Let It Be/the Beatles

真っ暗な雰囲気・・・ってわけじゃないんですけど。ジャケットが黒地バックにメンバーの顔じゃないっすか。だもんでなんとなくそういう配色にしてみました。

多分ビートルズっていうと、YesterdayかLet it beかって位に有名だろうと思う曲が入ったアルバム。オリジナルの録音が1969年、発売が1970年。で、この1970年という年が非常に重要なのである。

当時の我が家は、両親が毎年1つくらいずつ、大型家電とでもいうか、そういうのを購入してた時期で、我が家にカラーテレビが来たのもこの年の前年位だったはず。赤影の仮面が本当に赤いってのを見て「ををを」と感動したのも時期的にはいっしょのはずである。東京オリンピックには全然間に合ってないんだけど。

テレビと前後して我が家に来たのが、ナショナル(松下)製のモジュラーステレオ。家に帰るとお袋がFMをよく聞いていたのを思い出す。AMかもしれない。とにかく、ラジオだったことだけは確実である。幼稚園か小学校か・・・から帰ったら、この Let It Be が毎日のように流れていた時期がある。おそらく、シングルのヒットチャートに新譜としてこの曲がエントリーしていた時期なんだろうけど。僕よりも上の世代の方なら「えるぴー、えるぴー、えるぴーーー、えるぴー」と聞き取っていた方も多いんじゃないだろうか?

月日は数年流れて、小学校の中学年位の頃に。当時、我が家では2つ下の妹が、ヤマハさんの音楽教室に通ってエレクトーンを習っていたのだが、そのカリキュラムの中に、この曲が入っていたっけ。原曲の記憶が蘇るも、結局は元の曲というのを聞かずに、妹のお世辞にも上手とは言えない演奏で、またこの曲を刷り込まれてしまう。

長嶋の引退、ピンクレディの登場などを経て、中学校に入った私は、ついにいわゆる「洋楽」に出会ってしまう。最初は、あれですよあれ、「ビューティフルサンデー」。それから「カントリーロード」「ジョリーン」と来て、そこから当時何度目かのリバイバルブームだったビートルズに出会ってしまった。

中学校の頃('76〜'79)、僕の居たクラスではとにかく「フォークギター」がはやっていたのだけど、当時の我がクラスでは全国進出する前の松山千春(僕は北海道出身)とビートルズが人気を2分していた。ギターやら鍵盤が弾けたやつはどちらかというとビートルズ派(相手がストーンズじゃないってのも珍しいが^_^;;)の方に多かったな・・・とにかく覚えたての英語の歌詞。歌はうまい。気が付いたら、友人連中に頼んで、オールディーズのテープを作ってもらっていた。で、なぜかイエローサブマリンのシングルの次に買っていたのがこのLet It Beのシングル。

レコードに針を落とすとどこかで聞いたことがあるイントロである。
「あれ?」
"When I find myself in..."
へぇ、聖母マリアって Mother Maryっていうんだな。
"Let it be, ..."
「えるぴー?」
ああああ、この曲ではないか。知ってるぞ、これ。なぜだ?何年の曲?えええ、幼稚園・・・じゃぁあの時の
記憶の曲か?

音楽というのは不思議な物で、繰り返して聞いていると段々好きになってくるもんである。この場合にはさらに、小さいときの刷り込み効果まであるのだから、最後は感動へと一気に導かれてしまったわけで。予定調和という。で、それまでの音楽嫌いが(理由は簡単:小学校の頃、人より声が低くてキーがあわず、歌が非常に嫌いだった。)一気に「俺もバンドするぞ」になってしまった。次の年のお年玉でモーリスのギターを購入してしまうのだが、今から思えばあれが不幸のはじまりだったのかもしれない。

何にせよ今年の誕生日が来て、多分人生の半分は終わってしまったと思う。実際、今の歳は、そのLet It Beを毎日ラジオで聞いていたお袋の歳を追い抜いてしまっているではないか。うーむ・・・ま、いいか。
 

[次のアルバムへ][アルバムのリストに戻る][topに戻る]