計画編:見物・移動計画
前回の計画編では,格安航空券+安宿の値段と,ツアー+延泊の値段の比較から旅行日数を計算してもらいました。今回は,国内の移動手段(時間・お値段),見たいもの別の所要時間の見積もりのし方について考察してみます。
韓国国内の移動方法
大別して,以下の通りです。早い順に並べます。
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飛行機:自分自身使ったことがないのですが,日本よりも狭い国土,最長距離でも(たとえば,光州〜江陵)1時間かかりません。お値段も日本円で6000〜10000円程度のはずです。
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長所は,下で述べるようにこの国は東西の移動が面倒なんですが,それを一気に出来てしまうところでしょうか。
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欠点は,空港がある街が限られていることですが…また,市内との距離もある程度あるようですから,前後30分〜1時間は余計に見積もる必要がありそうですね。
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国鉄:実は私は,韓国国内の長距離移動は,最近,国鉄を良く使って移動します。結構正確で,遅れても5〜10分程度。料金的には,たとえば,単一の列車でもっとも長い距離と考えられるソウル〜プサンで,セマウル号のグリーン車に載ったとして,3000円でおつりが来ます。所要時間は,セマウル号(特急)で5〜6時間。その次に早いムグンファ号(急行)でその1〜2割増程度の時間のようです。ピドゥルギ号には乗った事がないのですが,各駅停車だと,長距離移動は辞めた方が良いでしょう。
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長所:時刻がかなり正確で,また,渋滞の影響を受けないので予定をかっちり立てる人には向いています,多分。あと,客室は禁煙ですが,トイレ前は喫煙スペースなので,愛煙家の方もストレス少ないでしょう。ちなみに,バスは禁煙です。
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短所:当然ですが,本数が少ない路線(たとえば,ソウル〜ヨスなど)があったり,一本では行けないところ(たとえば,光州〜テグ:この場合,西大田で一度降りて,タクシー等で大田駅に移動して別の列車を捕まえる必要あり)があったり。さらには,南北方向およびソウル〜プサンの方角の対角の移動は楽だが,東西や逆対角は線路が無い!という特徴も。
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バス:高速バス(優等バス,一般バス),市外バス(直行(直通)バス)など。これがもっとも一般的とされています。実際,本数が多いので,大抵の場合,思い立ってからバスターミナルに行けば,遅くとも30〜1時間待てば乗れるケースが多いと言えます。高速バス2種類の内,優等バスは,座席数が一般バスの3/4になっており,料金は1.5倍です。座席がゆったりしているので,2時間を超える移動の場合,可能なら,こちらがお勧め。ソウル〜プサンでお値段は2500円程度。所要時間は,道が空いていれば5〜6時間。混んでいれば…不明です。最近,大田のあたりや途中の大都市近辺などで高速が混むので,10年前に比べて時間がかかるようになりました。
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長所:本数が多いこと。また,どんな小さな街や村でも,国鉄駅がなくてもこのバスはありますから,これを乗り継げば大体どこでもいけます。逆に地方だとこれじゃないと行けないところもあります。
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短所:どんな路線のバスがあるのかは,ターミナルに行って見ないとわからないことが多いこと。英語表記などがなく,切符購入が困難なケースがあること(地方ターミナル)。ただ,大きな街を経由して移動するようにすると遠回りになりますが,大抵の路線はあります。これも鉄道と同じですが,東西方向は本数が今一つ少ないです。たとえば,ヨス〜チンジュ(晋州)など,直通は一日2往復のみ。途中の順天(スンチョン)というところで,バスを乗り継ぐ必要があります。トイレ休憩は2時間に1度程度。タバコもこれに同じ。
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番外:タクシー
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私自身はやったことないんですけど,以前テレビで見た韓国の映画「接続」という,韓国版
You got a m@ail みたいな映画で,失恋したヒロインがポハン(プサンの北東1時間くらいのところ)から,ソウルまでタクシーに乗って帰るシーンがありました。多分,夜中走って5時間くらいでしょうが…いくらタクシーが安いと言え数万円コースですよね,これ。
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ただ,地方で,ちょっと遠いところまで日帰りで見物に行く,という場合,一日タクシーを借りきって案内もしてもらう,という手もあるでしょうね。
韓国に特有の問題
というか,性質を覚えておく必要があります。それは
国土があまり広くないので,一つの移動手段で移動できるのは,せいぜい6時間程度である
ということ。つまりは,昼間観光して,夜行列車にのって,大移動して時間と宿代を節約(これは私の歳になると厳しいけど)というのは,ほぼ,不可能です。プサンを夜11時に出れば翌朝5時前にソウルについちゃいます。
なので,地球の歩き方みたいになっちゃいますが,移動の基本パターンは,次の場所に昼着くか,夜着くかを考え,所要時間から出発時間を逆算して,朝でるか昼でるかを考えるということになります。
なんだかんだ言っても,地球の歩き方がデータが多いので,参考にするならこの本が未だに一番良いのかもしれません。それでも,地方〜地方の所要時間など出ていないものも多いのですが。その場合,大体,以下のようにして所要時間を見積もれます。
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一番長い移動は,高速バス・国鉄で,ソウル〜プサンで6時間程度である。
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市外バス(高速を使わないバス)は,高速バスの約半分の速度である。
これをもとに,韓国全図を見て(大抵のガイドブックの綴じ込み地図程度でOK)所要時間をはかります。ソウル〜大田で2時間強,ソウル〜テグで4時間程度のはずです。
何を見るか?
・・・そもそもの旅行の目的というのがあると思うんですね。たとえば,人によっては,博物館完全制覇,とか,あるいは,うまいもの食べ歩き,とか,はたまた,夜のお遊び系とか。
博物館行きたい方は,多分,午後いちくらいには目的地についていないと入場できないでしょうし,食べる人は午後おそめでも晩御飯だけは食べられるし,もし昼食時につけばとりあえず2食はOK。夜遊びの方は…宿が確保できる時間帯ならいつでもOKではないですかね?
ソウルはいくらでも時間はつぶせますから,ここでは除外します。プサンについては,市内だけなら1日あればソミョン,チャガルチ市場,ヨンドサン公園周辺などの繁華街数カ所は制覇できます。
その他の地方都市…繁華街歩きは,小さい町(たとえば,アンドンやプヨ,コンジュ,ナムォン)ならくまなくあるいても2〜3時間で終りです。郊外まで行くなら,バスで1時間程度は覚悟です。博物館は1〜2時間かけてまわるとすると,郊外にある博物館の場合,市内(宿やバスターミナルの場所)から,1時間かけて移動,2時間いたいなら,閉館3時間前には宿を出るわけで,閉館が午後5時とすると宿は午後2時にはでなくてはいけません。となると,宿で1時間休んで,ってことを考えると,1時には到着していたいから,その街に入るのは12時過ぎ・・・こうやって逆算していくわけです。
私は,普通の街の繁華街とか,市場のはずれとか見て歩くのが好きでして,あまり博物館などは回っておりません。あと,韓国では可能な限り夕焼けが綺麗そうな場所を探してでかけることにしております。
ここまでの要点
とりとめが無くなってきましたけど,ようは,午前中(できれば8〜9時)に出発して,次の街に着くのが12時前後になるような計画を強くお勧めします。
そうなると,ソウルから小刻みに南下して,若干水平移動して,北西方向に戻る,とか,そういう旅行になりそうだということ,おわかりいただけますか?
あるいは,長時間移動をするなら,宿を確保しておいて,夕方一歩手前くらいに出発してみる,という手もあります。
たとえば,ソウル〜キョンジュなら,5時間程度ですから,宿を確保し,9時頃着くと言ってあれば,ソウル市内に午後2〜3時頃まで居てから移動してもなんとかその日の内に宿につけます。逆に,朝8時に出ても,一番遠くて午後2時着程度になりますから,夏場なら,日本よりも西にあるのであと6時間は明るいです。2泊以上したい街というのもそれほど無いのではないかと思いますから…2泊するなら夕方〜夜着になるように,可能な限り1泊で済むように朝早くの移動を心がけることでしょうね。
昼間の,見物にむいた時間に長距離移動をなるべくしないようにするのがコツと言えると思います。当たり前といえば当たり前ですが…
長距離移動をしなくてもすむならしない方が,色々ものが見られると思いますよ。
日程・旅程
成田からソウルに到着すると,朝一の飛行機だとして市内に2時頃到着。最終便ちかくだと,市内について午後10時くらい。この半日の差がでかいといえばでかいです。
それはさておき。付いたその日に荷物が増えるような土産ものを買物する人も居ないでしょうけど,できれば昼間ついていれば,翌日から大移動しやすいですね。
逆に帰りには1泊はソウルにした方が安全ですし,買物もしやすいので,とりあえず,旅行の最終日はソウルに1泊することにしましょう。
昼市内についた人は,ソウル駅で切符を買うことにして,翌日から移動,
夜市内についた人は,翌日切符を買って,ソウル市内観光もし,3日目から地方,ということにします。
5日間だとしたら:
昼市内着とします。
1日目:切符買い,夕方まで市内観光,夜は市場でも見に行く
2日目:朝食をとったら,ソウル駅あるいは高速バスターミナルに。9時のセマウル号なら,2時過ぎにはプサン到着です。チャガルチ市場で遅い昼食,夜まで繁華街を散策,など
3日目:プサンのバスターミナルに移動,バスで2時間弱でキョンジュに。朝9時に出れば11時にはキョンジュ。宿に荷物預けて12時に昼食を。有名どころは半日で回れます。ポイントは,時間がないときは博物館をパスすること!
4日目:がんばって早起きしてソウルにもどりましょう。8時台のに乗れれば,1時にはソウルですから,半日ソウル観光できます。
5日目:午前中宿のそばで買い物,リムジンバスで空港に(1時間程度かかる)。
10日間だとしたら。10月の旅行の実例を書いて見ますね。
1日目:夜市内着,夕食後,東大門でもどこでもどうぞ。
2日目:ソウル駅で,セマウル号他の切符購入。午後から水原に。民俗博物館,それから夕食を。
3日目:朝,宿を出て,セマウル号で光州へ。繁華街のホテルで一泊。市内見物など。
4日目:日帰りで,モッポへ。(ここで雨に降られたのは痛かった)
5日目:大田経由で,テグへ。所要時間は,2.5時間×2程度。大田の駅前で軽く食事。テグ繁華街見物
6日目:テグは実は,次の町,アンドンへの中継地点。お昼前のムグンファ号でアンドン到着。夕方まで川原散策。
7日目:日帰りでハフェマウルに。バスの本数があまりないので,昼前になんとかたどり着くが,3時前に早々に退散(見学の子供があまりに多くて)
8日目:夕方までにソウル着を目標にアンドンをセマウル号で出発。4時間くらいかかります。夜は宿でダウン(笑)
9日目:ソウル市内見物など。私は現地の友人と飲みに行きました。
10日目:お昼前のバスで空港に。
これに後二日加わればソウルをあと2泊増やすもよし,地方を回るもよし,です。
次回は,街歩き編とでもして,少し書いてみます。
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