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元春と逢ったんだ | 元春でテキスト1本 | 過去ログ |
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ZOOEY
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13/8/2
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40代・50代のリアルなロックンロールが提示されている。
前回のコラムがCOYOTEについてで2007年7月18のクレジット。実に6年振りの更新か。当時逸る気持ちを抑えつけて、能書きはそのうちじっくり描くから 取り敢えず触れておこうと書き留めた事は確か。その後じっくりと記すと言いながら9年が過ぎました。 ロックンロールは体制への反逆だとか、先輩達に昔から教えられてきた意訳。実際、無力で でも滾るような思いと力が溢れてくる10代の焦燥感を確かに覚えた僕たちは納得しました。 元春を初め多くのロックンローラーが街に屯する10代・20代のシーンを切り抜いて表現したし、それに僕等も勇気づけられた。いつしか30代・40代と歳を重ねるにつれ 少しばかりの力を手に入れて、何かするにしても制約という枷が外れた。風はいつも前から吹きつけるけど、それを破り突き進むのは自分自身。結果、大人のロックンロールなんて 失うもののない成功者の懐古趣味くらいにしか思えなくなってた。ロックは若者の特権だ。大人のリアルなロックンロールなんてありゃしない。 でも、ZOOEYを聴いて大人のリアルなロックを目の当たりにした。ずっと元春に救われてきた。要所要所で元春に勇気を貰った。力づけられた。直近ではアルバムTHE SUN の太陽だった。 上手くいってない日常で、あの曲でもっと夢を見る力を奮い起こせた。そしてこのアルバム、先ずは『虹をつかむ人』と『ポーラスタア』だ。この2曲で本当に救われた気持ちになった。 自分の日常がどうなるか分からないけれど、しゃがみ込んで仕舞いそうな今ちょっとでも上を向いて立ち上がる力をくれたことは確かだ。 2001年のアメリカ同時多発テロ事件は一般人のみならず、多くの表現者を動かした。以降発売された元春のアルバムも無縁じゃない。ただ平和ボケが語られる日本では どこか他人事のような、文字通り海の向こうの世界の事として忘れてしまうことも多かったと思う。今回は震災という出来事が間にある。2年前に起きた出来事をテーマとした 元春のアプローチが根底にあるのは絶対なんだけど 僕はこの2曲を自分の、少なくとも自分と同じ世代の大人を見守って歌ってくれていると 縋るような気持ちで飛びついて聴いた。 今も、今日もそんな心持ちで聴いている。まだ全然隅々まで頭を使って聴いていないけれど、間違いなく元春の名盤だし 佐野元春というアーティストは一人の人間として 確実に成長し続けているんだということが解る。80年代、10代で元春に出逢って その素晴らしさは本物だった、あの未熟な若造がそういう本物、そんな真実に辿り着いていたんだ ということをまたまた更に強く感じさせてくれて誇りに思う。今暫く、アルバムの考察とか一切抜きにして 救われ続けていこうと思う。佐野元春万歳。 |
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