Shadows and Light/Joni Mitchel

うーむ、どうも素直じゃないかもしれない。というのも、僕は実はこのライブアルバムは、ジャコ(・パストリアス)のベストパフォーマンスだと思うから。もちろん、デビュー盤の"Jaco Pastorius"も好きなんだが、このライブは歌物でもっと好き。

前は輸入盤で1枚物だったんだけど、数年前に日本盤で2枚組が出て、ほぼLPと同じ収録になったんだが、なぜかジャコのソロだけは抜けてる(苦笑)。で、時代的に「なんとなくクリスタル」と同時期なはず:結構訳詞とかライナーがその頃の「おしゃれ」をモロに表現してくれていて微笑ましい。

これはリアルタイムで聞いていたなら、ちょうど高校の頃に聞く事になっていたと思うのだが、このアルバムだと意識して聞いたのは実は大学を出てから。ただし、ジャコがライブでルーピングするビデオを見ているから、このライブ自体は見た事はあるんだけどね。

イントロはともかく、やはり、 "In France They Kiss on the Main Street"のイントロがよい。ギターのカッティング4小節の最後に"E(r)G#C#G#"(各16分音符、(r)は休符)と入ってくるベース、これだけでかっちょええです。ベースの音も、8:30に比べてもこっちの方が丸くて好きですな。

ジョニ・ミッチェルという人は、僕は追体験でしか聞いていないからなんとも言いがたいところはあるけど、まぁ、ユーミンに無理矢理例えてしまおう。70年代終盤にはジャコをプロデューサーにして、もう極めていたとも言えるのだろうと思う。最先端の「おしゃれさ」加減でね。歌いかたも味の系列で、似てなくもないかも(無理があるな)

で、このアルバムだが、ジョニの歌も良いんだけど(熱唱タイプじゃないしね)、やはりどうしても仕切っているのはベースで、ついついどうしてもベースを聞いてしまうんだ、これが。やはり1曲目のドライブ感の後、次の曲のイントロでは指板の上あたりを弾いて、なんともいえない切ない音をだしてて・・・この2曲、いや、1曲と30秒でもう虜。はっきり言って、ここの部分さえあれば後はいらないかもしれない(苦笑)

人にジャコのお勧めをきかれると、いつもこのアルバムもあげることにしているのだけど、TBLというベースのメーリングリストの中にはこのツアーを見た人もいるのだそう。その人が見たライブの出来はあまり良くなかったそうだけど、それにしてもこのライブ盤はメンツといい、ほんとうにすごいと思う。ライブビデオの音源は、またこれと違うようで、ファンなら欲しいところだと思うんだが、昨今のジャコブームの中でも、日本は割とおとなしいようで、ビデオの方が再発にならない・・・なんでだろうねぇ。

実は僕自身は、82年のオーレックス・ジャズフェスティバルを二日連続で見に行ったので(僕一人だった)ジャコのワーズオブマウスも見てるんだけど・・・やはり、こちらの方がわかりやすくていいですよね。ふむ。ジャコを書いちゃったから、次はマーカスか。これも変化球になりますけど。

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