クリエちゃんと
Current News 25 Aug,2008

 

Life

2008年4月〜6月に上演されたミュージカル「レベッカ」、2008年9月発売予定の写真集「BORN」について伺いました。

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-「レベッカ」3ヶ月間のご感想を
圭吾:毎回、楽しくやりましたね。とにかくファヴェルにとっては、一回一回が真剣勝負じゃないですか。毎回負けるんだけど(笑)。なんか毎回、アプローチの仕方っていうか、感覚が違うんだよね。いかに「わたし」と接していくか、マキシムと、フランクと、言葉のゲームみたいなものを進めるか…っていうのが毎回楽しみでしたね。それまで続いていた芝居の中にいきなりポン!って入っていくことが多いので、ちょっと難しい部分はあるんだけど。でも本当に面白かった。
-あらかじめ「こうして行こう」というものも、その場で生まれていくものもあるのでしょうか。
圭吾:うん。ほとんどがその場で生まれるものだね。「こういう間合いで来たか」って思うと、体が違う反応をするし。そういうのが面白かった。

-「もちつもたれつ」ははじけるナンバーですが、終わってからのお芝居も主導権を握っていかなければならない、ハードな場面ですね。
圭吾:そうだね。でもあの曲があって、自分が勢いづくので、行きやすいんだよ。…突然だけどね(笑)「俺の夢を教えようかー」って突然始まる(笑)。
-ゴブレットを投げてキャッチするところは、思い切って投げていましたね。
圭吾:落ちたら落ちたでいいや!っていう勢いで投げていました。でもほとんど落とさなかったですね。稽古場で一回、本番で一回…二回しか落としてない。でも、あのソファーに後ろ向きで飛び乗る時に落ちた時は参った(笑)。ずり落ちたんです…「俺はつきーとめーた!」ーたたたた(笑)。かっちょ悪い俺(笑)。けっこう何回か、カカトがソファに引っかかって「ヤバイ!」っていうときがあったんです。
-ソファの面は滑りやすそうでしたね。
圭吾:上に乗っちゃえば平気なんだけど、後ろ向きだから、カカトがソファにガン!て当たると、乗れないわけですよ。(座面の)高さ以上まで飛んでないから。それが怖いんだよね。でも、ぴょこん!って乗るのは嫌なの(笑)。理想は、スッ…と「あ、乗った?」みたいな感じでソファの上に上がりたかったんです。

-はっきりした悪役は珍しいと思うのですが、いかがでしたか?
圭吾:自分が言ったことに対して、みんなが困り果てていく役っていうのは面白いところかな(笑)。いかにマキシムを怒らせるか…みたいなところも楽しんでました。 ボート小屋の場面で「薄汚いジャック・ファヴェール!」って言ってるじゃない。あれを毎回聞いて「ああ怖い怖い、もっと怒らせよう」…って行くわけですよ(笑)。
ホントしつこいよね。めげないし、くじけないし…すごいエネルギーの持ち主だと思うよ。まあ、彼にとってあれが普通なんでしょ(笑)。
-「出てって」と言われてもめげない。
圭吾:そう。ファヴェルにとっては最高のホメ言葉です(笑)。「ありがとう!」
-「一番の恋人」と歌うところでダンヴァース夫人に否定されても、笑って流す風でしたね。
圭吾:たぶん、別にファヴェルにとっては、どうでもいいことなんだよ。レベッカが亡き後。
-ダンヴァース夫人のこだわり方とは全く違うわけですね。
圭吾:違うね。ダンヴァースは本当にレベッカを愛してるわけだからさ。俺はまあレベッカとは幼馴染で、レベッカはマンダレイのお城へ行ったから、その従兄弟ということで、いい思いをさせていただき。で、レベッカが亡くなったってことは、そういう付き合いがあったレベッカの金目のものは俺のものじゃないの?…みたいな。

-独特の台詞回しが多かったですが、言っていて特に一番楽しいところはどこでしょうか?
圭吾:どこだろう…ああ、二幕あたまのところとか。「残念また俺です!」とか、好きですよ(笑)。
-「曲の尺に合わせて喋るのは大変」ということでしたが、あの場面は如何でしたか。
圭吾:だいたい大丈夫だけど、少しずつ調節はしてます。日によって曲のテンポが多少は違ったりするし、盆の(回転の)スタートがちょっと遅れたりするときもあるから。そういうときは「曲と曲の節がここだから、このへんにいなきゃいけないな」と思って。そういう微調整はある。
…本当はもっとすごい霧の中のイメージなんだけどね。舞台の奥のほうは見えないイメージなんです。霧の中からふわっと現れてふわっと消える。またふわっと現れてふわっと消える。そういうイメージだったんだけど…結構よく見えてたみたいだね(笑)。

-ファヴェルは胡散臭い仕草も評判でしたね。
圭吾:「俺も行く!」とか、あるじゃない。あの場面の後で上(楽屋の階)に帰ると、ちょうどKENTAROさんがいて、「…俺も行く!」ってマネをするんだよ(笑)。「俺そんなに決めてる?」「いや、やってるよ」「あ、やってたやってた」(笑)。 でもまあ、イギリス人じゃないですか。で、いかに、こう日本人離れした仕草とか、立ち居振る舞いとか、そういうものをいろいろ考えたわけですよ。
-ウィスキーを飲む仕草ひとつも嫌味でしたね。
圭吾:ねえ。気管に入ったときは参ったけどね。大変だった。初日はウィスキーを注がれる手がむちゃくちゃ震えてたし…「おい手!手!!」(笑)。マキシムに握手求めるところとかも、プルプル震えてる俺の手はなんなんだ…と。

-最初と最後に「わたし」の後ろで歌っているのは、「わたし」の中の登場人物たちなのでしょうか。
圭吾:そういうことだと思います。じゃないと、ファヴェルで「愛さえあれば乗り越えられる」とか、歌えないでしょ(笑)。
-「レベッカ」三ヶ月を終えてのご感想は如何でしたか?
圭吾:ひとつの日常がそこで終わったなみたいな感覚だったね、今回は。これが例えばファヴェルが「悪かったよ!」って改心するような歌があったり、そういうようなシーンがもしあったとしたら「あーよかったー」とか「ホント楽しかったー」みたいな感想になるのかも知れないけど、ドライなんですよ(笑)。でも3ヶ月やって、よくやったな!っていうのはある。石川禅さんと同じ楽屋で、いっぱいお話もできて。お互いをホントよくわかりあえたし、面白かったです。

-9月に発売される写真集、「BORN」というタイトルはどんなお気持ちでつけられたのですか?
圭吾:この世に生を受け、「生きてる!」というものを、出せたらいいなと。そんな写真集になればいいなと思います。
-長い期間、撮りだめた写真が使われるのでしょうか。
圭吾:そうだね。一年以上だね。
-圭吾さん自身も気に入ったものを選んだ写真集ということですね。
圭吾:そうだね。いろんな表情というか、どう、生きてるかっていうか。なんていうんだろうなあ…いろんな生き方があるわけじゃないですか。役者ならではの、いろんな「生き方」が見せられたらいいなあと。それを見ていただいて、ちょっと、癒されていただけるといいなあ…と思います。写真集なんだけど、ひとつの「作品」だよね。「BORN」という、その作品を、みなさんに見ていただけたらいいと思います。

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