Current News February 11,2013

2012

2012年夏の「CLUB SEVEN 8th STAGE!」、11月のTSミュージカルファンデーション「客家」についてのインタビューです。
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-「CLUB SEVEN 8th STAGE!」、全体の印象はいかがでしたか?
圭吾:男だけでやるとやっぱり、いろいろ違いますね。
-ご長寿クイズについて。決まった流れなのに毎回、面白かったですね。
圭吾:そうだね。あれは台本がすばらしいんです。でも、大変でしたよあそこまで辿りつくには。みんなでがんばりました…ご長寿だけじゃなく、司会の玉野さんのところも大事だし。
-日替わりで西村さんがいろいろ振ってくるところでは、独特の緊張感があったのでは。
圭吾:ありましたねえ(笑)。直人さんが言ったことに対して、「次、たぶんこう来るから…こっちのほうに行って、こう言おうかなあ」みたいなことが頭をよぎるんだけど、でも町田君のところで、そのもくろみが大幅に崩れるんだよ(笑)。「どこへ行くんだよ!」っていう所へいくから「もういいや、読めない!感じたままで行こう」っていう気持ちでいるようにしました。…最悪「森は生きている」でいいやと(笑)。
-ビートルズメドレーのお巡りさんは、かぶりものもポイントでしたね。
圭吾:うん、こだわってた。最初は俺は普通のお巡りさんだったんだけど、「でも、入り口こんなちっちゃいんでしょ?じゃ、犬のお巡りさんじゃないですかやっぱり!」って。 だってみんな、あんなカッコで出てくるのに、俺だけ普通のお巡りさんじゃ寂しいんじゃない?
-家政婦ムタさんの役作りは、やはりドラマを参考にされたのでしょうか。
圭吾:うん。もう…できるだけ、コピーしたいなと思ってました。

-9年ぶりに登場したニューカラフルのリョウさんですが、挨拶は「CLUB SEVEN」初演の時と同じでしたね。
圭吾:うん。やっぱり「リョォーです!」やらないとね(笑)。…今回、なんせコールを覚えるのが大変でした。一回目も二回目も、途中まですごく似てるから、ほんっとにギリギリまで覚えられなかった。「…たいへんだったんだなあ、(初演の時に店長だった)直人さん」と思いながら(笑)。ホスト時代は気楽にやってたけど、店長になるといろいろ大変だなあと思ったわけですよ(笑)。
-後半、何かとしまうま化する流れが面白かったですね。
圭吾:そうだね。じわじわ近づくとか。しまうまね…やりっぱなしなんだよね(笑)。やっても、決着がつけられないんですよ。暴走注意ですね。
-若手の皆さんも、はじけた感じでしたが…。
圭吾:彼らはいいんですよ、はじけてもらわないとどうにもならないから。…ちょっと「いいなあ」と思ってましたけど(笑)。
-「ナナコさん!」とホスト2人の小芝居が始まるところで、後ろでポーズをとっていましたが…。
圭吾:「圭吾なにやってんの?」って稽古場で言われました(笑)。「いや、あの『森の精』っていうところにひっかけて、ぼくは森になったほうがいいんですかねぇ…」って。
-リョウは後継者として、何かとヒカルに目をかけていますね。
圭吾:ああ、そうだね。あいつが次のトップだから。 (監督シリーズの)「ハイ!」「ハイ!」っていうところが俺は一番、楽しかったです(笑)。最後に「…ハイッ。」って断ち切る瞬間が(笑)。「ハイじゃあ…」っていう(雰囲気を緩める)瞬間のね、あの空気感がたまらない(笑)。
-ヒカルのがんばりも素晴らしかったですね。
圭吾:「あそこは笑っちゃあダメだ、どうしても耐えられなかったらしょうがないんだけど、そこまでは真剣にやろう!」って。
-あのあとリョウさんはどこへ。
圭吾:着替えに(笑)…いや、ほんとは打ち合わせがあるの。あそこで作ってる作品に対して。お金のこととか、劇場でのこととか。いろいろ、そういう裏のことやってるんですよ、きっと。
-「It don't mean a thing」ではソロダンスが素敵でしたね。
圭吾:久しぶりに燕尾、着たね。ああいう格好で踊るのもほんとに何年ぶりかでした。白燕尾は初めてでした。帽子を投げるところが一番緊張したかな。

-二幕頭の「Traitor」で難しかったところは?
圭吾:名前を覚えるのが大変でした(笑)。リウィアとか…ほんっと、大変です名前。
-殺陣もたくさんありましたね。
圭吾:「あぁー、やるのか、殺陣…」(笑)。今回、ガンガン攻める方じゃなくて「やめろ!」って防いでいく方だから難しかったです。
-そうとう練習をされたのでは。
圭吾:そうですね。でも「妖怪」よりは楽だったけどね。
-ガイウスは衣装のアイテムの数が多かったですね。
圭吾:着替えてるだけで、休憩時間終わっちゃうからね(笑)。着替えて、腕に汚しを入れたりして…「もう5分前?!」みたいな感じです。
-20分の休憩があっという間ですね。
圭吾:そうなんですよ。だからできるだけ、一幕が始まる前に衣装をセッティングしておくわけ。またあれ、着るのが難しいんですよ!「どこがどこだよ!」って感じなわけですよ。ちゃんとそろえておかないとほんっとに「キーッ!」てなる(笑)。だからちゃんと、セッティングするようにした。できるだけ早く着替えて、ちょっとでも休憩する。(一幕ラストの)「365日」の幕が閉まったら速攻、走って、着替える。
-脱ぐときは早そうですね。
圭吾:袖でバーーッて(笑)。俺は(トークの登場が)一番最後だから、余裕があるけど。
-あのトークのテンションはある程度「Trator」の雰囲気を振り払うような意識があるのでしょうか。
圭吾:そうそう。自分で上げてってる。 …あーあ、楽しかった(笑)。
-薄く笑って立っているのも、緊張感がありましたが。
圭吾:「なんかないかな…ないか(笑)」。
-「玉野さん大変です」も面白かったですね。
圭吾:「この人の袖がありません」(笑)。

-五十音順ヒットメドレーについて。「River」の振付は相当練習されたそうですが、いかがでしたか?
圭吾:難しかった!みんなネットとかで、自分がやった動画を流してるんだよね。面白い、よく覚えるなあ!って思ってたんだけど…そのうちの一人になっちゃった(笑)。
-イントロから前半にかけてで曲が切れますね。
圭吾:あそこからがカッコいいのにね。だっだかだかだっだーだーっ…でも、あそこまででいいです(笑)。EXILEも苦労した。「ライジングサン」最初の頃、どうしようかと思ったもん「俺、できねえよこれ!」と思って(笑)。カッコ悪かったー…。らーいじーんぐさーんていう振り。振付受けたときに、ひどくってねえ!覚えられなくて。「これじゃダメだ!」と思って、またカラオケボックスで特訓しました。…で、できるようになっちゃったら稽古場で「つまんない」って言われました(笑)。
-細かい振付が多かったですね。「つけまつける」も…。
圭吾:きゃりーぱみゅぱみゅね。練習したよあれも、ひとりでカラオケボックス行って…。
-「でんでらりゅうば」も今回覚えたのですか?
圭吾:そう。あれ、でも昔、小学校で流行ってたんですよ。「あ、これなんだ!」って思って。
-コーチとボール君は、ボール君役の玉野さんの走りが大変そうでしたね。
圭吾:あれはボール君がメインだからね(笑)。稽古場でやったときに「あ、もう脚がやばい!脚が脚が!」って言ってました。
-千秋楽、四人が近くに寄って、ボール君は中央に立って壁打ちのように跳ね返る動きでしたね。
圭吾:玉野さんが「スローモーション!」て言わなかったから「あっ、スローモーションなしでやる気なんだ!」と思ったんですよ。で、その意気込みに応えようと思って、むこう(ひろみとお蝶夫人)もこっちも、ちょっとずつ寄ってってあげたの。でも終わったら「『スローモーション』て言うの忘れた…!」(笑)。「忘れたんですかあ?!玉野さんの意気込みかと思いましたよ!」「いや忘れたんだ…」(笑)

-「人間五十年」の信長は素敵な表情でしたね。
圭吾:耐えられなくてね、あれやるのが(笑)。模索したなあ…。
-「盗んだバイクで…」でスギちゃんが足踏みを真似していたのがおかしかったですね。
圭吾:そう!はじめて見たときに耐えきれなかった。…だって見つめてるんだもんずっと上目遣いで(笑)。
-ライジングサンからの変わり目で、このまま倒れてしまいたいだろうなと思いました。
圭吾:うん。たらこに行きたくないのを、しぶしぶ立ち上がる(笑)。そのしぶしぶ感がいいんだよ、たらこ的には。

-蚊は「CLUB SEVEN 2nd Stage!」で登場したあの方ですね。
圭吾:そう、あれは藪さん。腹巻すればよかったな。でも藪さん、死んじゃってるからなあ。幽霊の三角のやつ巻いてもよかった。
-セバスチャンは、今回は男前でしたね。
圭吾:や、いつもあんな感じじゃない?
-「モンキーマジック」の走り込んでくるタイミングが難しいと、以前はおっしゃっていましたが…。
圭吾:もう体に入ってますね。タイミングが体にしみついちゃってるんですよ。

-「CLUB SEVEN」のキャラでこれは定番、というキャラクターを挙げると?
圭吾:セバスチャンはぜったい出てこないとね。いちばんよく出てるよね…やっぱ靴下でしょ。
-初出は「CLUB SEVEN」ではないですよね。
圭吾:そうだよ。あれは「TOY BOX」発だから。「TOY BOX」から借りてきてるんです。「CLUB SEVEN」メインじゃない、客演だから(笑)。

-カーテンコールの最後に、玉野さんの両側からドアを閉める役目でしたね。
圭吾:そう。すばらしいね、ドアひとつでこれだけ笑いがとれるって(笑)。
-「CLUB SEVEN」で大切なことってなんでしょう。
圭吾:チームワークだね。あの中でもやっぱり、いろいろ計算はされてるわけ。好き勝手やってるようだけれども、でも「他の人がやってるときは、その邪魔をしないように」とか「今はここに視線がいってる、次はこっちに視点がいく」とか、そういうことを計算してやらないといけない。そういうことを、みんなが学んでいる場なんだよ。そうじゃないと、本当にやりたいことが壊れちゃう。受ければいいっていう話じゃないからさ。それがわかった上での、それぞれのはじけかたがあるから、チームワークがないとよくない。玉野さんもそこを大事にしてる。…うん、チームワークが大切です。



-「客家」について。久々のTSミュージカルでしたが、振り返っていかがですか?
圭吾:挑戦・挑戦の日々でした。求めても求めても終わりがない感じでしたね…追求、追及の日々で、あっと言う間に終わってしまいました。
-早かったですね。
圭吾:早かった。もったいないね…あんなに稽古したのに(笑)。
-凄い練習量を感じました。
圭吾:できるかぎりのことは、やりつくしました。悔いはない。

-殺陣やアクションで、難しかったところはどこでしょうか?
圭吾:扇の扱いとかが、ちょっと面倒だったね。本番で飛ばさなくて良かった…開くときとか、落ちるんですよ。重いし、大きいから抵抗がある。でも力を入れすぎてもうまく開かないし、微妙な力加減がまた難しい。すべてが一発目の、あの「バッ!」で決まってました。
-男性三人で空祥が襲ってくる場面も、かなり練習されたのでは。
圭吾:練習したね。大変だった。
-空祥にフェイントをかけて逃げていくのは、脚本にあったのですか?
圭吾:書いてないけど、自然にああなりました。
-一幕ラストで、空祥を助けに入るところも鮮やかでしたね。
圭吾:ちょっと恥ずかしかったです(笑)。「我はこの土にこの国に風を起こすもの!」
-側転で入ってきて、剣が一本かと思ったら二本という。
圭吾:二刀流は難しかったね。資料のビデオ借りて観ながら、あーなるほどなーと思って練習してました。上手に見えたとしたらきっと、斬られ役の人がうまいからです(笑)。

-空祥と一緒の場面が少ないので、兄妹としての表現が難しいのではないかと思いましたが。
圭吾:少ないよー。本当はもうちょっとやりとりがあったんだけど。でも、いいきょうだいだったでしょ?
-天祥は、空祥が戦っていることも知っていたのでしょうか。
圭吾:知ってるんじゃないかな。俺は二幕では、理宋様が死んだことも知っていて「孔子は…」って喋ってるつもりです。
-感情表現の幅の広い役どころでしたね。
圭吾:よく泣いた。とにかく、感情をよく動かした舞台でした。
-後半は前半とは、全く違った雰囲気ですね。
圭吾:そうだね。目、見えないしね。稽古場で「もっと五感で動いて」、って何度も言われた。どうしても、気をつけてても、目線が先に行っちゃったりするから。だから、勉強のために「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」っていう、真っ暗な空間を体験できる施設に行ってきました。真っ暗な中にいろいろセットが組まれてて、公園とか、部屋とか、いろいろな場所を案内してもらって先へ進むんだけど。ほんっとに真っ暗なの。目が慣れるとかそういうレベルじゃなくて、もう、純度100%の闇なんですよ。でもそんな中で、盲目の人たちは、食器を洗ったりしてるの。すごいなあと思って。自分がどんな空間にいて、どこを回ってきたのかどうなってるのか答えが知りたかったんだけど、それは教えてもらえない。方向感覚もわかんないし。 水夏希さんが前、行ったことあるからって教えてくれたの。行った次の日に、別の人に「行ってきたでしょ、全然違う」って言われました。貴重な体験でしたね。

-「正気の歌」は作品の中でとても重要な曲でしたね。
圭吾:はじめに「正気の歌」があって、そこからストーリーを広げていったんだって。だから先生も「正気の歌」にかける思いが強くて、すごくこだわってました。歌唱指導の満田さん、高校の同級生なんだけど、何度も見てくれて助かりました。きっと自分一人ではたどりつけなかったなって。
-今回の歌詞では、史実の詩に沿っている部分と、このお話に沿っている部分がありますね。
圭吾:けっこう漠然としてるよね。同じことを言ってる部分も多いから、開眼したことがいまいち見えにくくなるんじゃないかって、気をつけていました。改めて「発見」していくっていうことがテーマだった。最初は、その境遇の中で「何かに言わされてる」感からスタートして、それが、じきに発見につながる。最後は、所詮人間なんて、この宇宙の中のちっちゃいチリでしかない、生きてる間のことなんて、ほんの一瞬にしかすぎない、みたいなところにたどり着く。本当の「正気の歌」とはちょっと違うけど。
-史実の文天祥の生涯とは違うけれど、この物語もやはり「正気の歌」につながる…というのはよかったですね。
圭吾:うん。…この作品での文天祥。それぞれきっと「文天祥」像があると思うけど。

-ラスト近く、空祥が歌う後ろで佇んでいる表情が印象的でした。
圭吾:本番になって、やっとあの場面の居方がわかったの。稽古場では「難しいな」と思ってた。きっと、シュアンたちが死んで、お客さんもそれを観てて、俺も見ていて、そのままの思いで出た方がいいんだ!と。
-その後は丙さまに再会して「行くしかあるまい」と、天祥の気持ちが前に向かっていますね。
圭吾:うん。崩れることではないと思うんだよね。そこのさじ加減が難しい。
-それだけに、天祥が死んでしまったことを悔しく感じました。
圭吾:空が生きたから、浮かばれるんですよ。それが天命だって、思ってるよきっと。
-ラストの現代の場面では、空祥にそっくりな女性が登場しましたが、天祥のような人もいるのでしょうか。
圭吾:いるんじゃない?ラストシーン、俺も、荷物持ちとかで出たかった(笑)。超、尻に敷かれてる。もしくは運転手とか。「イキマスヨォ!」みたいな。

-2012年を振り返って一言お願いします。
圭吾:よく動いたね!「ジキルとハイド」、「ダウンタウン・フォーリーズ」、「CLUB SEVEN」…と「客家」。
-当初の目標は「たくさん歌う、そして踊る」でしたが。
圭吾:うん。達成できたんじゃないかな(笑)。また2013年もね、大はしゃぎしたいと思います。がんばりましょう。

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