ソウルでの,このシャワーのような雨は,梅雨前線の燃えかすみたいなものに,南から台風が近づいて油を注いでいたような状態で起こったものと考えられる。丁度僕達一行がプサンにつく頃,台風がその西側海上を通過していくというような状況だったと記憶している。
ヨスの場合にはそこにもろにつっこむことになるし,なにしろ,この時期の韓国での台風の進度なんてほとんど知らないのだ。実際,台風の北上速度は,非常に遅く,ひょっとしてこのまま停滞するのではないかと思えたくらいで,そうなると,ヨスから海上便でのプサンへの移動なんてのも望めなくなる。あそこは地図を見ている限り,異様に行きづらそうな場所なのである。ということで,全員一致で,目的地をプサンへと変更する。
ヨスへは一日2本しか直行のセマウル号が無かったので,朝,比較的余裕がなかったのだが,プサンならば本数は多い。なので,とりあえず切符を払い戻す時間があれば良しということで,もともとの予定のセマウル号の発車時刻の30分前ほどにソウル駅に向かうことに。しかし!上で書いたような信じられないほどの雨。スコールのような。そこで横着をして,乙支路入口(ウルチロイプク)駅の出口でタクシーを捕まえてソウル駅へと向かう。タクシーの値段は日本とは比べられないくらいに安い。こういうときは使わなければ損!
窓口でなんとか切符を交換してもらうが,やはり指定席は満席,なので自由席へと向かう。一番荷物が身軽な同行者S,その次に身軽なHに場所取りを依頼。この日の自由席の改札は,どうやら出発30分前くらいに始まる様子だったけど・・・この国のこと,列というものはできないだろうということは想像に固くない。新横浜で新幹線の自由席に乗るのとは訳が違う。なので,ちょっとズルをして,案内が始まる前に車両そばへと移動しておくことに。
しばらくしてセマウル号が到着,比較的余裕をもって座席を確保。座り方では僕は進行方向に背中を向けることになってしまった・・・あんまり好きじゃないんだけどな。
ソウルからプサンへは,この超特急にのって,大体5時間ちょっとかかるはずである。我々が乗ったのが大体9時半か10時,プサン到着は午後3時頃か。本来なら宿の心配をしなければならなかったんだが,実はプサンの駅前には結構安いホテルがあり,以前にそこを利用したことがあったのでまったく心配無しで乗りこむ。
途中,この旅行ではじめて,晴れた空を見る。やっぱしこうじゃなくちゃ。そうそう,喫煙スペースがかなり狭くなっていた。ひょっとして近いうちに完全禁煙になるんじゃなかろうか?
車内では,うとうとしているうちにもうプサン。国鉄の改札を出て,そこから左に向かったところにアリラン観光ホテルというホテルがある。前に来たときは,特別料金とかでシングルもツインも35000ウォン程度だったように思う・・・今回もセール中とかで,シングルもダブルも48000ウォン。3人で,シングルとツインを一つずつかりて,泊まる・・・一泊,一人頭3200円なり。安くはないが,まぁ高くもない。これがソウルだと,一泊が5000円を越えているんだから。
朝食をとったが,さすがにこの時間となって,少しおなかもすいてきていた。そんな我々が向かったのは,定番,チャガルチ市場。プサン駅からさっそく地下鉄でチャガルチへと向かう。
と,海産物の市場なのに野菜なのは笑って許して(苦笑)
で,写真を見るとわかるように,少なくとも雨は降っていない・・・そればかりか,強い影,ってことは晴れている!フィルムもISO100が普通に使える!こんなに嬉しいとは(苦笑)
一番観光客が多いあたりをうろちょろして,呼びこみのおばさんにわざとつかまる。ヒラメを食べたんだったか・・・とにかく,刺身をつくってもらい,最後はあら汁のようなメウンタン。昼間なので一応酒はやめておいたが,おなかもなんとか収まり,今度は散歩へと向かう。
そもそも,今回の旅行は基本を食においてあったので,実はこれといった観光らしい観光はしていないのだ。なので,どちらかというと繁華街をぶらぶらして,疲れたり暑くなったら喫茶店へ,というじつに堕落した旅行(苦笑)。それでも,とりあえず,プサンタワーを見ておこうというはなしになり,我々は南浦洞(ナンポドン)へと向かう。
かなり暑かったのでだらだら汗をかきながらタワーへ到着。見晴らしは悪くないが・・・窓が汚くて写真を撮る気もしない。そうそう,下はプサンタワーの展望台でのスナップ:
多分,数十年前から置いてあるんだろうけど・・・やっぱし未だにおいてあるんだなぁ,こういうの。プサンに来て,なぜ金剛山なんだかわからないが・・・見ても良かったかもしれない。写真の一番奥の方,子供が覗いてはいるが,お金は投入してなかったと思う。(こっちを向いている子が触れている機械の上映タイトルは「寂寞としたピョンヤン市街」)
ここでは,一息つきながら「パッピンス」・・・氷あずきを考えてもらえば良いか・・・を食べる。天気がよければ,夜景でも撮りに来ようかという話をしつつ,腹ごなしもかねて町並みを眺めに向かう。
ロシアとの国交が回復してから,プサンにはやけにクリル文字が目に付くようになっている。上の店舗なんて,もはやロシア語併記というのを超えて,ロシア語しか看板にないではないか!これは国際マーケットのあたりも同じようなことになっているのだが。
たしか,地下鉄でプサン駅から2駅くらいの距離しか移動していないんだが,それでも結構あるいた気がする。もともと昼食はあまり多くは食べなかったんだけど,時間も遅かったから,まぁ適度は運動は,夕食を食べるために必要だった。
宿でちょっとの休憩の後,夕食の相談。同行のHが,ご両親が旅行の時にもらったという,韓国観光公社の観光マップを広げる。これが,実は地球の歩き方よりも使えるのだ。プサン駅の隣に草梁(チョリャン)という駅があるが,ここからちょっとプサン駅に戻った方向には,テジカルビ(豚カルビ)のお店がつらなる地帯がある。豚カルビなんて日本ではあまり食べないから,ここに行くことを提案,そして,時間も早いことだし,また,さっきまでの散歩とは反対方向なので,歩いて向かう。地図では豚カルビ村なんて書いてあるが,それほど集中しているわけではなく,しかし,普段よりは密集したペースで豚カルビの文字が目に付くようになる。
適当な一軒を目指し,中に突入。お客さんは少なくない。他の店はすくなめだったから多いところを狙ったんだが。ちょっと失敗・・・暑いのにクーラーが動いていない。それでも気を取り直し,まずは焼酎とテジカルビ3人分を注文。一人分はわずかに1500ウォン(150円)。これがうまい。あっという間に3人で6人分を平らげて,さらにサムギョプサルを2人分。結局このほかに焼酎をもう一本飲んで,全部で・・・トータルで,確か,1万5000ウォン程度だったと記憶している。1500円。一人分は500円。こりゃ安い。その後も我々は,色々食べて回ったのだが,同行のSとHには,この豚カルビが旅行中のベスト2に入るヒットとなった。
比較的早くご飯を食べたので,また散歩。今度は,国際マーケットなどを冷やかしつつ(ここもロシア人が増えている),また南浦洞へと向かう。といいつつも,かなり夜は早いようで,店は次々に閉まっている。我々も,喫茶店でジュースとコーヒーを飲んでこの日を閉めた。(といいつつも,また帰りにコンビニで焼酎とビールを買ったんだが)
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