Current News 3 Sep,2003
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2003年の夏真っ盛りの中、アンジョルラス+8役にて燃焼中の吉野圭吾さんに、 「レ・ミゼラブル」についてのお話を伺いました。

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−囚人役、労働者役などいろいろな役がありますが、気持ちの切り替えはどのように?
圭吾:衣裳着ちゃうとパッて変わるね。何になる、何になるって。アンジョルラスの衣裳着ちゃえば、アンジョルラスになるし。単純ですよ(笑)。
−キャストの組み合わせによって変化する部分はありますか?
圭吾:そうだなあ…回によって違うから、同じ人でやったとしても、やっぱり微妙に違うんだよね。あの人はあっちへ行っちゃうけど、この人はこっちで、みたいなことはそれほどはない。それよりもうちょっと微妙なところのニュアンスがあったりする。 でもまあ、基本的な動線とか、ラインは変わらない。 人が替わればやっぱり見た目の印象も違ってくるから、お客さんによって「あ、こっちはこういう感じで、あっちの人だとああいう感じなんだ」っていう見方もあるんだろうけど、こっちとしてはやっぱり、役的な付き合いっていうか、役同士の距離は、どんな人とやっても一緒の距離だと思う。
−失業者や見物人の動きも、回によって微妙に違うのでは。
圭吾:そうだな…ある基本ラインを守った上での出たとこ勝負だよね。人が違えば「この人がこうするならああしよう」とか、変わってくると思うから。 それはホントに、なんの役でも、出たとこ勝負。アンジョルラスも含めてね。

−初めてバリケードに上った時の印象は?
圭吾:「わあ、けっこうでかいんだな」と思った。飛び降りてみると高さがわかるんだよね。「ああ、痛いわ」。
そして急なんだよ。階段っていうか、足をかけるところが。それでやっぱり膝をぶつけるんだ(笑)。急すぎるから「怖いな」と思って「すいません、ちょっと駆け上がる練習していいですか」って頼んで登ってみたの。 ガー上がってって、途中でやっぱりガーンて脛が当たって…一番上で「うぁぁ…」ってうずくまったおぼえがあります(笑)。かといってあんまり慣れすぎてもいけないし。
−落ちそうになることはありますか。
圭吾:あるねえ(笑)。突然、バッ!って向こう側から正面を向いたりする時に、 バリケードも八百屋(舞台)になってるから…「八百屋」っていうのは、前に傾いてることなんだけど、そうすると「のぁーっ」って前に行きそうになる。「死のう、僕らは」のあたりとか、それまで後ろ向いて突然バッ!って前向いて「死のう、僕らは」って言おうとすると「おぉぉ前過ぎたか!」ってなる。重心が(笑)。 そんなことが多々あります。
−ABCカフェの場面の始まりでは、舞台装置が回って登場する前から打合せをしていますね。
圭吾:うん、してるしてる。「クールフェラックたちが帰って来たら、町へ出て、市民たちへの最後の呼びかけを行う。さあ、準備を!」って言ってます。
なんでかっていうと、すごく「急かせたかった」んだよね。 「奴らが帰ってきたら、もう行くよ。すべて荷物を持って、ここを出るよ。」そういうシーンにしたいので、そういう台詞を作ってみました。

−歌っていて特に気持ちのいい場面はありますか?
圭吾:二幕のバリケードができたとこで「レーッド!」っていうところかな、あそこ気持ちいいです。
−左右からバリケードが迫ってきて合体した直後に、上から登場する場面ですね。
圭吾:この間、バリケードがくっつかなかったんですよ。左右はくっついたんだけど片方が回転しきれないままだったことがあって。途中で直ったんだけど。
もう、覚悟決めて出てったよ。けっこう怖かった。一本橋だったから…普通は両側の2本の板が真ん中で合わさって足場になるんだけど、片方だけしかガーって上がらないで、でもしょうがないからそのままくっついちゃって。そこへ上っていって一本橋の上で「レーッド!」とかやってました。真ん中がスカスカで、飛んでるみたいだった…楽しかった…(笑)。
−ある意味、臨場感が増すかも知れませんね。
圭吾:そうそう。せっかくだから、いろいろやってみたかった(笑)。 「楽しい…どこまでやれるんだろうこれで」って思ったよ。「どうしよう…そうだ、誰かに指示をして、ここの穴に荷車を詰めよう」とか、いろいろ考えてたんだけど。 みんなもそうだったみたいで、「死に場所をどこにしよう」とか、一所懸命考えてたんだって。でも途中でくっついちゃった(笑)。
−毎回違う形だったら怖いですね。
圭吾:そうそう、それもちょっと面白い。「日替わり・一か八かバリケード」…きっとすごく技量が試されるよ(笑)。
3ヶ月間の「レ・ミゼラブル」。「一回一回をアンジョルラスとして生きる」とのトークサロンでのお言葉通り、日々新たな舞台が作られていきます。残り一ヶ月、どんなアンジョルラスに出会えるか、ぜひご自分の目で確かめてください。
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