日記
2007. 2/ 3




080101(火)
 普通に目覚めて、普通に過ごした。
新年といっても、こんなもので。
むしろ、体調も悪さが気にかかる。
すっきりしたい。


080102(水)
 計算をしてみると、予想外の数字が出てきた。
いやいや、それくらいになるもので、異常ではないけれど。
微妙に心が折れつつも、微妙にあれこれ修正を行う。
それでどうなるものでもないけれど。やらないよりは。


080103(木)
 眼鏡が折れた。
拭いている最中にぽろりと。
直前なのが不幸中の幸い、でもない。
余計な出費は、素直に痛い。
レンズに傷があったし、度もナニだし、替え頃だったけど。
痛い、痛いよ。


080104(金)
 新宿へ、お買い物へ出かける。
まずは眼鏡。これがないと、どうにもならない。
うろうろして、さくらやで作ってもらって、15250円。高い。
素直に無印の10000円にしておけばよかったと、ちと後悔。
でも、3000円分のポイントがもらえたから、よし、としようか。
 次に、JRのみどりの窓口にて、切符を購入。
どうしようかと悩んで悩んで、結局、購入。引き返せないぞ。
あとは、うろうろと安売りを眺めて帰宅。後、準備を開始する。
ああ。


080105(土)
 常磐線を北上すること、約7時間。仙台は、遠かった。
靴は蒸れるし、合わないし。寒いし、身体が痛いし。
久しぶりの各駅停車の旅。慣れるまでは時間がかかりそう。
 次の電車までは、自由時間。仙台の商店街をぶらぶらする。
若い子たちが多いのは、冬休み、最後の週末だからかしらん。
かわいい子に見とれていたら、道に迷って、ぎりぎりの時間に。
それでもなんとか、ワンカップのずんだ餅プチを買えたので、問題はなし。
 ここからは東北本線で、盛岡へと突き進んでいく。
18きっぷの使える土曜日。混雑を恐れたけれど、さほどでもない。
寒い上に、定時運行も危うい北国を、旅行先には選ばないのかも。
 小牛田を過ぎ、客が減ってきた頃に、ずんだ餅プチを食べてみる。
豆っぽいくせはあるものの、特にそれが嫌ではなく、好きかもしれない。
ただ、一箱は厳しい。プチぐらいでちょうどいいものだと感じた。
 北上に到着したのが17時。外はさすがに真っ暗で、雪が微かに舞っている。
寒い地方へ来た事を実感しつつ、ここで北上線に乗り換える。キハ110x2。
車内はがらがらという状況で、足を伸ばせるボックスシートに感謝する。
さすがにもう、車窓は楽しめないものの、雪が積もっていることだけは確認できた。
 今日、最初で最後の温泉地、ゆだ錦秋湖までは、北上から35分ほど。
日の落ちた、雪の中の無人駅は色っぽかったけれど、堪能している時間はない。
列車の関係で、持ち時間は40分。慌しいのは好きでないけれど、仕方のないこと。
駅前の道を直進すること1分。現われた小綺麗な木造の建物が、今日の温泉、穴ゆっこ。
お湯に特徴はないけれど、内湯から繋がる洞窟風呂と、薄暗い露天風呂がうり、なのかな。
なんにしても、延々と列車に乗ってきた身体には、適温のお湯がとにかく気持ちよかった。
お客さんもいなかったし、もう少し、せめてあと20分ぐらい、長居できたら最高だったのに。
 短時間の湯浴みを終え、北上行の列車に乗り込み、来た道を引き返す。
次の電車は40分後。待合室にいると、そば屋さんから、とてもとてもよい匂いが。
食べたい気持ちをぐぐっとこらえたのは、この後、盛岡での夕食が待っているから。
乗り継いだ電車の中でも、そのことばかりを考えていて、とてもとても遠いように思えた。
 夕食の地、盛岡は大雪の真っ最中。ひとり雪まみれになりつつ、ぴょんぴょん舎へ。
久しぶりの冷麺は、やはり最高。あまりの美味しさに、涙を流すつもりだったけれども。
なんか違う。味が薄くなったというか、韓国冷麺っぽい味になったような、そんな気が。
慣れたのか、飽きたのか、変化したのか。理由ははっきりしないけれど、ちとがっかり。
 雪の中、西口などを散歩した後、北上へ向かう電車に、またもや乗車。
地元の短距離客で満員で、やっぱり大雪の日は、車よりも鉄道なのかもしれない。
 今日、3度目の下車となる北上で、移動に次ぐ移動は終了。向かうは、2km先の今夜の宿。
車はそこそこに走っているけれど、人気はまったくない商店街、中心部をてくてく歩く。
昼間から人通りの少なさそうな場所は、路面凍結していて、まったくもって危険地帯。
一応、雪面の飛び魚を履いてはいるものの、油断していると、つるりんと滑ってしまう。
R107の歩道もそんな感じで、神経をすり減らしながらも、どうにかこうにか宿を発見。
今夜、お世話になるのは、快活CLUB北上店。もちろんここは、ネットカフェ。貧乏旅行だし。
駐車場が埋まっていて、微妙に不安になったものの、フラット席は空いていて助かった。
店内も静かで、こういう用途にも悪くないお店だった。えらく居心地がいいのはなんだったんだろ。
コーラやらジュースやらをしこたま飲んで、1時過ぎに睡眠開始。明日も早いのよね。

294、仙台ずんだ茶寮。ずんだ餅プチ。
250、ゆだ錦秋湖穴ゆっこ。
1220、盛岡ぴょんぴょん舎。冷麺。

北朝霞 0616
(609E)
新松戸 0653
0654
(537S)
柏 0701
0709
(633H)
取手 0721
0734
(1329M)
水戸 0846
*0903
(541M)
原ノ町 1211
*1225
(247M)
仙台 1343
*1444
(539M)
一ノ関 1622
*1627
(1545M)
北上 1707
*1723
(737D)
ゆだ錦秋 1758
1841
(738D)
北上 1922
2001
(1551M)
盛岡 2052
*2157
(1556M)
北上 2249


080106(日)
 真っ暗な中、ネットカフェの最寄駅、柳原まで歩いていく。
歩道は凍結しているし、寒いし。でも、北上よりは、はるかに近い。
昨日も柳原から歩ければよかったけれど、無い列車には乗れないわけで。
 やって来た始発列車に乗り込むと、お客さんはたったの一人。
ゆだ仙人辺りからは、車窓が雪山になった。川も凍っているように見える。
雪景色は好きだけど、どれだけ冷えているのかと、微妙に不安にもなった。
 さっくりと到着したのが、ほっとゆだ駅。意外にも有人駅で驚いた。
小さい待合室を抜け、売店を抜けると、そこは温泉の入口、というか受付。
駅中にある温泉、というと、真っ先に思いつくのが、ここ、ほっとゆだ、だった。
こじんまりとした施設で、ちょっとくたびれ始めているかな、という印象。
お湯の特徴といえば、半端なく熱い、という点。こんなに熱いとは聞いていない。
地元の人は平気で入っているけれど、でも、今日は熱いな、なんて言っている。
もうちょっと、優雅な朝風呂を楽しみたかったけれども、こればかりは。
ほっとゆだの特徴である、内湯の信号機が作動していなかったのも、ちと残念だった。
 次の列車で北上線を西に進み、横手からは奥羽本線の電車に乗り換える。
秋田新幹線への客やら、地元の若い子やらで、空席がない程度の混雑。
大曲以北は、特に若者が増え、その薄着っぷりに、こっちが心配してしまう。
外は吹雪いたり弱くなったりなのに。おっさんとは、放熱量が違うのだろうけれども。
 電車の終点、秋田で降ろされて、駅と直結のヨーカドーで食料を調達する。
食費を削る貧乏旅行。こういう店で安いモノを買えるかどうかが、勝負ともいえる。
今回は、というか、毎度のことながら、値下げしているパンを購入。カロリー的には足りるはず。
 秋田からの列車は、リゾートしらかみ。豪華な車両に510円で乗れるのは嬉しい。
けど、がらがらなのに、ボクの横一列だけ埋まっている、っていうのは。運がない。
父母娘、という組み合わせらしいけど、それなら個室を選べばよかったのに。
 日本海が見えるA席なのに、東能代までは、ひたすらに山側を走る。
進行方向が変わると思っていなかったので、情報が間違っているのかと思った。
五能線に入ると、以前、走った事のあるR101と併走していくので、妙に懐かしい。
そう言えば、あの時は、リゾートしらかみを追いかける格好だった。
 風光明媚な日本海を楽しみつつ、けれども、乗車しっぱなしは厳しい。
というか、乗りつぶす列車ではないなぁ、と。途中下車して観光をするべきだなぁ、と。
そういう意味で、千畳敷での10分間停車は、かなり嬉しいイベントだった。
日本海と観光名所を楽しみつつ、身体を伸ばせる機会を与えてくれた列車に感謝。
 秋田から約4時間。五能線、最初で最後の途中下車は、陸奥森田にて。
えらく愛想のない、委託業務のおっちゃんに切符を見せて、駅前通りを直進。
T字路を左折すると、森田温泉、の看板を、あっさりと見つけることができた。
全体的に、民宿のような旅館というか、民家というか、雑然とした雰囲気。
お湯自体は適温で、微かに黄色い感じ。錆びっぽい甘い味で、身体には、泡泡がいっぱい。
なにより、温まり方が半端ではなく、駅に戻ってからも、上着を脱がないと辛いほど。
ただ、脱衣所も浴室も狭くて、4人以上だと、居場所を探すのに苦労する。
というか、人の出入りがけっこう激しく、どうにも落ち着かない温泉だった。
 ここからの列車は、リゾートしらかみとは違う、ごくごく普通の気動車。
がらがらの車内も、五所川原からは大混雑。ローカル線とは思えない人気っぷり。
弘前からの電車も混雑していて、この地域は、それなりに流動があることを実感させられた。
 久しぶりの青森も、ここでは下車せず、東北本線の電車に乗り換える。
たった一駅、お隣の東青森は無人駅で、ちょいとびっくり。客、多かったのに。
すぐ近くの、普通の大きさのショッピングセンターを横切り、佃温泉ゆーぽっぽへ。
 ここは、銭湯を、そのまま綺麗に大きくしただけのような、そんな温泉だった。
特に浴室が広くて、泡風呂や高温風呂、子供風呂、サウナ、露天風呂まで完備。
濁った黄色のお湯は、薄い塩っぽい味と、なにか独特の匂いがして、しっかりと温泉していた。
これで銭湯料金なのが嬉しい。お客さんが多いのも、納得の施設だった。
 今日、最後の温泉を終えて、青森駅へと戻る。
これから乗る、はまなすの自由席の列を確認するけれど、誰もいない。
だから安心、というわけではないけれど、改札を抜けて、商店街のマクドナルドへ。
青森まで来て、なんだけれども、他に食べたい物もなければ、これで十分。
でも、やっぱり、油っこいポテトは嫌だなぁ。この油、なんとかならんのかしらん。
 ある意味での、今日のメーンイベントは、急行はまなすの自由席の絶対確保。
ホームの待合室には、同じ目的の人間が、出たり入ったりして落ち着かない。
誰しも立ちっぱなしは嫌だけど、この寒さの中、立っているのも嫌なわけで。
どうなるかとどきどきしていたら、どうも増結しているらしく、自由席は後ろの3両。
列の方も、どう考えても満員にはならない程度だったので、ほっと一安心。
最後方は発電機でうるさいし、反対側もよく鳴く犬を連れた客がいるので問題外。
結局、真ん中の車両に乗り込むことにした。一人二席でも余る程度の乗車率だった。
発車後に検札を済ませ、眠る体勢を作り出す。少しでも睡眠時間を稼がないと。

1200、北上快活CLUB。
250、ほっとゆだ。
308、秋田イトーヨーカドー。
300、陸奥森田森田温泉。
390、東青森ゆーぽっぽ。
300、青森マクドナルド。
11500、青森駅みどりの窓口。18きっぷ。

柳原 0623
(725D)
ほっとゆ 0705
0821
(729D)
横手 0853
0858
(433M)
秋田 1003
*1105
(8623D/快速リゾートしらかみ3/\510)
陸奥森田 1450
1556
(831D)
弘前 1702
*1712
(657M)
青森 1757
*1815
(580M)
東青森 1820
1946
(579M)
青森 1954
*2245
(201/急行はまなす)
苫小牧 0501


080107(月)
 函館で目が覚める。仮眠程度の睡眠時間。
お客さんは、この車両には乗ってこなかったようなので、四席確保してみる。
が、座席の回転に四苦八苦。背もたれを倒して回すなんて、わからないって。
多少は寝やすくなったはずなのに、函館以降は、寝たり起きたりを繰り返す。
 はっきりと目が覚めたのは、萩野手前での急停車。
鹿と衝突、との車内放送のあと、車掌さんが、けが人の有無を確認していった。
北海道ではよくあると聞いていたけれど、まさかいきなり喰らうとは。
よくあること、だけに、10分ほど停車しただけで、そろりそろりと動き出した。
 苫小牧には無事に到着。下車するついでに、列車を見送ってみた。
自由席はがらがらなのに、指定席は満席に近い状態。指定の方が辛そうだった。
ここ苫小牧では、追分方面への始発列車に乗るために、約1時間の接続待ち。
早朝にやれることもなく、開放されていた待合室で、ぼーっとするだけ。
というか、外の寒さの凄まじさに、動く気なんて、これっぽっちもしない。
長袖のTシャツ2枚にフリースにブルゾン。下はフリースパンツ。でも、厳しい。
 始発列車で追分、乗り換えて新夕張まで来たところで、また1時間の接続待ち。
外は快晴だったので、ほんの少しだけ駅近くを歩いてみた。やっぱり寒い。
なんとなく、さらさらの雪をかき分けながら、紅葉山神社で初詣を済ませた。
 ここからは、贅沢にも特急で移動する。というか、普通列車が走ってない。
ので、安いきっぷでも、追加料金なしで乗ることができる制度になっている。
同じような客はひとり。苫小牧からずっと一緒で、微妙に気持ち悪い。同族嫌悪。
 自由席にしか乗れないので、立ち席も覚悟していたけれど、案外と空いていた。
窓際を確保して、短時間の優雅な移動を楽しむ。ってほど、座席はよくなかった。
普通列車と違う加速っぷりと、粉雪の舞いまくりっぷりには感動した。
それと、ポイント毎にスノーシェイド、というのが、豪雪地帯っぽかった。
 雄大な車窓を横目に山を越え、特急券不要区間の終点、新得へ。
ここでも40分ほどの待機時間が発生する。それくらいで済んでいるだけよいのかも。
駅舎を出てすぐ右側に、新得町営浴場があるので、本来なら朝風呂をしたいところ。
けれども、営業は午後からなので、やっぱりやることはない。待合室がお友達。
 中国からのスキー客が、改札で揉めているのを横目に、1両の快速に乗り込む。
この快速が大盛況で、幸い、着席できたけれど、停車駅を重ねるごとに立ち客が増えていった。
せめて、車幅の長い国鉄時代の車両を使ってくれれば、少しは軽減されそうなのに。
 鉄道利用が初体験らしい、やたらとはしゃぐ小学生たちと一緒に、帯広で降車する。
なにげに立派な高架駅で、人も多い。この地域の中心地なんだと実感できる駅だった。
 まずは、朝兼昼食。帯広といえば、豚丼。というわけで、駅ビルにある、はげぶた、へ。
ここがまた、ガード下の立ち飲み屋みたいに、えらく狭いお店なのには驚いた。
幸い、混雑する直前という、絶妙なタイミングに入れたので、並ぶ事はなかったけれど。
食べてみると、熱々で、豚が柔らかく、味付けも濃くて、空腹を差し引いても、十分に美味だった。
 名物を食べたあとは、これも地味に名物だといえる、温泉巡りを敢行する。
まずは、駅から少し離れている、とはいっても、1.5kmぐらいだけれども、ホテルボストンへ。
歩く人が少ないのか、歩道は凍結しまくりで、一歩、前に進むたびに、ABSが作動した。
 どうにかこうにか到着したホテルは、ちょっとくたびれた感じで、ものすごく昭和臭が。
休憩所の薄暗さや番台のおじいちゃん、脱衣所、浴室の作りまで、すべてが一世代前っぽい。
ただ、脱衣所の籠は入れ替えたらしくて、少しづつでも手は加えているみたいだった。
湯気で煙る広い湯船には、紅茶のような色をしたお湯が満たされている。
微かに匂いがあるような気はするけれど、くっきりはっきりとは感じ取れない。
入ってみると、かなり熱い。泡が身体につくのは楽しいけれど、長湯は無理。30秒が限界。
やはり北国の人々は、こういう温度を好むのかしらん。
 次に、火照った身体を引きずって、近くのバス停から、十勝川温泉行きのバスに乗る。
荒っぽい運転に閉口しつつも、きっとこれが、こっちの地方の標準なんだと考えるようにした。
十勝川温泉といえば、とても珍しいモール泉が有名らしいけれど、今回は華麗に無視。
というか、帯広市街の温泉自体がモール泉のような気が。というか、珍しくもないような気が。
 そんなわけで、手前の宝来中央、というバス停で下車をする。
ここは完全な住宅街で、むさいのがうろうろしていると、すぐに警察がきそうな雰囲気。
なので、とっとと歩き出すけれども、温泉への道のりに立ちはだかるのは、段数のある階段。
ホテル街への入口を横目に、凍結していて恐ろしい階段を、恐る恐る登っていくしかない。
幸い、無事に超えられたけれども、その油断がよくなかったのか、温泉の駐車場で転んでしまった。
 やって来たのは、丸美ヶ丘温泉ホテル。帯広では、評判のいい温泉施設らしい。
受付のおばちゃんが、スナックのママみたいなのには苦笑い。受付自体がそれっぽいし。
浴室に入ってみると、正面に広がるガラス張りに驚く。ここから見えるのは、宝来の町。
丘の上にあるので、夕方以降だと、けっこう綺麗なモノが見えそうな気がする。
売りは、もうひとつあって、源泉が二本あり、それぞれに湯船が用意されている、ということ。
大きな浴槽のお湯は、ボストンよりは濃い茶色。泡はないけれど、垢のような湯の華が浮いていた。
端っこにある小さい湯船は、なかなかの人気っぷり。入ってみて、理由がすぐにわかった。
適温よりもぬるくて、泡泡で、正直、こっちの浴槽のお湯だけでも、満足できてしまう質のものだった。
特に、こっちで身体を冷ましてから、熱めの茶色いお湯に浸かると、最高に気持ちがいい。
これを繰り返すのは、もう、これ以上ない幸福感ともいえる。評判の高さも納得できた。
残念だったことは、風呂場で転んでしまったこと。ここの温泉は、どうも転んでしまうらしい。
 バスで駅前に戻り、帯広最後の温泉、アサヒ湯へと行ってみる。
丸美ヶ丘温泉で満足してしまい、二の足を踏んだけれども、こちらも評判のお湯。
そして、やっぱりよいお湯だったし、なにより、建物を含めて雰囲気が素晴らしかった。
全体的にこじんまりとした、小綺麗な建物は、銭湯というよりも、建替え直後の共同湯のようで。
中もまた、さっぱりとこじゃれた雰囲気で、狭さを上手に生かしているように思えた。
逆に言うと、人が多い時には遠慮したい施設だけれども、先客がひとりならば、問題なし。
湯船の底から送り込んでいるのは、もちろん紅茶色。そして、泡をいっぱい包括している。
ちょっとというか、帯広標準な熱さなのは仕方ないけれど、その分、かなり温まった。
こんなによい温泉銭湯が、市街というか、駅の近くにあるとは。帯広は、すごい町だった。
ただ、ここでもひとつ、残念無念。アクセサリの腕輪を紛失してしまったのは痛恨のきわみ。
 発車寸前の列車は、キハ40の単行。学生で埋まっていたけれど、次の駅でがらがらに。
車窓を楽しむ時間でもなく、ここからは、ひたすら移動のために乗っていくだけ。
終点の池田で降ろされても、あまりにもなにもない町で、ちょっと驚いてみた。
軽く歩いた駅前通りに、えらく立派な体育館はあったけれど、そこまでが精一杯。
一応、徒歩圏内に、ワイン城や温泉があるけれど、そこまでの気力もなく、待合室の人となる。
 今日の最後もキハ40。終点の釧路まで、約3時間の長丁場。
北海道の広さを、これでもか、というほどに味わう事のできた3時間だった。
なにしろ、進んでも進んでも、釧路が見えてこないのだから、どうにもたまらない。
これぞ逆浦島現象。けれども、これは今日だけではなくて、毎日のようにある苦行。
せめて車窓があれば、少しは違うのだけれども。自然の法則には立ち向かえない。
 なにをしたのかも覚えていないけれど、気がつけば、釧路駅にいた。
身体が温まってしまったせいなのか、雪の少ない釧路なのに、えらく寒く感じる。
大好きな夜間観光をする気分にもなれず、真っ直ぐにホテルに向かい、チェックイン。
ネットでの予約が、微妙におかしなことになっていたようだけれども、問題はなし。
典型的なビジネスホテルのシングルルームは、特に満足も不満もなかった。
というか、とっとと寝る。明日は明日で始発だしね。

1155、帯広駅ぶたはげ。豚丼。
500、帯広ホテルボストン。
270、十勝バス。宝来中央まで。
300、帯広丸美ヶ丘温泉ホテル。
270、十勝バス。帯広駅まで。
390、帯広アサヒ湯。
7000、釧路パルーデ釧路。

苫小牧 0501
*0612
(1463D)
追分 0648
*0708
(2623D)
新夕張 0741
0858
(31D/特急スーパーとかち1)
新得 1005
1048
(3427D/狩勝)
帯広 1128
西2条4丁 1332
(十勝バス/\270)
宝来中央 1340
1524
(十勝バス/\270/土休)
帯広 1539
1648
(2553D)
池田 1720
1847
(2529D)
釧路 2130


080108(火)
 早朝の釧路駅なのに、改札を抜けてくる人たちがいる。
どうやら、まりもが到着したらしい。そこそこ需要があるのかしらん。
網走行は、もちろん1両。キハ54。特急のような座席で、そこそこに埋まっていた。
 明るくなってくると、荒涼とした原っぱのような車窓が飛び込んできた。
人間を感じない、えらく静かな世界は、時々、鹿がいて、ここら辺が湿原なのかと思った。
その鹿を避けるためか、汽笛を鳴らしながらゆっくり走るのが面白い。
想像していたよりも、雪は少ない。釧路市街もそうだったし、この地方はそうなのかも。
 北海道の温泉地で、一番、訪れてみたかったのが、川湯温泉。
その玄関口である川湯温泉駅では、3人ほどが下車をした。内、地元の人がひとり。
この時は知らなかったけれど、川湯温泉の方は、北海道でも特に寒い地域だったらしい。
快晴にも関わらず、外気は恐ろしく冷えこんでいて、とても、じっとはしていられない。
無人駅の待合室に火の気もなく、バスの入線まで生き延びられるか不安になったけれども。
駅舎の横の怪しげな建物の中に、足湯を発見。ありがたく入浴して、なんとか暖を取れた。
 時間上はそれほどでもないけれど、ようやくとやって来たバスに乗り、川湯温泉街へ。
細長く形成された街で、朝風呂に選んだのは、温泉街のはずれにある、湯の閣、というホテル。
選択した理由はふたつで、朝っぱらから日帰りを受け付けていることと、割引券があった点。
最近、改装でもしたのか、えらく立派で綺麗なホテルだったので、まず、そこに驚いた。
受付でお金を払い、大浴場に向かってみると、貸切風呂や混浴露天風呂への道を確認。
貸切は不要だし、混浴露天も女性専用時間だったので、今回は見ることも叶わなかった。
というか、こういうホテルで、貸切はともかく、混浴まで残しているとは意外だった。
 大浴場は、平成の匂いがする立派なモノで、いかにもホテルな感じ。
よほどお湯に自信があるのか、自家源泉の掛け流しであることを、やたらと強調していた。
微かに香る硫黄の匂いと、透明なお湯に浮かぶ、白い湯の華。そして、味は酸っぱめ。
pH1.9。久しぶりの強酸性のお湯に、なんだか嬉しくなってしまう。ずっと入っていたいぐらい。
大浴場にも、小さめの露天風呂があり、きんきんに冷えた外気のおかげか、ずいぶんとぬるくなっている。
おかげで、全身がふやけるぐらいまで、だらだらゆっくりと浸かる事ができた。
 湯の閣の次は、郵便局の真横にある公衆浴場へ。
鄙びたとか、年季を感じるとか、表現はいろいろあるけれど、そういう建物。
入ってすぐの休憩所は広いけれど、中は、そこそこ、という感じだった。
浴槽は、左側が少し広くて温泉。右側が、少し狭めの、ぬるい水風呂になっていた。
お湯自体は、湯の閣と同じだけれども、水風呂の存在が、けっこう肝な気が。
当然のように熱めの温泉に浸かり、身体が火照ってきたら、ぬるい水で冷ます。
丸美ヶ丘温泉と同じ方法だけれども、やっぱりこれは気持ちいいものだと再認識した。
 お湯時間を終え、バス停までの帰り道で、コンビニのようなよろず屋で、朝ご飯を購入。
賞味期限をそこはかとなく越えちゃっているパンを、半額で売っていたので、それを選択。
おみやげ屋さんを冷やかしてみたら、白い恋人があることを、えっらく強調されてしまった。
札幌あたりだと品不足だろうけれど、こっちの方は、土日でもなければ、切れないんじゃないかしら。
 雪道を丁寧に走っていくバスに乗り、あっという間に駅に戻ってきてしまった。
なにげに、駅近辺も温泉地で、駅前通りの突き当たりにある、パークウェイに立ち寄ってみた。
湯の閣と方向性は違うけれど、しっかりとした、こちらもなかなか立派なホテル。
お風呂の方は、それほどでもなく、中くらいの旅館の大浴場、といった感じ。
ここもまた、本物の温泉、のようなことを強調していた。本物が、必ずよいわけではないけれど。
お湯は、特徴のない大人しいもの。美肌系らしいけれど、つるつる感もなかった。
面白かったのは露天風呂で、林の中にある秘湯のような、そんな雰囲気だった。
ただ、内湯以上に熱くて、とても入れた状況でなかったのが残念。源泉すぎるのかな。
 戻りの列車は、網走からの快速列車で、空席を探すのが大変な状況だった。
旅行者が多いのは、網棚の荷物と、はしゃぎっぷりでわかるけれど。どこから来たの?
運転状況を見ても、それほど流動がある区間ではなさそうなんだけれども。
 東釧路では、ローカル線では信じられない、1分接続で根室行に乗り換える。
というか、接続を取ってくれるのかどうか、乗り換えるまで、まったく信用していなかった。
不安要素たっぷりだったけれども、無事に終えてほっと一息。なんだけど、また満席。
平日の真昼間の列車なんて、がらがらだと思っていたのに。座れたからいいけれども。
 この花咲線。駅間の長さと、延々と山の中とで、序盤で飽きた。というかダレた。
厚岸で海が見えたものの、楽しかったのはそれくらいで、ひたすら黙々と移動の人。
ようやくと着いた目的地、厚別も、なんとも人気のない駅で、駅前もまた、なにもなし。
ここでのバス待ちは1時間。列車に乗っているのも辛いし、待つのも辛いし。温泉巡りも楽ではない。
 ようやくと発車した中標津行のバス。乗客は、もちろん、自分だけ。
バスは国道を走っていく。景色が雄大すぎて、運転していたら眠ってしまいそう。
それにしても、雪がない。温暖化とはいえ、十分に寒い。元々、そういう地域なのかしら。
 降車した別海は、小さいながらに、きちんとまとまっている、好きな感じの町だった。
昔は鉄道が走っていたらしく、立派なバス停というか建物は、駅の跡地だったらしい。
今もその路線がJRとして残っていたら、この切符だけでここまで来られたのに。残念。
 お目当ての温泉である清乃湯は、バス停からは、近くて遠い場所にあった。
明かりを頼りに探していたら、営業中なのに薄暗くて、ちょっと迷ってしまった。
というか、建物を正面にしても、生気がまったくなくて、入るのに躊躇してしまうほど。
今回の旅で、営業しているのかどうか、一番、不安だった温泉だけに、特にそう感じたんだと思う。
 一応、温泉銭湯という扱いだけれども、雰囲気としては、老人福祉センターみたい。
どうしてそう感じたのかを理論的に説明はできないけれど、やっぱり生気の問題なのかも。
ただ、お湯の方は、生気たっぷりの、まさに、生きのよいお湯が注がれていた。
色は、薄っすらと茶色。味は、だし付きの塩味。匂いは、気のせいだけど、木の匂い。
そして、アサヒ湯にも負けないぐらいの泡っぷり。表面で、洗剤のように小さくまとまっていた。
これで適温なのだから、文句のつけようがない。別海まで来てよかった、と心底思えるお湯だった。
でも、お客さんは減っているらしく、けっこう厳しいらしい。実際、ふたりしかいなかったし。
地元の人たちが、積極的に利用する以外、生き残る道はないというのも切ない限り。温泉業界も大変だ。
 バス停近くのAコープで、半額印の品物を、積極的に購入していく。
ここは、平日が1830。土日が1730まで。一昔前は、そういうお店が普通だったのにね。
そのおかげで、半額印が早めに押されているわけで、自分としては嬉しい限り。
特産品ということで、別海コーヒー牛乳を飲んでみた。けれども、ごくごく普通の味だった。
 バスで来た道を戻り、根室行の列車に乗り換える。
が、時間になってもやって来ない。無人駅では事情もわからず、ただただ待つばかり、
結局、15分ぐらい遅れてやって来た。なにがあったのかは、もちろん、わからず終い。
遅延回復のために、運転手さんが飛ばしているのがよくわかる。停車時間が短いし。
 けれども、その努力をふいにしたのが、鹿との衝突事故。北海道上陸後、これで2回目。
ただ、はまなすの時とは違い、5分ほどで処理をして、あっさりと現場を離脱した。
考えてみればワンマンだから、ひとりですべて対応したのよね。運転手さんもタフだわ。
 終点の根室に到着したのは、予定時間よりも、13分ほど遅れてのこと。
これで、根室探索の時間はなくなり、改札を出て入るという間抜けなことしかできなかった。
時刻表通りだったとしても、15分程度しか確保できなかったんだけれども。鹿だからね。
 釧路までの帰り道は、昨日の池田釧路に、負けず劣らずの逆浦島現象を味わうこととなった。
最初から怠け者だけど、ここまでなにもすることがないと、本当にダメになると痛感させられる。
2回ほど、鹿との遭遇はあったみたいだけれども、幸いにして接触はなく、定時に釧路到着。
ホテルに戻り、別海で購入したお弁当を食して、そのまま睡眠。
大半が座っているだけなのに、なのにどうして、こんなに疲れるのだろう。
不思議すぎる。

280、阿寒バス川湯温泉まで。
500、川湯温泉湯の閣。割引。
200、川湯温泉公衆浴場。
106、川湯温泉コンビニ。パン。
126、川湯温泉コンビニ。牛乳。
280、阿寒バス川湯駅まで。
300、川湯ホテルパークウェイ。
670、根室交通。別海まで。
390、別海清乃湯。
504、別海Aコープ。
670、根室交通。厚床まで。

釧路 *0559
(4726D)
川湯温泉 0745
*0820
(阿寒バス/\280)
川湯BT 0830
*1015
(阿寒バス/\280)
川湯温泉 1025
1140
(3727D/快速しれとこ)
東釧路 1313
1316
(5635D)
厚床 1442
*1540
(根室交通バス/\670)
別海 1606
1729
(根室交通バス/\670)
厚床 1755
1810
(5637D)
根室 1854
*1910
(5642D)
釧路 2135


080109(水)
 昨日と同じ時間に起きて、昨日と同じ始発列車に乗る。
昨日よりは空いていたけれど、昨日と同じ人は、ひとりもいない。気が。
見慣れた錯覚のする景色にも飽き、ぼーっとしていると、嫌なことばかり考える。
この旅は、この展開が多い。集中していないというか、はまりこめてないというか。
 昨日は下車した川湯温泉を過ぎると、列車は峠に入り、雪も増えてきた。
緑からは網走支庁。停車するたびに人を乗せていく。どこまで行くのだろうか。
それにしても、この地区は、きちんと区画整理されていて、見ていて楽しい。
自分の中にある北海道、という感じ。線路が斜めを突っ切っているのも面白い。
 今日、最初の下車駅は、知床斜里。名前とおり、知床への玄関口。
小さく綺麗にまとまった駅舎を抜け、目指すはもちろん知床。ではなく、温泉。
さらさらの雪道を、人気の少ない雪道を、とぼとぼと歩くこと20分ほど。
見えてきた湯元館は、誰が見ても、旅館だなぁ、という印象を受けそうな面構え。
入口にいた兄ちゃんに代金を支払うと、風呂場が3つあるから、好きなの入りな、とのこと。
誰もいない浴室を一通り覗いてから、一番広い、岩風呂の浴室を選択することにした。
ここは、特に男女の区別がないようで、脱衣所の扉に、男入浴中の札をぶら下げる形式。
 岩風呂といっても内風呂で、外気温との差のせいなのか、湯気がものすごい。
全体は見渡せないけれど、10人そこらが入っても、特に不快感を感じなさそうな雰囲気だった。
お湯の方は、薄っすらと茶色い。微かに、肌がつるつるというか、きゅっきゅする感じ。
垢のようなものが浮いているけれど、壁の張り紙を見た限りでは、湯の華らしい。
いっしょに混じっていた気泡は、肌にはつかなくて残念。ていうか、見間違いかしらん。
快晴とはいえ、冷えきった中を歩いてきた身には、とてもとても気持ちのよいお湯だった。
ちなみに、隣のタイル風呂の浴室には、源泉風呂らしい、小さい木造の湯船があった。
とてもとても冷たくて、今の時期には罰ゲームだけれども、夏場なら、気持ちいいのかも。
 朝風呂を終えた帰り道、時間もたっぷりあるので、港の方へと行ってみた。
この季節、好き好んで堤防まで行く奴はいないらしく、道が雪に埋まっている。
それをかき分けかき分け、時にはずっぽしやられながらも、どうにかこうにか、海に到着。
大人しそうなオホーツク海と、知床半島の山々に、無事にご挨拶をすることができた。
機会があれば、山の裏側にある羅臼にも行ってみたいけれども。機会なんてあるのかね。
 暖めた身体を冷やしたあとは、温泉に立ち寄る。名前は、斜里グリーン温泉。
駅前の道を真っ直ぐ行くと、右手にあるホテルで、大きな看板もあるので、迷うことはない。
もちろん、無事に発見できたけれども、営業時間外だったので、入ることができなかった。
ネットで調べた時には、1000からだったのに、1230からになっていた。情報が古かったらしい。
 ダメなものは仕方がない。ただ、グリーン温泉用に取っておいた時間は余ってしまう。
まっすぐ駅に戻るのも芸がないので、鉄道の駅から近い場所にある、道の駅しゃり、に邪魔してみた。
ここは、ネット端末を無料開放している、太っ腹な道の駅だったので、ありがたく使わせていただく。
できれば、すべての道の駅で、こういうことをしてくれると嬉しいのだけれども。無理かしらん。
 知床斜里から乗り込んだ快速は、座る分には困らない程度の混雑率。
なのに海側の座席を確保できたのは、今年の運を全部、使用したからだろうか。
停車中に、車内販売のおじさまが乗り込んで来て驚いたけれども、売れてはなかったみたい。
ここから網走までは、オホーツク海と併走する場面が多くなり、車窓でも海を堪能。
なにげに、海を見ることの少ない旅なので、山ばかりの旅なので、青さがまぶしく映る。
 そんな楽しい時間も、終点の網走でおしまい。
そして、網走自体も5分でおしまい。ホームに下りて、向かいの列車に乗り換えるだけ。
あまりに接続がよすぎるのも考え物というか、改札を抜ける暇もないというのは。無念。
乗り継いだのは、キハ40x2。もちろん、がらがら。というか、2両ももったいない。
ちょっと走った先にある、網走湖でのわかさぎ釣りのテントが、とっても斬新だったくらい。
特に見所も無いままに美幌に入ると、小学生が大量乗車してきた。
そういえば、北海道の冬休みは長い、ということを、小学校の頃に習った記憶が。
いつまでなのかはわからないけれど、まだまだ、学校は始まっていないのかもしれない。
さらに、仮乗降場のような愛し野で、高校生がうんかのごとく、乗ってきた。
2両というのはこの為なのかと、ひとり納得したけれど、すぐ先の北見でほとんどが下車。
なかなか立派な街っぽい。やっぱり国道が近くにある駅は、発展しやすいのだろう。
 留辺蕊から山道となり、時間をかけて、ゆっくりゆっくり登っていく。
単調すぎて眠たくなり、目が覚めると、終点の遠軽に着いていた。ので降りた。
時間的なものもあるけれど、外は薄暗く、微かに雪が舞っていた。気温も-5度。
R242が近くて、中規模店舗が立ち並んでいるので、ちょっとだけ、うろうろとする。
その中のコープで、裾の長い手袋を購入できたのは、なんというか、僥倖としかいえない。
なにせ、この480円で、手首が冷えるという、恐ろしい現象を回避できるのだから。
ついでに、明日の食料も調達し、ここでの1時間待ちを有意義に利用することができた。
どうせなら、温泉があるといいのだけれども。さすがに文句はいえない。
 遠軽駅の待合室に戻ると、女子高生が、興奮する話をしていたので、さらりと立ち聞き。
下に親がいるのにとか、引っかからないとか、どう舐めればいいとか。おかげで眠気も消えた。
 その女子高生は乗ってこなかったけれど、旭川行は、片手で足りる程度の客を乗せて出発。
その人たちも、丸瀬布、白滝で、全員、下車してしまい、2両編成なのに、客は自分だけ。
どこを走っているのかもわからず、駅にも着かず、このまま異世界に行ってしまうのかと思った。
途中、上越信号所とやらで、18分の特急待ち。もう、好きにしてくれ、という気分。
自分という存在はなんなのか、とか、この世ってなんだろう、とか、そんなことを考えてしまう。
 ようやくと上川に到着して、ここでも35分ほどの停車らしい。
久しぶりの娑婆の空気を吸いたくて、街に出てみる。が、それほど広くはなかった。
ただ、普通に雪が降っていて、普通に寒い、という環境が、どういうわけか嬉しい。
これが、自分の求めていたことのうちのひとつだったからだけど。寒いの、苦手なくせに。
 運転手ひとり、乗客ひとりの列車も、上川でふたりほど増やして、旭川へと向かう。
この列車が、なにげに旭川方面への最終列車。東旭川で下車する時点で、6人になっていた。
当初、この東旭川で下車する予定はなかったけれど、今日、立ち寄っておくと、後が楽になる。
ということで、この無人駅に降り立ってみた。今日の列車はもうないので、微妙に緊張する。
上川での雪は、さすがに止んでいたけれど、きっちりと積もっていて、なかなかに歩きにくい。
それでも、しっかりと街灯がついているので、転ぶことなく、無事に龍乃湯温泉に到着できた。
 ビジネス旅館みたいな匂いのする建物だけれども、日帰り客が中心のような雰囲気。
だからというわけではないだろうけれども、施設が銭湯っぽい。脱衣所も、浴室も。
ここのお湯は、濁りの強い橙色。タオルを桶につけておくと、驚きの白さも染まってしまう。
一応、高温と中温に別れてはいるけれど、どっちもどっち、という温度なのが切ない。
できれば低温も欲しいけれど、需要がないのかしらん。入れなくはないから、いいけれども。
橙色の湯の華が浮かぶ温泉は、味がないようであって、あるようでない不思議なもの。
身体もしっかりと温まるし、お客さんがひっきりなしに来るのも、よくわかる施設だった。
 温泉を満喫したあとは、宿のある旭川まで、なんとかして出ないといけない。
が、最終列車は出てしまったわけで、鉄道では無理。なので、バスで駅に向かうことにする。
ただ、東旭川の駅前にバスは来ない。バス通りまで、どうにかこうにか向かわないといけない。
止んでいた雪が、けっこう激しく降り始める。人通りの少ない駅前通りを雪中行軍していく。
嫌いな状況ではないけれど、乗りたいバスも最終バス。のんびりするわけにはいかない。
バス通りの正面にある旭川神社さんには、鳥居にご挨拶するだけで精一杯。ちと残念。
待合室もあるバス停ではあるけれど、素通りされては困るので、休むわけにもいかない。
どきどきしていたけれど、結局、無事にバスはやって来て、無事にバスに乗ることができた。
 旭川駅までの道のりは、なかなかに賑やかで、ロードサイド店舗が目立つ。
車の量も多くて、都会であることを認識させられる。これなら、夕食も食べられそうだと安心する。
旭川駅手前のバス停で降ろされて、一瞬、自分がどこにいるのか、判断できなくなった。
地図を取り出して、とりあえずはホテルへと向かう。荷物が重たくてかなわない。
 今日、明日の宿は、旭川ロイヤルホテル。繁華街にも駅にも近いホテルだった。
床がフローリングというは初体験。多少、音に気を使うけれども、部屋は広くてよいかも。
荷物を降ろし、大雪の中を夕食確保のために歩き出す。繁華街は、人もけっこう多かった。
 夕食に選んだのは、旭川らーめんの賞を取った事を前面に押し出していた、まつ田。
大人しく、しょうゆらーめんのさっぱりを選べばよかったのに、塩のこってりを選択。
まずくはなかったけれど、ぴんともこなくて、激しくがっかり。これは自業自得かも。
 食後、ちょっと元気になったので、釧路ではやらなかった町歩きをする。
よいと思ったのは、買物公園通り、という通り。まず、ロードヒーティングで雪がないのがいい。
こじゃれたお店が両側に建ち並んでいて、若い子たちを集めようとしているのもいい。
ガラの問題はあるにしても、若者が集まらない町はダメだと思っているので、これは正解かと。
車両の通行も禁止されていて、後ろを気にせずに歩けるので、終点まで行ってしまった。
さらに、その先に変な塔が見えてきたので、そこまで行ってみた。ら、シンボルタワーだった。
それにしても、雪歩きは楽しい。-9度なのに、寒く感じないのは、降っている雪のおかげかと。
ただ、いつまでも歩いていては、明日に障る。駅まで歩いて時間を計り、ホテルに戻った。
テレビをつけると、対決列島真っ最中。つか、本場で再放送をやっているなんて。意外だわ。

400、知床斜里湯元館。
480、遠軽コープ。手袋。
273、遠軽コープ。パン。
500、東旭川龍乃湯。
310、旭川電気軌道。1条通9丁目まで。
7000、旭川ロイヤルホテル。
850、旭川まつ田。塩こってり。

釧路 *0559
(4726D)
知床斜里 0831
1125
(3728D/快速しれとこ)
網走 1205
*1210
(4662D)
遠軽 1453
*1612
(4626D)
東旭川 1950
東旭川6 2105
(旭川電気軌道バス/\310)
1条通9 2138


080110(木)
 黒いそばで有名な、音威子府にやって来ました。
やって来ました、というよりは、やっと着きました。
駅そばを、ぜひとも食してみたかったのですが、今は営業時間外の0900。
どうにもならないものはどうにもならないので、すんなりと諦めます。
それにしても、北海道は広いです。遠いです。移動が大変です。
この列車にしたって、旭川を0605に出た始発列車なのに。
しかも、まだまだ乗ります。乗りつづけます。目的地は先なのです。
 強い寒波がいるせいか、雪の激しさは、相当のものです。
いつか止まるんじゃないかと冷や冷やしますが、当たり前のように走ります。
雪に閉ざされた、人気の少ない白い世界の中を、ただただ黙々と、北へ進んでいきます。
 列車は稚内行ですが、幌延で途中下車です。4時間20分の連続乗車でした。
暖房完備の駅の待合室でバスを待ちますが、外の雪は止みそうにありません。
列車もそうですが、バスにも運休の可能性はあるわけで、不安でいっぱいです。
しかし、バスは定時でやって来やがりました。なんて運ちゃんなんでしょう。
観光バス型なので、前扉から乗車しようとすると、どこまで行くの、と聞かれました。
てしお温泉まで、と答えると、道路が通行止なので、天塩高校までしか行かないよ、とのこと。
まったく予想していない事態に、頭が混乱しましたが、とりあえず乗ってみることに。
天塩高校といえば、天塩温泉のふたつくらい前のはず。徒歩移動もできなくはないかな、と。
 けれども、その読みというか、考えが甘い事を知りました。甘すぎました。
最前列の席から見える前面展望は、吹雪に次ぐ吹雪です。経験したことのない雪と風です。
風に車はよろけるし、突風でも吹こうものなら、急激に視界が失われます。恐ろしすぎます。
ああ、これが北海道なんだと。ここの人たちは、こういう中で、普通に生活しているのだと。
だから、運転手さんもアクセルを踏めるのでしょうが、それにしたって酷い状況です。
途中、高校の先の、天塩で折り返し、との指示が無線から入ってきました。温泉に、少しだけ近づきました。
 吹雪が弱くならないまま天塩に到着して、すぐに歩き出します。時間がありません。
バスがどうなるかは不明ですが、時刻表のママに動くであろうと、強く思い込みます。
天塩からてしお温泉まで、バスで2分程度なので、距離換算で2km程度。徒歩だと25分ぐらいでしょうか。
そうすると、往復で50分。ここで確保していた時間は80分。さほど余裕はありません。
しかも、直接バスで乗りつけるつもりだったので、地図がありません。よくない状況です。
ただ、微かに記憶には残っていて、海沿いにあることは覚えています。それだけが頼りです。
地元の人に聞いたところ、歩きじゃ無理と言われました。タクシーの方がいいよ、とも。
けれども、車社会の人たちは、5分以上歩くことは、たいがい、遠い、と表現しますから。
 吹雪の中を、けれども、それでもなんとか、普通に歩くことはできました。
なのに、てしお温泉が見つかりません。行き過ぎたと判断し、海沿いの道を戻ります。
すると、いかにも公営っぽい、お金を使いました的な建物が見えてきました。
営業していなさそうな雰囲気に心臓が止まりかけましたが、この吹雪でもやっていました。
 総じて小綺麗で、こういう施設のお湯は、期待はずれなことが大半ですが。
ここの場合、脱衣所からして違います。アンモニアっぽい臭いが、鼻を刺激しまくりです。
なにも知らない人が来たら、たぶん、便所が壊れてるぞと、受付に怒鳴りつけそうです。
誰もいない浴室の扉を開けると、それはもう、激臭天国。鼻のいい人は即死します。
というか、こういう綺麗な公営温泉には似合わない、ふさわしくない臭いすぎて苦笑いです。
お湯の色はイソジン色。味は、甘い塩味で、少しつるつるするような感じでした。
ぬるめの湯船も用意されていて、この臭いにやられながらの長湯も楽しめそうでした。
が、バスの時間もあり、落ち着いてなんていられません。そそくさと、夕映を後にします。
 風は弱まっていましたが、それでも、非雪国人からすれば、十分な吹雪でした。
そんな中を、どうにかこうにかバス待合所に戻ると、豊富天塩間は運転中、との張り紙が。
次の温泉、豊富温泉までは移動できるみたいなので、とりあえず、ほっとしました。
この待合室には売店もあり、地元産のしじみ汁があるそうなので、注文してみました。
が、時間がかかるそうなので、断念。もうちょっと、早くしておけば、と後悔しました。
 豊富方面へのバスは、まるでそれが当然であるかのように、定時に来ました。
自分といっしょに、高校生たちが乗り込みます。これじゃあ、簡単に運休できないわけですね。
前が見えなくなるような吹雪に妨害されながらも、幌延駅は定時通過。すごいです。
その先は、雪は弱まったものの、まさかの峠道。厳しくはないものの、下は雪です。氷です。
そんな中を平然と、法定速度で走り抜ける運転手さんの技術といったら震えます。
おかげさまで、豊富温泉ふれあいセンター前も、遅延なく降り立てました。
 ここは、豊富温泉の公衆浴場的な建物ですが、かなり立派な作りです。
まるで宿泊施設も兼ねているんじゃないかな、と思ってしまうほどでした。
その中にある浴室はふたつ。ひとつは湯治客用。もうひとつが一般客用だそうです。
 どこか年季を感じるのは、湯治客用の設備。おそらく、最初からあったのでしょう。
お湯は茶緑色で、白や茶の湯の華、そして、黄色い油が浮いています。
この油自体は後付けのようで、浴槽の端っこに、油の入った容器が置いてありました。
油が肌にいいというよりも、その保湿効果が肌にいいんだと、湯治の人が言っていました。
そして、しょっぱいお湯を飲むことで、さらに効果が高まるんだと、ぐびぐびと飲んでいました。
そんな状況なので、さすがに気がつきます。自分の場違いっぷりに、申し訳なくなります。
ここは、肌の治療のために来ている人たちばかり。観光気分で入る浴室ではありません。
 そそくさと退散し、一般用の浴室に逃げ込みました。
こちらは、最近付け足したかのような綺麗さで、その差に、ちょっと驚きました。
あちらのお湯との違いは、匂いが石油っぽくないことと、投入用の油がないことです。
よくよく見れば、お湯の表面に油膜が浮いているので、成分的にはさほど差はないのかも。
景色もこちらの方がよく、成分が濃いらしいからと、湯治用に入った自分に自己嫌悪してしまいました。
知らないで入ったのならともかく、わかっていて入ったわけで。ものすごく反省です。
 もやもやしたまま、帰りのバスを待ちます。もちろん、定時運行中です。
いっしょに乗った母娘は、天塩の先、遠別まで行きたいそうですが、まだ通行止だそうです。
運転手さんに言われて困っていましたが、結局、天塩まで行ってみるとかなんとか。
無事に帰宅できるといいのですが、人のことを心配できるような状況ではありません。
 峠道を、まるで夏場のように軽々と下り、幌延駅に戻ってきました。
心配だったのは、列車の運行状況でしたが、どうやら、大きな遅延などはなさそうです。
とっくに入線していた稚内行に乗り込み、予定通り、最北端を目指してみることにしました。
線路は雪に埋まっているようですが、そんな雪を切り裂いて、気がつけば南稚内へ。
ここが街の中心部なのか、いつの間にか乗ってきてた乗客の大半が下車していきました。
 終点の稚内駅での観光時間は、約30分。なにをするにも中途半端な時間です。
北防波堤ドームの防風力に感心し、闇で見えない宗谷湾を眺めて、制限時間となりました。
帰りの列車に乗り込み、あとはもう、なにもすることがありません。というか、できません。
名寄までの3時間40分は、自分でも、どうしていたのか、さっぱり覚えていません。
 1時間の接続待ちは、軽く名寄の町を歩いたあと、待合室で待機するだけ。
ようやく出発する旭川行も、1時間30分はかかります。気が狂いそうになる移動でした。
終点でホームに降り立った時には、もう、すさまじいやられっぷりで、気力が残っていません。
夜食と言ってもいい時間の夕食は、めんどくさかったので、マクドナルドのお持ち帰りを選択。
ホテルで食べて、すぐに寝ました。稚内は遠すぎます。

95、旭川コンビニ。牛乳。
520、沿岸バス。天塩まで。
500、天塩夕映。
730、沿岸バス。豊富温泉まで。
500、豊富温泉ふれあいセンター。
310、沿岸バス。幌延まで。
420、旭川マクドナルド。

旭川 *0605
(321D)
幌延 1024
1104
(沿岸バス/\520/土休)
天塩 1132
*1251
(沿岸バス/\730)
豊富温泉 1337
1500
(沿岸バス/\310)
幌延 1518
1537
(4333D)
稚内 1639
*1710
(4336D)
名寄 2050
*2156
(334D)
旭川 2327


080111(金)
 今日は、始発列車に乗らないという、珍しい日。
けれども、意気揚揚と乗り込んだ、旭山動物園行の急行バスは、なにげに始発。
案外とバス利用の人も多くて、それなりの立ち席客を積み、旭山動物園に向かった。
 旭川では晴れなのに、旭山では中雪。しかも、このバス。開園前に到着してしまった。
えらく人数の多い係員から、切符を買って並んで下さいと言われ、その指示に従う。
つか、なにを並んでいるんだと、そんなに気合が入っているのだと、自分で突っ込んでしまう。
特に、並んでしまうと身動きが取れず、-5度下では、この状況は、けっこう辛く厳しい。
列のでき方を見ても、無理をする必要もないのだけれども、暖を取れる場所もないのだから、並ぶしかない。
 動物園は定時開園。走る人もおらず、大混雑には程遠く、まったりと観察できた。
アザラシ館は、やはり筒抜けが楽しい。上ばかり見ていると下から来るし、凝視していると来ないし。
ペンギン館は、全方向展望型の通路になっていて、その泳ぎの速さに唖然とさせられる。
白熊館は、じゃれあっている時の迫力たるやすさまじく、窓ガラスが割れそうでおっかない。
案外と楽しかったのは猿山で、普通は見下ろすだけなのに、下からも覗けるのが斬新だった。
 冬場の展示の売りである、ペンギンの散歩。これは、三十路の男でも、なかなかに悶える。
係員の説明のあと、まずは、小柄な組がやってきて、子供のようにはしゃぐのがよい。
新雪の中に突っ込んで泳いだり、小山のようになっている場所に登ろうとして、係員に雪をかけられたり。
群れとして統一感がなく、それぞれが勝手に遊んでいるように見えた。
その後ろから、大柄な組が、集団でやって来る。こちらに遊びは見られない。
小柄組に露払いをさせて、威風堂々と通路を抜けていく。そんな風に感じられた。
金曜日ということもあり、特に混乱も混雑もなく見られたけれど、明日以降は大変そうだな、とも思った。
 他には、子供動物園の80匹ほどのハムスターの群れに、微妙に鳥肌を立てたり。
キリンやサイが、端っこの方で普通にしているのが、絶妙に寂しくてよかったり。
動物園なんて、と思っていたけれど、けっこうというか、かなり楽しんでしまった。
 ここが売れた理由は、かわいいとすごいを、前面に打ち出したことだと思う。
手持ちの動物で勝負して、ここまで人を呼び寄せたのだから、公務員仕事ではない。
ただ。ただ、暖を取れる場所は、もう少し増やしてほしい。子供連れは、大変そうだし。
そんなことも考えつつ、旭山動物園をあとにした。行ってよかった。
 旭川駅に戻り、列車の発車時間まで、ちょっとだけぶらぶらした。
みどりの窓口で、スーパーカムイの記念入場券を売っていたので、ふと購入。
今時というか、最近、記念入場券なんて見かけなかったので、ついつい手が伸びた。
けれどもこれ、去年の9月に発売したらしい。まだ売れ残っているというのも辛いね。
 今日を含めて3日間は、非18きっぷの日。普通に切符を購入して、所定の電車に乗り込む。
ここから先は、数年前の北海道旅行の際にも、乗車したことのある区間。なので、新鮮さはない。
3両編成の赤い電車で40分。昨日と比べると、あっという間に、江部乙駅に着いてしまった。
 最初の温泉は、駅から徒歩1分。車窓からも見える、えべおつ温泉。
ごくごく普通の旅館ながら、入口の脇に、本物の温泉、という看板が掲げられていた。
そこまで自己主張しているからには、よほど自信があるのだろうと、さっそく中へ。
全体的に年季を感じる施設で、浴室は、半地下のような場所にあった。
地元のおっちゃんたちと、ちょうど入れ替わる感じで、がらがらなのは嬉しかった。
洗い場と浴槽の配置が、まるで銭湯っぽくて、旅館だということを忘れてしまう。
正面奥に鎮座しているのが温泉浴槽で、狭めな熱めの湯と、広めなぬるめの湯があった。
特徴は、ぬるめの湯の垢。湯の華とは書いてあるけれど、どうにもそうは思えない。
熱めの浴槽には、ほとんど浮いていなかったので、信用ならないというか。
一駅手前で降りて、別の温泉にすればと思ったのは事実。でも、暖まり方は半端なかった。
 江部乙の町を軽くぶらりと歩き、商店街の微妙な活気を味わい、次の列車に。
が、無人駅なのに、5分遅延との放送が入り、大人しく待つしかなくなってしまった。
というか、複線区間じゃないのかい。なにを遅れているのやら。まさか雪のせいなのか。
行程的に、それでも問題はなく、普通に遅れて来た電車に乗り込み、1駅、滝川で下車した。
 ここからは札幌行の高速バス。バスターミナルは駅横で、自動券売機で切符を購入。
予約不要なので、座れなかったらどうしようと不安だったけれど、結局、10人ほどだった。
高速バスの割には、一般道の区間が長く、短距離客もそこそこにいて、少し驚いた。
本領発揮の高速に乗るも、吹雪のために50km規制が掛けられているので、進みはゆっくり。
その横を、びゅんびゅんと追い越していく普通車が怖い怖い。道だって凍結してるでしょうに。
江別からは除雪された道となり、規制も解除。途端に飛ばす運転手さん。そりゃそうか。
すぐに、札幌市の夜景が前面に広がり、その美しさに見とれてしまう。かなり綺麗だった。
 高速バスを降りたのは、時計台前。でも、目の前に時計台はない。詐欺かよ。
とりあえず、チェックインをということで、ホテルへと向かい、すぐに発見。
今日と明日は、ホテルハシモトにお世話になる。が、いきなりちびっ子たちの大声が。
どうやら、学校の合宿や遠征などでは御用達の宿らしい。同じ階層でなかったのは、不幸中の幸い。
部屋は、標準的なビジネスホテルな狭さ。寝るだけなので、特に不満はない。
不満があるとすれば、フロントの対応。あまり気持ちのいい接客ではなかった。安いからかね。
 荷物を置き、久方ぶりの札幌探索。というか、夕食をなんとかしたい。
すすきのの方に向かい、目星をつけていたスープカレーのお店、SHO-RINへ行ってみた。
こじゃれた飲み屋さんのような雰囲気は久しぶりで、自分の場違いっぷりに閉口。
頼んだのはラム肉のスープカレー。辛さを聞かれたので、普通でとお願いしたら、3とのこと。
出てきたのは、写真で見る、ごくごく普通のスープカレー。でっかい野菜が邪魔っぽい。
好き勝手に食べればよい、と、ネットに書いてあったので、ごはんにカレーをかけて食べる。
これがまた、普通の辛さという割に、辛い。お品書きを改めて見たら、中辛だったらしい。
味としては、別に癖になるわけでもなく、けれども、もう食べたくない、ってものでもなく。
とりあえず、ごはんをお替わりして、お腹いっぱいになったので、一応、満足した。
 食後は、どうしようかと悩んだけれども、行くだけ行ってみようと、温泉銭湯へ。
道中、大通りの横を歩いていくと、大掛かりな足場が組まれている。雪祭の準備らしい。
町自体には雪が少ないので、どこからか拾ってくるのだろうけれど。けっこう本格的なのね。
 20分ほど歩いて、極楽湯の弥生店に到着。駐車場も、中も人でいっぱいだった。
面白かったのは、受付から脱衣所までの扉。なんともサイバーな感じが、温湯施設っぽくなかった。
いわゆる綺麗なスーパー銭湯で、ただ、洗剤類は一切ない、というのが、こちらの流儀らしい。
その分、銭湯料金なので、利用はしやすい気がする。お風呂セットは必須になるけれども。
内湯はすべて白湯で、外にある浴槽は、すべて温泉を使っている、とのこと。
こういう施設で、寝湯というか、リクライニング湯まで温泉というのは、けっこう嬉しい。
無色無臭だけど、無味ではないお湯で、きちんとしょっぱいのが、温泉らしくていい。
ただ、露天風呂で42度設定というのは、ちと熱い。外気が低い割には、ぬるくなってくれない。
リクライニング湯ぐらいだと、長湯もできるけれど。寒い地域では仕方ないのかもしれない。
 たっぷりと時間をかけてホテルに戻り、夜のお仕事を開始する。
今回の旅では、衣服の予備がなく、ここでの洗濯が絶対に必要だった。
このホテルを選んだのも、安くてコインランドリーがあるから。
なにげに、旅行中に洗濯するのは初体験なので、特に乾くかどうか、心配だったけれども。
やってみると、かなり脱水されていて、乾燥機にぶち込む必要性を感じなかった。
どうせ部屋は、強烈な乾燥注意報状態なわけで、さらしておけば大丈夫だろうと判断した。
実際、普通に乾いてくれたので、衣服不足に悩むことはなくなった。
でも、豊富温泉の石油臭だけは、どうしても取れない。強烈だったのね。
というか、時々、てしお温泉のアンモニア臭を思い出すのも、どうにかしてほしい。
身体に染み付くとは、まさにこのことだわ。

300、旭川駅ロッカー。
400、旭川電気軌道。旭山動物園まで。
580、旭山動物園。
380、旭山動物園。おみや。
400、旭川電気軌道。宮下通9丁目まで。
160、旭川駅記念きっぷ。
810、JR。江部乙まで。
500、えべおつ温泉。
210、JR。滝川まで。
1300、中央バス。札幌まで。
7000、札幌ホテルハシモト。
950、札幌SHO-RIN。スープカレー。
390、札幌極楽湯弥生店。
200、札幌ホテルハシモト。コインランドリー。

旭川 *0935
(旭川電気軌道バス/\400)
旭山動物 1005
*1415
(旭川電気軌道バス/\400)
宮下通9 1450
旭川 *1609
(2232M/\810)
江部乙 1647
1818
(2246M/\210)
滝川 1825
1900
(中央バス/高速たきかわ号/\1300)
時計台前 2033


080112(土)
 南平岸駅は、地下鉄なのに、地上駅だった。
スノーシェイドの窓から、onちゃんが見えて、ちと興奮。
改札を抜け、HTBへ向かおうとしたら、道中は、凍結した上り坂。
地元の人でさえ、つるつる滑っているのだから、そら慎重にもなった。
 やってきたHTBは、想像していたよりは、小さいビルだった。
中に入っていろいろと見たいところだけど、まだ、営業時間ではない。
おあずけということで、すぐ脇にある、平岸高台公園へと行ってみた。
 ここは、高低差の激しい小さな公園で、子供たちが、ソリやスキーで遊んでいる。
地元の人からしてみれば、そういう場所だけれども、一応、聖地でもある。
HTBの中にあった地図にも、わざわざ、そのように書き込まれていたし。
その地点を探すために、うろうろおろおろしてみるが、どうも、しっくりこない。
どうやっても鉄塔が中心に入ってしまう。あれが存在していたような気がしない。
携帯でぱしゃぱしゃ撮りつつ、あまりすっきりしなかったのは、そういう理由だった。
帰国して調べてみたら、普通に映っていたので、間違いではなかったらしい。
 いつまでも怪しいおっさんがいると、子供たちは遊び辛かろうと、早々に退散。
この地域は起伏が激しいらしく、凍結斜面を登ったり下ったり。快晴でも融けないのね。
道中、電柱の広告にonちゃんを発見。いい年したおっさんだが、遠慮なく携帯させていただく。
ただのマニヤすぎる自分が可笑しくてたまらない。撮ってどうするんだろう。
 ちんたらと歩いて15分ほどで、この地区にある温泉施設、緑の湯に到着。
温泉センターっぽい雰囲気で、想像していたスーパー銭湯風では、まったくない。
完全に地元密着型で、どことなくアウエー感が漂う。いやまぁ、ホームもないけどさ。
中身は、露天風呂もある、ごくごく普通の温泉施設で、お湯は茶色気味。微かに塩のような味がした。
昨日の極楽湯が390円で、ここが800円。相当に割高な気がする。500円なら、と言ったところ。
それでも、地元の人に愛用されているようなので、一見さんにはわかりにくい温泉なのかも。
 お風呂を終え、HTBへと戻ってみると、玄関が開放されている。
一般人が入る事ができるのは、正面扉入って、それほど広くない空間のみ。
けれどもここに、onちゃんグッズやら、どうでしょうグッズやらが展示されていた。
なにげに感動したのは雪面のとびうおで、それが父親のだと知ると、ますます深まった。
ボクもいつかは、しっかりとした雪面のとびうおを購入したいと、強く心に誓いもした。
それにしても、この展示空間。背広姿の若い人とか、二十歳ぐらいの娘と母父とか。
子供連れのお母さんなんかもいて、普通に観光地化していたのが面白かった。
 おみやげの、現地限定がちゃがちゃを済ませて、今度はすしを食べに行く。
こちらでは評判らしい、回転寿司のトリトン。名前はどうかと思うけれど、それは置いといて。
家族連れというか、多人数で来ている人たちが空席待ちをしている中、独り者はさっくりご案内。
今日はイカがよいらしいので、しかも安いお皿だったので、イカばかり食べていた。
皿色別料金ではあるけれど、全体的に低価格だったことに感動。味は、特に感想なし。
さほど味に興味があるわけではないので、普通の舌を持つ人ならば、楽しかったのかも。
 南平岸観光を終え、地下鉄で大通まで戻り、地下街をぶらぶらとする。
お目当てのHTBショップは、想像以上に狭くて、商売っ気のなさに脱帽させられる。
地方のローカル局が、大々的にグッズ屋さんを展開していたら、それはそれで怖いけれど。
ここでも、おみやげのがちゃがちゃを数回。自分向けのonちゃん人形も買ってしまった。
 おみやげは邪魔なので、狸小路を抜け、二条市場を素通りし、ホテルに投棄。
けれども、買い忘れたおみやげを思い出し、またまたHTBショップへ。間抜けすぎ。
またまたまたまたホテルに戻るのもかったるく、そのまま、札幌駅へと向かう事にした。
 そういえばと、札幌駅のコムサに立ち寄ると、案の定、安売りが始まっていた。
無くしてしまった腕輪の替わりを探すと、半額になっているモノがあり、それを購入。
なくて困るものではないけれど、ないとなにか落ち着かない。これでひとつ、すっきりした。
 札幌駅からは、高速バスに乗って、小樽まで行ってみる。
昨日のたきがわ号といっしょで、そこそこの距離は、下道を走っていく。
客の利用方法もいっしょで、案外と、短距離客も多い。路線バス代わりなのね。
高速に乗ってからは、石狩湾がよく見える。特に、帰りの夜景は素晴らしいものだった。
ただ、小樽が近づくに連れて、雪が降ってきて、それも、だんだんと増えていく。
住吉神社前で下車した時には、本降りというか、それなりの量が落ちてきていた。
 神社の前なのに、素通りするのもどうかと思い、とりあえず、ご挨拶だけしておく。
それからと、手持ちの地図を広げようとしたら、あるはずの地図が、どこにもない。
落としたのではなく、ホテルに置いてきたんだと気がついた。今日はそういう日だったらしい。
 微かな記憶を頼りに、それでも、どうにかこうにかたどり着けるのだから助かる。
神仏湯温泉は、坂の中腹にある温泉銭湯。入ると、いきなり眼鏡が曇って、さあ大変。
お金を払い、脱衣所に行けば、中央部にある長いすで、地元のおじちゃん、談笑中。
あまりにも敵地すぎて、端っこの方で、こそこそと準備をして、こそこそと浴室へ向かった。
脱衣所も浴室も、昔ながらの銭湯規格すぎ。洗い場いっぱい、湯船は真ん中。正統派。
一番、奥にあるのが源泉風呂ということで、もちろん、そこに引き込まれてしまった。
少し黄色く見えるのは、タイルのせいなのかしらん。浸かってみると、もちろん、熱い。
一応、41度らしいけれど、とてもとても、そんな温度には感じられない、激熱っぷり。
4人以上だと窮屈な湯船なので、休む時は、他の浴槽に腰掛けて、小休止。
無色透明、水色タイルの浴槽も、実は、なにげに温泉だったらしい。浴感はないけれど。
特徴のあるお湯ではないものの、身体の火照りっぷりは半端なく、汗がひかない。
結局、上着を脱いだまま外に出て、ようやく冷ますことができたほどだった。
 次に探したのは、小樽らーめん蔵屋。記憶上の位置と、ずいぶんとずれていた。
こじゃれ系の店舗で、広さの割に、厨房の人間が多かったのが印象的だった。
味は、普通に美味しい。食べる人のほとんどが、70点をつけそうな、そんなしょうゆらーめんだった。
 このお店の駐車場には温度計がついていて、それによると、-8.1度。寒い。
雪も止む様子はない。というか、歩けば歩くほど、激しくなってきている気がする。
オルゴール堂から、観光客向けの通りを、小樽運河方面へと歩いていく。
恋人たちが多くて、まったくやってられない。寒い寒いと言っているけど、そうでもないだろうに。
数年ぶりの小樽運河は、雪の小樽運河は、艶っぽい気はするけれど、ちと厳しい。
それでも観光客は多いのだから、この世は物好きばかりなのかしらん。まったく。
 小樽からは、もちろんバス。楽しい夜景もあっさり終わり、時計台前で下車。
こちらの時計台前は、本当に時計台前で、観光客らしく、携帯をばしゃばしゃ。
大通り公園のテレビ塔前も、電飾が綺麗だったので、ばしゃりばしゃりと記録する。
ところが、ここで気がついた。HTBショップで買ったお土産がないことに。
時計台まで戻り、痕跡を探すがない。どうやら、バスの中に忘れてしまったらしい。
久しぶりに街を走り、中央バスターミナルへ。裏の事務所で事情を話して、確認してもらう。
荷物は、東苗穂の営業所にあるらしい。なので、捕獲しに行くことになった。
 ご好意に甘えて地図を貰う。営業所は、なんとも中途半端な位置にあった。
普通ならタクシーだろうけれど、おみやげの値段は600円。お金もかけたくない。
なので、歩いていくことにした。1時間以上、夜の札幌をさ迷い歩き、どうにか到着。
誰もいない営業所の、唯一、明かりがついていた部屋は、素人進入禁止な雰囲気。
遠慮がちに事情を話すと、おみやげを戻してくれた。本当によかったよかった。
 苗穂駅まで40分ほどかけて歩き、駅前にある蔵ノ湯に立ち寄る。
へとへとのくたくたで、温泉どころではないけれど、入らないのも悔いが残りそうで。
昨日の極楽湯よりも広いスーパー銭湯で、閉店1時間前なのに、人、いっぱいすぎ。
けれども、それだけ人がいるのに、窮屈感がない。十分な空間があるということなのだろう。
温泉は、露天風呂のみに使用。ただ、露天風呂も、普通の露天と洞窟風呂があるのがすごい。
しかも、適温。特に、洞窟風呂の温度設定は、神かと思えるほど。熱いのばかりだったからね。
お湯自体は、無色無味。匂いだけはあって、お懐かしい塩素臭。プールの匂いは久しぶり。
でも、使い勝手はいい施設だとは思った。駐車場がロードヒーティングなのもすごかった。
 苗穂駅前温泉、なので、帰りはなにも考えず、JRで札幌まで。一駅なんだけど。
そこからは地下鉄に乗り、大通で下車。乗り放題の切符を買っておいてよかった、と思った。
ホテルまでの帰り道、若い子たちで賑やかな、ドンキホーテで食料を調達しておく。
食料品の棚には、おみやげもけっこうあって、そういう使い方もあるのかと、ひとり納得。
職場に大量に購入するなら、こういう場所で安く買った方がいいものね。
 宿に着くなり、ベッドに飛び込む。自分の失態とはいえ、恐ろしく疲弊している。
明日からは、また、早朝からの移動が始まるというのに。大丈夫なのかしらん。
不安でいっぱい。

500、すすきの駅。ドニチカ。
800、南平岸緑の湯。
800、南平岸HTB。がちゃがちゃ。
1216、南平岸トリトン。
1200、大通HTB売店。がちゃがちゃ。
500、大通HTB売店。onちゃん。
600、大通HTB売店。シール。
739、札幌駅。コムサストア。
1110、中央バス。小樽まで。往復。
390、南小樽神仏湯温泉。
750、南小樽蔵屋。らーめん。
390、苗穂蔵ノ湯。
160、JR。札幌まで。
584、大通ドンキホーテ。

札幌 *1525
(中央バス/高速おたる号/\590)
住吉神社 1630
小樽 *1905
(中央バス/高速おたる号/\590)
時計台前 2000


080113(日)
 目覚めて気がつく。やっぱり辛い。
太ももが、土踏まずが、全身も気だるい。
けれども、行かないことには帰れない。ので進む。
 今日、最初の電車は、快速エアポートの始発。
朝っぱらから飛行機に乗るのか、席は埋まってしまった。
車内放送の指示に従い、千歳駅で下車。
札幌を10分ほど先発したはずの、普通電車に乗り換えた。
そして、苫小牧でもお乗換。ここからは、日高本線を進む。
キハ40の単行で、野球部のちびっ子たちが大量乗車していた。
ほどよく座席が埋まった状態で、列車は発車した。
 この地方は、雪が少ないというか、ない原っぱもあった。
大きな船や工場、そして、海。太平洋は久しぶり、なのかしらん。
残念なことに、窓の汚れがすさまじく、くっきりとは見えないけれど。
車窓としては素晴らしい。のんびりできるのなら、いい路線かも。
 趣味が競馬なら、多少は聞き覚えのある、新冠駅で下車。
やけに明るい、綺麗な駅舎だけれども、無人駅。壊されないのかしらん。
まずは、R235へ出て、道の駅サラブレッドロード新冠、へと行ってみた。
道の駅としては、ごくごく普通ながら、G1優勝馬の石碑があるのが楽しい。
古い馬はともかく、少し前の馬なら、名前ぐらいは知っていて、ひとり、唸る。
さすがにサラブレッドロード。山に入っていけば、牧場もいっぱいあるのだろう。
 ここから温泉まで、地図上で1.8km。送迎バスもあるけれど、この時間にはない。
ので、歩くことにした。というか、歩かないと後悔しそうなので、歩かざるを得ない。
しばらくはR235を。看板が出てきたので、それに従い、山道を登っていく。
地図上で、狭い林道を想像していたのに、実際には、きちんと整備された2車線の道。
歩道も完備してあるし、歩きやすいことこの上ない。多少の氷は邪魔だったけれども。
右手には放牧地もあり、馬を期待したけれど、どこにもいなくて残念だった。
 ホテルヒルズは、坂を登り切る前から見えていた、小綺麗な建物。
駐車場には車がいっぱい。道中、散々と抜かされたし、人気の施設なんだと思う。
ただ、人が多いとはいっても、札幌あたりとは、人口が違う。息苦しさは感じなかった。
 脱衣所から、いきなり、太平洋がすっきりと望めて、けっこう驚く。
浴室も、もちろん、ガラス張り。ででんと、太平洋を眺める事ができてしまう。
特に感心したのが、内湯に浸かったままでも見えるように、計算されている点。
景色が売りなのに、肩まで浸かると見えない、ということがないのは、とてもよい。
でも、露天には、そうした配慮を感じられないのが片手落ち。ちと残念。
お湯の方は、正直、どおってことはなく、塩素の匂いを満喫するのが精一杯。
ただ、日高地方は温泉不作地域なので、これでも貴重な温泉施設なのだろう。
 長居できる施設でもなく、さりとて、予定からすると、時間は大余り。
ちょうどいい列車があればと、携帯で調べてみたら、ちょうどいい様似行を発見。
駅までちんたらと戻ると、背広姿の若いお兄ちゃん。それで、成人式だと気がついた。
1両編成の気動車は、見るからにマニヤばかり。もちろん、自分も同じなんだけど。
新冠、静内と進んでいくと、時々、牧場が出現してきた。馬も草を食んでいた。
列車が来ても驚かないのは、慣れているからなのか。この程度では、問題がないのか。
臆病なはずなんだけれども、怖がって走っていくような馬は、1頭もいなかった。
 様似とかいて、さまに、と読む駅が終点。なんとも静かな駅だった。
折り返しまでの時間、近くにあったコープを冷やかし、太平洋で海鳥を遊んでみた。
本来ならば、襟裳岬で襟裳岬を聴くのが筋なのだろうけれど、往復にしても高すぎる。
観光系統のバスは、なんだかボラれているような気がしてならないのよね。
 折り返しの列車は、似たような顔ぶれを乗せて出発。
予想よりも早い列車での折り返しなので、途中下車温泉の可能性を、携帯で調べる。
結果、立ち寄る場所が決まったので、苫小牧まで、ぼーっとして、寝て過ごした。
というか、今回の旅。この、往復が同じ路線、しかも長丁場、が多すぎて嫌だった。
この日高本線にしても、乗りつぶして3時間20分。さすがに、怠け者にもなっちゃうよ。
 苫小牧でも、乗り換えまでの時間があるので、長崎屋にてお買い物。兼調べ物。
立ち寄る予定の温泉の、場所だけは確認しておきたいので、地図をこっそりと立ち読み。
そして、半額札のついた食料を、がっつがつと買い込んでおく。いやー、ありがたい。
 外はもう暗くて、車窓は楽しめないけれど、目的地までは20分。
趣のある白老駅は、今の時間は無人駅。迎えの自家用車に、降りた学生が乗っていく。
なんとも寂しい限りだけれども、いつものことと、記憶に留めた地図を頼りに歩き出す。
日高と同じく、ここも雪がない。ハイパワー除雪機の広告が、なにかむなしい。
 街灯があり、歩きやすい旧R36を東に進むと、白老温泉ホテルが見えてきた。10分。
日帰り専用の入口があるので、そちらから入場。急遽決めた温泉だけど、どうなのか。
くたびれた、というほどではないけれど、多少の年季は感じる施設で、そこそこの広さ。
浴槽が3つあり、手前から、普通、ぬるめ、露天風呂という並び。
温度的には、普通でも十分に入りやすく、露天は、今の季節にはぬるすぎる程だった。
濃い黒湯で、湯の華も、けっこうふわふわ浮いている。これは、当たりを引いたのかも。
ここなら、けっこう長湯もできそうなんだけれども、こういう場所は、時間が短い。
受付の対応も含めて、よい温泉施設だった。分煙化だけが課題なのかも。
 本日最後の電車は、東室蘭行の普通列車。お客さんは、がっらがら。
苫小牧で買った食料を喰らい終わる頃に、ちょうど、東室蘭に到着。40分だもんね。
宿はネットカフェ。ナイトパックを利用するには、まだまだ時間が早すぎる。
ので、町をぶらりとうろうろしてみた。雪がけっこう降っていて、積もってもいた。
あまり賑わってはいないように思えたけれど、中心部は、たぶん、西側のショッピングセンター。
そこまで行く気力はなく、駅前に戻り、ここは予定通りの、温泉銭湯へと行ってみた。
 楽々温泉、という名前の施設で、駐車場には車がいっぱい。すぎる。
雰囲気は、拡張した銭湯。ごくごく普通の銭湯を、そのまま広げてみました、という感じ。
内湯も広く、露天もそこそこ。面白いのは、露天風呂のスピーカーから、有線放送を流していたこと。
この選曲が、らきすたの主題歌だったりジャニーズだったり、恐ろしく偏っていた点。
しかも大音量で、駐車場というか、前の通りにいても響いてくるほどの大きさ。
露天風呂の人気がなかったのは、そういうことなんだろうなぁ、と思った。厳しすぎ。
お湯の方は、一切、温泉を感じさせないもので、もちろん、塩素の香りが漂うもの。
本気で白湯だと勘違いしたぐらいだったけれども、きちんと温泉だったらしい。
ただ、休憩所にいた、パジャマの女の子がかわいかったので、満足度は高かった。
そういう使われ方をしている、地元密着型の温泉施設だった。
 時間も過ぎたので、雪をかき分けかき分け、ネットカフェへと向かう。
ビルの2階が入口で、階段を登っていくと、若い子たちのはしゃぐ声が、すごいことに。
というか、やたらと人が多い。席、空いているのかとの不安は、入店して消えたけれども。
このお店。パーティルームもあり、成人式帰りの子たちが、そこでやんちゃしている模様。
完全な防音など望むべくもなく、もう、どうにもならない状況なので、寝るのはあきらめる。
他の場所で遊べばいいのに、とは思うけれど、他にはないのだろう。
こちらとしても、冷凍庫の中で過ごすことに比べれば、まだマシと思うしかない。
にしても、ついてないなぁ。

2040、札幌駅。1日散歩きっぷ。
500、新冠レコードの湯。
249、苫小牧長崎屋。
500、白老温泉ホテル。
390、東室蘭楽々温泉。

札幌 *0634
(3850M/快速エアポート60)
千歳 0705
0726
(2726M)
苫小牧 0752
*0801
(2225D)
新冠 0932
1158
(2227D)
様似 1339
*1434
(2238D)
苫小牧 1754
*1830
(448M)
白老 1852
2001
(452M)
東室蘭 2047


080114(月)
 眠った気がまったくしないまま店を出る。
若者たちは、朝でも普通に騒いでいる。元気すぎだろ。
雪の降る中、駅に向かい、始発列車に乗り込んだ。
ら、ここにも元気な若者が。昨日、今日は無礼講かね。
 その子たちも含めて、地元客は、伊達紋別で下車。
乗客もワンマン列車となって、太平洋沿いを走っていく。
車で行けない小幌駅辺りでは、かなりの大雪っぷり。
けれども終点の長万部に着く頃には、それも止んでいた。
 列車待ちの30分。太平洋を眺め、コンビニでお買い物。
ついさっきまで雪が降っていたのか、どこもふわふわだった。
 ここから乗るのが、函館行の快速アイリス。
10人ほどの客を乗せて出発し、少しづつ客を広い、八雲で降ろした。
この展開は、前回の旅行といっしょ。流動に変化はないみたい。
目が覚めると函館。この、あっという間感は、けっこう好き。
 はるばる来た函館だけれども、ここでは6分のみの滞在。
向かいのホームに止まっている、江差行に乗り換えると、すぐに発車。
これがまた混雑していて、席がほとんど埋まっている状態だった。
木古内までは、海が友達。その先は、山が、峠が友達な車窓。
というか、この山道が険しくて、列車は速度を出していない。のか出せないのか。
快晴だった木古内までとはうって変わって、雪も激しく降っていた。
 終点の江差では、折り返しの時間を利用して、温泉探索。
ここでは入らないものの、戻ってきてから、立ち寄る時間があるのかどうか。
それを調べるための探索で、手前まで歩いてみたところ、駅から20分ぐらいっぽい。
けっこう微妙な時間だけれども、目処は立った。ので、大慌てで駅に戻る。
乗ってきた列車で一駅だけ戻り、上ノ国にて下車。温泉を目指して歩き出す。
 北海道に来てから、一番、除雪されていない歩道は最悪。
先人の頼りない足跡すら信用できない状態で、ずぼずぼしながら、無理矢理進む。
車道の待遇の良さに、そちらを歩こうかとも考えたけれど、交通量がそこそこにある。
結局、どうにかこうにか、自力で道を切り開き、消防署までやって来た。
目印である消防署の、まさにその裏側に、花沢温泉簡易浴場を発見した。
簡易、というには、なかなかに立派で、温泉地の共同浴場のような木造の建物。
中は、内湯と狭めの露天という組み合わせで、まったく簡易っぽくない。
お湯は、ゆらゆらと小さな湯の華が浮いている、なんとなく濁っているような感じ。
当然のように、熱いものだと覚悟していたけれども、ここは、それほどではなかった。
特に露天は冷まされていて、適温というに相応しい温度。誰もいないので、ゆっくり浸かった。
掃除中だったのか、休憩室の窓が全開で、休める状態でなかったのが、まったく残念。
というか、こんなところに3時間もいる予定だったと思うと、一瞬で冷え切ってしまった。
清掃はいいけれど、せめて、営業終了時間間際ぐらいにやるべきだろうに。
 吹雪いてきたR228を、新雪歩道に足を取られつつ、どうにか、駅手前まで戻る。
ここからは路線バス。やっぱりというべきか、この吹雪の中を、定時にやってきやがった。
経路としては、R228をなぞって江差に向かうのかと思いきや、山側の旧道っぽい道に侵入。
これがまた、村の中を行く生活道路っぽい1.5車線道。雪もあり、離合も大変そう。
けれども、考えてみたら、人口がある道を走るのが、こういう地域の路線バスなのよね。
 江差駅を過ぎ、檜山支庁前、というバス停で下車。ここからは、大急ぎで温泉へ向かう。
先ほどの事前調査のおかげで、道に迷うことはなかったけれど、想像よりも遠い遠い。
狭い住宅街の坂道を登っていくのはいいとして、とても温泉があるようには思えない雰囲気。
時間の絡みもあり、そろそろ限界かと諦めかけたその時、ようやくと建物が見えてきた。
温泉施設と言われなければ、まったくわからない建物なのに、中は、なんか銭湯っぽい。
けれども、浴室は立派なもので、壁は木造、湯船はヒバ。ちょっと贅沢な銭湯ともいえる。
季節の関係なのか、露天になっていない露天風呂もヒバ。ずいぶんと、お金があるのね。
お湯の方は、緑茶色。けっこう暖まる感じで、こういう季節には、ちょうどいいと思った。
ただ、この場所は、あるとわかっていないと来られない。わかっていても、来にくいかも。
もうちょっと、道がわかりやすくて、広ければいいんだけれども。仕方のないことだけど。
 20分ほどで駅に戻ると、折り返しの列車が遅れていて、入線もしていない。
こんなに慌てる必要もなかったらしい。こういうのが即時にわかると便利なんだけど。
というか、慌てたおかげで、女子高生を落としてしまったみたいで、けっこうがっかり。
案外と戦力になっていただけに、この損失は大きいかも。じわじわとえぐられるかも。
 ようやくとやって来た列車に乗り込み、席を確保すると、すぐに気を失う。
取り戻したのは、終点の木古内で。寝ぼけた頭で、とりあえず列車からは降りた。
数人は白鳥に乗り換えたようだけれども、自分は、そのまま改札を抜けて町へと向かう。
駅前の商店街を歩いてみると、どの店先でも、氷で覆ったろうそくと雪だるまを飾っていた。
ここ木古内の神社で、どうも、みそぎ祭り、なるものをやっているらしい。
ぶらり途中下車の旅ならば、立ち寄らないといけないけれど、自分のは温泉の旅。
旧R228から、現R228へ出て、暗くて見えない海沿いを歩くこと25分で、目的地に到着。
 そこは、ビユウ温泉のとや、という旅館で、この旅で立ち寄った旅館たちと、似た面構え。
脱衣所は狭めだけれども、浴室はそれほどではなく、旅館っぽくない作りだった。
黄色っぽく見えるお湯で、薄酸っぱい味がした。なんとなく、つるつるする気も。
露天風呂もあるようだけれども、こういう季節には封鎖しているみたい。
たぶん、明るい時ならば、太平洋を楽しみながら浸かれるのだろう。
気になったのは、水風呂代わりの源泉風呂。さすがに冷たくて入れなかった。残念。
 ビユウ温泉で、この旅の大きな目標だった、14支庁の温泉制覇は終了。
それを祝うかのような雪の降りっぷりで、駅に着いた時には、雪まみれだった。
それにしても、この木古内。どうも、東北の匂いがしてならない。北海道っぽくない。
 今日の最終列車は、函館行のキハ40。もちろんがらがらで、もちろん寝ていく。
函館で降りると、やたらと寒く感じたのはなぜだろう。どこよりも寒くて死にそう。
すぐさまホテルにチェックイン。投宿は、駅から3分ほどの、函館プラザホテル。
窓無2500円という部屋で、どんなものかと覚悟していたら、特に違和感はなし。
実際には開かないけれど、窓っぽいモノがあれば、案外と落ち着けるのね。
ただ、2500円は2500円。さほど清潔感はない。寝るだけなので、問題はないけれど。
 重たい荷物から開放されたので、さっそく、遅い夕食を捕りにいく。
食という意味では、けっこう選択肢の多い函館。食べてみたのは、ラッキーピエロ。
前回、場所だけは確認していたので、迷う事もなく辿り着くことができた。
ハンバーガー屋さんなのに、カレーや丼物もある、なんとも不思議なお店。
なので、少し悩んだけれど、農林水産大臣賞受賞健康豚生ベーコンエッグバーガーを注文。
ベーコンエッグバーガーの前にある、長ったらしい漢字が、これを選んだ決め手になった。
いっしょにウーロン茶も頼んだけれど、店内にはお冷があったので、ちと無駄だったかも。
どうせなら、そのお金で、ごくごく普通のハンバーガーを頼めばよかった、と思った。
 やって来たバーガーは、なかなかの大きさ。ウーロン茶も、いわゆるLサイズぐらい。
大きさと量だけではなく、味覚音痴な自分でも美味しいと感じる味付けなのも素敵。
佐世保バーガーもそうだったけれど、きちんと手間をかければ、こういう味になるものなのね。
そういう意味でも、ウーロン茶ではなく、ハンバーガーにしておけば、だった。
 満足はしたけれど、隙があれば、函館らーめんも食べたいなと、町を探索。
函太郎を再訪したり、夜の砂浜を歩いたり、大門横丁をぶらぶらしてみたり。
結局、食べる機会もなく、気力体力ともに限界に達してしまったので、ホテルに戻った。
北海道、最後の夜も異常なし。あっても困るだけだけど。

1700、東室蘭フリースタイル。
126、長万部コンビニ。牛乳。
200、上ノ国花沢温泉。
380、函館バス。江差まで。
390、江差みどりヶ丘の湯っこ。
500、木古内のとや。
2300、函館プラザホテル。
600、函館ラッキーピエロ。

東室蘭 *0550
(470D)
長万部 0733
*0806
(3820D/快速アイリス)
函館 1006
*1012
(122D)
江差 1234
*1313
(125D)
上ノ国 1320
1454
(函館バス/\380)
檜山支庁 1510
江差 *1610
(4177D)
木古内 1722
*1854
(139D)
函館 2004


080115(火)
 いか系統が美味らしい、朝市内の茶夢というお店で朝ごはん。
注文したのは限定の3色丼。いか、いくら、えび、という組み合わせ。
それ自体に感動はないけれど、付け合せの小皿のいかが美味しかった。
 ガナラをお土産に購入し、昨日も乗った江差行に乗り込む。
昨日に引き続いて、席は埋まっている。乗車率、案外とよいらしい。
木古内で降り、改札にて、18きっぷで津軽今別まで乗れるのかを確認する。
大丈夫とのことなので、ホームに入線していた白鳥に飛び乗った。
ところが、18きっぷは乗れないよ、との車内放送があり、かなりびびる。
検札に来た車掌さんに、大丈夫かと尋ねたら、そっか止まるのか、とのこと。
どうやら、津軽今別停車だということを忘れていたらしい。よかった。
 自由席の乗車率は5割くらい。席を選んで普通に座る事ができる。
4回目の青函トンネル通過だけれども、国境の青緑蛍光灯は初めて見た。
青函トンネルを抜けると、すぐに津軽今別。北海道とは、ここでお別れ。
 1日2本の特急しか止まらない駅だけれども、乗客がいたのには驚いた。
いっしょに降りたのはふたりほど。どう見ても、18きっぷ利用者だった。
乗り換えまえの時間待ちは、津軽今別の駅の下にある、道の駅いまべつで。
ごくごく普通の道の駅。普段から、利用者自体は少なそうな雰囲気だった。
この道の駅に直結しているのが、津軽線の津軽二股駅。奇奇怪怪な作りだわ。
 ワンマン列車がやって来ると思い込んでいたら、2両編成のツーマン列車。
白い車体に赤い線。ここはもう、北海道ではないんだな、と、実感させられた。
途中、ちょっとだけ津軽海峡が見えたけれども、海沿いを走るわけではないらしい。
あっさりと、終点の三厩に。ていうか、みんまや、って読めないってば。
本格的になにもない駅で、やれることは、折り返しの列車に乗り込むくらい。
地元の中学生っぽい女の子のかっぺいたんに、ちょっとどきっとはしたけれど。
三厩から蟹田、蟹田からは3両編成の電車で、青森へと戻ってきた。
 青森では時間があったので、駅前のアウガに立ち寄ってみる事に。
ここは、生鮮食料品店と、若い子向けの衣料品店と、公共施設の入った、複合建築物。
まだまだ駅前を中心地として使おうとする、その意気込みはとても素敵だと思った。
なにげに、ホタテなんかのおみやげを買うのにはよさそうだし、休憩にも使えるのもいい。
 青森からは、奥羽本線のお世話になる。まずは、弘前行で川部まで。
それにしても、乗っている女子高生。みんな、白いもこもこブーツなのはなぜ。
学校で統一しているのかと思ったら、違うのを履いている子もいるし。
この先の山形でも、愛用している率が高くて、流行なのかと思いもした。
 川部では、駅の裏側にある、川部温泉にお邪魔してみることにした。
橋上駅舎なり、連絡通路があれば楽なのに、そういう施設は一切無し。
地図をなぞるようにして、少し狭めの道を歩くこと12分で、温泉に到着した。
入口から脱衣所まで、公民館、という表現しか出てこない、独特の雰囲気。
老人センターとも違うし、公民館に温泉をつけてみました、という感じだった。
お湯が、少し緑っぽく見えたのはタイルのせいかしら。味は、なんか硬い気が。
泡がいっぱい混じっているようだけれども、肌というか、産毛にはついてくれない。
地元の人が、さっくりとやってきて、さっくりと帰る。そんな温泉だった。
 通勤通学電車に乗り、次に目指すは碇ヶ関の御仮屋御殿。
道の駅に併設というか、道の駅の裏側にあり、入口を探すのに難儀しかけた。
飾りのような門が正面玄関で、その先の坂を登っていくと、建物があってくれた。
いかにも最近製作の、こじゃれた施設。こういうのは、嫌いではないというか、好き。
中は案外とこじんまりとしているけれど、洗剤類もあり、使い勝手はよさそう。
木造の湯船の香りもなかなかよく、これで、お湯に特徴があれば最高なんだけど。
この近辺は濃い温泉の多い街道。毎日のお湯には、いいのかもしれないけれど。
 碇ヶ関の駅に戻ると、あけぼのがやって来ていた。
誰も降りないし、誰も乗らない。お客さん自体、さほど乗っていないよう。
けれども、やっぱり風情というか、憧れはある。残してほしいものだけれども。
 自分が乗るのは、そのあとに来た普通電車。秋田行。
2時間40分の乗車はだれると覚悟していたけれど、案外と、そうでもなかった。
北海道で鍛えられたのか、諦めることを覚えたのか。自分でも不思議だった。
峠を越えて、大館からは高校生が乗ってきた。けど、鷹巣でみんな下車。
東能代で、遅延している五能線からの高校生を待ち、終点の秋田に到着。
 今日は快晴に恵まれていたのに、ここ秋田では、大雪。どか雪。
静か過ぎる町の中を、微妙に迷いながら20分ほど歩いて、今日、最後の温泉に。
ビジネスホテルに併設されている、自称健康ランドの、華の湯に入ってみた。
ここは、すべてにおいて綺麗で立派で、アメニティも、きちんと完備されていた。
内湯も露天も、普通の浴槽の他に、寝湯や座湯、深湯、浅湯とよりどりみどり。
しかも、お湯は茶色く塩味と、しっかり温泉しているのだから、感動してしまった。
露天の雪見風呂が特に楽しく、風が吹くたびに、湯気が表面を走っていくのもよかった。
これで600円ならば、まったくもって文句のない温泉施設。だと思う。
 帰り道は、川を挟んだ向かい側の、飲み屋街を歩いてから、駅へと戻った。
ここが秋田の歓楽街らしく、大雪の夜だというのに、けっこう活気があった。
寒そうな客引きの兄ちゃんに、客待ちをするタクシーの大行列は、大変そうだったけど。
 今夜の宿は、秋田駅東口に直結している、アルヴェというビルの中のネットカフェ。
ここはチェーン店で、店員さんに、徳島で作った会員鉦を見せると、微妙に戸惑っていた。
というか、自分もまさか使うことになるとは、思ってもいなかったし。
今までの中で、一番、店内が狭いネットカフェだけれども、客はほとんどいなかった。
個室の空間自体は、フラット席で、きちんと横に慣れるのだから、問題はなし。
飲み物の種類が豊富だったのも嬉しい。野菜ジュースで、不足分を補っておこう。

800、函館茶夢。3色丼。
105、函館コンビニ。コーヒー牛乳。
150、函館駅。自動販売機。
280、川部ふれあいセンター。
300、碇ヶ関御仮屋御殿。
600、秋田華のゆ。
265、秋田コンビニ。
1350、秋田コミックバスター。

函館 *1012
(122D)
木古内 1115
1119
(4018M/特急白鳥20)
津軽今別 1204
津軽二股 1222
(331D)
三厩 1237
*1253
(336D)
蟹田 1334
*1347
(338M)
青森 1426
*1525
(658M)
川部 1601
1700
(662M)
碇ヶ関 1743
1917
(666M)
秋田 2152





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