PARK Current News 31 Jan,2006

 

2005 Summer vol.2 -Toy Box 4-

6月に大阪で幕を開け、7月・8月の東京公演まで3ヶ月間の「Mozart!」。そして9月の参加型ライブ「Toy Box 4」まで、濃く熱い夏を駆け抜けた吉野圭吾さんに、この夏の公演について伺いました。

後編は「Toy Box 4」について。
※前編「Mozart!」についてはこちらです。

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-過去の「Toy Box」は一回のみでしたが、今回は3回公演でしたね。
圭吾:そうですね。大変でした…今後は、3回やったとしても、一日一回公演がいいな(笑)。
-オープニングの構成はどのように決めていったのですか?
圭吾:なんかね、こう、ずっと客席で同じ音が流れてて、それが盛り上がって、本編にのめり込めるような、そんな曲はないかなと思ってたの。「ボレロ?!…あ、ボレロだったらいいんじゃない?アリナミンもできるし!」と。(障子紙のスクリーンの後ろで)影絵っぽくやることは元から決めていました。
-フィニッシュでスクリーンを破って登場するところまで、曲と構成が見事にはまっていましたね。
圭吾:うん。でも、うまく破れなかったんだよね。手にカッター仕込んでおけばよかった。最後の日だけ違う種類の障子紙で、硬くて…「Toy Box」看板も倒れてさ…「あーあーあー」(笑)。あれが解消できなかったことが口惜しかったです。
-メンバーがシルエットで登場されていましたが…
圭吾:良かったでしょ?「人類の進化」(笑)。あと、犬も俺のアイデアです(笑)。影絵っつったら犬でしょ!
-メイキングビデオで伊藤明賢さんが「犬」の影絵の形に指を縛っていましたが。
圭吾:伊藤君、犬がうまくできなかったの(笑)。じゃ、指三本縛って練習しよう!って…本編ではできるようになってました(笑)。あの石斧は伊藤くんの案です。「俺、なんか持ちたい」って。あれ良かったよね。
-スクリーンの後ろでも客席の声は聞こえましたか?
圭吾:うん、笑ってるの聴こえた。「…よし!」って。
-アリナミンのCMの振りでも沸きましたね。
圭吾:そうだね。アリナミンのところは、照明さんががんばってくれました。

-その後「板倉重昌A Go!Go!」の替え歌でしたが。
圭吾:うん。最初から「これでしょう!」って決めてました。それで最後の銃声で全員で「日替わりで撃たれよう」っていうことで、ピアノの宇賀村さんにも倒れてもらいました。
-選曲で、これだけは!と決めていたのものはありますか?
圭吾:「サンセット(ブールバード)」と「出逢えた人たちへ」と「重昌ゴーゴー」かな。あ、あと「CRY」。

-「デイムス」で女の子たちを舞台に上げて参加型に突入、というのはナイスアイデアでしたね。
圭吾:もっと舞台いっぱいを人で埋め尽くしたかったんだけど(笑)。
-参加型の人の動きも回によって違うものですね。
圭吾:うん。どの回も、ある一定のところに持っていかなきゃいけないからね。けっこう冒険だよ(笑)。人によってだいぶ変わるからね。
-前半は早替えが非常に多かったですね。トークの間からクツを脱ぎ始めたりしていましたが。
圭吾:そうそう。できるだけ脱いでいこうと(笑)。…たいへんですよ。 しかも間に合ってないからね…「サンセット」はちょっと無謀だった。

-「暗い日曜日」ですが、弾き語りは初めてでしたね。
圭吾:はじめはみのりちゃんに歌ってもらって、俺がピアノを弾こうと思ったの。 でも宇賀村さんが打ち合わせで「いや、自分で弾いて歌った方がいいよ」と。 それから猛練習して…ホント、ピアノ弾くってね、違う! 緊張感が、芝居したりするのとぜんぜん違う。それに耐えるのが大変でした。本番でも「暗い日曜日」が終わって、どんなにホッとしたことか…。
-あそこがヤマなのですね。
圭吾:ヤマです。ほんとに。一回ミスタッチした時があって、その後はもう「ヤバイ!落ち着け落ち着け、落ち着け!」
-いつごろから練習を?
圭吾:帝劇(「Mozart!」公演)中から。楽屋にキーボード持って来て、ずっと弾いてた。
-稽古期間が少なかったと思いますが。完全燃焼した夏でしたね。
圭吾:うん。精一杯やったし。精一杯楽しんだし。

-「お月様ブラザース」は今回「エピソードI」とのことでしたが。
圭吾:あの二人がお月様ブラザースになる前の話です(笑)。(川にお面を)流して、エピソードUに続くわけです。
-河童の川太郎さんがかなり目立っていましたが…。
圭吾:(笑)あれはよかったね。だいたい自分のことより、新しいキャラのほうに行っちゃうんだよね、面白いから(笑)。 こっちは二人ですから、単独行動できないし。でも、あの兄弟も息が合った芝居を見せてくれたじゃないですか(笑)。
-パンダ団長の衣装は決まっていたのですか?
圭吾:ううん、でも「こういう感じ」って探して。「団長」っていったらあのヒゲでしょ(笑)。
-メイキングビデオで、ノートに物語の絵コンテが描かれていましたが、あれが脚本ですか?
圭吾:うん。みんなに配ったんだけど「読めないよ」って、みんなほっぽらかされて、かわいそうだった(笑)。
-みなさん、熱演されていましたね。
圭吾:そうですね。ホントにがんばってくれました。

-コントの構成はどのように?
圭吾:普通のコントを書いてもらって、それにミュージカルを当てはめていきたかったわけ。で、いろいろ当てはめて、やったわけですよ。…そしたらレミゼばっかりになっちゃって(笑)。 「助けは来ないー」ってところなんだけど、あそこ、稽古中は伊藤くんのツッコミで笑っちゃって歌えなくて(笑)、稽古場では結局一回も歌えなかった。本番では平気だったけど。
-役に入る変わり目がすばらしかったですね。
圭吾:かわいそうに、あそこは参加型のお客さんが取り残されちゃってね(笑)。
-最初から、ミュージカルコントの予定だったのでしょうか?
圭吾:最初は「シカネーダー的ミュージカル」って言ってたんだけど。それを考えていたらああなっちゃったの(笑)。ホントは音響、照明、すべてを利用して、くだらないことですっごいバカ騒ぎになったりとか、そういうことを考えてたんだけど、ちょっと多すぎるかな!って。じゃ今回はそれはやめて、ミュージカルコントにしようってことになりました。また、そのアイデアは次回に持ち越したいと思います。

-3頭身のぬいぐるみを着て出てきた「コンタ」ですが、名前は荒井みのりさんがご自分で?
圭吾:そう(笑)。稽古場でいきなりあれ、着て登場してきてさ。「おぉー、みのりちゃん!やったね!」「これで救われるぞ!」と。なんでキツネじゃないのにコンタ(笑)…コントだからコンタで。
-コントで必ず使われていた「いーよいーよ松本いーよ」は、どなたのネタなんでしょうか?
圭吾:伊藤さん伊藤さん(笑)。稽古場から「絶対入れよう」と。で、コンタが、楽屋でふざけて「16だから!」とかやってて、「絶対そこ行こうよ!」と(笑)。「それに行くためにはどうやって振っていけばいいんだ」って…そこには計算があったの(笑)。
-何かにつけてコンタを突き飛ばして転がしていましたが、あの流れも最初から決まっていたんですか?
圭吾:いや(笑)。楽しくなっちゃうと手を出したくなっちゃうんだよね…「えいえい」って。コンタは「けっこう痛い」って言ってました(笑)。

-今回のメンバーのご感想は。
圭吾:気心の知れた仲間で、みんなに支えられてできたわけで。 ほんとに楽しんでやる事ができて、よかった。
-土居裕子さんとのデュエットが、ついにライブで実現しましたね。
圭吾:そうですよ。去年のNHKの「ふれあいホール」の時にね、一緒にやりたいって言ってて。あのふれあいホールがなかったら、今回のことはできなかったね。本当に、土居さんが出演してくれてよかったです。出会いって、大切だなあって思った。
またミュージカルとかで、ご一緒できたらいいね。ぜひ、そう願います。
-トークでの土居さんとの「尾崎ごっこ」ですが、最終回は終わらないんじゃないかと思うくらい長かったですね。
圭吾:誰も止めないんだもん(笑)。俺も「I LOVE YOU」丸々歌おうかと思ったんだけど、ちょっといまいち詞が出てこないのでやめときました(笑)。

-荒井みのりさんが歌って男性二人が踊る「彼へのバラード」の振付はご自分で?
圭吾:だいたい、ここからここへ移動して、っていうことだけ決めて、あとは本人に任せたり、みんなで話し合って作っていきました。
-語りの詞も印象的でしたが。
圭吾:うん。元の歌の翻訳された文を、歌えるように直しました。

-最後のオリジナル曲「歩く」について教えて下さい。
圭吾:曲を作る段階から、なんか自分の、この「役者」としての道のりみたいなことを、曲にしたかったんですよ。…短い時間だけれども、「自分の」歌にしたかった。
詞を書いて、 曲を作る段階で、なんか、広がりがあって、これからも続いていくっていうか進んでいけるようなそんな歌がいいなと。(高木)啓吾君に相談してバンドというよりもオーケストラって感じにしてもらいました。
-「Mozart!」帝劇千秋楽から「Toy Box」初日まで、濃い二週間だったんですね。
圭吾:そう。…すんごい、時間がなかった(笑)。
-トークでの「この道に入って14年」というのは、山中湖でのキャンプ場のアルバイトで「やっぱりミュージカルが好きなんだ」と自覚された時が原点ということなのでしょうか。
圭吾:そうだね。そういう意味です。「これでごはん食べて行こう」と。決心した時から、14年。そういう意味です。
-歌っている間に、そういうことも思い出したりしましたか?
圭吾:うん。やっぱり、自分が思わないと伝わらないからね。あえて飾らない詞にしました。…尾崎とかも出てきたし(笑)。 ホントに飾らない、あの時だけしか歌えない、内容の詞でした。

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