日記
2002. 9/21




020816(金)
 眠る準備を終えてから、ボクはモニタの前に座る。
エディタを立ち上げ、キーボードを膝上に置き、目を閉じる。
今日、一日の出来事を、時間軸に沿って思い出してみる。
楽しいこと、悲しいこと、辛いこと、嫌なこと、苦しいこと。
どれを人に見せるのか、しばらく考え、そして打ち込む。
見せなかった出来事は、すべて、ごみ箱に捨てた。
見せる出来事にくっつている本音も、いっしょに捨てた。
できあがった文は、からっとしたものだった。
どこが日記なのだろうと、苦笑いしながらファイルを保存する。
意味のない言葉の羅列は、こうして作り上げられる。
そんなことの積み重ねが、このページです。

-12、-42。


020817(土)
 質、量ともに劣った兵力で、強硬な陣地を占領する。
この無茶な作戦を成功させるには、奇襲以外、考えられなかった。
そして、相手の準備が整うまでに攻め切る他に、思い浮かぶ術はない。
だからこそ、それを実行したし、途中まではうまくいっていた。
しかし、途中までだった。ある意味、それが限界だったのかもしれない。
相手は、攻勢を鮮やかに受け止めると、そのまま、防御体制を整えてしまった。
 もともと、短期決戦のみに勝機を見いだせる戦いだった。
それが、長期持久の形となれば、不利になるのは自然の理だった。
消耗は日に日に激しくなり、士気の低下は目をおおうばかり。
情報は入らず、補給も増援もなく、増えるのは損害ばかり。
どちらが攻めて、どちらが守っているのか、わからない状況になった。
 撤退すべきだとの意見もあった。
短期決戦で決められなかった以上、引き上げるべきである。
過去の戦いに比べたら、まだ、そんなに損害を出していない。
今ならば、それほどの痛みはないだろう、と。
それは、正論だと思ったし、打診も考えてはみた。
とはいえ、それを受け入れてもらえるとは、微塵も思わなかった。
それに、まだなんとかなると、そんな甘い考えもあった。
裏付けはない。しかし、そうとでも思わなければ戦えたものではない。
どこかに打破策があるはずだ。なにか案があるはずだ。
 いすに深く座り、腕を組む。
想像もできない、新しい作戦がひらめかないかと、うんうんとうなった。


020818(日)
 神保町へ行く。
でも、今日は本が目的ではなく、スノーボードがお目当て。
気がつくと、スノーボードセット一式を買っていた。
なにかあった時のため用の、隠し金を使って買っていた。
やるつもりではいたけれど、本格的に引き返せなくなった。
しかも、日本一上手な人に、板の整備をお願いしてしまった。
こんな素人の板なのに申し訳ないと、正直、泣きそうになった。
これで下手なままだとまずいので、冷や汗、かきまくり。
とりあえず、格好はミーハーらしいので、目立たないとは思うけれど。
それなりに滑れるようになっておかないと。
引き返せないというよりも、追い詰められた犯人の気分。


020819(月)
 今日は、銀座に、チョコレートパフェを喰らいに行きました。てへ。
台風接近中だというのに、夕方から大雨だってのに、パフェ。危機感なし。
そのパフェは、ぼくの知る限りでは最高額の、1杯1600円という高級品。うお。
どんなんが出てくるのかとどきどきしていたら、ごくごく普通のチョコレートパフェ。
見た目は、ファミレスの386円パフェや、喫茶店の586円パフェと変わりません。
でも味は1600円でした。アイスクリーム、生クリーム、チョコレート。すべてが絶品すぎます。
と書きたいところですが、ぼくの舌では違いはわかりませんでした。
1600パフェは、もちろんおいしいのですが、386パフェも586パフェもおいしいのです。
つまるところ、ぼくにはもったいない、ということです。てへ。
 そういう意味では、アンミラはわかりやすくていいとも思いました。
1024円払う意味がはっきりしているし、味じゃなくて質だから、あすこはね。
品川のお姉ちゃんは、1024円分にぎりぎりかなかも、って雰囲気でした。
やっぱり渋谷がよかったな。つぶれて残念。もったいない。


020820(火)
 ここを読んでくれる、すべての人々に。
ありがとうございます。そういう気分。
 そして、ここを読み、しかも遊んでくれる人々に。
どうしようもなく、ありがとうございます、と。
そう、言いたくなりました。
 いや、なんか、気持ち悪くね? って思った。
もちろん、こことそこで、俺は違うんだけど。
でも、それでも、同じ人間が書いているわけで。
だから、どうなのかな、と。
 別に、気持ち悪がられたいわけじゃあないの。
ただ、そう思っていても、おくびにもださずにね。
普通に接してくれて、ありがとう、って。
そう、思いました。


020821(水)
 10月のイベントに受かったのはいいんだ。嬉しいんだ。
問題は、新刊。これだ、これだよ。大問題。本気で困る。
唯とりゅうのすけの、普通のお話に、需要があるらしい。
書くとしたらそこなんだけど、ネタがない。本気でない。
映画か、雷か、看病か、終わりが見えないネタはきつい。
どうしようどうしよう。案外と時間がないので困惑気味。
誰かボクにネタを下さいかなり切実連絡よこせ家族待つ。


020822(木)
[ライブ] インストアライブ / 新宿TOWER RECORDS
 インストアライブ、久しぶりなんだよね。
しかも、今日は気分的にいい感じで、音楽を聴くには悪くない。
 黒いTシャツとベージュのパンツで登場してきた高橋徹也。
前で見ていた女の子が、明るい所で見るの初めて、と言っていた。
言われてみれば、俺もそうかもしれない。意外な事実。
 アコギを構えて、一発目が、サマーパレードの思い出。
この歌、すごく好きで、まさかここで聴けるとは思ってなくて。
ひとりでこっそり勝手に感動してしまう。爽やかなポップ職人時代の名曲。
 チャイナカフェ、もっとぎゅうっと、音楽、いつだってサヨナラ。
あとの流れは、わりかし普通なんだけど、ちょっとおかしい。
ニューアルバム発売記念のインストアライブなのに。
その、ニューアルバムに収録されている曲を、1曲もやらない。
高橋徹也、すげー、と思った。1曲はやるだろ、普通。星空ギターぐらいやろうよ。
時間も短く、あっさりした感じの内容だったけれど、満足度は高かった。
「自分の歌を両親が聴いて…終わりがはっきりした曲を作らないの、って言われて。
自分では完結しているんですけどね。なんか…」


020823(金)
[競馬] ロマンチックナイト賞 / 大井競馬
 ゴキブリには、物理的な武器がない。
サソリのような毒も、カマキリみたいな刃も、ハチのような針もない。
けれども、恐怖感と嫌悪感という、最強の武器を持っている。
しかも、それって、こっちが勝手に抱いているだけじゃない。
ゴキブリのすごいところって、それを盾に攻撃してくることだと思った。
忘れた頃に、怖がる相手がいる時に、さくっと出てくるのは計算ずくなのか。
逃げ回りながら、すきを見て、羽根を広げて襲いかかってくるその様は、余裕しゃくしゃく。
人間を手玉に取るようなこの攻撃っぷりは、ホント、すごいと感心する。
人とゴキブリの話をしていて、ふと、思いました。

-2000。


020824(土)
 目が覚めたのが、8:30。
その時間って、職場にいないといけない時間。
知らないうちに、めざまし時計、殺していたみたい。
当然、遅刻しました。1時間10分ほど。
この仕事で、ここまで遅刻したのは初めてじゃないかしら。
恥ずかしいけれど、寝不足は取れていました。
 年上の人に注意しました。
したら、ひどく不機嫌になってしまいました。
不機嫌になるのは、怒る方もいっしょなのに。
 年下に注意されるのが屈辱なんでしょうけど。
遅刻するようなやつに、注意うけたくないんでしょうけど。
でも、それはそれ。この件では、非があるんだから認めてほしい。
つか、それでびくびくしている自分が一番、どうかと思った。
悪くないんだから、胸張って注意すればいいのにね。
 今日は、そんな一日でした。
気分わるー。


020825(日)
 つうこんのいちげき!!
128ポイントのダメージをうけた!!
ようへいはしんでしまった!!
って感じの一日。痛い痛い痛い。
 あ、でも、映画のピンポンは面白かった。
キャラクターから、色物かと思っていたけど、とんでもない。
綺麗にていねいに作りこんだ、今風の青春スポ根映画。
「お帰り、ヒーロー」
「行くぞ、相棒」
 最後の方の、一場面。これだけで泣けてくるもの。
また観たいって思った映画は、久しぶりな気がした。


020826(月)
[ライブ] 真っ黒太陽族 vol.1 / CLUB Que
 最初に登場したのはサポテン。
軽くあいさつしたあとは、ひたすらに演奏。
一時間近く、音の途切れるすき間を作らなかった。
最初の2/3は、とてもゆるやかな、穏やかな音楽。
キーボードとギターとベースの、綺麗な重なり。
寝不足気味の頭には、とても心地好い子守歌に聞こえてしまう。
残りの1/3は、ドラム加わっての、激しいポップ。さすがに目が覚める。
終わってしまうと、なにか、もったいない感じがした。
1年前と同じ、音楽実験室的な雰囲気は変わっていない。
ただ、なにか、その時よりもよかったように思った。気持ちの問題か。
 なにげに、今年初めてのTSUNTAは3。バンドバージョン。
序盤は重たい歌で、中盤から後半は、明るめの歌という流れ。
TSUNTAの魅力は、極端に後向きな曲と極端に前向きな曲が混在していること。
そういう意味で、魅力は出し切っていたように感じた。
ただ、なんか、久しぶりのせいか、知らない歌ばかりになっていた。
けっこう衝撃的。そんなにがんばっていたとは思わなかった。ごめん。
 最後の、サポテンとのセッションは、坂田学がパーカッションで登場。
高橋徹也のライブでも、パーカッションで登場していたことを思い出す。
ギターにキーボードにドラムにパーカッションにヴォーカル。なんでもこなす人。
才能って、こういうことを言うのだろう。


020827(火)
 奥歯の詰め物が取れてから数カ月。
ようやくと、歯医者さんに行く気になった。
だって、冷たいものを食べると痛いんだもん。
普通に食べていても痛い時があるんだもん。
それだけに、先生に助けを求めないとと思った。
 口の中をのぞいた途端に、こりゃ、と絶句する先生。
相当にひどいらしくて、神経、抜かれました。
つか、初日から麻酔をかけられたのは初めての経験。
どうやら、長丁場になりそうな雰囲気だね。
冬が来るまでに終わってくれるとよいのだけど。


020828(水)
 基本的に、仕掛けが遅いんですよ。
勝負すべき時に勝負しない。できない。
怖がりで、小心者で、ここぞって時に動けない。
だから、一呼吸以上、仕掛けが遅れて、痛い目にあうと。
 わかっていたんですけどね。自分のそういう性格。
だからこそ、早め早めに動いて、なんとかするつもりでしたが。
でも、今回のは、わかっていても対処できませんでした。
あの日が決戦だったってことを、理解していませんでした。
あとになって気がついたにしても、これは痛い。大失敗。悔しい。
短期決戦を狙っておきながら、こんなことをしてしまうとは。
巻返せないよなぁ。終わりが見えてきちゃったなぁ。
最高の笑顔でハイチーズ。


020829(木)
 健康診断、受けてきました。
危なっかしい病院で。いい加減な先生に。
嫌いなんですよ、あたし、健康診断って。
どろどろの血を抜かれて調べられたり。
人がいる所で体重を計られて読まれたり。
知りたくもない視力を教えられたり。
一番、嫌なのが、若い看護婦さんがいないこと。
これだけで、やる気の10割近くを削がれます。
でも、受けないと怒られるので、仕方なく受けています。
今年は、異常なしで終わるといいな。

pal@pop / pal@pop
 今年、No.1かもしれないアルバム。
作り込んだ音、という感じの前半。
空想Xを挟んだ後半は、逆に単純な感じ。
どちらにも共通しているのは、澄んだ視点。
歌詞が恐ろしく純粋で、音がそれによく合っている。
聴いていると、なにか、一枚、はがされるような感覚がする。
ふわっと浮き上がるような感覚も素敵。
 さほど関係ないけれど、イノトモが参加していたのね。
声で気がつかなかった俺、ちょっと悲しい。悔しい。


020830(金)
 画集を買った。
シスタープリンセスのやつ。
出るって聞いた時から、欲しいとは思ってた。
だけど、買うつもりはまったくなかった。
だって、4500円もするんだもん。
でも、本屋に行ったら脅迫された。
限定発売、って書いてあるんだもん。
そら買うよ。仕方なく買うよ。そんな脅され方したら。
実は、靴も欲しかったの。オールスターの新色が。
それが4800円。なんか、間違った気がした。
だいたい、俺、シスプリと関係ないじゃん。
ゲームは買いもしなかったし。
グッズを集めるようなこともなかった。
アニメは見たけど、1話だけだし。
なのに買ってしまった、というか、買わされてしまった。
限定発売という脅し文句は、効果絶大。もうやめてくれ。
ついでに、最終兵器彼女の画集もどきも買ってしまった。
2冊で7724円。いきなり貧乏決定。

book / 吉田直樹
 吉田くんの3枚目。
1枚目と2枚目って、なにか、変化があったのね。
遠慮というか、大人しさから吹っ切れたような変化がね。
で、この3枚目。さほど、そういう変化を感じなかった。
それを期待していたらしいボクは、ちょっと物足りないかな。
2枚目の延長のような、普通によいアルバムでした。
2回くらい聴いて、貸し出し中。


020831(土)
[ライブ] 猫背兄弟?俺達のオーラが見えるか?? / SIBUYA BOXX
 BOXXってどこだろうと調べてみたら、AXの横にあった。
今年の7月にできたらしく、中は綺麗で、音もよかった。
 先に出てきた広沢タダシは、アコギを持って登場。
サポートメンバーは、アコギの人、ひとりだけ。
始まってみると、アコギ2本とは思えない音の膨らみ方。
声もよく伸び、今までで聴いた中では一番よかった。
前回も聴いたパーティの歌が、個人的には好き。
 そして、吉田直樹の登場。
こちらは、ドラムとベースがサポートで参加。
なにげにアコースティックライブだったらしい。
いつもより音が足りないのに、それを感じさせなかった。
アルバム発売直後ということで、そこの音源を中心に演奏。
積極的にメロディをアレンジしていて、聴いていて楽しかった。
「おっぱいが好きですね。最近は、巨乳じゃなくて、触った感触というか…クイックレスポンスなのが…」
 最後に登場したのは、猫背兄弟。
これは、広沢タダシと吉田直樹の即席ユニットだった。
猫背兄弟のテーマから始まり、お互いの歌を1曲づつ歌う。
案外とかみあっていて、ユニットとしてやっていっても悪くないような気がする。
猫背兄弟、最大の見せ場は、なんといっても、この日のために作ってきたらしい新曲。
「交差点のモニターで 俺のPV流れている 気がつけ気がつけ 準備はできている」
「ヘッドフォンから漏れている よく聴けばそれは俺の歌 気がつけ気がつけ…」
 微妙な立場にいる歌い手さんの悲哀を、過不足なしに歌い上げた名曲だった。
お客さんのノリというか、笑い声も多く、この場だけではもったいないと思った。
 斉藤一義の走れなまけものを挟み、最後は、先ほども歌った新曲。
しかも、サポートメンバー総出のバンド形式。無意味にカッコよすぎてしびれた。
年に数回でいいから、猫背兄弟のイベントは続けて欲しい。楽しい。

day and night,night and day / 高橋徹也
 4枚目のCDアルバム。2年ぶり、だったのかな。
以前に出したカセットテープの再収録版のような感じ。
彼を紹介するアルバムとしては、悪くないかもしれない。
ただ、追っかけの身としては、ちょっと物足りない内容。
変化が速い人だから、このアルバムでも、実は1世代ぐらい遅れている。
だから、もっと今の新曲を入れて欲しいな、と思った。
なんだかんだと、聴いてしまうんだけどね。



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