Ninotchka | つる田 浩子 |
Count Leon d'Algout | 牧尾 晴喜 |
Grand Dutchss Swana | 道城 妙子 |
Iranoff | 藤川 千寿 |
Buijanoff | 内尾 篤嗣 |
Kopalski | 畑 ともみ |
Commissar Razinin | 長村 誠 |
Count Alexis Rakonin | 後藤 しずか |
Jessica | 田口 雅子 |
Mercier | 野近 美保 |
Hotel Manager | 長村 誠 |
Russian Visa Official | 青木 千草 |
Swana's Maid Jacqueline | 田口 雅子 |
Pere Mathiew Cafe Owner | 青木 千草 |
Lawyer | 後藤 しずか |
Anna | 野近 美保 |
Porter | 中村 友美 |
Director | 島田 佳樹 |
Sound Editors | 森 由香里 中村 友美 |
Costume | 北川 珠子 森谷 真由美 |
Propaties | 後藤 しずか 石川 恵 |
Set Decorators | 長村 誠 内尾 篤嗣 |
Caption | 舛田 健 |
時は1920年代後半。パリでは資本主義が最も華やかな時代を迎え、モスクワではレーニン・スターリンによる社会主義計画経済が胎動し始めていた。
プリヤノフ・アイラノフ・コバルスキーの3人はソビエト共産党の上司(ラジーニン)の命に従い、モスクワからパリに到着した。
彼らの使命はソビエト連邦が所有する宝石をパリで売却し、そのお金をロシアに持ち帰ることである。それはロシアに1年後迫り来る食糧危機をしのぐ資金を工面するための重大な任務であった。しかし、お調子者の3人は花の都に浮かれてしまう。宿泊場所も指定されたホテルではなく、高級ホテルのロイヤル・スイート・ルームに決める始末。
さて、その高級ホテルで働く従業員のラコーニンは、実はロシアからの亡命者。彼は3人の持ってきた宝石を見て驚く。その宝石は元ロシアの大公妃スワナの伝家の宝石であった。大公妃スワナは、以前ソビエト連邦成立により、ロシアを追われパリに亡命。よって彼女の財産である宝石はソビエト政府に没収されていたのであった。
従業員ラコーニンはスワナに電話で伝える。「ソビエトに没収されたスワナ大公妃の宝石が今パリで売却されようとしています。」それを聞いたスワナ大公妃の恋人レオン・ダルグー伯爵は彼女のために宝石を取り戻すべく3人の泊まるロイヤル・スイート・ルームへと向かう。
そしてレオンは3人をうまくまるめこみソビエトの上司ラジーニンに次のような電報を送らせることに成功する。「ラジーニン殿。スワナ大公妃は宝石の所有権を主張。売却差し止めを受けた。祖国の利益を考慮し、最善策として所有権の折半を提案する。」要するに、宝石の半分の所有権を理由に元・大公妃スワナの手中に戻すという作戦である。
手紙を受け取った上司ラジーニンは黙っていない。3人に上司ラジーニンからの電報が届く。「交渉は中止。特命全権公使ニノチカがパリに到着予定。同時に諸君の権限を撤回する。」間抜けな3人に愛想をつかし、戦場で軍曹として活躍したという経験を持つ、やり手ニノチカを送り込もうというのだ。駅に到着するニノチカ。その姿を見て3人はあっけに取られる。元・軍曹ニノチカは女性であった。
ニノチカは3人に代わり、宝石の所有権問題に着手する一方、初めて見た資本主義社会を視察。エッフェル塔に向かう途中、道に迷ったニノチカはたまたま通りかかった遊び人風の男に道をたずねる。男はニノチカに興味を持ち口説き始める。このヤサ男、3人をまるめこんだスワナ大公妃の恋人レオンであった。互いに面識のない2人はスワナの宝石をめふり対立していることも知らず、ともにエッフェル塔へ。さらに資本主義社会の生活様式を観察したいニノチカはレオンの部屋へ行くことに...。レオンはニノチカの魅力にメロメロ。恋に落ちてしまう。
2人が宿敵同士と知った後でも、レオンは構わずアタック。レオンを「破壊的文化の落とし子」ぐらいにしか思っていなかったニノチカも次第にレオンに心を許し始める。
スワナ大公妃はおもしろくない。宝石は木曜日の裁判次第だが勝ち目は薄いし、恋人のレオンはニノチカに熱を上げている。宝石もレオンもニノチカに奪われては話にならないと一案を講じる。ホテルの従業員で亡命者、ラコーニンに宝石を盗ませ、その宝石とひきかえにニノチカが直ちにパリから出ていくことを提案。ニノチカは警察に訴えることもできるが宝石の所有権問題で再び裁判沙汰になるのは必至。勝ち目はあるが宝石を現在所有しているスワナは裁判を長引かせる作戦にでるだろう。 1年後の食糧危機までには間に合わない。やむなくニノチカはロシア人民の命のため、レオンをあきらめロシアへと帰るのであった。