Current News 17 Mar,2002
NEWのれん・旧のれん
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博多座「42ND STREET」公演後のインタビューです。ビリー・ローラー役について伺いました。

←左の写真はこの1月に完成したNEWのれん。黒の染め抜きの天使に山吹色の悪魔、デザイン・色とも吉野圭吾さんのオリジナルです(見ればわかるか)。ファン有志の「のれん企画2」に参加して下さった皆様、ありがとうございました&またいつかやりますのでぜひご参加下さいね(^^)

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−「お金がジャンジャン」でコインを投げるところは評判でしたね。
圭吾:コイン投げましょうよっていうのも、俺の時から始めたんだよ。 稽古の時に自分で作ってったの。アルミホイルみたいのを巻いて作ってって、投げて。演出家に「それ何投げてるの?」って聞かれて、「コインです、コイン投げたいんです」って言ったら「あ、そうなの。だったら、コインチョコレート用意するよ」って言ってくれて。
−パーチックの葉っぱといい、お芝居のアイテムを増やしてますね。
圭吾:あれ、「コインマン」だからね!「コインガールズとコインマンたち」、 言ってみればお金の精だから。子供達がお金拾うところから始まって、「やったー!おいでよマネー!」って言ってて俺たちが出てくるわけだからさ。俺たちお金の精なわけで。ということはやっぱり「ジャンジャン撒いてる」ってイメージだなあと思って、コインも作ってったの。衣装にもコインがいっぱいついてるし、みんなと「俺たちはコインの精だから」「あ、そっかー」なんて話したりしてたよ。
−子供達の夢なわけですね。
圭吾:単純な始まり方するよなあって思った。「あ、何でもいいんじゃん!」って。「おいでよマネー!」でショーが始まるのも、極端な話、犬が歩いてて棒に当たってそこからショーがくりひろげられていくとか、サルが木から落ちてそっからショーが始まるみたいな、そういうことじゃないですか(笑)。どうでもいいところから始まるよなあ、それが面白いんだなあと思って。今後の、自分の創作活動に活かそうって思いました(笑)。
−「42ND」のショーの場面はそういうところが多いですね。
圭吾:トレリスだってよくわからないよね(笑)。 あれはあのパーティの場面からずっと続いていく、それぞれの心情なんだけど。美波里さんの歌があって、下の酔っ払ってる男達の歌があって、で、ふられたビリーの歌につながっていくと。
−ちなみに「PRETTY LADY」のストーリーについて裏設定などは
圭吾:ない(笑)。青井さんいわく、とにかくあの時代、大恐慌の中、女の子を露出させることで客が集まるらしいんだ。でも、全部出しちゃうっていうことはまずいんだって。それは法律にひっかかる。だからギリギリのところを見せていくと。それの中で生まれたのが「お金がジャンジャン」だったり、「シャッフル・トゥ・バッファロー」だったり、ああいうお色気ムンムンのショーで。オーディションのシーンでも、みんな脚出して腹出してたでしょ。 とにかくそういう、露出が多いことが客を呼ぶことだったんだって。だから、まさに「デイムス」なんだよね。「デイムス」の歌詞の通り「客の目当ては俺たちなんかよりもかわい娘ちゃんたちで、みんなかわい娘ちゃん達を観に来る」っていう時代だったらしいよ。 きっとそれで、あの歌があるんじゃないかな。 「デイムス」がそれを説明してるっていうか、あの歌詞がその時代を象徴してるんじゃないかと思うよ。
花をからませる格子のこと。一幕「ひとり」リプライズのシーンの通称

−「デイムス」の着替えのときは楽屋に戻るのですか?
圭吾:戻んないよ!そんな時間ないよ(笑)。袖入ってすぐ左のところに 駆け込んで、駆け出て。危なかったよ… よかったよ全公演間に合って。着替えながらメロディを歌ってるんだけど、「…やべえ!」と思うときもあるし。とにかく時間がなかったね。
−ハプニングはありましたか?
圭吾:千秋楽が怖かったね。みんな(アドリブに走って)壊れちゃってたじゃない(笑)。「怖ぇ…!」とか思ってた。「やっべえ春風さん何するんだよ耳グリグリとほじりやがって」とか…あれはむちゃくちゃ痛かったです(笑)。
−ペギーを昼食に誘った後、マギーに耳を引っ張られるはずの場面ですね。
圭吾:春風さんとからむところね。他の日もけっこう、突然なんかやってくるから緊張してたよ。それにいつでも対応できる自分でいようと思ってた(笑)。
−二人の間に、よくわからない何かが流れてましたね。
圭吾:笑っちゃったときおかしかったよね…「なんだこの人は…なにもやらねえよ」って思って春風さんの顔を見たら、ニヤニヤニヤ…ってしてて、二人で「あーはーはーはーはー…」って笑っちゃったの(笑)。わけわかんないね(笑)。
そのあと「血ぃ出た!」とのビリーのリアクションあり(笑)

−よい出会いはありましたか
圭吾:やっぱ作品だよね。この作品に出逢えたことがすごくよかった。 出てくる人たちからもいろんなことを学んだし、芝居の幅をホントに広げてくれたと思います。
タップって音を鳴らす道具だけど、それが「しゃべる」っていうことが、公演の最後のほうにはできた気がするんだよね。踊りが語るように、タップ踏むときにもちゃんと「おしゃべり」ができたらいいなと思ってずっとやってたんだよ。稽古の時からさ。それが、なんか、最後のほうで、ちょっとなんか見えた気がしたんだよ。そこへたどりつけた気がする。
いちばん最後の「42ND STREET」の二人のかけあいはまさにそうじゃない? でゅらららららららら・でゅらら・シューッてさ、ホントに「おしゃべり」だよ。そういうことができて嬉しかったね。技としてはまだぜんぜん未熟だけど。
今後はやっぱり、そういう気持ちに技がついてきたらいいよね。今度は技をそこへ近づけていけるように努力したい。
−千秋楽のお気持ちは
圭吾:敏さん(西田敏行)じゃないけど、自分を誉めました。「あーよくやった」と(笑)。
−体調も崩れずに。
圭吾:よかったよ。終わってどっときた(笑)。後から悪いものがどわっ!て出たよ。公演中すっごい汗かいて、どっとやせました。6キロぐらいやせて、こないだ量ったら体脂肪率が15パーセントだった(笑)。 ほんっとに汗が出た。気持ちよかったよ。

2002年の幕をゴージャスに開けてくれた「42ND STREET」。あっという間に終わってさらにあっという間に日がたち、スーパースターのビリー・ローラー様は今では帝劇で水兵ウィンディ・ディーガンになって小粋なステップを踏んでおられます。華やかな「デイムス」や心の底からスカッとする「お金がジャンジャン」、血沸き肉踊る「42ND STREET」を心にしまいつつ次・また次の新しい公演へと…圭吾ファンのぜーたくは続きます。まったく今年も濃い年でございますよ(^^)

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