************************************************************  「裏なすや」ギャラリー Ver.1.0  "sherley04.htm"(旧 "uragal234.htm") ************************************************************ Sherley04

 シャーリーの肥育実験が始まって3ヶ月が過ぎた。
 強制給餌の甲斐もあってどうにか拒食症も解決し、毎日
3リットルの流動食と5食を平らげられるまでになった。
 ただ最大の問題になっているのは食べる量に対して
体重の増加量が今一つ思わしくない事だが、これはシャーリー
個人の体質が原因なので如何ともし難い。
 どこかの施設で漢方を使った体質改善を肥育に併用する処方が
考案された、という噂もあるが立証はされていない。

「で、肥育の状況はどうなっているんだ?」
 所長がシャーリーに尋ねる。
「あ、う・・・今月は、身長が・・・2インチ伸びました・・・」
 精神安定剤のせいで呂律が回らないシャーリーが報告を始める。
 検体の肥育状況は可能であれば検体本人に調べさせ、更に検体本人に
報告させるのが(毎度の如く理由はないが)ここの方針らしい。
「た、体重は・・・30ポンド・・・」
「ふむ・・・まあ最初の3ヶ月としては上出来だな。」
 カルテに目を通しつつ所長が呟く。
「なるほどここに派遣される訳だ。評議会は疑問視していたが・・・」

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「ただ・・・」
 所長が私へ向き直る。
「ただ・・・何ですか?」
「これだ。」
 所長はカルテに付けておいた超音波断像写真を見せた。
「脂肪の付き方が不規則だ。あと筋肉量が基準値すれすれだな。」
 しまった。こんな物付けるんじゃなかった。
「他の部分では満足いく結果だから、まあ問題ないがな。」
「はあ・・・」
「あ、あぅ・・あの、私・・・」
 シャーリーが不安そうな声を上げる。
「私、不合格・・・ですか?」


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