 うじうじしてんじゃないの、と、切り替えできない性格が悔しい。 帰り際、池袋の七福神で遅い夕食。 明日への活力。がんばろう。 020811(日) 夏コミ三日目。 なにげに、M.M.G.としては、初の夏コミ参加。 早く入場して、買い物も午前中に済ませて、あとはスペースでぐったり。 想像以上に、本を手にしてくれる人が多くて、素直に嬉しい。 遊びに来て下さった方々には、本当に感謝しています。 ありがとうございました。 短い夏を終え、今日も月島経由で新宿へ。 夕方に待ち合わせたのは、同人とは無関係の人。 忙しいのにわざわざ出てきてもらって会食。 こちらにも、ありがとう。 しかも、ぎりぎりまで付き合ってくれた。 嬉しいけれど心配ぎみ。晴れるといいね。 020812(月) 平日だというのに、麻雀に誘われた。 面子が集まるのかと思っていたら、6人も来た。 お盆といえばお盆だし、休みの人もいないわけではない。 にしたって集まりすぎ。 楽しいからいいんだけどね。 -75、-12。 020813(火) 中学生以下の唯が、裸で乳を揉まれている。 しかも、なんか、微妙な表情で、実に艶っぽい。 春画としては悪くない、というか、いい。 だけど、これは、サークルカットには使えない。 男性向けサークルならいいけれど、うち、違うし。 エログロなんて一度もやったことないし、やらないし。 だから、ごくごく平凡なカットで、冬コミは申し込みます。 新刊は、エログロで。 020814(水) 核戦争の夢を見た。 ロボットに乗って弾頭をぶった斬る役でも、受け止める役でもなかった。 核戦争が始まってしまって、焼き殺されるか逃げるか、悩む役だった。 焼かれるなら、一瞬で蒸発してしまったほうがいい。 ただ、そう都合よくいくのかどうか。だったら、逃げてしまおうか。 そうこうしているうちに、ミサイルが落ちてきて、爆発。 まぶしさの中で、肌がずるずると焼けているのに、そんなに痛くなかった。 でも、死ぬんだろうな、なんて思っていたら、目が覚めてしまった。 別に、8月だから見た夢ではなくて、そういう本を買ったからだろう。 にしても、今月は暗い夢ばかり。 020815(木) 戦争が嫌だと思う理由は、自分が戦いたくないから。 すぱっと死ぬならいいけれど、そうでない可能性が高いから嫌。 なにせ、自分には、肝心なところで運がない。 お腹を撃たれて、でも、致命傷ではなくて、何時間ももがき苦しんだり。 砲弾の破片をくらって、内臓を撒き散らしたまま、何時間も生き延びてしまったり。 戦術核で焼けきれなくて、どろどろの状態で生きてしまったり、放射能にうめいたり。 そうなりそうなので、戦争には反対です。 死ぬ時は、すんなりと死ねるのなら、戦争してもいいけれど。 世の中、そううまくはないから困ったもんです。 そういう日なので、そういうお話。 |
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