日記
2006. 8/31




060801(火)
 なんとなく、旅行の計画ができあがった。気がする。
きっちきちな時間割なのに、ゆるゆるな調べ方。大丈夫なのか?
どこかで、土日ダイヤにやられそうな気がするんだけどね。
九州脱出以降のことなんて、計画すらできてないし。
 まぁ、ダメならダメで、へこみつつ、野宿でもすりゃいいだけ。
幸い、九州は大都市が多いし、都市間移動も、それほど大変ではない。
と、本格的に緩んでいる自分に恐怖しつつ、明日の朝から、修行開始。
さてさて。

060802(水)
 というわけで、旅行初日。
今日の目的は、ムーンライト九州に乗ること。
つまり、夜までに大阪入りしないといけない。
逆算では、東京を昼過ぎに出発すれば間に合うけれど。
夜行に乗り継ぐために、ひたすら9時間も乗りつぶすのも嫌だった。
ので、早朝に出発することにした。といっても、0630出発だけど。
 池袋駅で、18きっぷと、必要な指定席券を買う。
なにげにここが勝負処で、指定席がなければ、いきなり行き詰まってしまう。
ひとりで勝手にどきどきしていたが、無事に発券された。あとは、大阪に行くだけ。
 池袋からは、湘南新宿ライン経由で、ひたすら東海道を西に下る。
昼間の西行きは初体験。どんなもんかと思っていたら、案外、これが楽ちんだった。
熱海から豊橋までは辛いものの、その先は、快速が頻繁にあるので、とても快適。
快適のあとに苦行があるよりも、苦行のあとに快適があった方が、気分的にいい。
 とはいえ、途中の主要駅で、みずほ銀行を探すのに苦労していた。
お財布の中にあるのは5000円。さすがにこれでは旅行はできない。足りない。
コンビニで下ろせばいいといわれればそれまでだけど、手数料は払いたくない。
そうなると、営業時間内に支店で下ろすしかない。が、これがなかなか見つからない。
 ようやく見つけたのは浜松。が、駅からそこそこ離れている。
重たい荷物を担いで、無理矢理に銀行に向かい、お金を下ろして駅に戻る。
すると、乗り継ぎ予定の電車の、発車ベルが鳴っている最中だった。
大慌てでエスカレーターを駆け上り、なんとか間に合った。危ない危ない。
 豊橋では、快速を一本ずらして、いなり寿司。
ホームのベンチで食べていると、いかにも旅行客っぽくて、じろじろ見られる。
こういうのが羞恥プレイっぽくて楽しい。でも、東京だと、できないんだよなぁ。
つか、いなりさん。甘くて美味しい。電車を遅らせる価値はあると思う。
 関が原の峠を越えると、後はもう、快適な新快速区間。
この電車に乗ると、関西に来たなぁ、と実感する。早いしね。
立ち寄る予定のなかった大阪で途中下車。1713着。池袋を出て、約10時間。かかったねぇ。
 金券ショップで、11300円で18きっぷを購入。東京だと11400円なのに。100円安い。
さらに、地下鉄でなんばまで行き、ドンキホーテで帽子を購入。497円。これも安い。
ついでにたこ焼き、と思っていたけれど、大行列ができていたので、素直にやめておいた。
 なんば詣も終え、今日の一応の目的地、明石に移動する。
勝手に15分ぐらいだと思っていたけれど、大阪と明石って、けっこう、遠いのね。
到着後、さっそく、明石焼のお店に行く。駅前にあった、まるまる、というお店。
小麦粉系はあまり好きでなかったけれど、大阪で開眼したボクとしては、期待十分。
だったけれど、正直、特になに、ってことはなかった。赤鬼のたこ焼きの方が美味しい。
 その後、たこフェリー乗り場から、明石大橋などを眺めていたけれど、それでも時間が余った。
せっかくなので、三ノ宮にも行ってみた。こちらは、とても賑やかな繁華街。
えらく露出した女の子も多くて、見ていて楽しい。雰囲気も楽しい。もうちょっと、歩きたかった。
ただ、駅前のダイエーが、食料品半額などをやってなくてがっかりした。朝食、どうしよ。
 気がつけば、今夜の寝床が到着したので、とっとと乗車。
最後に停まる岡山までは起きていた。が、乗車率は50%ぐらい。ひとり2席の割り当て。
ボクの隣もいなかったので、当然、2席を使って眠る。とはいっても、使い方が難しいけれど。
あれこれしているうちに、寝ちゃっていた。なんだかんだと疲れていたのだろう。

12510、池袋駅みどりの窓口。切符。
480、豊橋駅。いなり寿司。
11300、大阪金券ショップ。18きっぷ。
1000、大阪駅地下鉄。スルKAN。
497、なんばドンキホーテ。帽子。
550、明石まるまる。明石焼。

池袋 0730
(2110Y/快速)
平塚 0849
0854
(749M)
熱海 0942
*0958
(1427M)
静岡 1114
1126
(755M)
浜松 1237
*1251
(2219F/新快速)
豊橋 1324
*1337
(2319F/快速)
大垣 1459
*1506
(233F)
米原 1542
1551
(3487M/新快速)
大阪 1713
1945
(3515M/新快速)
明石 2022
2141
(3540M/新快速)
三ノ宮 2156
2229
(9231/ML九州/\500)
博多 0726


060803(木)
 厚狭到着の車内放送で起こしてくれるのが、ボクのムーンライト九州。眠い。
下関の停車時間を使って歯磨きをする。昨日、しなかったんだよね。ばっちい。
つか、家を出る前にシャワーしただけで、風呂も入ってないね。臭くはないけど。嗚呼。
 あっさりと九州に入り、ホームからの厳しい視線を浴びつつ、無事に博多に到着。
通勤客にしてみりゃ、なんだこいつら、って感じなんだろうな。よれよれだし。
 博多というか、福岡の地下鉄は初乗車。ホームにBGMが流れていて、ちょっと変な雰囲気。
寝ぼけていなければ、あれはロッキーのテーマだったような。空耳だったのかしらん。
 時間帯の割に混雑もなく、地下鉄の終点にして、JR筑肥線の起点でもある姪浜に。
ふと、メイドや妹の次は、姪が来るんじゃないかと、そんなことを思った。姪萌え。
乗り継ぎの時間があったので、駅横のコンビニでパンを買う。が、食べる雰囲気ではない。
地下鉄とJRは乗り入れしているので、地下鉄と同じホームから筑肥線に乗っていく。
 ちらりと海が見えたり、いかにも郊外っぽい九大学研都市を抜けて、筑前前原着。
古くからあるベッドタウンみたいな静かな駅。改札を抜けて、木陰のベンチでパンをかじる。
送迎の車が、けっこう頻繁にやってくる。時刻表でも、ここら辺までが博多圏っぽい。
ふと、近くにある商業地図を見ると、親和銀行の名前が。ここにも支店があるんだね。
 30分の接続で、唐津行に乗車する。これがまた、103系でびっくりした。
九州の電車って、古いやつでも派手にしちゃうというか。西日本のとは、ずいぶんと違うぞ。
途中、気がつくとオチていて、目が覚めたら唐津に着いちゃっていた。高架駅だった。
 なんだか、ものすごく桐生っぽい雰囲気。近代的なのに、静かな駅、というか。
ちょっとだけぶらりと歩いてみると、ふるさと会館なる、観光案内所っぽい建物があった。
入ってみて、初めて知った。陶器が展示してある。唐津って、陶器の町なのね。
そういえば、有田とか伊万里とかも近いし、そういう文化圏なのかも。
 唐津線は非電化らしく、ここからは気動車の旅。車体は、派手な黄色。九州だなぁ。
大きな川に沿って走ってみたり、国道に沿って走ってみたり、よくあるローカル線の景色。
途中下車した岩屋という駅も、国道沿いにあるけど、無機質な駅舎だけの、小さな駅だった。
ここからお目当ての温泉までは、地図上だと2Km。荷物もあるから、25分ぐらいかな?
そんな予想で国道を歩き出すと、これが怖い。道が狭いのに、交通量がそこそこにある。
古い建物が多いから改良もできないっぽいし、バイパスするほどでもないんだろうなぁ。
 そんな国道を逸れ、完全開通していないらしい自動車道のインターをくぐる。
そのまま小さな町に入り、坂を登ると寺が見える。温泉は、そのお寺の横にあった。
開くのは10時からで、3分ぐらい前に到着したらしい。手前のベンチにへろへろと腰を下ろす。
汗でびしょびしょだし、寝不足だし、ひもじいし。なにより、とにかく荷物が邪魔すぎる。
 最低限の着替えしか入っていない荷物なのに、こいつには、これ以降も悩まされた。
靴下を無くすために、ユニクロで買った390円サンダルも、ちょっと足に合っていない感じ。
Tシャツに短パンにサンダルに肩下げ式のかばん。貧乏旅行者を越えて、怪しい奴だよなぁ。
というか、根本的に背負い式でないとダメだと思うのよ。肩下げ式は、こういう旅には不向きでしょ。
 10時になったので、お開きと同時に入湯。お客さんは、他に、おっちゃんがひとり。
脱衣所も浴室も、広くない。5人6人いたら、ちょっと不快になりそうな、それぐらいの広さ。
ようやくありつけた温泉。まずは身体を洗うために、シャワーを浴びる。浴びて、あれれ?
いきなり身体がぬるつくんですけど。これってつまり、このお湯も温泉ってことかしら?
そそくさと身体を洗い、湯船に身体を沈めてみる。来ました。お肌がつるぬるであります。
お湯はそんなに熱くないし、九州一発目から、お肌がぬるぬるで、めちゃくちゃ幸せな気分。
20分以上かけて歩いてきた価値があるってもんだ。妙法寺温泉、いいお湯だと心底思った。
 列車の時間もあるので、微妙に物足りないぐらいで温泉を出る。
汗が引かない。それでなくても夏場。そのままシャツを着ないで、駅まで歩いて行く。
人様に晒せる裸体ではないんだけど、人通りも少ないし、ちんちんは隠しているから。許して。
帰り道というか、駅まで20分ちょっと。短縮できそうな道はあったけれど、冒険はしなかった。
 岩屋から乗った気動車は、高校生で埋まっていた。それでも、座ることはできた。
今、どこにおるさね。知らんさ。と、携帯電話で喧嘩する女子高生が、ちょっと怖かった。
どうも、誰かに駅まで迎えに来てもらう予定だったのに、話がずれていたみたい。
 あっさりと佐賀県の中心、佐賀まで来てしまった。
時間もなかったので、駅前の西友に、ちょこっとだけ立ち寄っただけ。
なんで西友といわれそうだけど、まぁ、立ち寄れるのがそれしかなった、ということで。
 佐賀からの長崎本線の電車も、乗り継いだ備前山口からの佐世保線の電車も、高校生でいっぱい。
どうも、進路指導のなにかがあったらしい。みんな、企業紹介の冊子などを手にしていた。
そういうことを考える年齢というには、ちょっと幼い気がした。今は、早め早めなのかな。
 高校生電車と別れを告げたのは、武雄温泉の駅にて。
高架工事の最中で、それを、新幹線のホームよ、とちびっ子に教えていた保母さんが素敵だ。
ここに限らず、JR九州は、あちこちで高架工事をやっていた。補助金もあるとはいえ、よく金があるね。
 建物は多いけれど、どこか地味な印象の町。だけど、武雄温泉の門は派手だった。
その門をくぐった先にあるのが共同湯で、一番、安いのを選択。ついでに、タオルを購入。
愛用のタオルを、ここに来る最中に落としたらしい。130円とはいえ、無駄な出費が悔しい。
結局、駅までの帰り道で無事に回収したとはいえ、それだけに。落し物には気をつけよう。
 木造の雰囲気のある脱衣所と浴室は、そこそこ広い。お湯は、無色。そして、熱い。
一応、ぬる湯とあつ湯に別れているけれど、ぬるいくせに熱い。熱くて熱くて死ぬほど熱い。
冬場ならともかく、このくそ暑い日には、ちょいと辛い熱さだった。というか、ボクにはダメだ。
 お湯を出て、脱衣所で身体を冷やしながら、足の裏にできた、水ぶくれをつぶす。
正確には、爪切りで皮を破いて水を出すんだけど、この時点でできているとは、ちと不安。
山陰旅行の時も、同じような状態にはなったけれど、旅行終盤だったような。大丈夫か?
そんな足を気にしつつ、駅までは15分。地図ほど近いとは思えなかった。
 武雄温泉駅を出発したのは、1504。ほどよい混雑具合の電車だった。
早岐までの道中は、山の中というか、峠越え。佐賀と長崎の県境、って雰囲気。
突然の、はちゃめちゃな豪雨まであって、長崎県は雨なのかと、それはもう、心配したさ。
幸い、山を下ると雨は止み、早岐乗り換えの佐世保に到着してみると、やっぱり晴れだった。
ここまで晴れてくれなくてもいいよ、って感じだけど、晴れてしまったものは仕方がない。
 佐世保での目的は、ふたつ。まず最初は、昼食の、佐世保バーガーを食べること。
つっても、もう16時。昼って時間でもないけれど、夜も遅くなる予定なので、ちょうどいいかも。
お目当ては、特に美味しいらしい、ヒカリ、というお店。ラーメン屋みたいに、売り切れがあるらしい。
時間的に、その可能性もあるかもねと思いつつ、当然のことながら、徒歩で向かう。
 いつものことながら、地図を持っていないし、記憶も曖昧。
ここら辺で曲がってみるかと、そんなノリで行ってみたら、それでも無事に到着。
売り切れもなく、ジャンボスペシャルバーガーだけを注文。これでお昼にありつける。
とはいえ、待ち時間が10分ほど。よっぽどこだわった作り方なんだろうなぁ、と思う。
 近くの木陰で取り出して、食べる。なるほど、大きい。でも、縦よりも、横に大きい。
味の方は、これがまた絶品。ベーコンの油と、中のソースがとにかく美味しい。
さすがは500円。70円ぐらいで客に出せちゃうバーガーとは、根本的に違うんだよなぁ。
船橋ららぽーとで食べたのもそうだけど、佐世保バーガーはうまい。あっぱれ。
ちなみに、ちょっと早足気味で、駅から海側経由で20分。でも、その価値はあるかと。
 帰りは、山側というか、商店街側を通って駅まで戻る。
ヒカリまでの道中にあった、米軍施設のようなものは、こちら側には見当たらない。
けれど、普通に黒人さんが群れて歩いているあたりに、なんとなく、佐世保を感じた。
 佐世保バーガーと、もうひとつのお目当てだったのが、親和銀行の本店。
本当は中に入りたかったけれど、時間が遅すぎた。当然のように閉まっていては、仕方がない。
米内光政という人の直筆の、親和銀行、という文字を見たかったのだけれども。残念。
というか、もうちょっと、海軍関係のあれこれを見ておくべきだったと、ちと思った。
軍艦らしいのも、ホームから見えた駆逐艦っぽいのだけだったし。
 1時間30分ほどで佐世保探索は終了。ここから南下して、今日の宿泊地、長崎へと移動。
佐世保と長崎は人の流動が多いのか、この間を、そこそこの本数の快速が走っている。
ボクが乗った快速も、発車間際ともなると、席が埋まり、立っている人も目立つほど。
そして、予想以上に乗りつぶす人が多くて、最後まで、混雑は解消されなかった。
車窓は、こじゃれたハウステンボスに、とても綺麗な大村湾が見られて素敵だった。
 長崎に到着すると、もう夜。なにせ1923。暗い暗いよ。
でも、陽が落ちているので涼しい。なにげに、夏は夜が観光しやすいと思ってもみた。
とりあえず市電に乗って、中華街へと行ってみた。高校時代の記憶が、少しだけ蘇る。
修学旅行の記憶がほとんどなくて、でも、長崎の中華街のことが、本当に微かにあって。
中華街の門を見た時に、あ、なんかこれ、見たことあるような気がする、って思った。
 ここに来たのは、当然ながら、長崎ちゃんぽん目当て。
が、本家らしいそのお店は、待ち人がけっこういる。待つのは嫌なので、あっさり回避。
ちょっとだけ中華街を流し、ちょっとだけ観光しちゃおうと、出島まで歩いていく。
なにやら、中に入るにはお金がいるらしいので、当然のように回避。ああ、貧しいなぁ。
近くの、長崎出島ワーフとやらに腰を下ろして、しばらく、夜景を眺めた。ひとりは寂しいなぁ。
 ひもじさで、夕食を思い出し、観光通という市電の駅まで、またもや徒歩移動。
ちょうどその近辺が、長崎の繁華街で、唐楽というお店も、繁華街の中にあった。
長崎ちゃんぽん屋だと思っていたので、中華料理店だと知って、えらく驚いた。
でもまぁ、最初に食べようとした店だって、中華街の中にあるんだから。ボケてたね。
 店員さんが、変に気を使ってくるのは、ちょっとアレだけど、まぁまぁ、美味しかった。
えらく野菜が入っていたのが、こういう旅行中なので嬉しい。十分にお腹いっぱいになれた。
食後は、その繁華街を、右に左にうろうろとする。賑やかな、夜の繁華街は大好き。
客引きもほとんどいなかったし、微妙な寂しさにひたれて、すごく気持ちよかった。
 さて、今日の宿。というか、今回の旅の宿は、基本的にマンガ喫茶。ネットカフェ。
貧乏旅行、ここに極まれり、といった感があるけれど、一泊2000円だもの。背に腹は変えられぬ。
最近は、椅子ではなくて、横になれるフラット席のある店も多いし、これもありかなぁ、と。
弱点としては、ナイトパックの開始まで待たないといけなかったり、満席の可能性があったり。
なにより、結局は雑魚寝みたいなものだから、うるさくて眠れないって場合もあるわけで。
 長崎の、夜のパートナーとして指名したのは、サイパック、というマンガ喫茶。
けっこう広くて、ビリヤードとかダーツとかもできるらしいけれど、ボクには関係なし。
入会金300円が必要だけど、9時間で1980円。納得できる金額なので、ここにすることにした。
選んだのは、当然ながらフラット席。思ったよりも静かだったので、快適に過ごせた。
欠点は、ウーロン茶のような、甘くない飲み物がないなかったこと。これにはがっかり。
というか、疲れていたら、横になれればどこでも眠れるもんだなぁ、と。つくづく思った。

290、博多駅地下鉄。
359、姪浜駅コンビニ。朝食。
350、岩屋妙法寺温泉。
430、武雄温泉。入浴と小タオル。
500、佐世保ヒカリ。ジャンボスペシャルバーガー。
100、長崎市電。
735、長崎唐楽。ちゃんぽん。

博多 0742
(福岡市営地下鉄/\290)
姪浜 0801
0811
(435C)
筑前前原 0827
*0853
(329C)
唐津 0934
1016
(5830D)
岩屋 1040
1200
(5832D)
佐賀 1242
1307
(2849M)
肥前山口 1321
1326
(935M)
武雄温泉 1342
1504
(2939M)
早岐 1539
1542
(3236D/快速シーサイドライナー)
佐世保 1555
*1731
(3239D/快速シーサイドライナー)
長崎 1923


060804(金)
 睡眠時間を確保できてよかった。今後もこうだと嬉しいけれど。
始発の市電は、夜遊びしていた大学生っぽいのが、わらわら乗ってきた。
今の大学生って、なにして遊ぶんだろ。若い世代との交流、ないしなぁ。
というか、長崎との交流もろくにないまま、長崎駅をあとにする。
記憶はないけれど、10年以上前に観光しているし、まぁ、いいかなぁ、と。
 鳥栖行の電車は、がらがらに近い状態。
諫早湾の絶景を眺めつつ、2時間ほどかけて、牛津の駅にやってきた。
緑のまぶしい田んぼのど真ん中にあるのが、小城市立牛津保健福祉センターアイル。
これが、けっこう立派で綺麗な建物。税金の無駄遣いって言われそうな雰囲気がする。
 ここの面白いところは、プールが併設されている、ということ。
というよりも、たぶん、温泉が併設されている、という方が正しいんだと思う。
受付を、地元の幼稚園のちびっ子たちが水着で通っていくし、夏休みの小学生も入っていく。
もしかして、水着がないとダメなのかと、かなり不安にさせられたが、とりあえず、入ってみる。
脱衣所もプールと併用。ちょっと青ざめつつも、でも、裸のおっちゃんがいたので安心した。
そのおっちゃんについていくと、そっちが温泉入口。もちろん、水着なしで大丈夫だった。
要するに、プールで泳いで、温泉で温まって帰ってくれ、ってことなんだろうな。
 浴室も、とても清潔。そしてお湯は、極上の、お肌すべすべ湯。
肌を撫でれば撫でるほどに、つるつるするような、そんな感じのお湯。しかも適温。
市営だし、プール併設だしと、期待していなかっただけに、いい意味で裏切られた。
2階に露天もあり、こちらからは、どこぞの山が見えた。ゆっくりするにはいい感じ。
市営の施設でも、こんなにすごい所があるんだなぁ、と、けっこう感動した。
 とんぼと遊びながら、15分ほどで駅に戻り、鳥栖まで移動。
サッカー場が目の前にあり、交通の要衝っぽい駅なのに、こじんまりとしていた。
ここで荷物をロッカーに放り込もうとしたら、300円の小ロッカーが空いていない。
仕方なく、400円のロッカーに入れておく。100円とはいえ、損した気分でがっかり。
 ここからは鹿児島本線。まずは快速で大牟田へ。
新幹線の工事なのか、ここからしばらく、工事中の高架線が見える。
いつ頃できるのかわからないけれど、けっこう、さくさくと作ってしまいそう。
 大牟田では。時間があったので、ちょっと歩いてみたけれど、小規模都市といった感じ。
特に見るもののないまま、普通に乗り込み、長洲へと到着。ちょうしゅう、ではなく、ながす。
 この長洲。本当に静かな駅で、駅前にもなにもなくて、大丈夫なのかと不安になる。
とにかく歩くしかないので、記憶の地図を頼りに、フェリー乗り場へと向かう。
なにが不安って、海が近い気がしないことと、フェリーが出ているような活気がないこと。
乗り場まで2Kmぐらいだろうと思っていたけれど、歩いてみると、これがけっこう、時間がかかる。
一応、20分で到着したけれど、感覚的には30分ぐらい歩いたような。距離、あったなぁ。
 これから乗るのは、有明フェリー。雲仙の多比良という所まで連れて行ってくれる。
出航まで時間に、そばを食べておく。この売店のお姉ちゃんが、めちゃくちゃかわいい。
たぶん、夏休みのバイトなんだろうけれど、一目惚れで、あっさり失恋しました。がっかり。
 フェリーは、お客さんも少なくて、とても快適な40分。雲仙らしいのが、よく見えた。
あっさりと多比良に到着。すると、やたらと国見高校の自己紹介が目立つ。
平山や徳永のでっかい写真が貼ってあったり、高校サッカーの記事が貼ってあったり。
今来たフェリーに乗ろうとしているのが、まさに、国見のサッカー部の子たちだったり。
なんだろうと思って、島原鉄道の多比良駅まで歩いてみると、国見高校はこっち、の看板が。
つか、こんな所に国見があったとは、まったく知りませんでした。かなり感動した。
行くほどの気力はなかったけれど、まさかこんな所で、国見さんと出会うなんてね。
というか、国見ユニフォームストラップなんかもあって、観光の素材なんだね。すげー。
 多比良駅は、木造の、それはもう、年季の入った駅舎だった。
無人駅かと思いきや、妙齢のお姉さんが、駅員さんとして詰めている。
口頭で行き先を伝えて切符を買うなんて、何年ぶりだろう。まだ、こういう駅があるんだね。
 いろいろと新鮮なことばかりで、めまいがしそうだったけれど、来た列車にもくらくらきた。
よれよれの気動車は、カーテン全閉状態。乗り心地はスパルタで、田舎の私鉄、って感じ。
4席使って、我が物顔で寝ている女の子なんかもいて、ワンダーランドに来た気分。
 10分ほどの乗車で、ワンダーランドともお別れ。
西郷は、国道からちょっと入った所にある駅で、普通は気がつかないだろうね。
そこから、てくてくとぼとぼと、15分ぐらい歩くと、みずほ温泉千年の湯に到着。
隣は野球のグランドで、どうも、スポーツ施設の一部っぽい。
野球少年がうじゃうじゃいたら嫌だなぁ、と懸念したけれど、それはなかった。
 お湯は、うす茶色っぽい感じで、しょっぱかった。でも、それだけ。
特になに、ってこともない。というか、アイルのあとだけに、どうしても厳しくなっちゃう。
 そりゃ真っ黒にもなるよ、という日差しの中を駅に戻り、またもや車上の人に。
今度、やってきたのはJRの黄色い車。乗り入れしてるのね。さっきの方が楽しかった。
多比良を通り過ぎ、やって来たのは電鉄湯江。まさに駅の目の前に、有玉温泉マルマサが。
車内放送でも、マルマサ前と言っていたけれど、本当の本当に、目の前、って立地。
 脱衣所は広いのに、浴室が狭い。というより、とても珍しい長方形の浴槽。
お湯は、ちょっと肌がつるつるな気がするけれど、実際にそうなのか、気のせいなのか、判断できない。
時間があったし、お客さんも自分だけだったので、さんざんっぱらお湯を楽しんだ。
 夕方の列車に多比良に戻り、島原鉄道ともお別れ。
この路線、ぼんやり乗るのにちょうどいいんじゃないかなぁ。そんな気がする。
そしてフェリーに乗り換えて長洲へと、来た道を戻る。道中、テレビでサッカーのニュースをやっていた。
日本代表の13人が決まったとのこと。顔ぶれを見て、へぇ、と、声を出してしまった。
でも、その直後に眠ってしまい、気がついた時には、長洲に到着していた。
 真っ暗になった道を、ひたすら駅へと歩く歩く。足が痛くて、辛いったらない。
タクシーにしておけば、と、かなり後悔したけれど、どうにかこうにか、なんとかなった。
ホームには、同じ船を下りて、タクシーに乗ったご婦人がいた。なんかちょっと、優越感。
 荒尾で乗り換え、鳥栖まで戻り、ロッカーの荷物を回収。
そのまままた、長洲方面の電車に乗り込む。今日の最終目的地は、久留米。
案外と地味な久留米に降り立ち、地図を頼りに、西鉄の花畑駅の方に向かう。
なにやらお祭りをやっていたようだけど、時間も時間。ちょうど終わっているっぽい。
そして、夕食にと考えていた久留米ラーメン屋さんも、ちょうど終わっていた。
というか、見つからない。地図が間違えていたのか、どこにも店がない。
もうひとつの候補が、花畑駅の近くにあり、そちらが空いていたので、そこでラーメン。
大龍という久留米ラーメンのお店で、チェーン店みたい。とにかくしょっぱかった。
 一駅歩いて、西鉄久留米へ。今夜の宿は、ここのマンガ喫茶。Planet。
12hで1800円というのは格安。入会金が300円とはいえ、12時間もいられるのは嬉しい。
でも、明日の日程を考えると、ゆっくりはできないんだよね。ちょっともったいない。
そして、フラット席にはPCがないのも痛い。いちいち、席を移動するのもめんどうだし。
まぁでも、静かだし、ほどほどに暗いし、寝やすいマンガ喫茶だった。

2280、長崎サイバック浜町。9h\1980+\300。
100、長崎市電。
370、長崎駅コンビニ。
500、牛津アイル。
400、鳥栖駅ロッカー。
350、長洲有明フェリー乗り場。わかめうどん。
430、有明フェリー。
270、島原鉄道多比良駅。西郷まで。
500、西郷みずほ温泉。
350、島原鉄道西郷駅。島鉄湯江まで。
300、有玉温泉。
150、島原鉄道島鉄湯江。多比良まで。
430、有明フェリー。
550、久留米大龍。ラーメン。

長崎 *0713
(2838M)
牛津 0926
1108
(2842M)
鳥栖 1149
1202
(4331M/快速)
大牟田 1233
1259
(5339M)
長洲 1310
*1410
(有明フェリー/\430)
多比良 1450
1529
(島原鉄道/\270)
西郷 1538
1634
(島原鉄道/\350)
島鉄湯江 1647
1821
(島原鉄道/\150)
多比良 1830
*1850
(有明フェリー/\430)
長洲 1930
2001
(5356M)
荒尾 2008
*2026
(2360M)
鳥栖 2122
2140
(4389M/準快速)
久留米 2145


060805(土)
 朝の西鉄久留米駅は、バスがうじゃうじゃ入ってきて、たいへんな大賑わい。
JR久留米まで、歩くのがかったるかったので、160円も支払って、バスで移動。
なんだけど、JR久留米駅行がありすぎて、どれがいいのかよくわからない。
時間があったから、来たのに乗ったけど、これ、他所モンにはきつい洗礼だなぁ。
つか、まぁ、どこに行っても、バスには悩まされるんだけどね。
 かったるいといえば、朝風呂も回避してしまった。
湯の坂という温泉が、西鉄久留米から10分ぐらいの所にあったみたいだけど。
温泉の旅の割りに、情熱を注いでない。よくない傾向だね。今さらだけど。
 というわけで、今日は久大本線の旅。
日田までは、山との距離が大糸線っぽい感じ車窓で、山を登っている感じ。
乗りつぶす人も多くて、ちょっと意外だった。もっとがらがらになると予想していたのに。
 日田では3分接続で、国鉄型の気動車に乗り換える。
山の中を突っ走っていき、定時に天ヶ瀬に到着。自分の他に、観光客が5人ほど下車した。
ここは、山と川の間にある、狭い土地にある温泉地。日本の正しい温泉地、って雰囲気。
なんともいえない寂れ方とか、新しいのか古いのか、よくわからない旅館やホテルとか。
 駅に併設されている観光案内所に荷物を放置して、とりあえず、神田湯に向かう。
コンクリで整備された河原をてくてく歩いていくと、10分ぐらいで神田湯に出会える。
これは、河原にある超開放的な露天風呂で、100円以上の寸志で入浴できる共同風呂。
露出好きなボクとしては、よくある河原の風呂だけど、先客がいたのには困った。
なんの取材かわからないけれど、女性がぱちぱちと、無人の湯船を撮影している。
すぐに終わりますから、と言われたけれど、急かすのも悪いので、ちと散歩する。
 神田湯以外にも共同風呂はあるけれど、たぶん、全部、同じような河原のお風呂。
駅前温泉には、ブルーシートが掛けられていたような気がするけれど、開放的すぎ。
本当に普通のお客さんには、かなりきついと思う。女子は、まず入れないだろうな。
 撮影も終わったようなので、早速、河原で全裸になる。衣服を置ける場所は、完備してあった。
お湯はぬるめで、微かに硫黄の匂いがするような気がする。色が、薄っすらついている気もする。
汚れているだけじゃないのか、って疑問もあったけれど、注がれていたし、大丈夫だと思う。
 この神田湯が面白いのは、河原の向かいが、ホテルや旅館の駐車場だってこと。
チェックアウトを済ませて帰る人たちを眺めつつ入るお湯は、なんとも変な気分だこと。
さらに、駐車場の横にも露天があって、そのお湯で車を洗う人もいて面白かった。
北海道かどこかで、温泉で車を洗える場所があったはずだけど、それっぽかった。
 川のせせらぎととんぼと、けたくそ暑い直射日光とお湯を存分に堪能して、出る。
このあとは、自遊人の無料パスで入れるホテルに行くつもりだったけれど、素直に回避。
つか、神田湯と同じなんだもん。多少の目隠しがあるだけで、お湯もいっしょだろうし。
 駅に戻り、ちょっと考える。このままだと、昼飯にありつけなさそう。
時間を調べてみれば、ちょうど日田行の列車がある。戻っても行程には問題なし。
そんなわけで、日田まで、ちょこっと戻ってみた。2両編成の気動車だった。
豊後中川の駅で、2両目から乗ろうとしていたおばあちゃんを、置き去りにする場面に遭遇。
地元の人っぽいのに、ワンマンの乗り方、知らないのかな。つか、運ちゃん、気がつけよ。
 けっこう発展していて、けっこう驚かされたのが、日田の駅。
駅前には、商業ビルがあり、食品どころか、100均まであって、ついついお買い物してしまう。
足の裏がひどい状況なので、バンドエイドを購入。そして、お昼におそばを食べておく。
 日田温泉なるものがあるらしいけれど、さすがに立ち寄る余裕はなかった。
天ヶ瀬で乗る予定だった列車に乗り、今日、一番、楽しみにしていた温泉を目指す。
その温泉の最寄り駅、豊後森で下車。ただ、最寄といっても、ここから2km以上ある。
どうしてこういう温泉を選ぶかなぁ、と、自分を責める。が、行ってみたいんだから、仕方ない。
 綺麗に整備された駅前通りを抜け、大きな長い橋を渡り向こう岸に。
突き当たった国道を左折して、ここからがわからない。いや、ホント、わかってない。
消防署が目印らしいけれど、細い道に入るらしく、うまく入れるのか、心配でたまらない。
というか、その消防署までがまた遠い。なにより暑い。もう、歩くの嫌になるくらい暑い。
消防署のけっこう手前のラーメン屋と車屋。その間に、ちょっと怪しげな道を発見。
小さくうねってアパートが見えてきたので、ああ、ここかと、正解を引けてほっと一息つけた。
北園温泉は、アパートの駐車場の一角にあるという、よくわけのわからない共同風呂。
小さい脱衣所と、小さい湯船だけの温泉で、浴室の大きな窓が全開で、向かいの道から丸見えだった。
半露天風呂みたいな状態で入ったお湯は、黄色っぽくて、ぬるくて、ちとつるつるした。
他にお客さんもいなかったので、というか、番頭さんもいなくて、完全に独占状態。
なんかもう、ぼーっとお湯につかれてしまう。しかしよく、こんな所を見つけるよなぁ。
 天ヶ瀬以上に堪能して、お湯というか、アパートを後にする。
玖珠観光という会社の路線バスの、長野、というバス停からなら、徒歩5分ぐらいかな。
ちょっと待って、バスに乗ろうかと思ったけれど、相変わらずのせこさを発揮して、徒歩で帰る。
炎天下の中、25分も歩くのは厳しいけれど、機関車の操車場跡がじっくり見られたのはよかった。
草生したターンテーブルに、扇型の機関庫。近づけたら、さぞかし楽しかっただろうに。
 豊後森から由布院までは、気がついたら眠っていた。
えらい山道を登っていたような記憶があるけれど、そうだったのかしらん。
由布院では、40分ほどの長時間停車。荷物を列車に置いたまま、さらりと観光。
改札が、えらく開放的でびっくり。駅前からして観光地で、またびっくり。
また来る予定なので、今日はさらりでよかったんだけど。こんな所だったとは。
 由布院からは、急坂を駆け下っているのがよくわかるほどの勾配だった。
これ、登るのも大変だなぁとも思った。由布院って、けっこう高い所にあるのね。
途中下車した小野屋も、そんな感じの土地だった。駅から、町までは急坂なんだもの。
転げ落ちていくと、見えてきたのが小野屋温泉、の看板。といっても、小さい看板。
誰もいないので、お金を置いていこうかと思っていたら、ちょうど、おばちゃん登場。
お金を払って浴室に行くと、なんというかこれがまた、昭和のヘルスセンターみたい。
岩作りの広い浴槽で、お湯は、打たせ湯のように空から落としていた。ああ、豪快。
客はボクしかいないのに、なんて贅沢なお湯の使い方。そそくさと服を脱ぐ。ちなみに、脱衣所併設。
 ここのお湯は、いわゆる黒湯。黒い黒い。そして、やっぱり熱い。泣くほど熱い。
ほんのちょっとつかるだけで、もう、身体が火照る火照る。冬でないと、きつくないかい?
一応、どんな状況であろうとも、湯船には浸かるんだけど、15秒ぐらいが限界だった。
入って、すぐに飛び出して、ひーひー言う。冷ましては、また入ってひーひー。
お肌がつるつるだね、なんて言ってられない。温泉は好きだけど、熱いのダメって、致命傷だよなぁ。
 この後に入った、篠原温泉もまた、どうにもこうにも熱いお湯。
こちらは、小さい脱衣所と、小さい湯船だけの、本格的に、地元の人ばかりの温泉だった。
薄い黄色っぽいお湯は、口から火をはきそうなくらいに熱い。まともに入れない。
普段から来ていそうなおっちゃんでさえ、こりゃ熱いな、ってこぼすぐらいだし。
つか、身体だけ洗って出ていく人も多かった。一応、入ったけれど。きつかったねぇ。
 小野屋温泉は、駅から7分。帰り道は急な登り坂なので、覚悟が必要。
篠原温泉は、鬼瀬の駅から5分。橋を渡るとすぐに看板があるので、迷わないと思う。
 本日の温泉巡りを終えて、無事に大分に到着。
駅前の大通りで、ちょうど、七夕祭りの真っ最中。
日田の方では花火大会もあったようで、とにかく賑やかで、浴衣ばかりで嬉しい限り。
夕食をどうするかを考えつつ、ぶらぶらと大分の町を、見学がてら、探索してみた。
商店街と繁華街がはっきりと分離していて、でも、どこもかしこも、人だらけ。
あれっと思うと、みこしが飛んできたり、ヤンキーがたむろってたり、祭りな雰囲気。
一番の見せ場は、山車の展覧会。人形が飾ってあったり、ちびっこが太鼓を叩いたり、とても華やか。
子供の頃は、こういうのを楽しめなかったのに、ずいぶんと、自分も変わったなぁ、と思う。
さんざんと探索して、結局、駅前のラーメン屋ってのは、自分は変わってないなぁ、とも思った。
 寝床候補のマンガ喫茶は、駅前のポパイ。というか、めぼしいお店がこれしかない。
念のために調べておいた、高城のマンガ喫茶にも行ったけれど、なんか、雰囲気がぎすぎす。
結局、大分駅前のを利用したけれど、とにかく高い。値段が高い。6hで2080円って、なんじゃい。
しかもこれで、狭い個室のリクライニングシートだもの。まぁでも、自分で選んだわけだし。
不満に思いつつも、結局、普通に寝てしまっている自分がいるわけで。
でもなんか、安いマンガ喫茶の出店が欲しいなぁ。

2100、西鉄久留米Planet。12h\1800+\300。
160、西鉄久留米バス。JR久留米まで。
443、久留米駅コンビニ。
100、天ヶ瀬神田湯。
315、日田サンリブダイソー。バンドエイドなど。
350、日田サンリブ天領。ざるそば。
200、豊後森北園温泉。
150、小野屋温泉。
100、鬼瀬篠原温泉。
850、大分福屋。みそ野菜。

久留米 0743
(1829D)
日田 0847
*0850
(1831D)
天ヶ瀬 0906
1117
(8854D)
日田 1132
1225
(1841D)
豊後森 1300
1447
(1847D)
小野屋 1629
1718
(4863D)
大分 1748
*1758
(4862D)
鬼瀬 1825
1905
(4865D)
大分 1929
*2153
(1647M)
高城 2200
2248
(1642M)
大分 2255


060806(日)
 昨日は、九州を左から右に横断した。
今日は、右から左に横断する旅。使う路線は、肥後本線。
なんともない単語なんだけど、肥後ってなんか、卑猥な印象を受けるのよね。
 豊後竹田行の気動車は、どういうわけか、日曜日なのに、高校生が乗ってる。
というか、九州に来てからこの方、高校生を見なかった日はない。不思議だ。
小学生の頃に、南国は夏休みが長い、と教えられていたけれど、ありゃ嘘か?
つかまぁ、ただの部活なんだろうけれど。日曜日までとは、ご苦労様であります。
 昨日の久大本線と同じように、今日もやっぱり、山登りな路線。
見える景色は、やっぱり、山であり、川であり、そして気がつきゃ、眠っているわけで。
1時間ちょっとの乗車時間も、あっという間に終わっているのが、最近の法則。疲れてるよね。
 豊後竹田からは、この旅では珍しい、路線バスを使っての温泉巡り。
ところが、公式サイトなどを見ても、駅からの時刻表がきちんと載ってない。
要するに、鉄道とバスで来るやつなんざ、いないんだぜ、ってことなんだろうね。
一応、駅前に停留所はあるし、きちんと来るのだろうけれど、なんともいえない不安感。
しかも、ここで大失態。バスを見逃してしまい、1時間ほど待ちぼうけを喰らってしまった。
目指す長湯温泉まで、2系統あって、近道経路のバスが日曜日に運休だとは思いもせず。
やって来ていた遠回り経路のバスを逃してしまった。でもね、300円ぐらい違うのよ。これが。
幸いなことに、遠回り経路のバスは、1時間に1本ぐらいあったので、事なきは得たけれど。
もうちょっと、ちゃんと調べないとダメだね。めちゃくちゃ、反省。
 予定より、1時間遅れとなってしまったが、とりあえず、バスには乗車。
ところがこれが、めちゃくちゃな道を走るから、楽しくて怖くて仕方がない。
基本的には、整備された国道を走るものの、集落地帯は、未改良の1車線道路ばかり。
そこを、大型路線バスなのに、当たり前の顔をして、平然と走っていくから恐ろしい。
そういう区画が3ヶ所から4ヶ所。交通量が少ないとはいえ、よくできるなぁ、と思った。
 目指しているのは長湯温泉だけれども、最初に行ったのは、ながの湯、という温泉。
運ちゃんに地図を見せて、途中の、桑畑というバス停で下ろしてもらい、そこからは徒歩。
このバス停の目の前に、きもと温泉という共同浴場があるのを発見。つか、誰でもわかるけど。
ちょっとよれた感じの建物がふたつ並んでいて、どちらにも、男湯女湯の入口が。
なんにしても、これはリストに入っていなかったので、外から見るだけにしておいた。
 ながの湯までは、桑畑から25分。一時期、本気であるのかと、心配したほどに遠かった。
家族風呂もあるらしく、そちらは盛況だったけれど、内湯の方は、ボクひとりだけ。独占使用。
ながの湯というか、長湯温泉といえば、日本一の炭酸泉。そりゃもう、じゅわじゅわだろうと思っていた。
特に、このながの湯は評判がいいので、泡まみれだろうなぁ、ぐらいに思っていた。けれど。
なんか、つかない。泡がついてくれない。泡まみれになってくれない。ボクのせい? お湯のせい?
飲んでみると、金属の酸っぱい味がしたあとに、炭酸の味がするんだけど。身体にはつかない。
ちなみに、この後に入った、かじか庵のお湯も同じで、泡は付いてくれなかった。がっかり。
 ながの湯から、桑畑のバス停に戻り、そのまま、長湯温泉の中心部まで歩いて行く。
その途中、というか、バス停から3分もいかないところで、湧き水を汲める所があった。
ありがたく頂戴しておく。ここ、足もつけられるんだけど、これが冷たくて気持ちいい。
ここからしばらく川沿いを歩くことになるけれど、よほど、泳ごうかと思った。
 水汲みも含めて、桑畑から30分ほどで、長湯温泉の中心部へと到着。
どこが中心、という疑問もあるけれど、とりあえず、ラムネ温泉へとやって来た。
ながの湯のあとだったし、こじゃれた施設だしで、ほとんど期待はしていなかった。
狭い脱衣所に、狭い入口。入ると沸かし湯があって、これはもちろん、泡、つかない。
が、露天に出てみてびっくり。人人人。人だらけ。そんなにいいのかと、すき間を見つけて、こじ開けて進入。
すると、このお湯がぬるい。というか、冷たいぐらい。どうも、31度のこれが源泉らしい。
他のお湯と違って、薄っすらと白く、ほとんど透明。そして、期待していた泡泡なお風呂。
身体にいっぱいっぱい、泡泡がついてくる。腕を上げると、しゅわわわわ、と、はじけて気持ちいい。
温度もあるし、泡泡だし、そりゃ、みんな、ここに入るし出ないわな。めちゃくちゃ納得した。
冬場はさぞかし地獄だろうけれど、今の時期は、水浴びみたいなもの。こりゃ、最高だわ。
すべてがすべてそうではないだろうけれど、長湯に来たら、ラムネ温泉は押さえるべきだと思う。
少なくとも、ここに来てしまえば、きちんと、泡泡を楽しめるってことだし。
 散々っぱら、まさに長湯をして、次の目的地、ガニ湯を探す。
河原にある無料露天とのこと。まさに、ボクのためにあるような温泉じゃあないですか。
ラムネ湯からちょっと歩いて、それは、すぐに見つかった。見つかったけれど、入れなかった。
なんか湯船が汚いし、なにより、ガニ湯の河原まで下りていく階段が見当たらない。
降りられそうなロープはくっついていたけれど、命を預けていいものかどうか。結局、やめた。
もっとなんか、下呂とか三朝とかみたいに、さっくり入れるようにしておいてくれればいいのに。
 ながの湯の時に書いたかじか庵は、この後に入湯。
先客のおっちゃんが、泡泡しないねぇ、とボクと同じことを言うので、ラムネ温泉を教えてあげた。
ありがとうと言い残して、とっとと上がっていったのが印象的だった。でも、そうだよね。
ちなみに、かじか庵。味の不味さは、どこよりも勝っていた。独特の不味さだった。
 また水を汲みたい、という野望もあり、桑畑まで徒歩移動。
冷たい水で足を冷やし、冷たい水で腹を冷やし、さんざん水遊びをして、バスに乗る。
今度のバスは、マイクロバスだったので、それほど楽しくはなかった。大型でこそ、の路線だと思う。
 豊後竹田からの気動車は、案の定、爆発的に睡眠してしまい、車窓は不明。
今回の旅は、ホント、よく寝るなぁ、と自分でも感心してしまうほどに、車内で寝てる。
どう考えても、マンガ喫茶じゃあ足りないんだろうな。湾岸ミッドナイトを1巻から読んでるし。
 終点の宮地で目覚め、乗り換えかぁ、と、隣のホームを見ると、黒い車両が止まっている。
釣り広告で見かけた、観光列車だということは、すぐにわかった。出発準備中だということも。
たまたま近くにいた車掌さんに聞くと、全席指定とのこと。発車時間まで、まだあるということも。
そこで、宮地駅の改札で、指定席を発券してもらう。あっさりと確保できて、ちと驚いた。
 前は、ここから熊本まで、蒸気機関車を走らせていたらしいけれど、それが引退。
その代役として、この気動車を使うことになったらしい。けど、SLと気動車じゃねぇ。
典型的な4人席は、家族対象という意味では仕方ないけれど、ひとり旅には不向きだわ。
やっぱりひとり旅らしいお姉ちゃんは、空席だった、隣のブロックに移動してしまった。
声をかけるべきだったのか。今ごろになって、無性に後悔。ボクのバカ、バカバカバカ。乳、でかかったのに。
 がつんと乗車があったのは、阿蘇の駅。どうも、阿蘇山観光と連動させているらしい。
お帰りなさい、阿蘇はいかがでしたか、の車内アナウンスもあった。はぶっぽいなぁ。
ちなみに、阿蘇駅の真横にも温泉はあったけれど、指定を確保しちゃったこともあり、あっさりと通過。
けっこうでかい阿蘇山を横目に、列車は、がつがつと山を下っていく。由布院と同じように、はっきりと下っていく。
ずいぶんと、無理して鉄道を通したんじゃないかなぁ、と、そんなことを連想させてくれる。
雄大な山の景色を散々と楽しませてくれ、市街地に入ると、ホームの客の目を楽しませてくれる。
まだ、走り出して日が浅いせいか、沿線の人も、なんだあれって感じで見ていく。
それがちょっとだけ、意味のない優越感を与えてくれた。
 乳でか姉さんは、水前寺で下車。こんな所で降りるんだと、ちと驚いた。
机をいっぱいに使って、旅行計画を練っていたし、3日間1万円でバス乗り放題のちらしも見ていたし。
たぶん、バスに乗り換えたんだろうけど。つか、どんな計画を建てたのか、気になるね。
ボクみたいに、修行の旅でないことは、確かだろうし。女子の計画、気になるなぁ。
そして、ボクは、終点の熊本で下車。なんだかしらないけれど、えらく疲れていた。
 ちょっと早い、夜の食事は、当然のことながら、熊本ラーメンのお店へ。
黒亭という、地元では有名らしいお店に入る。建て替えた直後らしく、えらく綺麗なお店だった。
当然のように大盛りを頼んだけれど、普通盛りの270円増し。正直、無茶苦茶だと思う。
味の方は、昔、カップラーメンで食べたことのある味。つか、普通に東京で食べられる味だった。
値段といい、味といい、接客といい、いいところがひとつもなかった。すんなり失望。
 やっちまったことは忘れて、繁華街の方へと向かってみる。
熊本の中心部は、熊本城の周辺で、つまりは、未だに城下町が発展しているということ。
大きなアーケードに歓楽街。若い子たちの集まりそうな服屋さん。まさに、一大都市の様相だった。
熊本城の中心までは行かなかったけれど、城壁を見ただけで、その高さに圧倒させられた。
近くにベンチがあったので、しばらく、眺めていた。これを攻めるの、大変だよなぁ。
根本的に、重機もない頃にこれを作るのが、どれだけ大変か。想像もつかない。
重機があっても、めちゃくちゃに苦労するだろうしね。さすがに要塞だけのことはある。
 今夜の寝床は、ちょっと変化球で、リラクぜーションスペースも考えた。
要は個室ビデオなんだけど、完全個室で眠れるというのは、なかなか捨て難い。
ただ、こちらは3000円。考えていたマンガ喫茶は1880円。やっぱり、安いのにしよう。
 結局は、昨日と同じ系列店、ポパイ。つか、店舗によって、値段、違いすぎ。
こちらはフラットシート。やっぱり、横になれるのは大きい。身体が楽だもの。
ただ、このお店は、2階建てなので、マンガを盗りに行くのが、ちとめんどくさい。
まぁ、安いので文句はいえない。つか、そんなに必死にマンガを読まなくていいから。
とっとと寝ろ。

2500、大分ポパイ。6h\2080+1h\520-100円割引券。
430、大分コンビニ。
300、豊後竹田駅ロッカー。
800、豊後竹田バス。桑畑まで。
100、長湯温泉ながの湯。コーラ。
200、長湯ながの湯。
500、長湯温泉ラムネ温泉。
300、長湯温泉かじか庵。
800、桑畑バス。
500、宮地駅指定席。
830、熊本黒亭。ラーメン。

大分 *0645
(4420D)
豊後竹田 0758
0920?
(竹田交通バス/\800)
桑畑 1000?
1339?
(竹田交通バス/\800)
豊後竹田 1425?
*1434
(2424D)
宮地 1528
*1537
(8412D/観光列車あそ1962/\500)
熊本 1721


060807(月)
 マンガ喫茶を0600に出発。0613の市電で、熊本駅へと向かう。
信号につかまりまくりで、これで定時運行なぞできるのかいな、と不思議に思う。
とりあえず、乗るべき列車には、余裕を持って間に合ったので、文句はないんだけど。
 がらがらの電車で八代まで出て、肥薩線にお乗り換え。
今来た、熊本方面の電車は、それなりに人が乗っていく。肥薩線の1両編成にも、そこそこ人が乗っていた。
八代を出ると、これがいきなりの絶景で、山間というか谷間を、球磨川といっしょに走っていく。
けっこう広い川で、カヌーで舟遊びする人なんかも見えた。涼しそうで羨ましい。
同じように九州を横断する久大本線や豊肥本線とは違って、山を登っていく、という感じはしない。
 終点の人吉は、駅の雰囲気からして、ローカル線としては、そこそこの規模の駅。
さっそく、みどりの窓口で自転車を借りようとすると、予約でいっぱいだねぇ、とのこと。
でも、大丈夫だろうから、と、なんとも適当な雰囲気で貸し出し切符を発券してくれた。
貸し出し所のおじちゃんは、案の定、困った顔をしたものの、特に問題なく自転車を貸してくれた。
JR九州らしく、真っ赤な自転車。しかも、電動アシスト付きという、なんとも豪華な自転車だった。
ちょっと、後輪の空気が不足していたけれど、アシスト機能のおかげで、実に快適に移動できた。
そういえば、真っ赤な自転車って、なんか、歌があったよね。ふたり乗りだったような気が。
 最初に向かったのは、公共交通機関のみでは、かなり厳しい温泉。華まき温泉。
先駆者が、レンタサイクルで行った、という記述をしていなければ、行かなかったと思う。
途中までは国道を、西人吉駅からは、なんだかよくわからない、狭い狭い道を突き進む。
というか、車や自転車でも、しっかりとした地図なりナビなりないと、ここは、普通に迷う気がする。
ボクの手元にあったのは、縮図の大きな地図。当然のように、半分、迷いかけつつも、なんとか到達。
それでも20分程度。それほど厳しい坂もないし、景色もいいし、サイクリングとしても楽しかった。
 華まき温泉は、公民館風の建物で、自転車は、じゃまにならなそうな木陰に停めておいた。
ここのお湯は、ぱっと見は透明だけど、よく見ると、小さい泡で満たされている。
それが身体にひっついて、ものすごく気持ちいい。これぞ泡風呂ですよ。炭酸ですよ。
少しぬるめで、お客さんはボクひとりで、さんざんっぱら、炭酸を味わうことができた。
にしても、混雑予想していた温泉ほど、ボクひとりってことが多いんだけど。予想、下手だな。
 1時間ほど独占し、今度は、たから湯に向かう。
これまた迷ったのはないしょ。目の前を2度ほど、通り過ぎたのもないしょ。
つか、わかんないって。翠嵐楼という旅館の真横だとは、これっぽっちも気がつかなかった。
なんか立派なお家ですねぇ、ぐらいの感覚で、言われてみて、初めて、旅館なんだ、ってわかった。
 そういう旅館だから、自転車をどこに停めるか悩んだけれど、駐車場の隅っこに。ちょこんと。
赤い自転車だから、なんというか、目立つんだよなぁ。雰囲気にそぐわなくて申し訳ない。いや、ホント。
お片づけの時間で、なかなか人が出てこない。厨房の方へずかずかと入り込み、お金を渡して、浴室へ。
 どこかのサイトで、女子が好きそう、みたいなことを書いてあったけれど、ああ、なるほど。
長方形の浴室で、中地下1階が脱衣所で、地下1階に浴槽があって、すべてが木造。歴史、ありそう。
浴室の床までもが板張り。とにかく、雰囲気はある。こういうの、好きな人、多いだろうなぁ。
 お湯は透明で、46度の源泉を、どうもそのまま流し込んでいるっぽい。なので、熱い。
熱くて熱くて、半分、死にかけながら、10秒ぐらいつかる。あとはもう、縁でのぼせているのが精一杯。
お湯なんだから、熱くて当然なんだけど。ああ、華まき温泉が懐かしい。ぬるい方が幸せだよなぁ。
たから湯で、一番、よかったのは、リンスがあったこと。さすがに高い旅館は違うなぁ、と思った。
 このあと、たから湯の近くにあるしらさぎ荘と、市街地にある元湯を予定していたけれど、すっぱりと切る。
どこに行っても熱そうだし、それでなくても炎天下で灼熱地獄。さすがに死ぬだろ、このままだと。
 お湯巡りは中止したものの、列車の時間まではあったので、軽く人吉観光をする。
青井阿蘇神社から、人吉城跡を流し、元湯を確認して、蔵の町っぽいのを眺めたり、あちこちうろうろ。
自転車だと、移動がとにかく楽なので、観光し放題。といっても、基本的に、外から眺めるだけだけど。
 1240ごろに自転車を返却し、峠越えの列車を駅で待つことにした。
ベンチに座っていると、いかにも地元で、かつ親に内緒で出かけます風の小学生ふたりに尋ねられた。
ヤタケに行くのは、こっちのホームでいいんですか、って。当然ながら、わからないので、そう返事した。
他の人にも質問したらしく、結局は、このホームから出る列車でいいらしい。ひと夏の冒険だねぇ。
でも、うっかり乗り間違えようものなら、列車の本数が極端に少ないから、大惨事になりかねないよなぁ。
 人吉が終点の九州横断特急が到着すると、そのお客さんたちが、こちらのホームに大挙してやって来る。
ほんのちょっとだけ遅れて、ボクや彼らの乗る、いさぶろう3号が入線してきて、ホームは大混乱。
降りる人、無理に乗ろうとする人、駅弁を買おうとする人、写真を撮る人、撮られる人。ああ、観光。
 いさぶろうは、2両編成の観光列車で、ほとんどが指定席。自由席は、10席もないらしい。
ボクは、幸いに指定席を確保できたけれども、取れなかった人、取らなかった人もいる。
車両の中心部には、カウンター型の立席部分があって、そこにたむろしている人が、けっこういた。
というか、地元のおばあちゃんなんかが、普通の列車として使う事情もあって、敬老席があるのが面白い。
人吉と吉松を往復する列車が少ない上に、使いやすい時間帯に走っているのが、この観光列車。そういう設備も必要なのだろう。
 結論が先になるけれど、いさぶろうに乗ってみて、これは本当に観光列車だなぁ、と思った。
途中駅で必ず5分程度停車して、それぞれに見所があるし、車窓での見所でも、しかも坂の途中でも、停まってくれる。
駅の停車中は、運転席に座っての記念撮影などもできるようで、今時、そんな光景を見られるとは驚いた。
運転席といえば、トンネルの石額を見たい方は運転席へどうぞ、なんてマニア向けの車内放送もあった。
 最初の停車駅、大畑は、峠越えのために標高を稼ぐ駅で、スイッチバックとループ線で有名らしい。
当然、ループ線の途中で停車して、今停車してきたばかりの、大畑の駅を見下ろさせてもくれる。
ここがまた、どうにもならないほどの急勾配で、坂道発進よろしく、少し後退するのが面白い。
というか、この大畑からが、まさに峠道。よくこんな所に鉄道を通す気になったなぁ、と思わせる急さ。
気動車がうなるうなる。蒸気機関車の頃に、ここを登るのは、さぞかし難儀しただろう。
 冒険小学生たちが降りていったのが、矢岳の駅。地元のおばあちゃんに、道を聞いていたから、大丈夫だろう。
つか、夏の冒険にはふさわしい、山中の農村にある駅で、撮る人が撮れば、いい写真ができそうに見えた。
ここにはSLが保管してあり、それを観に行くこともできる。SLと運転手さんといっしょに、写真を撮る人も多かった。
 ここから、真幸までの道中に、日本三大車窓のうちのひとつがあって、当然、しっかりと停車。
みなさまカメラをご用意下さい、という放送には、ちと笑った。もちろん、ボクも撮ったけど。携帯で。
桜島が見えるのは、とても珍しいらしく、そのことを、やたらと強調していたのも面白かった。
個人的には、姨捨の夜景の方が好き。もちろん、景色としては素敵だったけれども。
 最後は真幸。ここもスイッチバックの駅。つくづく、勾配に次ぐ勾配だったんだなぁ、と思わせる。
ここのホームには、つくと幸せになる鐘が設置されていて、みんなでかこんかこん打っていた。
駅舎では、地元の人たちが、農作物を販売中だったし、車内では、運転手さんが整理券を抜きまくり。
抜きまくった整理券は、このあと、添乗員さんがお客さんに配っていた。縁起物みたいなものか。
 観光列車の旅は、1時間20分ほど。でも、もっと短かったように感じた。
阿蘇の方は、まだまだ試行錯誤だけど、こっちは時間や設備が恵まれていて、本当に観光列車だった。堪能した。
ここでお客さんが分散。4分後の鈍行に乗ったのは、1割ぐらい。ほとんどのお客さんが、30分後の特急に乗るらしい。
ボクは、1割以下にも満たない、途中下車をした人で、駅前にある吉松駅前温泉に立ち寄った。
 駅舎を出て、右斜め前にある、綺麗な建物が温泉施設。
脱衣所も広くて綺麗。浴室も、そこそこ広くて綺麗。そして、お客さんがいなかったのが素敵。
列車まで1時間ほどあるので、誰もいないのをいいことに、浴室でごろごろ寝転がっていた。
お湯に特徴はないけれど、ここは、なんとなく好き。施設の人が、親切なのもよかった。
 ここからは、ごくごく普通の、国鉄型の気動車で隼人まで移動。
目が覚めれば日当山。正直、降りるのが面倒だったけれども、つい、ふらりと途中下車。
住宅街と畑の中にある駅で、細い道が多くて、国道まで出るのに、ちょっとだけ苦労した。
さらに、お目当ての西郷どん温泉が、どこにあるのかはっきりしない。わからない。
華まき温泉の時もそうだけど、その土地にあった縮尺の地図を持ち歩かないとダメだと反省する。
 それでも、どうにかこうにか、西郷どん温泉に到着。徒歩で10分。用水路のような川沿いに歩けば、わかりやすいかも。
冗談っぽい名前の建物は、くたびれた共同浴場。番頭さんがいないので、回収箱にお金を入れておく。
入っているのは回数券ばかりで、現金はボクだけっぽい。つまりは、地元の人ばかり、ということ。
先客のおっちゃんは、4人ほど。これがまた、言葉がわからない。なかなか難しいよね、言葉って。
 浴槽がふたつあって、ひとつがぬるめ。もうひとつが、あつめ。そして当然、両方、熱い。
ただ、あつめのお湯は透明で、ぬるめのお湯が、ちょいと黄色っぽい。なんだろ。同じお湯なのに。
一瞬、垢かとも思ったけれど、けっこうお湯を入れているから、それはない気がするんだけど。
どちらにしても、どちらもボクには熱すぎて、まともには入れませんでした。つか、本気で熱かった。
 地元のおっちゃんたちの話だと、ここら辺は、ちょっと掘ると、すぐに温泉に当たってしまうらしい。
井戸を掘るのも大変なんだということを教えてくれた。そうは思えない土地なんだけどね。見た目によらないなぁ。
 日当山から隼人に出て、ここからは日豊本線の電車に乗車。行き先は、鹿児島中央行。
そこそこに混雑していたので、西日本と九州ではおなじみの、補助席に座る。
今回の旅では、この補助席に、かなりお世話になっていて、なんかもう、お気に入りに近い。
明らかに、乗降の邪魔なんだけど、九州さんが座ってよいとおっしゃっているのだから、いいのだろう。
 どこの駅付近からかは忘れたけれど、車窓に海が見え、そして、桜島らしきものが見えてきた。
こうして見ると、でかい。ある意味、富士山よりもでかい。海との対比が、また綺麗でしょうがない。
お客さんは地元の人ばかりなので、まったく驚く様子はないけれど、ボクはひとりで感動してしまった。
つか、この時に、無理をしてでも携帯写真を撮っておくべきだと後悔した。こうも綺麗に見える日は、少ないんじゃないかしら。
 桜島の感動を残しつつ、鹿児島中央の駅に到着。はるばる遠くに来たものだ。
が、まだ降りない。もう夕方だし、鹿児島ラーメンを頂戴しないと、空腹で死んでしまいそうだった。
行きたい店は、最寄り駅が鹿児島中央ではないので、そのまま、指宿枕崎線へと乗り継いだ。
通勤通学の人たちで、ちょうどラッシュの真っ最中。観光客が乗るのは、ふさわしくない雰囲気。
6分ほどで到着した、南鹿児島の駅で下車。ここから10分もかからないはずだよね、と、歩き出す。
歩道橋の上から、桜島が見える。こんな所からでも見えるんだね、と、ちょっと感動。
鹿児島と桜島は、切っても切れない関係なんだろうな。携帯写真を撮ってみたが、さすがに小さい。
 そんな、余計なことをしつつ、ラーメン屋を目指すが、ちょっとおかしいことに気がつく。
なんか、頭の中の地図と違うじゃないのよ。と、打ち出してきた地図を取り出して、嘆き悲しんだ。
南鹿児島じゃないじゃないのよ。ここは、万が一の時の、マンガ喫茶のある場所じゃないのよ。
荷物の重さと、足の痛さに、それでなくても歩きたくないのに、なにやってんだと、自分を責める。
うだうだしていても仕方がないので、駅まで戻り、やっぱりラッシュな列車に乗り、谷山まで移動する。
 さすがにここでは迷わないと、国道を鼻歌半分で歩き出す。
外はだんだんと暗くなり、でも、暑さは相変わらずで、汗はどんどん吹き出てくる。
しかも、地図の場所にないというか、明らかに、行き過ぎているんですけど。おいおいおい。
慌てて戻り、印をつけた周辺を探し回り、ようやくと、目的の店が見つかった。よかった。
 お目当ての店は、海乃屋というラーメン屋で、長淵剛が、昔、ここでよく食べていたらしい。
だからというわけではないだろうけれど、店内には、そういう写真が、けっこう貼ってあった。
店は広くて、先客はひとりだけ。そして、店員さんは、おじいちゃんひとりだけ。なんか、雰囲気が怖い。
大盛りを頼み、作り方を見ていたけれど、神保町のさぶちゃんを思い出す。ここで怖くなくなった。
とんこつかと思っていたら、スープは透明。味は、ちょっと甘めのさっぱり風味。こりゃ、美味しい。
半分ミーハーで来てみたけれど、かなり当たりだった。迷走しただけの価値はあった。
 鹿児島駅までの帰り道は、市電に乗ってみた。ちょうど、谷山が始発駅。
暗くなっていたので、景色はあまり見えなかったけれど、天文館、という繁華街は、なんとなくわかった。
そのまま終点の鹿児島駅まで乗りつぶし、夜の観光の定番地域、港の方へと行ってみた。
 ドルフィンポートという名前の、どこにでもある集合店舗の目の前が、芝生の公園。
その先が港になっていて、でも、恋人たちがどこにもいない。こじゃれスポットではないのかしらん。
面白かったのは、ドルフィンポートの1階に、足湯が設置されていること。温泉銭湯の鹿児島らしい。
暑いのに、敢えて足湯に浸かっていると、目の前で、小振りながらも、花火が打ちあがった。
ちょうどいっしょに入っていた家族連れの話だと、桜島納涼船のサービスの花火大会らしい。
5分もしないで終わってしまったけれど、足湯につかりながら観る花火っていうのは、面白かった。
 ドルフィンさんに別れを告げ、いよいよ、鹿児島の繁華街、天文館へと侵入。
天文館という建物があるわけではなくて、そういう地名らしい。昔、あったんだろうね。
ここは、ばりばりの繁華街だし歓楽街だしで、嬢ちゃん兄ちゃんおじちゃんで、とにかく賑やか。
おっぱいいかがですかの声を振り切り、歓楽街を商店街をぶらぶらと歩いて、ひとり楽しんだ。
 今日の宿は、天文館の表通りというか、市電通りにある、アプレシオ、というマンガ喫茶。
1階がブックオフという、なんか、どうなのって感じの立地条件だけど、なかなかいい雰囲気。
新宿のは、高いだけ、って印象だったけれど、天文館のアプレシオは、そんなことはなかった。
選んだ個室は、お座敷席で、しかも、めちゃくちゃに広い。なんだよ、この広さは。
壁が低いのが欠点だし弱点だけど、それを除いたとしても、ちょっとどうかしいている広さだと思った。
 テレビをつけると、ちょうど、サッカーU-21の中国戦。
ボクのカレンがあまり活躍しなかったけれど、勝ってなにより。A代表も、がんばってほしいね。

1880、熊本ポパイ。10h。
150、熊本市電。
498、熊本コンビニ。
600、人吉駅レンタサイクル。4h\600。
300、人吉温泉華まき温泉。
500、人吉温泉旅館たから湯。
250、吉松駅前温泉。
250、日当山西郷どん温泉。
700、鹿児島谷山海乃屋。ラーメン。
160、鹿児島市電。

熊本 *0658
(6325M)
八代 0731
*0753
(1225D)
人吉 0910
*1302
(1255D/いさぶろう3/\500)
吉松 1424
*1538
(4235D)
日当山 1629
1719
(4237D)
隼人 1723
1727
(6957M)
鹿児島中 1808
*1817
(351D)
南鹿児島 1823
1845
(3359D/快速なのはな)
谷山 1850


060808(火)
 天文館から中央駅まで、とぼとぼと歩く。
天気は快晴。快晴すぎて辛い。お日様も、少し休めばいいのに。
 中央駅のコンコースで、列車の発車まで、時間をつぶす。
ここで、今回の旅のおみやげができた。というか、ピンと来た。
白熊というカキ氷。これを、キオスクから発送してくれるらしい。
コンコースにある観光案内所で桜島の絵はがきを買い、文をしたためる。
それをいっしょに送ってもらおうとしたら、それはできない、とのこと。
工場に直接発注するので、キオスクからでは、同封は無理らしい。
じゃあ、工場とやらはどこにあるのと聞いたところ、天文館にあるとかないとか。
なので、観光案内所で場所を確認しておいた。昨日、通ったところじゃないのよ。
 今日は18きっぷを使わない日。普通に切符を買って、列車に乗り込む。
黄色い気動車、という時点で、なんか九州チックに思えてくるから不思議だ。
乗客は、そこそこいたものの、途中の駅で降りていく。指宿までの乗車は、それほどいなかった。
 今日の温泉は、指宿温泉。
駅から徒歩20分ぐらいの場所にあるのが、元湯という共同浴場。
お客さんどこどか番台さんもいなかったので、お金を置いて、そそくさと進入。
2つの湯船があるので、たぶん、熱めとぬるめだろうと触れてみたら、案の定だった。
つか、客がいないせいか、お湯を止めているみたいで、ずいぶんとぬるくなっているみたい。
弁の開け閉めは客側ができたけれど、ぬるいに越したことはないので、そのままつかった。
しょっぱいのが特徴で、海が近いからなのかなぁ、と、勝手にそんなことを思った。
 次に立ち寄ったのは、砂風呂。元湯からなら5分ぐらいかな。
2階の受付で浴衣を借り、着替え、海岸の砂湯空間に行き、おばちゃんに埋めてもらう。
10分以上は危ないよ、との看板があったので、とりあえず、10分間は埋もれていることにした。
が、とにかく熱い。熱いし、重しでもある砂のせいで、鼓動を生々しく感じてしまう。
別府の時は大丈夫だったけれど、今回はまずいかな、というところで、ちょうど10分。
砂をどけて、海風に当たると、とてもとても気持ちがいい。砂風呂は、気持ちがいい。
ただ、従業員の態度は最悪だった。殿様商売でも、売上、落ちないんだろうな、こういう所は。
砂湯でどっと疲れたので、指宿の温泉巡りはこれにて終了。南国の太陽の下を、とぼとぼ駅に戻った。
 一眠りして中央駅に戻り、そのまま天文館まで徒歩で移動。
宿題のお土産を解決するために、元祖白熊のお店、むじゃきに向かった。
全国発送用の事務所に行き、まずは、手紙など同封できるかを確認。大丈夫、とのこと。
さっそく、送ってもらおうとするが、キオスクとは違って、えらく種類があることに気がついた。
キオスクだと、白熊といちごだけだったのに、さすがに工場直送。8種類ぐらいあった。
適当に4つ選び、それを2ヶ所に送ってもらう。東京まで、込み込みで約5000円。2ヶ所で1万円。
痛いなぁ。しかも、今日の注文で、発送が8/10。到着が8/12って。関東は遠いとつくづく思った。
 ついでに、喫茶店の方で、自分も食べておくことにした。
モノを見た瞬間に、やばい、って思った。大勝軒の大盛りばりに、やばいって思った。
周囲を見回してみると、4人家族で2つとか、恋人同士で1つとか、そういう単位なモノなわけで。
つか、むさい男がひとりで入りやすいお店ではない、って時点で、けっこう、負けていたのに。
こんなにでかいカキ氷を出されてしまうと、お店側の嫌がらせサービスなのかとさえ思う。
 練乳の甘さは好きだからいいとしても、冷えてくる身体ばかりは、どうにもならない。
指宿で、がんがんに発汗していた身体とは思えないほどに、きんきんに冷えてくるのがすごい。
さすがに661円のカキ氷、白熊。食べ終り、店を出ても、しばらく汗をかきませんでした。
 そのまま、ふらふらと市内観光。
東郷平八郎や山本権兵衛の生誕の地とか、西郷隆盛の像とか、弾痕とか。
特に印象的だったのは、薩摩義士碑。寝ていた2匹の猫が、まるで守り神みたいだった。
碑の意味は、よくわからなかったけれど、猫って、こういう場所が好きだよなぁ、とも思った。
 途中、ちょっと道に迷っていたら、おばさまに声をかけられた。
同い年くらいの息子さんがいて、同じように旅行ばかりしている、とのこと。
いやいや、息子さんは、もっと立派な旅でしょうに。ボクのは、ただの苦行だもの。
 夕方から、西郷像のそばで、ボンダンスが始まった。ので、しばし観覧。
なにげに、盆踊りを見るというか、そういうのって、子供の時以来、なような気がする。
あの頃は、なにが楽しいんだろうって思っていたけれど、今見ると、全然、違う印象だった。
通りすがりのおばあちゃんなんかが、さっと入って踊っちゃうってのは、すごいなぁ、と。
みんなとひとつになって、同じ事をして楽しむって意味が、なんとなくだけど、わかった気がした31の夏。
 離脱際に、近くにある照國神社でお祈りをする。
神社自体には威厳があるんだけど、裏山の、エッチ系ホテルのネオンが眩しすぎ。
ここら辺が、鹿児島のホテル街なんだと、お菓子を片手に坂を登っていくカップルを見て確信した。
というか、ボクも広いベッドで寝たいです。寂しいです。
 夕食は、めんめん亭という、鹿児島ラーメン屋さん。
安さが売りで、大盛りでも400円。いや、安い。そこそこに美味しかった。
湯切りがしっかりしていたら、もっと美味しいだろうに、と思う。さっぱりとんこつ味。
 そのまま、中央駅まで歩き、夜のお風呂、みょうばん温泉を探す。
これまた、手持ちの地図が適当で、さんざんっぱら迷って迷って、ようやく到着。
大通り沿いにあるとは思わなかった。というか、正直、建物はくたびれすぎている印象。
中もくたびれているけれど、お湯は新鮮。当然のことながら、熱いわけであります。
温泉を感じることはなかったけれど、さっぱりできたのでよかった。つか、温泉、だよね?
 今日の宿も、昨日と同じく天文館のアプレシオ。
昨日のただっ広いお座敷も空いていたけれど、今度は隅っこのお座敷席に。
あれこれして、そろそろ寝ようかと思った頃に、お隣さんが入ってきた。
それはいいんだけど、自称バックパッカーの彼が、入るなり電話しだしたのには参った。
疲れているし眠れるだろ、と思っていたら、えらく気になって、これっぽっちも眠れない。
しかも、3時ぐらいまで、延々と電話。頼むよ、ホント。注意できないボクもボクだけど。
つか、よくそんなに話すことがあるなぁ、と、感心すらしてしまった。明日がきついなぁ。

2300、鹿児島天文館アプレシオ。9h\2000+\300。
506、鹿児島中央コンビニ。
30、鹿児島中央観光案内所。絵葉書。
370、鹿児島中央。おみやげ屋。
970、鹿児島中央駅。指宿まで。
200、指宿温泉元湯。
900、指宿温泉砂風呂。
970、指宿駅。鹿児島中央まで。
10468、鹿児島天文館。むじゃき。白熊おみや。
661、鹿児島天文館むじゃき。白熊。
400、鹿児島めんめん亭。ラーメン。
360、鹿児島みょうばん温泉。

鹿児島中*0926
(3331D/快速なのはな)
指宿 1019
*1338
(3344D/快速なのはなDX6)
鹿児島中 1434


060809(水)
 眠くて眠くて眠くて死ぬぜ、って感じの今日この頃。
なにが、旅ってもっと孤高なものだと思うんすよ。これって、ただの旅行のような気がして、だ。
とりあえず、ぐっすりと眠っているお兄さん。キミが憎いのであります。永遠に、そこで寝てろ。
 まともに眠っていないし、足は痛いしで、それでも観光をする自分が、バカだと思う。
今日の目的地は、鹿児島といえば桜島。桜島といえば、長淵剛なわけであります。
彼が、数年前に徹夜コンサートを行ったのが桜島。地図を見たら、記念碑まであるらしい。
ボクの中の鹿児島とか桜島とかは、ネットにあった、そのコンサートのレポートで、形作られていたわけで。
実際に、天文館があそこまで栄えているとは思わなかったし、フェリーにしても、ここまでとは想像できなかった。
 この桜島フェリーのなにがすごいって、運行時間。夜中でも、1時間に1本、あるのよ。
つまりは、24時間就航中。山手線だって、真夜中は運休してんのによ。まず、それに感動した。
さらに、乗船時間が15分ほどということもあるけれど、乗客だけなら、150円。市電並じゃんか。
レポートを読んだ時は、有明フェリーのように、1時間に2本程度の、がらがらなモノだと考えていたんだけど。
当たっていたのは、船の大きさぐらいで、これはそんなに大きくなかった。が、流動は、けっこうあった。
 船から見える桜島は、電車の車窓から見た時よりも大きくて、実は日本一の山なのかと思うほど。
ちょうど視界を埋め尽くせる大きさ、というのが、でっかく見える理由なんじゃないかしら。
短い船旅を終え、桜島港へ。ここがまた、山と海に囲まれた、狭い土地でびっくりしちゃう。
湾という意味だと、たぶんちょうどいいんだろうけれど、ここに数万人が並んだとすると、大混乱だったろうな。
というか、有明のイベントを、ここでやったら面白いんじゃないかしら。20万人来たら、どうなるんだろ。
 港から5分も歩くと、ぼろっちい宿泊施設が見えてきて、入浴できます、の看板も立っていた。
さくらじま荘という、昔の国民宿舎らしい。ここが温泉らしいので、大人しく、お邪魔させていただく。
雰囲気があるとか、鄙びているといえば聞こえはいいけれど、全体的に、建物は老朽化している。
宿泊客は、そこそこいるみたいだけど、ひとりで泊まるのは、ちょっと怖いかも。ボクは無理だ。
 大変、味わいのある湯船には、黄土色のお湯が、遠慮なく注ぎ込まれている。
ちょっとしょっぱくて、出たらべたべたした感じ。塩。紛れもなく、塩のお湯だった。
ボクにはちょうど適温だったらしく、時間もありまくりなこともあり、ひとり、黄土色を愉しませていただいた。
 宿を出て、向かいを見たら、えらく綺麗な施設があった。駐車場、いっぱいだった。
どうもそちらにも温泉があるらしい。が、混雑していそうなので、やめておいた。
ちょうど、その綺麗な施設の裏側に、溶岩の遊歩道があり、海水浴場があり、観光スポットになっていた。
溶岩地区は、鬼押出しと同じで、ただ、海が見え、鹿児島の町がくっきりと見えるのが、はっきりとした違い。
途中の、屋根つきの休憩所に人がいないのをいいことに、横になって、お昼寝させていただく。
これがまた、涼しくて気持ちよくて、でも、時々、観光客の声が聞こえるので、熟睡は無理だった。
海水浴場には、お父さんとちびっ子、一組だけが遊んでいて、私有地のようにも思えた。
しっかりと、監視員もいたけれど、これじゃあ、張り合いもないだろうね。人がいないのも辛かろう。
この海がまた綺麗で、小魚に蟹に、岩場にいけば、ふなむしもたくさん。水着があればなぁ。これは悔しかった。
 徒歩観光にも限界があり、あっさりと、桜島を離れる。
そのまま、鹿児島駅方面へと移動して、ほんや、という鹿児島ラーメンを頂く。
こちらも、さくらじま荘とはどっこいどっこいの、年季の入った建物で、綺麗とはいえない。
けれども、これがラーメン屋さんだと、美味しそうなお店に見えるから、ボクって不思議な人間だと思う。
 白くないスープは、海乃屋と同じ。でも、味はちょっと薄かった。
なんだろ。鹿児島ラーメンっていうのは、大根の漬物と、一口サイズのチャーシューがあればいいのかな?
なんにしても、自分の中の評価では、海乃屋が、一番、美味しかった。つか、他の店のも食べてみたいね。
 汗をだくだく垂らしながら鹿児島中央駅まで戻り、待合室で、しばし涼しむ。
今日は、とにかく暑い。いや、毎日毎日暑いけれど、日差しの強さが、今日は、半端ない。
橙色のTシャツも、微妙に塩を吹いていて、なんというか、みっともない。けれど、替えられない。
替えた途端にびちょびちょになって、同じ結果になっちゃうのが、わかっているだけに、ここは我慢。
 そんな、みずぼらしい格好のまま、中央駅の駅ビルなぞをうろうろして、ちょっと驚いた。
天文館から中央駅に歩いていた時に見えていた観覧車。ここの観覧車だったのね。意外だった。
どこにあるんだろ、と、ずっと思っていたんだけど。まさか駅中だとは。客、いるのかしらん。
 日差しが柔らかくなった頃に、鹿児島最後の温泉、西田温泉に向かう。
鹿児島には多い温泉銭湯のひとつで、特に、ここには、めちゃくちゃな期待をかけていた。
なんでも重曹泉らしく、そりゃもう、肌がつるつるになるもんだと思っていたわけで。
だけど、その部分においては、まったくの期待はずれだった。つるつるしなかったよ。
お湯は、ちょっと独特の味。そして、銭湯ということもあり、言わずもがなな湯の温度。
施設としてはすごく綺麗だし、駅からの距離を考えても、使い勝手は悪くないけれど。
温泉としちゃうと、ちょっと足りない。期待値が、あまりにも高すぎたのがいけない。自業自得。
 今夜は、サッカー日本代表戦が、オシム監督の初戦があるので、早々とマンガ喫茶へ。
昨日と同じ席にしたけれど、今日は、バックパカーは来なかった。それがすごく嬉しかった。
そして、サッカーも勝ったようなので楽しかった。なんか、序盤は生き生きしてた気が。
にしても、3日連続で同じ客が来て、店員さんも、さぞかし気持ち悪かっただろうなぁ。
今夜で最後だから、許していただきたいですなぁ。

2000、鹿児島天文館アプレシオ。9h。
150、桜島フェリー。
400、さくらじま荘。
150、桜島フェリー。
630、鹿児島ほんや。ラーメン。
400、鹿児島本屋。がちゃがちゃ。
360、鹿児島中央西田温泉。

鹿児島港 *0830
(桜島フェリー/\150)
桜島港 0845
*1125
(桜島フェリー/\150)
1140


060810(木)
 今日の朝食は、朝食も、マンガ喫茶のカレーライス。
というか、このアプレシオ。フリードリンクならぬ、フリーカレーライスを実施中。
昨日の夜も、今日の朝も、それを頂戴したので、食費が浮いた、というわけですね。
ありがたいですなぁ。貧乏人には、ホント、ありがたいことですなぁ。アプレシオ、最高。
 そんな、最高のアプレシオがある鹿児島とも、今日でお別れ。
列車まで時間があったので、広島以東のことを調べておく。ネットより、時刻表の方が楽なんだもん。
まだ九州にいるのに、気が早いといえば早いけれど、案外、さっくりと本州に着いちゃいそうだし。
 鹿児島中央を0901に出発する電車で、いよいよ、復路開始。
今日は桜島をあまりくっきり見られずに、なんかちょっと、残念無念な気分。
国分からは、山道というか峠越え。そりゃ、普通列車の本数も少なくなるわな。納得。
車内は、決してがらがらではないものの、途中駅で降りない限りは、特急に乗るだろうしね。
 寝不足も疲れもあり、寝たり起きたりの2時間30分。南国、宮崎に到着。
接続する電車まで2時間。ちょうどお昼だし、食事も兼ねて、駅前商店街をぶらぶらとする。
どういうわけか、南国というと、宮崎。だからといって、南国臭がするわけでもなかった。
いかにも南国風な木々を見ると、そういう気もするけれど、人工的なものなわけで。
商店街も、ごくごく普通に平凡に、商店街。歓楽街は、そこそこ発展してそうな感じだった。
 お昼に選んだのは、天門という、手打ちラーメンの店。
冷麺という名の冷やし中華を頂く。麺のこしがほどよくて、かなり美味だった。
町の中華料理屋さん、という雰囲気でどうかと思っていたけれど、当たりを引けた。嬉しい。
 1332に出る普通電車は、かなりな混雑っぷり。
電車での人の流動がこんなにあるとは、かなり意外だった。
座れなくても20分。日向新富という駅で途中下車をして、今日、最初の温泉につかる。
閑散とした駅前通りを真っ直ぐ進み、国道を左折すると見えてきたのか、サンルピナス。徒歩12分。
使い込まれた建物は、よくある公民館風のつくり。こじゃれた名前と、ちょっと、一致しない。
 浴室は、バスのツアー客でもいるのかと勘違いするほどの混雑っぷり。
広くも狭くもないけれど、とにかくおじちゃんたちが多すぎて、狭く見えてしまう。
久しぶりに、人の多いお風呂に入った。今までが恵まれすぎていたんだね。
幸い、露天には人がいなかったので、こちらに退避。こちらはぬるめのお湯なので、正解だったともいえる。
ここのお湯はしょっぱくて、肌がきゅっきゅする感じ。微妙に油臭がした気がしたけど、たぶん、気だけ。
 汗を流して、駅に戻る。そこで初めて気がついた。
駅の横の小さい空間に、ジェット機が展示してあった。空自の練習機かな?
宮崎といえば、まずは、あおい。次は、空港というぐらいに空との繋がりが深いから、自然なのかも。
 日向新富からの電車は、国鉄の電車を真っ赤に塗って、車内を改造した車両だった。
窓の部分に首当てを置いて、景色よりも乗り心地というか、居住性を強めているのには驚いた。
安全性から考えても、窓ガラスに後頭部を預けるよりも、よほどマシだし、いいんじゃないかしら。
ただ、やっぱり、景色が見えにくいってのは、ちょっと切ない。地元の人には、どうでもいいだろうけれど。
 その車窓にも、時々、海が見えるようになった。途中から、高架線が併走していることに気がついた。
もしかしたら、リニヤモーターカーの実験線? 自動車道っぽくなかったけれど、どうなんだろ。
なんとなく落ち着かない列車は、延岡駅が終着。ほとんどの乗客は、そのまま改札を抜けてしまった。
時間があったので、ボクも当然、途中下車。山越え前の駅、という雰囲気がしたのは、ボクだけだろう。
 乗り継ぎの電車は3両編成。お客さんは、10人もいなかった。と思う。
地元の女子が5、6人。18きっぷの利用者っぽいのが、自分を含めて、3、4人。
これを3両で運ぶというのだから、なんとも贅沢なお話。ワンマンじゃあ、まずいのかしら。
というか、この区間。延岡から佐伯は、普通列車だと、実に越えにくい区間になっている。
現状だと、早朝に1往復。夕方に2往復。それだけ、人の流動がない、ということ。この客数も納得できる。
 R10とくっついたり離れたり、右に行ったり左に行ったりしながら、宮崎と大分の国境を越える。
なるほど山道で、こちら側が、北九州と南九州を結ぶ経路に選ばれにくい理由が、よくわかった。
久留米、熊本経由の方が、平坦区間が多いんじゃないかしらん。八代と鹿児島の間はわからないけれど。
 いわゆる秘境駅の宗太郎にも停車。だけど、全然、秘境っぽくない駅だった。
一応、駅名を写真に撮っておく。同じことをしているお兄ちゃんがいて、ちょっとおかしかった。
宗太郎を越えた辺りから眠ってしまい、そのまま佐伯まで、景色を見ることはなかった。
 4分接続で大分行に乗り換え。外も暗くなり、車窓を楽しめる状態ではなかった。
特に印象のないまま、終点に到着。ここで下車せず、別府まで移動することにする。
これが、まさに通勤電車。ぎゅうぎゅうではないものの、きっちりと立たせていただく。
国道が見え、海が見えているはずなんだけど、時間が時間。海は、ただただ黒いだけ。
 2年ぶりぐらいに別府に到着。改札外の商店街が、綺麗になっているような。
駅前も整備された気がする。いやもちろん、そう見えるだけなのかも、しれないけれど。
まずは、寝床があるかどうかを確認するために、徒歩3分の、駅前高等温泉へ。
個室があるかと尋ねたら、ふたり部屋なら空いていて、それを使ってもいいよ、とのこと。
これは嬉しい。ふたり部屋が嬉しいというのもあるけれど、お布団で眠れるのが、なにより嬉しい。
それでいて、1泊2500円だもの。マンガ喫茶よりもお得。つか、最初から使えよ、って感じ。
 ふたり部屋らしく、8畳ぐらいの部屋に、ふたつ、ふとんが敷いてある。
がんがんにクーラーが効いていて、とても涼しいし、テレビは無料で見られちゃう。
しかも、浴衣までで用意されていて、それで2500円。なんかもう、神の国に来た気分。
 一度、外出して、まずは夕食をどうしようか考える。
それでロッテリア、っていうのは、なんか、どうなのかなぁ、と自分でも思った。
食後、隣のダイエーに立ち寄り、失敗したことを痛感した。いろいろ、安くなってんじゃないのよ。
つか、刺身が食べたかったらしい。半額の刺身を買って、ご飯を買って、宿で食べればいいじゃない。
ロッテリア、今から払い戻しさせてほしい。600円もあったら、やりたい放題、できたのに。がっかり。
 その後、軽く別府の町をぶらぶらして、あまり変化がないことを確認。
なんともいえない独特の雰囲気が健在なのが嬉しい。別府以外では味わえない、この雰囲気。
宿に戻り、当然ながら、高等温泉には無料で入れるので、浴衣で入らせていただく。
脱衣所が1階にあり、浴室が地下1階にある、今回の旅でも、わりかしありがちな様式。
そんなに広くはないものの、あつめの風呂とぬるめの風呂が用意されているのが嬉しい。
しかも、ぬるめの湯は、きちんとぬるい。というか、適温。いやー、嬉しい。気持ちいい。
透明だし味ないし臭いないし。でも、別府のお湯というだけで、なんだか、ありがたい。
ただのブランド信仰と言われようが、自分がいいと思うものがいいんだい。すごく気持ちよかった。
当然ながら、翌朝は、朝風呂を頂戴させていただいた。旅立ち前の朝風呂って、最高だよね。
ちなみに、この高等温泉。24時間営業とのこと。それなりに需要があるんだろうね。
 涼しい部屋にお布団で、ぐっすりと眠らせていただきました。
明日は、山に挑む日。この旅唯一の布団は、本当に助かった。

2600、鹿児島天文館アプレシオ。12h。
750、宮崎天門。冷麺。
500、日向新富サンルピナス。
2500、別府駅前高等温泉。宿泊。
600、別府駅ロッテリア。
250、別府駅ダイエー。

鹿児島中*0901
(6930M)
宮崎 1131
1332
(736M)
日向新富 1353
1506
(738M)
延岡 1624
*1647
(2740M)
佐伯 1802
*1806
(1632M)
大分 1932
*1946
(642M)
別府 1957


060811(金)
 塚原温泉といえば、西日本で一番の酸性泉。
前々から、是非とも、この温泉に漬かってみたいと思っていた。
が、しかし、公共交通機関だけで挑むには、非常に厳しい温泉でもある。
最寄り駅は由布院だが、バスは走っていない。歩くにしても10km。ちと厳しい。
普通なら、迷わずタクシー。もしくは、レンタカーという選択肢だってある。
が、3000円も4000円も捻出したくない貧乏人。最終的には、アレしか残っていなかった。
 由布院に到着したのは、0939。観光客ばかりの駅で、さっそく、自転車を借りる。
つまりは、レンタサイクルである。4時間超で900円。人吉でも借りた、JR九州の、赤い電動自転車だ。
移動手段を確保してから、荷物をロッカーに預け、洗面所で、ペットボトルに水を汲む。
天気は、曇時々晴。気温は高い。これからの行程を考えると、水は、絶対に必要だった。
 0950出発。湯布院の町内は、平坦部分が多くて、とても快適だった。
こんな所にもあるんだと驚かされた自衛隊基地を横切り、ここからが、由布岳との戦いとなる。
地図で見ても、いかにも山越えの道だった。が、この坂の厳しさは半端なかった。
とにかく急。どうにもこうにも急なのだ。うねうねはいいとして、勾配が最強に苦しい。
電動アシストがあるものの、この坂を登るには、あまりにも非力で無力な協力者である。
押してみれば、バッテリー分重たいし、正直、いきなり引き返すことも考えるほどだった。
開始10分もしないで、気持ちとの戦いである。鍛えていないと、これはちときついと思う。
 休み休み、手押し手押し、息を切らし、汗をびっちょりとかき、ゆっくりと坂を登っていく。
そんな苦労もなく、あっさりと通り過ぎていく車の人たちの視線が、ちと楽しくもあった。
なにやってんだろ、どこに行くんだろ、って感じなんだと思う。他に、そんな人、いなかったし。
 それでもなんとか登り切れば、あとは、多少の上下のみ。アシストも効果的になる。
景色がまた高原っぽくて、風も気持ちよくて、気分はもう、風のハルカ状態だった。
途中、水が汲めるらしい霧島神社の看板も発見。帰りに立ち寄ろうかなぁ、なんて思った。
 罠にひっかかったのは、その直後。
小さな青看板に、塚原こっち、との矢印があった。
けれどもそれは、明らかに違う方向。でも、塚原だし、こっちなのかなぁ。
と、しばらく悩んで、矢印に従ってみる。すると、完全な下り坂。どう考えてもおかしい。
田んぼの中をしばらく走り、塚原のバス停が見えてきて、ようやく意味がわかった。
 ここは、塚原という村なのね。それで、塚原行のバスの意味も理解できた。
実は、早朝と夕方のみだけど、塚原行のバス、というのが湯布院から出ているのだ。
てっきり、それで塚原温泉に行けるものだと勘違いしていたが、ここに到着しちゃうのね。
ちなみに、そのバスの終点から塚原温泉までは、たぶん、3kmぐらいかな。
 下ってきた坂を登り、高速道路をくぐると、正面に見える山の一部が、禿げているのが見える。
とってもわかりやすい。あすこね。あすこまで行くのね。っていうか、遠くないかしらん。
ここでまた、気持ちが萎えかけた。ここら辺から見ると、それらしい場所が、遠く見える。
しかも、明らかに山の中。どう考えても、また、自転車登山しないといけないのである。
だが、ここまで来たんだしと、気力を振り絞って、舗装道を走り出した。
 牧場などを左手に見て、坂を少し登った途中に、塚原温泉の入口の看板を発見。
いかにも登りますよ、風の入口だったので、自転車を降りて、少し休憩。ぐだぐだである。
今日が旅の初日だとか、今まできちんと寝てきました、という状態なら、まだ大丈夫だったと思う。
そうではない。確かに昨日は、久しぶりにお布団で寝ましたよ。朝風呂だった浴びましたよ。
でもね、だけどね、それで完調になるほどに若くはないわけですよ。腹ぼよぼよの三十路ですもの。
ここまで来たのだって、気持ちですよ。精神力ですよ。心。これが折れなかったからですよ。
 それもあと少し。頑張ろうと、その道を、坂道を登り始めて、すぐに顔が青ざめた。
いきなり、舗装道が終わってしまった。砂利のない砂利道。そんな感じの道になってしまった。
道が悪い、という情報は得ていたけれど、いきなりこうなるとは、想像もしていなかった。
しかも、借りているのは電動自転車。つまりは、ママチャリだけに、不整地には向いていない。
なにより、パンクなぞさせようものなら、ニッチもサッチもいかなくなってしまうわけで。
 坂が急だったこともあり、ここからは、序盤戦みたいに、手押しの時間帯になった。
それも、なるべく石の少ない所を狙っていかないといけない。とてもきつい時間帯だった。
追い抜いて行く車の、速いこと速いこと。めちゃくちゃ羨ましい。つか、ずるいよ、みんな。
 どうにかこうにか登りきり、平坦部分に到着すると、そこが、夢にまで見た塚原温泉だった。
駐車場はあるけれど、駐輪場はなかったので、邪魔にならなそうな部分に、ちょこんと停めておく。
それにしても、Tシャツのびっちょり感といったら、運動部の高校生並である。乾いたら、臭そうだなぁ。
 受付に行くと、内湯が500円、露天が500円とあり、別々なことに驚いた。
両方だと800円らしいけれど、なんつーか、せこい。ほったらかし温泉を思い出す。
疲れきっていたから、あまり深く考えず、内湯を選択。よく見たら、時間制限付きなのね。
 山小屋っぽい感じの内湯は、そんなに広くない。
6人ぐらいいたら、居場所の確保が大変そうな、そんな雰囲気だった。
ようやく出会えたお湯は、薄っすらと黄色い感じ。浴びると、そんなに熱くはない。
恐る恐る浸かってみる。玉川温泉の時みたいに、傷口が染みるかと思っていたら、大人しい。
というか、全然、大人しいお湯。ちくちく刺さってくるような感覚は、まったくなかった。
味は当然なのか、酸っぱい。なんというか、体液っぽい味がした。もしかして、誰かのか?
 しばらくすると、急にお客さんが増えてきたので、大人しく撤収。
苦労して、期待して来たけれど、正直、それほどではなかった。酸性泉は獰猛であって欲しかった。
 びちょびちょのTシャツを、かごの上に置いて、坂道を下っていく。
往路と比べたら、ぜんぜん、まったく、これっぽっちも楽ちんな道程である。
基本的に下りなので、体力を奪われない。我慢して登った甲斐があるってものです。
 予定通り、途中の霧島神社にて、湧き水を頂戴する。
お賽銭は100円以上よこせ、とのことなので、100円ほど差し出して、お祈りもする。
ついでに、昼食のメロンパンを食べていると、空が急に暗くなりだした。そして、降りだした。
しばらく待ってみたものの、止む気配もなかったので、豪雨の中、湯布院まで戻る。
自衛隊坂だって、この天気でなければ、めちゃくちゃ快適なはずなのに。悔しいなぁ。
 町に戻り、雨が小降りになってきたので、そのまま、次の温泉に行く。
下ん湯という共同浴場で、すぐに見つかるかと楽観視していたら、これがまた、見当たらない。
地元の人専用の浴場の目の前、神社のような建物がそれだとは、思いもしなかった。
 200円の寸志を投入し、中に入ってみると、若い男の子が6人ぐらい。先客らしい。
内湯を囲むように脱衣所があり、内湯のすぐ目の前には、開放的な露天風呂があった。
びしょびしょのシャツもパンツも脱いで、内湯に入る。ぬるい。というか、ちょうどいい。
若い子たちが消えてから露天に入ったが、こちらは、適温より、ちょっと熱い。
雨水がめちゃくちゃ混じっているのに、これだけ温かいとは。夏だからだとは思うけれど。
お湯に特徴はなかったけれど、雨で身体が冷えていたので、すごく気持ちよかった。
 入浴中、恋人同士でやって来て、中を見て、すぐに帰っていった。
というか、混浴なんだよね、ここ。誰もいなかったら、入るつもりだったのかしらん。
いいなぁ。ボクも混浴したいよ。貸切風呂してみたいよ。まったく、ひとりは寂しいね。
 雨は小降りのままとはいえ、どうも、一日中、このままっぽい。
本当は、湯布院観光をしたかったのに、この天気ではどうしようもない。
まぁでも、駅への帰り道を走ってみて、どんな場所かは、なんとなくわかった。
湯布院は、完全な、こじゃれ系の観光地である。黒塗りの木造のお土産屋さんが建ち並ぶ場所。
女子を連れてきたら、絶対に文句を言われないだろうね。そんな匂いがぷんぷんしてた。
手ごろな池もあるし、そばや甘味も美味しいらしいし、よろしくやれる場所だと思った。
 駅に戻ると、どうしようもない豪雨。
自転車を返却して、用はないとばかりに、別府まで帰ることにした。
帰りの電車は、途中まで眠れたものの、寒さに我慢できず、目が覚めてしまった。
上も下も着替えていないので、濡れたままだった。が、大分到着の頃には、7割、乾いていた。
 別府に戻り、今日も個室の空きがあるかと尋ねると、今日は満室、とのこと。
つか、昨日の時点で確認しとけよって思った。なんか、こう、ダメだよね。ボクって。
仕方ないので、とりあえず温泉だけでもと、竹瓦温泉に行ってみた。
途中の風俗屋さんに、こっちのお湯もどうですか、なんて言われて、ぐらついてもみた。
つか、竹瓦みたいに100円だったら、迷うことなく吸い込まれていただろう。危ない危ない。
 待合室が、やたらと広い竹瓦温泉。浴室は、人吉のたから湯みたいだった。
2階が脱衣所で、1階が湯船。ちょっと緑っぽいお湯は、当然のことながら、熱い。
入ることはあきらめて、掛け湯ばかりしていた。別府のお湯って、基本的に熱いんだね。
 途中、外人さんが入ってきて、所在なさそうにしていたので、軽くお手本を見せる。
が、どうしても湯船には入ってくれない。こんな熱いの、入る風習ないだろうなぁ。
日本人のボクだってないもの。お湯はやっぱり、ぬるいぐらいがちょうどいい、と思う。
 別府の宿を断られたので、選択肢は2つになった。
大分駅前のポパイか、別府大学のアプレシオか。最初は、大分のつもりでいた。
切符も、大分まで買ったのに、気がついたら別府大学方面の電車に乗っていた。
大分は高いし、似たような金額で、別府大学の12hパックが使えてしまうのである。
 別府大学から、目的のマンガ喫茶までは、徒歩25分ぐらい。
利用者は、地元の若い子が中心で、ボクみたいな仮眠狙いの旅行者はいなかった。
PCの使えるリクライニングブースがないというので、先に、PCブースで調べ物だけさせてもらう。
その後、個室に移動したが、これがまた、異常なくらいに広い。余裕、とりまくりだろ。
この旅の愛読書、湾岸ミッドナイトを読みつつ、テレビを見つつ、適当な頃合で就寝。
 ちなみに、夕食は、マンガ喫茶の隣にあったラーメン屋さん。
いかにもドライブインなチェーン店で、味もそれなり。でも、安心して食べられる味だった。

1080、別府駅。由布院まで。
900、由布院駅レンタサイクル。4h越。
300、由布院駅ロッカー。
500、湯布院塚原温泉。
100、湯布院霧島神社。お水。
200、湯布院下ん湯。
1080、由布院駅。別府まで。
100、別府竹瓦温泉。
270、別府駅。大分まで。
682、別府大学みそや。ラーメン。

別府 0755
(4629M)
大分 0808
*0839
(4826D)
由布院 0939
*1456
(4857D)
大分 1556
1617
(4652M)
別府 1629
1814
(4660M)
別府大学 1817


060812(土)
 0730出発。R500の坂を下り、R10で別府大学駅まで歩く。
今日も日差しは絶好調で、海水浴したくなる。お湯より水だろ、夏は。
別府大学から一駅、亀川で下車。国鉄な雰囲気のする駅舎から、温泉まではだいたい5分。
到着したのは、浜田温泉。ここも別府八湯のひとつだというから、別府温泉の広さを痛感する。
 脱衣所もいっしょになった浴室は、十分に広い。そしてお湯は、当然、熱い。
お湯に特徴はないけれど、そこはブランドに弱いボク。別府のお湯なので、納得できる。
というか、朝早い時間から100円で温泉に入れるのだから、なんというか、文句はない。
でも、せめて、もうちょっとぬるいと嬉しいんだけどなぁ。これで適温なんだろうなぁ。
じいちゃんに連れられた、地元のちびっ子が、今日はちょうどいいって言ってたし。英才教育かいな。
 楽しい朝風呂を終え、ここからは修行。乗車に次ぐ乗車を要求される。
最初の乗り継ぎは、杵築。駅の雰囲気からして城下町だけど、徒歩では行けないみたい。残念。
 柳ヶ浦での乗り換えは、前回の別府旅行の時と同じ。乗り継ぐ人、けっこう多かった。
つか、コンビニとスーパーがあるんだね。パチンコ屋だけだと思っていたので。ごめん。
 小倉に到着する寸前に、小倉競馬に行く、という選択もあるんだなぁ、とひらめいた。
が、そのまま乗車を続け、関門トンネルをあっさりと抜け、九州さんとは、しばしのお別れ。
 下関で休憩時間があったので、300円カレーのお店で、大盛りを頼む。大盛りは+100円。
これがけっこう量があり、貧乏旅行者には嬉しい。スタンプカードは、いらないけれど。
 久々の本州。最初の電車は105系。いきなりのお出迎えに、ちょっとだけ、へこむ。
いや、別に嫌っているわけでもないんだけど、電車を見ただけで、なぜか疲れてしまった。
通勤電車、なんだよなぁ。別に旅情が欲しいわけじゃあないんだけど。ちと違うだろ。
しかも、目の前に座るふたりがちゅっちゅしやがって。悔しいので寝てまシタ。
 目覚めると、新山口。1分乗り換えなので、大慌てで、向かいの電車に乗った。
んだけど、いいのかしらん。どこに連れて行かれるのか、不安になってみることにした。
不安なわりには、ぐっすりと眠り、気がつけば宮島口。名前の通り、宮島への窓口の駅。
 夕方だけど、今日中に観光しておいた方が楽なので、この駅で途中下車。
宮島へと向かう船乗り場は、地下通路を経由しても5分ぐらい。次の船まで、しばし待つ。
この航路は、JRが運営しているらしく、18きっぷでも乗れてしまうというのが面白い。
というか、本当に乗れるのかどうか、半信半疑だった。ちなみに、片道170円。そんなもんかな。
 次の船を待っていると、いかにもーなおっちゃんたちが、3人、うしろに並んだ。
そして、コンクリくくって沈めたら、浮いてこんだろなー、なんて会話をしだした。
やくざなのかもしれないけれど、なんか、頭悪い人たちだな、とは思った。品がなさすぎ。
 宮島までの所要時間は10分ほど。改札できっぷを見せると、何事もなく通れた。
立派な駅のような港を出ると、鹿がお出迎え。凶暴化しているってニュースでやっていたような。
厳島神社の手前で、ツーリング中らしいバイクの荷物をもしゃもしゃと食べているのを見かけた。
たくましいというか、なんというか。このままだと、人間まで食べだしそう。怖い怖い。
 厳島神社は、時間の関係で入れなかったけれど、引潮で、鳥居には近づくことができた。
でっかいよなぁ。これをよく、ここに置く気になったよなぁ。人間ってすごいよなぁ。
漠然と、そんなことを思った。今の技術もすごいけれど、昔の人の執念って、それ以上なのかも。
 夕暮れの厳島神社を、しばらくぼんやり眺めてから、宮島航路経由で、宮島口へと戻る。
このまま広島に出る手もあったけれど、山口方面に2駅ほど戻り、温泉に立ち寄ることにした。
大野浦という駅から、真っ暗のR2を歩くこと25分。宮浜温泉に、ようやくと到着できた。
べにまんさくの湯という、やたらと綺麗な施設にお邪魔して、お湯を借りた。
もうちょっとこじんまりとしているのかと思いきや、スーパー銭湯みたいな雰囲気。
お湯も、正直、本当に温泉なの、って思うぐらいに特徴がないし、塩素の匂いがきつい。
地元の人が、車で来るならいいとして、徒歩で来る価値はないというのが正直なところ。
というか、まぁ、徒歩は想定してないだろうけれど。夕方までなら、バスの便があるみたい。
 広島に到着したのは、2133。さすがにくたくた。そして、お腹がぺこぺこ。
中心部まで、なぜか市電を使わずに、徒歩で向かってみる。足、本気で痛いのになぁ。
繁華街の手前から、急に人が増えてきた。なにかと思ったら、野球があったみたい。
巨人戦らしく、橙色のメガホンを持った人が多い。つか、カープファンはいないのか?
 土曜日の夜ということもあり、歓楽街は、とても賑やか。
夕ご飯はどこにしようかとぶらぶらしていると、鳥骨鶏ラーメン、という看板が。
身体にいいらしいけれど、味は丁寧なんだけど、高い。180円のびっくりラーメンにしておけばよかった。
 食後、西田温泉という温泉銭湯を探しておく。
この繁華街の外れにあるはずと、南に下っていくと、そう苦労せずに見つかった。
ちょっと年季の入ったビルの2階。こんな時間に入ると、刺青さんが多そうなので遠慮しておく。
場所さえ確認しておけば、明日にでも来られるかもしれないし。来ないかもしれない。
というか、どう考えても熱そうなんだよね、お湯がね。それがちょっと、嫌なのよ。
 いい加減、夜もふけてきたので、寝床を確保したいのだけれども、これが見つからない。
一応、地図には書き出してあるものの、これがまた、どうしようもないくらいにいい加減。
この辺じゃねーの、って感じで、大きな丸が書いてあるだけ。しっかりしてよ、ボク。
 マンガ喫茶を探し求めさ迷っていると、パルコの前に、チーマーっぽいのがたむろしていた。
それを監視するように、お巡りさんが2、3人、立っていた。即対応できるような雰囲気だった。
さらに、それを見物するように、地元の若い子たちが薄く囲っていて、ちょっと怖い。
広島って、民度が低いのかい? そんなに怖い町なのかい? 言葉は、正直、怖いけれどさ。
 宿は、結局、最初に見つかったポパイにすることにした。
もっと安い場所があるはずなのに、そこを選べないというのは辛い。自業自得だけど。
しかも、ここのフラット席は、ベンチシートという、ちょっと特殊な形。
要は、壁に出っ張りをつけただけの、本格的なベンチもどき。足、伸ばしきれないし。
個室も狭いし、毛布もないし、でもまぁ、疲れていれば、これでも眠れてしまうわけで。
つか、よく落ちなかったな。寝相、いいのかしらん。

2400、別府大学アプレシオ。12h。
100、亀川浜田温泉。
400、下関あんくるカレー。
650、大野浦べにまんさくの湯。
1050、広島鳥骨鶏ラーメン龍。

別府大学 0804
(4624M)
亀川 0806
0929
(4628M)
杵築 0951
1028
(4630M)
柳ヶ浦 1104
1137
(5544M)
下関 1325
*1401
(3550M)
新山口 1510
*1511
(3372M)
宮島口 1724
*1740
(JR宮島航路)
宮島 1750
*1845
(JR宮島航路)
宮島口 1855
1846(遅1905)
(1575M)
大野浦 1851
2059
(1592M)
広島 2133


060813(日)
 早朝の原爆ドームに、なんとも気持ちが重たくなる。
10万人以上を一瞬で蒸発させちゃうモノが、兵器だとは思えない。
70年前の数日前に、それが落ちたというのも、信じられない。
みんなはぱしゃぱしゃ写真を撮っているんだけど。ボクにはできなかった。
長崎の時は、こんなこと、これっぽっちも考えなかったんだけど。とにかく、重たい。
平和記念公園で黙祷し、広島駅行の市電に乗った。
 今日は18きっぷを使用しない日なので、普通に、呉までの切符を購入。
呉線の快速は混雑気味。つか、普通に割り込んでくる人が多い。すごいな。
関西圏に戻ってきて閉口したのが、人のマナーの悪さ。荒さ、といってもいいけど。
通行止ではないとはいえ、アーケード商店街を爆走する乗用車に、朝、驚いたばかり。
 呉までの道中は、そこそこに海沿いを走る。海水浴が、めちゃくちゃ気持ちよさそう。
というか、水着、持ってくればよかったなぁ。三十路でひとりで海水浴は、どうかと思うけれど。
 あっさりと到着した呉は、駅前のビルが賑やかで、繁栄している気がする。
旧軍がいた頃は、当然、華やいでいただろうけれど、今もこうだとは意外だった。
今日のお目当ては、その旧軍で、一番大きかった戦艦の博物館。大和ミュージアム。
 時期が時期なので、混雑はしていたけれど、見るのに困るほどではなかった。
圧巻だったのは、やはり、1/10大和。最初に思ったのは、これでも足りないのか、って事。
けっこう対空火器を積んでいるような気がしたけれど、でも、沈められちゃったわけで。
航空機の脅威って、想像していたよりも、はるかに凄まじいモノなんだと。それを感じた。
これで1/10って、実物はどれだけでかかったんだろ。でかさが想像できない。
他には、三式弾が、あんなにずんぐりむっくりしているものだとは知らなかった。
 あれこれと楽しい大和ミュージアムを出て、駅前のビルをぶらぶらする。
ここに温泉があるのは承知していたものの、値段が高いし引かれないのでやめておく。
変わりに、というわけではないけれど、Tシャツを購入。足りているのに、敢えて、購入。
ユニクロも、ずいぶんと久しぶりな気がする。チェーン店は、なぜか落ち着く。
 お昼に発車する各駅停車で、呉を出発。
埼玉では見かけない灯篭を持っている人がいて、最初は、子供の自由工作かと思った。
あとで知ったけれど、お墓に立てるモノらしい。こっちの風習なんだろうな。
 お昼は、広島駅の立ち食いそば。冷やしぶっかけそば。
麺がぐっちょりしていて、とても不味かった。素直にうどんにしとけばよかった。
というか、麺類が続く。というか、特に夜になると、ラーメン、食べたくなるんだねぇ。
昼間、さんざんに汗をかいているから、塩っぽい物を欲しがるんじゃないのかしらん。
 午後は、市電で広島港へ行ってみる。
かなり綺麗に整備されていて、あちらこちらへと船が出ていた。
瀬戸内海の島島へと行く便が多いみたいで、利用者も、当然のような雰囲気だった。
船が当然、という生活をしていないので、逆に、なんか目新しく感じてしまった。
 この近くに、確か温泉があったはず、と、思いつきで探し始める。
が、それらしいのがない。なんとかコンビニを見つけて、その温泉の所在地を確認した。
ちょっとというか、そこそこに距離がある。普通なら、港に戻って市電利用だろう。
なのに、歩いて行く自分がおかしい。足は痛いし、荷物は重いのに。それでも歩いて行く。
住宅地を過ぎ、工業地帯に突入した時には、ホントにあんのかよ、と、疑心暗鬼になった。
 ようやくと到着したのは、ほの湯、という、とても綺麗な施設。
スーパー銭湯風だけれども、お湯は、茶色というか緑色というか、そんな色がついている。
そして、めちゃくちゃしょっぱい。足の裏が染みるというより、痛い。めちゃくちゃ痛い。
お湯に触れた途端に飛び上がるほど。これは、いじめか体罰か。そんなお湯だった。
普通の状態であれば、綺麗な施設に、わかりやすいお湯。いい温泉施設だと思った。
 市電で繁華街に戻り、またもやうろうろ。
当然のようにユニクロを見て、当然のように、とらのあなを見学する。
夏コミの新刊を、もう扱っているらしい。早いなぁ。つか、今日だろ、男子向けは。
 そのまま商店街を抜けると平和公園。
柳の下で、ぼけーっとしていたら、微妙に雨なんぞが降ってきた。
いかにもにわか雨だったけれど、傘をさす人は多かった。予報は、雨だったんだ。
マンガ喫茶に泊まっているくせに、天気なんぞ調べてなかったからなぁ。
 夕食は、ぴり辛つけ麺を食べるつもりが、そのお店が定休日。
他のお店を探すのもめんどうだったので、セルフ系の讃岐うどんのお店に。
カップルばかりが入ってくるのが気に入らない。味は、ごくごく普通のセルフ系。
お腹はいっぱいになったから、これっぽっちも文句はない。
 今日の寝床は、商店街の中にある、PasTime、というマンガ喫茶。
全体的に値段が安いので、日雇いのおっちゃんたちが、寝床に使っているみたい。
毛布なんかも清潔感がないし、そういうのがダメな人には、まったく不向きだと思う。
でも、個室としては壁が高いし、ボクとしては問題なし。フラット席があれば最高なのに。
特徴なのかどうかわからないけれど、18禁コーナーがあるのがおもしろかった。初めて見た。
そういうマンガ喫茶で、寝たり起きたりして、寝てた。

2400、広島ポパイえびす通。9h。
344、広島コンビニ。
150、広島市電。
960、広島駅。呉まで。
500、呉大和ミュージアム。
500、呉ゆめタウンRODEO。Tシャツ。
500、呉ユニクロ。Tシャツ。
520、広島駅そば。
150、広島市電。
700、広島ほの湯。
150、広島市電。
550、広島釜八。さぬきうどん。

広島 *0928
(5620M/快速安芸路ライナー)
呉 1000
*1201
(3935M)
広島 1246


060814(月)
 マンガ喫茶を出て、広島駅行の市電を待つ。
が、これがなかなか来ない。逆方向は、大名行列なのに。
通勤って意味で考えると、この時間は、市内に向かう電車の方が多くて当たり前なんだよなぁ。
予定の電車に間に合うのかしらん、と、不安になった頃に、あまがえるがやってきた。よかった。
 無事に駅に到着。おみやげに、カープバットのキーホルダーを購入。
カープどころか、それほど野球が好きでない彼へのおみやげ。喜ばないだろうなぁ。
というか、喜ばれるおみやげって難しいと思った。ホント、センスの世界だしね。
 0843発の電車は、予想通り、そこそこな混雑。割り込みは、相変わらず。
こっちのおっちゃんは、なんだろうね。当然、って顔してやるのがすごいよね。
実害もなく座れたので、自分としては問題はないんだけど。マナーってなんだろうな。
 山陽本線全般にいえることだけど、案外と山岳路線で驚く。
山の中をうねうねくねくね。セノハチという峠越えがあるのも、納得できた。
でも、そこで人の流動が途切れているわけでもない。ちょっと意外な感じがした。
 大都市っぽい三原を過ぎて、今日の最初の目的地、尾道に到着。
この町が観光地であることは知っているけれど、どんな観光地なのか、下調べはなし。
とりあえず、尾道ラーメンを食べられればいいや、という感覚で降り立ったわけだけど。
海と山に挟まれた町、というのが、ひとつめの印象。
次に、案外と観光地化してないな、という印象を受けた。湯布院辺りとは、全然、違う。
しばらく、海沿いに歩いてみて、商店街を歩いてみて、寺の町らしい、ということに気がついた。
中でも、一番有名なのが、千光寺という、山の上にあるお寺らしい、ということも知った。
 とりあえず行ってみようと、山陽線のガードを潜って、見上げて、萎えた。気持ちが萎えた。
急坂というか、急階段。琴平の、金毘羅さまより辛そうな匂いがぷんぷんしている。
が、とりあえずは登ってみた。かなり苦しい。つか、荷物が重い。駅に置いてくればよかった。
 後悔ばかりしてみたけれど、どうにかこうにか千光寺に到着。休憩含めて15分ぐらい?
もやっていて、見晴らしは悪かったけれど、達成感を得られたので満足できた。
足の調子がよくて、サンダルでなければ、鎖で登るお寺にも挑戦したかった。ちょっと悔やしい。
にしても、なんだ。ロープウェイがあったのね。世の中、便利になったもんだ。
 ちょっと早めのお昼は、商店街の中にある、みやち、という、そば屋さん。
映画に出てきそうな、ものすごくいい雰囲気のそば屋さんで、頼んだのは、大盛りの中華そば。
かなりの薄味で、ちょっと麺も茹ですぎかな、という感じ。正直、美味しいってほどではない。
まぁ、500円でお腹いっぱいになったから、あまり文句はいえない気もする。
評判はいいお店なので、噂のてんぷら中華でも頼んだら、違っていたかも。
 ここで貰った地図に、映画で使った、大和のセットがあったことを発見。
どうも、もう壊されてしまったみたいだけど、是非とも見たかったなぁ。
昨日の1/10大和よりも、説得力、あるわけだし。壊して欲しくなかった。
 尾道駅に戻り、ちょうどやってきた1144発の電車に飛び乗る。
相変わらず混雑中。電車で移動する人、多いんだなぁ。変に感心してしまう。
福山のホームから城を眺めたり、車窓の山を眺めたりしていると、新倉敷に到着。
今日、唯一の、そして岡山唯一の温泉のために、ここで途中下車。
 無理矢理に新幹線を止めちゃいました、風の、寂しい発展の仕方をしている駅。
真っ直ぐに行くとR2で、その向かいにあるショッピングセンターにあるのが、くらしきの湯。
徒歩10分超。荷物がなければ、暑くなければ、もうちょっと、早く着ける気もする。
 ほとんどスーパー銭湯で、これ、本当に温泉かよ、と、お湯を浴びたら痛かった。
無色で無臭だけど、味はある。めちゃくちゃしょっぱい、塩辛い味。傷に染みる味。
ぬるめなのは嬉しい。とても嬉しいけれど、塩なのは嬉しくない。足の傷が、ひりひり痛い。
いっしょに入っていたホストらしいお兄ちゃんたちは、気持ちよさそうだったのになぁ。
というか、塩系はもういいです。もっと柔らかい、例えばアルカリ系のお湯が欲しいです。
 このお湯を出てしまうと、あとは、移動に次ぐ移動を要求される、トライアル区間。
特に、岡山から姫路までは、山陽線屈指の混雑区間らしくて、これまた実際に大混雑。
赤穂線経由だから空いていると楽観していたら、とんでもない。これがまた、かなりのもの。
いかにも18きっぷな人よりも、普通の家族連れや、中高年が多くて、夏休みな混雑なのだろう。
つか、だったら新幹線を使えー。金持ちは速いのに乗れー。赤穂線なんて乗るなよ、まったく。
 寝て覚めて、播州赤穂手前。乗り継ぎの新快速は4両ぐらいかなぁ、と勝手に想像していた。
席取りが大変だろうなぁ、と悲観的になっていたら、長い編成で待っていてくれた。
こんな末端区間にも、8両だか9両だかで乗り入れてくれるとは。太っ腹だわ西日本。
 あっさりと着席して、またも眠り、気がつくと京都だった。
いかに速い新快速といえども、始発から終点まで2時間30分。大阪横断は大変だ。
なにより、冷房が効きすぎて寒い。このままだと、風邪をひくんじゃないかと不安になった。
おまけにひもじい。昼が早めで、しかも麺。お腹だって空いてくる。この貧しさったらなかった。
 野洲で快速に乗り換え、米原から、豊橋行の快速に乗り継ぎ。
米原の待ち時間で、よほど立ち食いそばにしようかと思ったが、ぐぐっと堪える。
にしても、米原の案内放送は、なんとかならんのですかね。ちょっとひどい。
次の電車が何両かぐらい、きちんと教えて欲しいんだけど。賭けは嫌だよ、本当に。
 結局8両編成で、こちらも楽々に座れた。
こんな時間に、関が原越えする人は少なそうなのに、席がきちんと埋まる程度はいる。
並走する国道は、こんな時間なのに渋滞中で、お盆の混雑なんだろうなぁ、と想像した。
 大垣の手前から、名古屋の方向で打ち上げている花火が見えるようになった。
一宮ぐらいまで見えていたので、けっこう大きな花火大会だったのだろう。
旅行中、時期が時期なので、けっこうあちこちでやっていたけれど、結局、まともに見られなかったなぁ。
つか、岐阜の歓楽街も見学しておけばよかったなぁ、と、ちょっとだけ後悔もした。
 新倉敷から6時間30分の移動も、無事に完了。
名古屋駅からは、地下鉄で栄に移動。2年ちょいぶりぐらいの、繁華街に到着。
あまり変化している印象はなかった。でも、観覧車っぽいのができていた。
そこのラーメン博物館もどきを覗いたが、ぴんとくるのがないので、定番の松屋で夕食。
久しぶりにご飯を食べた気がする。焼いた肉を食べた気がする。野菜なんて、いつぶりだ?
定食は、ご飯のお代わり自由とのことなので、当然、させていただいた。ちょっとリッチな気分だった。
 食後、テレビ塔の隣にあった、オアシス21という公園でぐだぐだする。
恋人たちがうようよしていて、いろいろといろいろしていて、ちょっと切なくなる。
ベンチで横になると、今度は眠たくなってくる。が、宿は23時からチェックインなのよ。
それまで、綺麗な夜景を眺めながら、ぼんやりとしていた。つか、いいなぁ、羨ましいなぁ。
 今日の宿は、ポパイ錦町店。
山陰旅行の時にも使ったネットカフェで、フラット席が、バカみたいに広いのが特徴。
けっこう丸見えなんだけど、別にナニをするわけでもないので、特に問題はない。
これで、ナイトパックが21時ぐらいからだと嬉しいんだけど。贅沢はいえないわけで。
 にしても、失敗した。というか、勘違いしていた。
サッカー日本代表の試合。明日じゃなくて、あさってなのね。
明日だと思ってたので、ちょっと予定を考えないとダメだなぁ。
といっても、考えるほどの予定もないんだけどさ。

1800、広島PasTime。12h。
150、広島市電。
757、広島コンビニ。
500、尾道みやち。ラーメン。
600、新倉敷くらしきの湯。
200、名古屋地下鉄。
480、名古屋栄松屋。定食。

広島 0843
(336M)
尾道 1015
1144
(5342M/快速シティライナー)
新倉敷 1238
1411
(348M)
岡山 1439
*1500
(1922M)
播州赤穂 1608
*1609
(3498M/新快速)
野洲 1842
1843
(802T/快速)
米原 1918
*1936
(2258F/新快速)
名古屋 2040


060815(火)
 ネットカフェに泊まる利点といえば、ネットが使えること、だと思う。
PCを持ち込まずに、さっくりとネット環境を得られるのは、手ぶら派には助かる。
今日の温泉巡りにしても、ネットで調べられなければ、どうにもならなかったし。
まぁでも、きちんとした宿に泊まった方が、体力その他の面でも、有利なんだけどね。
 そんなわけで、本日は、近鉄沿線の温泉巡り。
巡りといっても2ヶ所だけ。他にもあるみたいだけど、交通費との兼ね合いもあるので。
 近鉄は初体験。だけど、特に変化があるわけではない。車窓も雰囲気も、だいたい同じ。
違っていたのは車掌さん。頻繁に、日よけを上げ下げにやってくる。これは初めて見る風景。
下げるだけなら、冷房効果の為だとわかるけれど、上げるのはなんだろ。結構、不思議だった。
 最初に立ち寄ったのは、湯の山温泉という駅から、徒歩7分の片岡温泉。
今、通ってきた線路に沿って歩いて行くと、あっさりと到着する、けっこう大きな施設。
ここで初めて、自遊人の無料パスポートを使うことができた。
混雑時期のお盆だし、断られるかとどきどきしていたら、笑顔で対応してくれた。
これだけで、よかったと思えてしまう自分がおかしい。けど、笑顔は素直に嬉しい。
 浴室は、大きな内湯と、そこそこの露天風呂の、二段構え。
ちょっとだけ緑っぽい印象の、ちょっとだけ熱い感じのお湯は、でも、当たりのお湯だった。
そこまで調べていなかったので、お肌がつるつるした時は、内心、きたぁ、って感じ。
これを無料パスポートで入れたのは、お得な気分。混んでなかったのもよかった。
飽きるほどにつるつるし、休憩室でごろごろし、電車の時間に合わせて、温泉を後にした。
 次の温泉は、冨吉という駅から5分ぐらいのところにある、テルマ55という温泉。
駅前は昭和な団地で、それを抜けるとR1。こんな所を走っているのかと、けっこう驚かされた。
このR1沿いにあるのがテルマ55、という温泉。こちらは、ちょっとくたびれ気味かな。
 ひろーい浴室に、3段構えの湯船。ちょっと黄色っぽいお湯は、とても熱そうな雰囲気。
覚悟を決めて浴びてみれば、どうにもこうにも熱い。熱くて熱くて死んでしまいそう。
お客さんは、地元のおっちゃんばかりで、彼らは、平然と入っているんだけれども。
ぬるめ好きとしては、これは苦しい戦いだった。つか、浸かっても30秒が限界だった。
結局、かわいい露天風呂の、ひろーい空間で、日焼けしながら昼寝するのが精一杯。
つか、海水浴みたいで気持ちよかった。お風呂よりも、昼寝が気持ちよかった。どうなのよ。
 名古屋駅に戻り、マンガ喫茶の探索をしておく。
栄のでもいいけれど、地下鉄の往復400円がばかばかしいし、明日は6時に出発予定。
名古屋駅前に適当なのがあるのであれば、それを利用した方がいい、という計算だった。
 ナムコ直営のそれがあってびっくりしたけれど、冗談みたいな金額なので、これはない。
カラオケ併設のは、うるさそうな感じ。でも、12hで1980円。その点では、魅力的。
最終的に選択したのは、9h1800円の、ジョイムというマンガ喫茶。商業ビルの3F、かな?
 いかにもマンガ喫茶、という雰囲気のマンガ喫茶だけど、なんだろ。空気がぎすぎすしてる。
リクライニングシートはみしみしとうるさいし、全体的に、音のマナーが悪い。
夜中に入ってきて、普通に話しているカップルなんかも、どうかと思った。
ていうか、ペア席の密室度がすごい。ほぼ完全に個室じゃないの。よく指導されないなぁ。
ネットで明日の調べ物をして、うるさいシートを倒してしまえば、すぐに眠ってしまった。
 ちなみに、夕ご飯は、名古屋駅構内にあった、なご家というラーメン屋。
名古屋ラーメンとのことだけど、特にそれを感じることもなく、特にどおってこともなく。
ただただ、無駄に高い金を払ってしまったと、めちゃくちゃに後悔するしかなかった。
つか、立ち食いのきしめん屋を、どこかに作ってほしかった。使い勝手のいいやつを。

1780、名古屋栄ポパイ錦町。8h。
200、名古屋地下鉄。
409、近鉄名古屋コンビニ。
830、近鉄名古屋。湯の山温泉まで。
700、湯の山温泉。冨吉まで。
500、冨吉テルマ55。
98、冨吉アオキスーパー。
290、冨吉。近鉄名古屋まで。
1102、名古屋駅なご屋。ラーメン。
2110、名古屋駅キオスク。おみや。

近鉄名古*0901
(近鉄名古屋線/急行)
近鉄四日 0934
*0955
(近鉄湯の山線)
湯の山温 1021
*1236
(近鉄湯の山線)
近鉄四日 1301
1312
(近鉄名古屋線)
冨吉 1347
1603
(近鉄名古屋線/準急)
近鉄名古 1618





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