日記 |
2006.12/ 7 |
061101(水) 別に、いじめられてた、ってわけじゃないから。 こんな時期だから、敏感になるのはわかっているけど、それは、否定させて。 じゃあ、なんで、って聞かれると、ものすごく困ってしまう。 きちんとした理由はあるけれど、でも、たぶん、それじゃあ納得してくれない。 もっとはっきりとした理由がないと、受け入れられないと思うんだよね。 そういう意味だと、いじめ、ってわかりやすくていいかなぁ、って。 つかまぁ、いいや。どうでも。だって、私はいなくなる人なんだから。 残った人たちが、この手紙を読んで、それであれこれ考えてくれれば。 そんなわけで、あえて正解は書きません。ホント、くだらないから。 あーでも、ひとつだけ。どうしてもひとつだけ、理解しておいてほしい。 私は、ものすごく幸せだったし、ものすごく楽しく生きることができた。 妬むことはあったけど。そりゃ、誰が見たって人並み以下の自分だからさ。 人並み以上の人に対して、ちくしょー、ぐらいは思うこともあったけれど。も。 それでも、好きな人と好き合ったりできたわけで。愛されもしたわけで。 そっかぁ。心残りがあるとしたら、そこなんだ。そこが、後悔ってやつだ。 もっともっと、愛すればよかった。狂っちゃうぐらい、愛すればよかった。 あんなに、優しさをくれたのに。私は、なにかをあげられたのかな。うーむ。 でも、それは、次の機会にね。機会があれば。ないだろうけれど。 こんな手紙が残されて、みんな、困ってしまうと思うけれど。 とにもかくにも。私は、私が決めた生き方のために、ちょっと旅に出てきます。 生まれてきてよかったし、生きてきてよかったし。うん、全部、よかった。 ので、だ。どうか、ずっと悲しんだり、泣いたりしないで。欲しいのです。どうか。 それが、最後のお願い。です。 061102(木) 月明かりもない、真っ黒な夜だった。 魂が、ふわふわと浮いていた。薄白い丸まりが、ふわふわと浮いていた。 なにをするわけでもない。なにをしたいわけでもない。どうすることもできない。 だから、彼女は両手を差し出した。 触れた途端に、全身に激痛が走る。どうしようもないほどの、苦痛に襲われる。 それが、この魂の命だとわかるから、彼女はどうにか堪えられる。堪えないといけない。 まるで何事もないように、ぎゅうっと魂を抱きしめる。 ごめんね、と、つぶやく。本当に、ごめんね。 行き場所のなかった魂は、まるで線香花火のように、すうぅっと消えた。 黒の中に残っているのは、彼女だけだった。 毎日、人が死んでいった。 海岸で、密林で、洞窟で、山中で、谷間で。 人と人が殺しあって、魂が生まれて、取り残されて。 彼女ができることは、その魂を救い上げることだけだった。 本当は。本当なら、魂になる前に、救ってあげたかった。 けれども、そんな力はなかった。あまりにも無力だった。 だから、できることをするしかなかった。それが、とても辛かった。 彼女がどうしてここにいるのか、自分でもわからない。 気がついたらここにいて、気がついたらこうしていた。 それがどういうことなのか、考えはしたけれど、答えは出なかった。 満月に近い夜。人が、たくさん死ににいった。 飛行場になだれこんだ人たちが、どんどんどんどん、死んでいった。 拳銃で、小銃で、機関銃で、迫撃砲で、手榴弾で。死んでいった。 魂の抜けた塊が滑走路を覆い、その上を、魂たちが飛んでいた。 彼女は泣いた。さんざんと泣いた。涙が止まらなかった。止められなかった。 人が死んで、魂が生まれて。自分は、その魂を殺す。 ついさっき、ほんのちょっと前までは、生きていた人たちなのに。 こうして魂になって、そしてまた、殺される。理由もなく、殺される。 ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。 何度も何度も唱えながら、苦痛に奥歯をかみ締めながら、魂を消していく。 できることがこれだけだとして、本当に、これでいいのかどうか。 わからないから、彼女は、また泣いた。泣きながら、またひとつ、魂を消した。 星がたくさんついた旗が、一番、高い山にはためいた。 それから、人がたくさん死ぬことはなくなった。 そして、しばらくもして、人が死ぬこともなくなった。 最後の魂を消すと、彼女は、その山の頂上で倒れた。 身体を丸め、自分を抱きかかえ、土へと消えていった。 061103(金) JBCクラシックの馬券を買いに、新宿へ。 旧早稲田通りから早稲田、中野、青梅街道へと抜けた。 場外馬券売り場に行ってみると定休日。つか、やれよ。 仕方がないので、そのまま後楽園までぎこぎこ漕いだ。 買った馬券は、2着1着で外れ。初志貫徹しろよ。 今日の反省としては、馬複で8倍。馬単で10倍なら、馬複を。 というか、最初から馬複を買うつもりなのだから、それを買え、と。 さらに、前日の予想の段階で切った4番を買うな、と。ダメなボク。 ダメといえば、獣じゃん、と言われたのも。けだもの、ね。 まさか三十路過ぎの男が、けだもの、って言われるとはねぇ。 いやそりゃ獣だけど。でも、きちんと説明してきたんだけどな。 勝手に冷めてりゃ、そりゃ、世話ないよ。と、遠吼えしておく。 バンドオブブラザースもないし、とっとと寝よ。こんな日は。 川崎10R。馬単01-13\1100。3連馬単01-04-13\700。01-13-04\700。 061104(土) いつかは終わりが来るって、ずっと覚悟をしていた。 彼女が追い詰められた時に、これはもう、長くないなと悟った。 我慢大会のように、どちらかが、苦しい、って言ったら、それでおしまい。 その日から、僕は、そんな気持ちで彼女と付き合うようになった。 終わりは、それからすぐのことだった。 顔を上げたのは、僕でも彼女でもなく、別の人だった。 それも、じわじわと、我慢大会を楽しむように、ゆっくりと上げていった。 上げたくて上げたわけではない。けれども、それは、どうでもいいことだった。 結果的に、こうして終わってしまったのだから。僕と彼女は、別れたのだから。 終わって、気がついた。僕は空っぽだった。 彼女がいた空間がすっぽりと抜けて、すっかすかになっていた。 どうしようもなく甘えて、どうしようもなく依存して、憑依して。 その彼女がいなくなったのだから、こんな状態になるのも当然だった。 それから、どれくらい経ったのだろう。 数年なのか、数十年なのか。僕は、今だにすかすかのままだ。 情けないことに、あの恋から、まったく立ち直っていなかった。 いつもどこかで、彼女の事を追いかけている。どうしようもない。 けれども、こればかりは。じゃあ、忘れよう、とはできなかった。 こんな風に日記に書いて、なよなよと、破片を留めようとして。 もしかしたら、これを見て、まだ私も好きなの、なんて、言ってくれるかもって。 今、この瞬間にでも、携帯がメール着信のメロディを鳴らしてくれるんじゃないかって。 そんなことばかり考えながら、僕は今日も、毛布に包まり、枕を涙で濡らしている。 このまま消えてしまえれば、どれだけ楽なんだろ。 この包丁を刺すだけで、それは叶うんだけど。 そうする前にもう一度。もう一度だけ会いたいから。 今夜、迎えに行きます。 061105(日) 声が聞きたいなぁ、って。そう思った。 まんまるのお月さまが綺麗だよ、って、教えてあげたかった。 同じモノを見て、同じように綺麗だね、って言ってくれたら。嬉しいんだけど。 私は。彼を知らない。 住所も、電話番号も、メールアドレスも。名前だって知らない。 あの時の顔と声。私の知っている彼は、たった、それっぽっちしかない。 それなのに。ああ、それなのに。まったく。なんなんだろ、この展開は。 恋なんて。恋なんて、したくなかった。 けたくそ忙しいこの時期に、のん気に、好きだ嫌いだする余裕なんてないし。 するならするで、三日後には結婚しちゃうような、そんな運命の恋がしたかった。 出会って、知り合って、告げ合って、付き合って。なんて、マドロッコシイわけで。 というか、そーゆーのが、イッサイガッサイ、めんどっちいなぁ、なんて。 思っていたのに。のにだ。恋しちゃいまシタ。やっちゃいまシタ。ズキュン、でした。 最初はね。 ああそっか。優しさに飢えてたんだと、人の情けがカタジケなかったんだと。 そー思ってた。都会も、若者も、まだまだ捨てたモンじゃないのよ、って。 朝日新聞にでも投稿するか。あの時、駅で助けてくれた若者は、って。なんて。 それで済めばよかったのに。済むと思っていたのに。 気がついたら、あなたは、ここに居座っていた。 くしゃっとした笑顔と、とてもとても優しい声。不思議な温度。大きな手。 スーツが汚れちゃうのに、そんなこともかまわずに、私を助けてくれた人。 まぁ、うん。たぶん、誰にでも優しい人なんだと思う。誰にでも平等な人なんだと思う。 そんな、一回こっきりの出会いで、5分程度の出会いで、好きになっちゃうなんて。 私ってめでたいなぁ。頭、うんでるのかなぁ。中学生日記かよ。ったく。と。 悩んだ時期もあったけれど、今はもう、これを楽しむことにした。つか、するしかない。 こんな、乙女みたいな恋をするなんて。 つか、日記だから。日記だから、正直に、告白、しときます。将来の私、読めよ。 私は。私は、この恋が、うまくいけばいいなぁ、って思ってる。 偶然に再会して、そこから、少しづつ少しづつ、じりじりと気持ちが膨らんでいって。 初めて指先が触れた時に、お互いが、どうしようもないほどに赤面しちゃうような。 そんな風に進んでいけば、嬉しいなぁ、って。思ってます。 今は、よくわからないあなた。 あなたに対して、この日記で、こんな風に書いても、無意味だってわかってます。 でも、だけど。こうして言葉にすることで、もしかしたら、意味を持つのかな、って。 今、私は、好き、って言った。そして、それを書いた。言葉が、音でなく、形になった。 この形になったモノが、すぅっと。すうっと、届いてくれればいいな、って。 そう願って、マス。 なんて、酔っ払って書いたらダメか。意味、わかんね。 061106(月) 遠くなったのか、聞こえなくなったのか。 痛みを感じなくなっている、ということは、たぶん、後者なのだろう。 視界もぼやけてきている。意識を感じることが、とても面倒に思えてきた。 寝たら死ぬ。それはわかっていたけれど、あがなうことはできそうになかった。 たぶん、あと数分の命。そうしたら、俺は、この世界からは消えてしまう。 それは、そんなに悲しいことではなかった。むしろ、望んだことだった。 子供が死んだ。妻も死んだ。父も母も死んだ。死んだ。殺された。 飛んできた弾で死んだ。手榴弾で死んだ。砲で死んだ。殺された。 その時点で、自分も死んでいた。身体が少々、残っていただけだった。 だから。だから、これでいいんだと思う。死んでしまえば、また、会える。 この世界がどうなろうと、知ったことじゃあない。どうとでもなればいい。 みんながいる世界で暮せれば、それでいい。それだけが、望みだから。 次の瞬間。彼は、望んだとおりに死ぬことができた。一瞬で蒸発した。 061107(火) 生理が遅れてた。胃の調子もおかしかった。 もしかして、って、マツキヨで検査薬を買ってきた。 トイレでさっくり調べてみたら、重たい結果を頂戴した。 さっき、そのことを教えたら、明日、会って話したい、って言われた。 電話越しに、ものすごく激しい動揺が伝わってきて、なんか、おかしかった。 同時に、堕胎希望だってことも、よくわかった。雰囲気で、すごく、よく。 妊娠したから、責任とって、結婚して。 そんなことを言うつもりはない。してくれないのもわかってる。 向こうからしたら、したくない、って感じだろうな。私との結婚なんて。 それは、最初からわかっていたことだったし、変化がないのも、教えてくれていた。 原因もはっきりしてるから、どうしようもない。だから、それはしょうがない。 ただ、だから。私は堕胎したくない。 現状を考えたら、産むべきでない、というのはわかってる。 とてもじゃないけれど、出産、という行為をできる余裕がなさすぎる。 精神的にも、肉体的にも追い込まれているのだから。無理だって、わかってる。 でも、子供に罪はない。 というか、罪とか罰とか、あるはずがない。 今、こうしている瞬間にも、私の中で、少しづつ、育っている。 感じることができないほどに小さい存在でも、私はそれを感じている。 今、自分の中に、自分と違う命がある。自分と同じ、自分ではない命が。 そんな風に、自分のお腹に宿っている魂を、殺すなんてとてもできない。 明日、どんな話になるんだろう。 たぶん、最後は、けんか別れに近い形になるのだろうけれど。 そうしたら、また、ひとりで育てていくことになるのだろう。 それは、もう、妊娠しているかも、と、思った時点で覚悟していたけれど。 できれば。できれば、いっしょに子育てしてほしい、と思った。 できれば。家庭に入ってきてほしい、と思う。 みんなで、幸せになれれば。いいのに。 061108(水) 失恋から立ち直れない僕がいる。 もう4ヶ月も経っているのに、どうにも、悲しい。 意識的に考えないようにしていても、どこかでふと、浮かんでしまう。 よく待ち合わせをした改札。初めてデートをした町。告白をした伝説の樹。 どこもかしこも思い出ばかりで、関西にでも引っ越そうかと、本気で悩んだ。 いや。関西に行けば行ったで、旅行の記憶が蘇るだろう。それも辛い。 あの恋は。あの恋は、僕にとっては、最後の恋になるはずだった。 年齢的なものもあったけれど、なにより、すべてにおいて、合う人だった。 精神的なこと、肉体的なこと、物理的なこと。全部、すり合わせができていた。 この人となら。そう思っていたのに。それだけに、全身全霊、つぎ込んでいたんだ。 結局、僕の不甲斐なさ、頼りなさ。いざという時の弱さが、原因となって振られて。 気がつけば、僕はひとりぼっちだった。寒い景色だけが、さぁっと広がっていた。 残ったのは、命だけのような、そんな錯覚さえ覚えてしまう。 命があれば、生きていれば、また、やり直せる。 そう思ってがんばってきた。夜に泣いて、昼は無心に働いた。 忘れられる。次がある。けれども、実際には、どうにもならなかった。 未だに好きだ。どうしようもないほどに好きだ。気持ちは、終わってない。 こんな風に、とても寒い夜に。 僕は、電話をしたい。メールをしたい。つながりを戻したい、と切望する。 携帯電話を手にして、電話帳から選択して、あとは、発信ボタンを押すだけ。 そこでいつも指が止まる。それ以上は、してはいけないとわかっている。 僕は振られた。その原因もはっきりしている。 だから、それを克服しなくちゃ、変えてからでなけりゃ。ダメなんだ。 だから、がんばろ。少しづつでも、強い人間にならなくちゃ。 また、あんなことがあった時に、受け止められる人間にならなくちゃ。 そう誓って、ベッドにもぐる。 そして、めそめそと泣く。もう、どうしようもない、螺旋階段。 いつになったら復旧できるのだろう。復興支援はあるのかないのか。 早く。早くいい思い出にしたい。 061109(木) 後楽園で、10月の馬券を換金した。 水道橋で、髪を切った。3ヶ月ぶり。どうりで長いわけだ。 神保町で、できたてらしい大勝軒を発見。湯切りが最低で、くそまずい。スープは普通。 秋葉原で、48を見てきた。楽しかった。と書いても、普通に思えるから怖い。行くなら47だ。 061110(金) なにをしたいのか、自分でも、よくわかっておりませぬ。 061111(土) 居間にこたつが設置された。早いけど、寒いんだよ。実際。 お遍路さんのドラマが、NHKで始まった。江口が廻る理由作りの説明が長すぎ。 そんなのは、最初の3分でナレーションで説明しちゃえばいいのに。 というか、ボクが見たいのは、お遍路さんで苦労するドラマだったらしい。 今回は、最後の方が、精神病棟24時みたいな雰囲気。けっこう怖かった。 これからみんな壊れていくのなら、かなり面白そうだなぁ、と思う。 無難に願いが叶って幸せ終わりだろうけれど。お遍路さんだし。 気になっていた、ハツカレという少女まんがを読む。 赤面率98%という数値が、帯には書いてあったけれど、全然、赤面しない。 話に遊びがないように感じて、教科書でも読んでいるような気分だった。 ただ、紳士として恥ずべきことだが、こういう体験をしたい、とは思った。 ひとつひとつを経験する直前の、溜めとか貯めとか。もう一度だけ、ボクに機会を。 ちなみに、一番、赤面したのは、これを買う時だッ!! さすがにもうきついだろ。31才無職独身。 061112(日) カワカミプリンセスが1着降着になった。 馬券を買わなかったので、買っていても外れていたので、降着でも外れなので。 関係ないといえば関係ないけれど。でも、やっぱり。東海Sを降着で外した身として。 馬券は、降着失格関係なしに、入線順位どおりに払い戻しにするべきだと思う。 だって、落馬や故障で払い戻しがないんだもん。競走中の事故は、馬券に関係ない、ってことでしょ? だったら、降着や失格があろうがなかろうが、入線順位を優先するのが筋だろう、と。 降着失格の判定を人間がする以上、それが間違える可能性や、八百長だってあるわけだし。 賭博として公正を期すのであれば、入線順位どおりにするべきだと思った。 061113(月) さて。今日は、12/5であります。 別に、未来予想日記でもなければ、意味不明な文でもありませぬ。 実はですな。12/3にハードディスクが飛びまして。この日記も消失。 かと思っていたものの、幸い、引き揚げることに成功いたしまして。 ただ、完璧とはいかず、11/12の後半以降は、なくなっておりました。 061114(火) で、今、こうして日記を書いているわけですが。 11/13、11/14と、特になにもございませんでした。たしか。 ぐだぐだと家にいた。はずであります。出かけたのかもしれませぬが。 特に、なにも書くことはありません。ので、そう書いておきます。 061115(水) ただ、この15日だけは、ちょっとありました。 面接であります。年末アルバイトの。渋谷にて。 行ってみたら、労働日数が合わず、あっさりと終了。 向こうは10日前後。こちらは20日前後。そりゃ、ダメですな。 ただ、写真は返却してもらえたので、よかったです。高いのよ、けっこう。 にしても、これが、受かっていたらなぁ。 今日、12/5も、今ごろどこかで労働していたわけで。 そうだとしたら、いろいろと、人生、変わっていたわけで。 というか、この時点で決めておけば、と、後悔しきりなボクでありました。 |
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