Current News 14 Apr,1999
お稽古前 お稽古前 「ラ・カージュ」へ…

4月4日から飛天にてスタートした「ラ・カージュ・オ・フォール」。初の東宝ミュージカルに臨む吉野圭吾さんに、ジャン・ミッシェル役についてのお話を伺いました。

☆ご注意☆
物語の内容についての話題を含みます。
これからご覧になる方で、先にストーリーやラストを知るのは避けたい…という方は、観劇後にじっくりお読み下さい(^^)。

お稽古前 のれんの前
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−「ラ・カージュ」というお話に対してどんな印象を受けましたか?
圭吾:ええ話やなあって。…うん、いいよぉ(笑)
−ジャン・ミッシェルってどんな人でしょうか
圭吾:いやあ…子供だねえ。この話の中で成長して行くさまが、お届けできたらいいなと思うよ。彼の結婚の話から話が展開していくんだけど。最終的には、彼の今までの考えが浅はかだったっていう…浅はかだったって自分でも認めて、で、「ごめんなさい」って、言えるところまで。そういうストーリーが見せられたらいいよね。
−圭吾さん自身と似ているところはありますか?
圭吾:ああ…なんかちょっと違うかな。…なんでもこう、ストレートに言えちゃう子なんだよ。自分はあんまりストレートじゃないもんな(笑)。
アンヌっていう娘と出会って、はじめてのすごいときめきなんだよね。愛は盲目、だからガンガンやって行けちゃう。で、やっぱり子供なんだよ。ひとのこと考えられないし、自分が今、そうしたいからそうするんだ!…っていうことで一所懸命になってさ。
…でも、あんまり憎まれないほうがいいなあ(笑)。ホントに「嫌な奴」でやることはなくてさ。「ああ…一生懸命だからそうなっちゃうのね」って。でも、お父さんお母さんに対してはバッ!ってやっちゃうから、「ああぁかわいそうなお父さんとお母さん…このバカ息子!」(笑)っていう感じが出せたらいいんだろうね。そうしないとお話面白くないからさ。
−側にいたらどんな人でしょうね。
圭吾:どうだろうねえ…でも、いい子なんじゃないの、普段は。明るくてさ。うん、そんな憎まれるような子じゃないと思う。
−みんなから愛されて、その上に乗っかっている感じ
圭吾:そうだね。でもそれできっとごまかしてるんだよね。その…自分の家庭でのことをさ。そう、その…隠してる部分、パーっと見せられたらいいと思うよ。深くね!

−稽古の雰囲気は?
圭吾:うん、いい感じ。でも俺、キャラが楽しめるところがさ、一番しょっぱなの自分の登場のところと…そこからどんどんこう、やな奴になってくからさあ(笑)。一幕の終わりとかで休憩になっても、そのまま引きずってダメなんだよね!
怒っちゃう場面があるんだ。怒っちゃうっていうか、暴言を吐くんだけど。そのまま…飛び出していって(その場面が)終わりだからさ。気分がそのままになっちゃう(笑)。 そこで稽古が終わった日にゃあ(笑)。そのまま引きずるんだよ…凄い嫌なんだ。「お願い、最後までやらして」って(笑)「お願い、最後の、改心させて。ごめんなさいって言わして」(笑)。 その葛藤がたいへん。 それだけだね!大変なところは。
−キャラクターに入り込んだ悩みなんですね。
圭吾:途中で終わるのが気持ち悪くてさ。きのう初めて通したんだけど、やっぱ通しはいいなーと思った。
−ジャンミッシェルの後味の悪さが、自分の方に来てしまう
圭吾:そう。そのまま引きずる。なんかモヤモヤっていうか、「んーっ!」…ってイライラしたまま終わる。そこの切り替えがうまくできないね。

−アンヌ役の風花舞さんってどんな方ですか?
圭吾:美しいよぉ。…よぉく回るよー(笑)。
−ジャンはアンヌが初恋なんでしょうか。
圭吾:ううん。凄いプレイボーイなの。「でも、今までとは違う!」って。
結局最後に彼が何に気付かされるかっていうことで、アンヌがキーになるんだ。 やっぱり、自分よりもアンヌは大人っていうか、よくわかってる。
最後、ホモの家族だってわかっちゃった時に、アンヌのお父さんとお母さんはさ、「行くぞ!そんなホモに育てられた男と、結婚させん!」。でもアンヌは、「お父さん、私は、この人たちが好き」と。自分の道をそれぞれ、ホモだってことなんか気にせずに突っ走ってるっていうか、そうやって前向きに生きる態度が好きだと。で、「ここに残って結婚します」。その言葉に、「バカだった!そんなこと気にして、こんな計画をいろいろ練って…バカだった!」って気づかされるんだよ。で、やっぱり、今まで一生懸命育ててくれたアルバン、お母さんにやっと理解が出てきてさ。お父さんのことも理解できるし。 こう…目からウロコが、落ちる感じなんだよ。「ああ…」って。
−圭吾さんにとっては、ジャンの成長の物語なんですね。
圭吾:俺はね!そこがちゃんと見えないと、コメディだけど、面白くないんだよ。
俺が凄く気にしてるのは、やっぱり彼らと「親子に見える」ことがまず第一。…ちゃんと、パパの、息子に見えて、アルバンが継母に見えて。で、ホントにアンヌのことが大好きで…そこさえあれば、多分どうにでもなると思うんだ。
…で、アルバンとジョルジュっていう、僕のお母さん役とお父さんのホモ同士の愛がしっかり見えて、僕と父親の愛もしっかり見えて、で最後に、アルバンを含めたすべての家族…アンヌとか含めて全部のところの愛で囲まれたときに、「ラ・カージュ」が…完成するのではないかと!
そうしないと感動できないよね。 「バカ息子!もう今更謝っても遅いんだよ!」「あぁなんかあのバカ息子は!後味悪い!」(笑)みたいなことにならないようにさ。
でもそのためには、ホントに突っ走んなきゃいけないけど。 「アンヌーっ!」って。「アンヌのためならなんでもするっ!!」… 勘違い野郎なんだよね。

☆  ☆  ☆

−バレンタインに行われたお茶会ですが、自分的にどうでしたか?
圭吾:うん面白かったよ。絶対またやろうと思う。くたびれたけど面白かった。 大阪行ったらまた、新しく何か書こうかな。また、第二弾。おかしいのも真面目なのも。
−歌も作ったり。
圭吾:笛で。笛吹きながら歌うから。○ー○○ー○ー○ー○ー(笑)凄いよ!目指せ、楯直己って感じだよね。
−吉野圭吾・弾き語り特集ですね。ピアノを弾いたあと笛の吹き歌い。
圭吾:そうそう。またあの「月茂」…笛吹いてんの(笑)。 「ツィンクルツィンクル、リトルスター」って感じで。 たて笛、吹くとしたらあごの下しか… どーどーそーそーらーらーそー…。
−月男くんはやっぱり、その後ろで踊る。
圭吾:そう。月男くんね!またあのコンビは復活して。
あれは、街頭とかにも出没したいね。路上にあのお面で。 絶対面白いと思うんだよ。新宿のアルタ前の東口から西口に抜ける、あのトンネルの中とかさ。もちろん、お面に黒づくめで。テレビとかも取材されるの。で、しばらくして、「実は、あれは俺だったんです」(笑)
−「お月様ブラザース」はビデオでしたが、生で見たかったという方も多いですね。
圭吾:生で登場ね。もちろんしゃべらないよ。通訳が要る。
−実は地球語がしゃべれなかったんですね。
圭吾:うん。あれ、吹き替えだから(笑)。…また考えて、何かやりましょう!

※月茂・月男について知りたい方はお茶会レポートをどうぞ。

☆  ☆  ☆

ただ今、飛天にて本番真っ最中の「ラ・カージュ・オ・フォール」。みなさまはもうご覧になりましたか?「LIMITED」での圭吾さんの予告通り、本当に「愛」のミュージカルに仕上がっているこの物語、ジャン・ミッシェルをとりまく愛情を、どうかみなさんの心で感じて下さい。そして、ご覧になった暁にはぜひ、感想を聞かせてくださいね。

 
さて。(今回はお伝えすることが多い(^^;))
去る3月末にいきなり企画した「圭吾さんに楽屋のれんをあげようプロジェクト」に参加して下さったみなさま、ありがとうございました。インターネットと口コミでのほんの4日間の募集であったにもかかわらず、実に50人ちかくの方が参加を表明してくださったのは嬉しい驚きでした。

色は藍色で、デザインはご覧の通りとってもシンプルなものです。
「ごくごくスタンダードで、でも質のよいものを。そしてそこはかとなく圭吾さんらしさを…」というコンセプトで考えました。
お店の方も、急な注文に快く対応して下さり(FAXで送った「いぬ」もきりりと染め抜いて下さり)、無事・4月4日の初日から圭吾さんに使っていただくことができました。
この場でみなさんに御礼申し上げます。
また、急な話であったため締め切り後にこの「のれん企画」のことを知り、「参加したかった!」と残念がっていた方々にも、お気持ちに対してお礼を言わせて下さい。
本当にありがとうございました。この「のれん」が、圭吾さんにとって最高の舞台への扉になりますように…。

のれん!


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