Current News April 1,2013

in the room.

2013年1月に上演された「TABLOID REVUE『密会』」についてのインタビューです。
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TABLOID REVUE
-「TABLOID REVUE『密会』」いかがでしたか
圭吾:面白かった。ホントに、好きな世界ですね。 四日で、あれだけよくやったな…よかった一幕もので。休憩がないから、出て着替えて、出て着替えてばっかりだったけど、変に空く時間がなくてよかったです。
-メンバーについて。初共演の方も久しぶりの方もいらっしゃいましたが、ご感想は。
圭吾:保坂知寿さんはすごい方だなと、改めて思いました。海宝君も、あのキャラが、いい感じだったよね。 (風花)舞ちゃんとは、がっつり一緒に踊ったことがなかったから、スパイやタンゴの曲で一緒に踊れて嬉しかった。 小野妃香里ちゃんは、踊りで組んだときに真剣勝負になる…「タンゴは愛のバトルだ!」っていう勢いで来るから(笑)。 みんなバラバラなキャラで、いいバランスだったから、よかったと思います。また、このキャストでやりたいです。
-ひさびさに荻田先生の演出に触れて、いかがでしたか。
圭吾:独特の世界があって、不思議な感じなんだけど。でも「なんでこうなるのか」っていうこともしっかり説明してくれるし、何を求められてるかもわかるし、すごく丁寧で、分かりやすかったです。演出として、全部に関わる姿勢なんだよね。振付もそうだし歌もそうだし、お芝居ももちろんそうだし、美術、照明、音響から全部にこだわって。自分がプロデュースしていくっていうか、自分のプランがあるんだよね。そこがやっぱり、すごいな!と思いました。

-歌った曲の中で、特に好きなところはどこでしょうか。
圭吾:やっぱり、始めと終わりが俺にとっては大事だったな。「秘密のあいことばをあなたにも教えよう」…って。 楽譜に「愛(の)言葉」ってカッコがついてたんだけど「愛・言葉のほうが密会らしいですよね、それに合言葉っていう風にもとれるし」って。荻田さんもそれでもいいって言ったから、そっちの方が、妖しくていいなと。今回、変拍子の曲が多かったし、大劇場では歌わないような、かすかな音の感じで歌うことも多かった。「つかのまの、仮の宿に…」そういう表現の仕方が勉強になったし、難しかったです。
-その曲も含め、オリジナル曲も素敵でしたね。
圭吾:そうだね。ホント、福井さん、いい曲書くなあ!と思いました。…たまらないよね。あの彼女が、力尽きて倒れて、シーンとなったところから…ズンチャンチャンズンチャンチャンてくると!もう、たまらない(笑)。
-振付も良かったですね。
圭吾:そうだね。やっぱ港さん、すばらしいです。
-港ゆりかさんの振付では「Winter Rose」の「CRY」も懐かしいですね。
圭吾:あれ最高だったよね!…港さんもあの時、初めて振り付けしたんだって。海宝君が指を上に刺したときに「遠い空へと帰る〜」を思い出しました。

-試行錯誤が多かった場面はありますか?
圭吾:スパイの場面のオチがなかなか決まらなかった。途中まで、振付けてたんだけど、けっこうギリギリまで最後まで行かなかったんだよね。
-爆弾が爆発して、ややいい加減なジャンプが入るところですね。
圭吾:(笑)いいでしょあれ。そしたら舞ちゃんも、一緒に飛んでくれました。
-「ベサメムーチョ」の保坂さんとのキスの投げ合いは、その場で、心のおもむくままに。
圭吾:そう。交流ってやつですね。キャッチボールですよ。…かわいそうな海宝君(笑)。
-貴婦人役が話題になっていましたが「女装」ではなく、女性の役ですよね。
圭吾:女性ですよ。みんな、男女が入れ替わってるの。…たぶん(笑)。
-登場から違和感がなかったですね。
圭吾:うん。すばらしい扇使いだったと思わない?(笑)「客家」で勉強したのが、かなり役に立った。
-ほくろがいつもと違って口元にあるのも話題になっていました。
圭吾:「南野陽子ぼくろ」(笑)。「マリリンぼくろ」じゃないんだよ…黒のラインストーンでした。
-下まつげまでつけるのは珍しいですね。
圭吾:焦ってると大変なんですよ。「つかない!つかない!あーあ…」手がでっかいから、なかなかうまいところに付かないんだよ。頭はかつらを整えてもらってるから、動けないし…。
-頭は、かなり重かったのでは。
圭吾:うん、重い。重いし無理できない(笑)。ホントは、お酒を飲んで寝ちゃうところも、もっとグーンて傾きたかったんだけど、危ないからそんなに行けない。
-彼女、名前はあるのでしょうか。
圭吾:ジュリー(笑)。

-ジャズダンスの先生について。"What a feeling"の小野妃香里さんとのやりとりは懐かしいイメージでしたね。
圭吾:(笑)「教官!」入れといたほうがいいよ、って、「わかんなくてもいいからやろう」って言ってました。…超ノリノリだった。いかに古ーく、エアロビっぽく見せられるか。
-"Five, six, seven, eight!"の言い方もあえてカタカナに。
圭吾:ファイブシックスセブンエイー(笑)。すごく変にするのは駄目だって言われて。ちゃんとやる、でも、カッコよくじゃないよな、と思いながらやってました。
-特に大変だった着替えはどこでしょうか?
圭吾:ジャズの先生から次(本牧ブルース)の衣装になるところ。あそこが一番の早替えだったね。
-「本牧ブルース」はどういう状況なんでしょうか。
圭吾:お兄さんとお姉さんたちが、海宝君に悪いことを教えている。見ての通りです(笑)。
-カーテンコールのコートの方のご職業は?
圭吾:あれですか?弁護士(笑)。「あー今日も仕事疲れたー」って。…なぜかジャラジャラ十字架とかつけてるけど。
-みなさん南国調なのに、一人だけ厚着でしたね。
圭吾:そうでしょ(笑)俺も聞いてみたんだけど、「いいんです、いろんな人がいたほうが」って。「ここは何なんだ?」っていうほうがいい。

-最初と最後の場面についてですが、彼らはあの部屋にずっと住みついている存在なのでしょうか。
圭吾:そうですね。最後は「鍵をかけ」って言って「集おう、ここに、再び」って言った後に、ちょっと「もう光のほうに行こうかな」と思う自分もいながら、でも拒否して、また、こもるっていう(笑)。自分の中では、そういうストーリーだった。
彼らも、あそこで死んだんですよ。で、新人が入ってきて(笑)、歓迎会が始まる。いちばん最初のシーンは「…お?新人か?さわれる!今、触れた…新人か!」っていう(笑)。 最後にあの、血まみれのシーツの上に寝っころがる時には「そういえば俺もここで死んだな」って思ってる。「俺もここで倒れた」と。でもまだここにいよう、ってところで終わる。
-彼女が運ばれていく間の、壁に立っている居方も面白いですね。
圭吾:うん。ぜんぜん、悲しいわけでもなく「別に?」なんだよね。

-お芝居の中で、好きな瞬間をひとつ挙げるとすると?
圭吾:そうだね…ラスト前で知寿さんが歌い終わって袖の方を向いて、俺が出てって、黙って二人で立っている時間が、大好きだった。雑踏のSE(効果音)の中。あそこで、いかに長く立っていられるかっていうのが、自分の中では勝負でした。早くしないとSEの音がなくなってしまうかもしれないと思いながら(笑)。出ていって止まって、見合ったまま、お互い、いつまで止まっていられるかっていう、面白い駆け引き。 こうしようああしようとか、ぜんぜんそんな話はしてなかったんだけど、二人で作るあの空気感が、すごく面白かった。
-そしてピアソラのイントロが流れ、壁を動かしていくわけですね。
圭吾:たまらないよね!すごい、ワクワクしちゃうんですよ。見た目は冷静っていうか、意識は下にあるんだけどさ。でも内心は「うーっ!この瞬間!」と思いながらやってました。 ただ壁を押すんじゃなくて、俺自体が進むことで壁が動いて行くっていう感じにしたかった。壁が動く、ページがめくられていく、そういう風にしたくてね。だから手で単純に押すのは嫌で、重々しい感じが欲しかった。めくられていくページの重さというか…それが見えてたらいいなと思います。
-その壁の後ろに、腕から血を流した彼女が立っている。
圭吾:俺には、そこは見えないから、どんな風なのかは分からないんだけど。シーツを赤くするって聞いて、嬉しかったです…ああ、最後に荻田ワールド、やってくれたな!っていう。 (「Winter Rose」の)「大輪の花を…咲かせた」っていう、あの意識ですよ。
-好きな世界なんですね。
圭吾:好きだよ!もちろん、好き好き。観るほうにどう映るのかはわからないけど、やるほうは楽しいです(笑)。俺がめくったページの後ろにはあれがあるんだよ、っていう楽しさですね。

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