「今回は、魔法の力を借りようかな」
「……」
オレが言うと、先輩はこくんとうなずいた。
優雅なしぐさで、スカートのポケットからペンデュ
ラムを取り出すと、目の前にかざす。
くるくると振り子が回り出し、辺りが神秘的雰囲気
に包まれる…。
・
・
・
生き物のように揺れる、振り子をながめていると、
なんだか眠くなってきた。
不意に、振り子はぴたりと止まる。
先輩は振り子につられるように、視線を足元に落と
した。
「……」
「え? 下にあるって? どこどこ?」
オレは慌てて足を踏み変えて、足元を見た。
すると、コンクリートの床の上に、見慣れた銀の輝
き…。
「あった…」
どうやら、オレがずっと足で踏んづけていたらしい。
「……」
先輩は『よかったですね』と言ってくれた。
「いやぁ、おかげで助かったよ」
「見つかってよかったですっ」
マルチも喜んでくれている。
と思ったら、
「でも、わたしも浩之さんのお役に立ちたかったです」
急に落ち込んでしまった。
「おいおい」
メイドロボは、人様の役に立ってなんぼだからな。
そこまでがっかりされると、マルチに頼んでも良かっ
たような気がする…。
昼休み | 「喜ぶ顔が好き」 |
5時限目の休み | 「マルチのアソコ」 |
5時限目の休み | 「ぶつかりそう」 |
放課後 | 「エアホッケー対戦」 |