laugh
2003年5月の「CLUB SEVEN」から1年半を経て、新しく生まれ変わった「CLUB SEVEN 2nd Stage」。吉野圭吾さんに公演のご感想を伺いました。 |
-昨年の「CLUB SEVEN」と比べていかがでしたか?
圭吾:そうですね。やっぱり2回目だから勝手がわかってたこともあって、 作ることに関しては、1回目の時よりは大変じゃなかったな。やってることとか体力的には、今回のほうが大変だったですね。やることがいっぱいあるから、やってもやっても全然、終わんない(笑)。
-今回、初めての挑戦はありますか?
圭吾:そうですね…やっぱ手話かな。手話、初めてやったんで、あれはすごく面白かった。
-歌いながら、手話の上では別の話をしているわけですね。
圭吾:そうそう。歌は自分の心情で、手話は二人の会話なんですよ。気持ちがおんなじじゃないから、慣れるまでなかなか手間取りましたね。 「たまたまこのバーを見つけたんだよ」って言って、「素敵なところね」「そうだね僕もそう思うよ」「見て、このキャンドル、きれいね」とか「かわいいね」とか「そうだね」みたいになって。 「その指輪は彼にもらったの?」「ええ、そう」「素敵だね」「ありがとう」 で彼女が時計を気にしてるから、「時間がないの?」「うんごめんなさいあたしもうそろそろ行かなくちゃ」「ああ今日は楽しかった」 「ううん、こちらこそありがとう」 「さよなら」「さよなら」みたいなね。
-あの歌で大事にしたことはなんでしょうか?
圭吾:歌も大事なんだけど、でもその中で、ちゃんとこう手話で会話するっていうことが一番大事だったからね。それは大事にしてました。
…あと、初めてだったのは、おばあちゃんもだな(笑)。
-お春さんですね。
圭吾:不思議な時間でしたね、あれ。なんか、やってる本人たちも、ちょっとなんかこう、最後あったかくなった感じがすごくあって。いい時間でした。
-早替えが一番大変なのはどのあたりですか?
圭吾:「ウェストサイド」着替えるときが一番大変。「ウェストサイド」…きつかったですねえ(笑)。衣裳がけっこう重いんだよ。筋肉が「やめてくれ」って言ってました(笑)。
-練習中は鎧は着ないでやっていたのでしょうか。
圭吾:そう。練習中は結構平気なの。でも、衣裳を着てからきつくなったってのもあるけど、頭からやっていくと、M1(オープニング)やった後の「バンパイヤ」がまた苦しいんだ。途中、扉を開けるときに止まるでしょ?あれがきついんだよね!動き続けるんなら全然いいんだけど、止まってなきゃいけないってのが一番苦しい。マラソンしてていきなり止まれ、みたいなもんだからさ(笑)。それをやって「柔道」やって、「クール」でしょ?そこまでが大変でした(笑)。そこまで行っちゃえば、あとはもう転がる感じで行けますね。
-「MOSQUITO」では本当にまじめなお芝居をされていましたね。
圭吾:もちろん。すげえ大真面目でした(笑)。 最後あんなになっちゃって、ちょっとくやしい部分があるよね。観てるほうが「こんなところで感動していいんだろうか」みたいなのない?(笑)
…最後にあんなお笑いに持ってっちゃうとさ、なんかこう、今までのかゆみに申し訳なくてさ(笑)。 ホントすごいねえ、いい表情してるんだよ、かゆみもチュー太も。 …申し訳ないなーっていう感じ。
あと、一人で前に歩いて行くときに、歌いながらジャン・バルジャンを思い出してました(笑)。「神よー」みたいな、あれを、思い出して。やりながら自分で「なんか俺、ジャン・バルジャンっぽいな…誰のジャン・バルジャンだろう?」とか思ってました。
-蚊の後に登場のADさんは、目の下のクマは落とさずに。
圭吾:ハイ、そんな時間ありません(笑)。でもまあ、これがクマに見えて前半の古川さんにも通じればいいかなと思ってたんだけど。
-古川さんの老け顔メイクにはかなり時間がかかったのでは?
圭吾:うん。メイクしない顔から、順々にこう年取った顔、何段階かにわけてやっていきました。二時間ぐらいかな。
-五十音順には以前TOY BOXに登場した猿の「セバスチャン」が出てきましたが…。
圭吾:うん。「モンキー・マジック」のところを俺が歌うことになってて、「歌うよりこっちの方がいいかな?」って思って自分で猿(の着ぐるみ)持ってって、これでどうだ!って見せたの。…で出てきたシーンですね。 マジックを持ってるのも、俺が考えました(笑)。
-ふてぶてしい動きでしたね
圭吾:うん。一回、ゲネの時に舞台前のヘソのところから落ちて、で、本人もいろいろ考えたんだろうね(笑)。「そんなに騒ぐ必要はないのか」って。わーって出てって、あとはああ行こうと。
-「冬のソナタ」は本編をご覧になったのでしょうか?
圭吾:見た見た。そのシーンだけ。「これをやりたい」って言って玉野さんがビデオを持ってきてくれて、それを見て作ったの。 「マイ・メモリー」はだんだん梅垣(義明)みたいになってきちゃったね…。ちょっとお客さんいじりすぎたかな(笑)。始めのころはほんのちょっと声をかけようかなと思ってて。それがだんだんエスカレートしちゃったね。「会えて嬉しかたかたかたです」っていうところ、ホントに噛んでた日もありました(笑)。
-「妖怪」では登場は後半でしたが、踊りっぱなしでしたね
圭吾:そうだね。でも「ウェストサイド」より大変じゃないかな(笑)。 「妖怪」の時は、なんかすごく冷静でクールな俺がいるんだよ。あんまりこう、熱くならない自分が。 「クール」の時はクールじゃないね(笑)。なんだろう…「妖怪」はバレエシューズでやったんだけど、やっぱり、バレエシューズ履くと、なんかモードが変わるんだよ。 踊りのモードっていうか自分のモードが、ジャズスニーカーのときとはまた違うんですよ。なんだろう、足から根が生えるというか。すごくこう「床」を感じるわけですよ、バレエシューズって。踊りもやっぱりバレエっぽくなるんだよね。足ががにまたになったりして。「クール」の方はジャズスニーカーっていうのを履いてて、普通のスニーカーに近いんだけど。
-今回のメンバーのご感想は?
圭吾:うん、そうですね…みんな、すごい熱心だよね。だから、負けてらんないなと思う。みんながそれぞれ刺激をしあって、で、自分の責任をしっかり、果たせたんではないでしょうか。 みんなそれぞれ、良さが生かされた、いい公演だったんではないかと思います。
-「CLUB SEVEN」全体のご感想を。
圭吾:とにかくこう、出さないと。守りに入ってるとできない、ショーでした。…まあどんな作品もそうだけど、なんせこう、自分が退いてしまったら、もうやれない。
時にはテンションが低い日もあるじゃない?劇場に行くまでに嫌なことがあったりして、テンション低かったりするけれども、でも「CLUB SEVEN」を成功させるにはそのローテンションでは絶対出来ないんですよ、僕的には。なんとかして、そのテンションを上げていくというか、自分を沸き立たせるというか。絶対に「守る」ことなく「退く」ことなく、三時間最後まで通す、っていうことはやはり大変なことだと。 すっごく体力要るし、集中するし頭も使うし、喉も痛いしで(笑)。でも、そうしないと、たぶんこの公演はできないんじゃないかなあなんて思うんですよね。自分的にも。
それはもうすべて、M1(オープニング)で決まると言っても過言ではない感じで。あそこでこう、どれだけ音に乗って、お客さんの空気をつかんで、自分でワクワクして。奮い立たせるのは、M1。そこでその後の流れも決まっちゃうみたいだね。
-オープニングの表情は評判でした。
圭吾:うん。楽しいんだよ。楽しいし、なんかね、踊りながらしゃべっちゃうんだよ(笑)。「へへッ!」とか言って笑ったりしちゃう(笑)。すごく好きでした。きっと自分が楽しんでることを楽しんでるんだろうね。
けっこう、ドキドキするんですよあれ、始まるまで。始めの「ジャン!」ていう頭の音と踊りを合わせられるかな、とか。あのドアの後ろで、開けるまで待ってるときとかさ。で、それがこう、そのドキドキが破れた瞬間ていうのがたまらなく…笑っちゃうんだね!