Keigo Yoshino
"TOY BOX"

Stage Report 1

開演前
2000年8月5日、恵比寿ガーデンルーム。
数ヶ月間ためこんだワクワクする気持ちをかかえ、全国から集まった人たちがロビーで歓談している。旧交をあたためあったり、入口でいただいた「きんたろう飴」の札についてる「犬」と中身の飴の断面に現れている「犬」を見比べたり。
客席の後方中央、音響ブースの隣には、幅3m、高さ2mくらいあろうかという「TOY BOX」。いかにも何か出そう(笑)。プラスチック製の骨組の3面に紙が貼られ、それぞれに圭吾さん直筆の大きな絵が描かれている。(筆者的にそれぞれ「犬」「猫」「漂うシャガール君」と勝手に呼んでいるが、何に見えました?)
開演5分前、「きーんこーんかーんこーん…」アダージョでド・ミ・ソ・ドな音がロビーに響きわたった。ベルがなかったんだろうか、わざとだろうか、圭吾さんの声。「まもなく開演です。席におつき下さい…先生来たぞ!」ロビーにいた人々もくすくす笑いしながら場内に入り始める。最初の発表から8ヶ月余、待ちに待った「謎のイベント」が始まろうとしていた。

第一部

オープニング
暗い場内にたちこめるスモーク。幻想的なBGM。 舞台中央に降りてくる小さなきらきら光る動物にレーザービームが集まる。
「こんばんは、ヘビです…。本日はようこそ恐怖の館…いぃや恵比寿ガァデンルゥムにおこしくださいました…」 赤い光に照らされたヘビは暑い中集まった観客をねぎらい(声は凶凶しいがとても親切だ)、この「謎のイベント」が始まるに至っての注意事項を述べる。お蔭様で全員携帯の電源チェックはOK(笑)。
「スーパーお茶会・参加型セカンドライブ "TOY BOX"!BOX!BOX!…開演いたします…お相手は、ヘビでした…!」
高まるBGとカウントダウンに重なる大きなエンジン音、後方の「TOY BOX」の壁を破ってハーレーにまたがった主役登場!

EDEN2000〜予感〜シニカル
しょっぱな3曲は1998年のファーストライブ「BORN」から。バイクから降りた圭吾さんが歌い出したのはファンにはおなじみ「EDEN2000」。歌の最後にすかさず2曲目「予感」(「BORN」の冒頭「精子のダンス」の曲)のイントロが続き、登場した荒井美乃里さんと妖しいデュエット。続いて、コートを脱ぎ捨てての「シニカル」。自堕落な男の刹那的な生き方を激しいリズムで歌い踊る曲だが、「BORN」の時のような自暴自棄でダークな踊りではなく「しょうがないわね!」みたいなどこか明るめな「シニカル」であった(カッコいいんだこれが)。間奏では圭吾さんを先頭に、友情出演の3人も入り乱れ、客席に飛び込んでテープとか紙ふぶきとかビニール製の楽器(伏線)とか投げまくった。

メンバー紹介・トーク
気合入りまくりのオープニングに肩をぜえぜえ言わせた圭吾さんからメンバー紹介。
今回のメンバーは音楽座時代から圭吾さんとは長い付き合いの荒井美乃里さん、「Yellow Angel」や昨年の「Che Tango99」で共演したシゲちゃんこと佐々木重直さん、 そして一昨年「Club LAVELA'98」で圭吾さんと「デュエット」を踊った吉田仁美ちゃん。(その間、「シニカル」で撒き散らされたテープや紙ふぶきを一所懸命片付ける黒子のかなやん達…)

GUITTER KIDS RHAPSODY
上手からシゲちゃん、手には小さなギターケース。
下手から圭吾さん、手には大きなギターケース。
舞台中央の2脚の椅子に座り、おもむろにケースを開けて「ギター」を取り出すふたり。
シゲちゃんの手には真っ赤な「ギター」(100円ショップ謹製重さ約200gビニール素材)
圭吾さんの手にもピンクの「ギター」(同じく)
そしてふたりは「森のくまさん」を歌い出す。

…いちおうこのコーナーは佐々木重直さんのギター(2回目にちゃんと本物が出た)演奏で圭吾さんが尾崎豊の「僕が僕であるために」を歌う場面だったようだ。
決してコントではなく…。
圭吾さんのトークによれば過去3ヶ月、ギターの練習をしたにはしたらしい。今回、「ギターやってくれる?」と3日前に言われたというシゲちゃん本当ーーーにお疲れ様でした。 いつか、このコンビで演芸大会やって欲しい(at武蔵野芸能劇場)。
トークは学生時代好きだったアーティストの話へ続いて行く。オフコースの「さよなら」を熱唱した(今でもする)話とかアルフィーにはまった話とか…突然「恋人達のペイヴメント」歌い出した時は一瞬誰の声かと思いましたよ。
次の曲はそのオフコースから、中学時代の思い出の曲、「いくつもの星の下で」。

「BORN」
ファーストライブ「BORN」のテーマ曲。
前半は今回、英語バージョンで。あの曲のイメージが綺麗に英訳されていた。"waiting for you Just you..."ってところ好きだなあ…。
荒井美乃里さんの登場とともに舞台にシャボン玉が舞い、あの作品のラストに流れていたいっぱいの幸福感を思い出させた。

「クリスマスの夜」
舞台中央にクリスマスツリー。ろうそくを持った美乃里さんのナレーション。 「今年も残すところあとわずか…(笑)」注:そんなはずはない。
こんなイントロダクションで始まったのは、圭吾さんと吉田仁美ちゃんによるデュエットダンス「クリスマスの夜」。1年に1度の聖夜に目覚めた人形たちが、つかの間めぐりあい、短いけれど楽しいひとときを過ごし、最後に再び眠りにつく…というリリカルな作品。人形から命ある恋人たちへ、そしてまた人形へと変化していく2人の表情がとても印象的であった。
ちなみに人形・圭吾さんのコスチュームは「王子」で仁美ちゃんは「天使」。リフトでぱぁっと揺れる天使の羽がかわいかった。

−第一部終了−

幕間I
ロビーでは飲み物やお菓子が出され、グッズが販売されている。 グッズの内容は圭吾さんデザインの「TOY BOX」オリジナルTシャツ、ポストカード、生写真。「全部」と言って買ってった奴を5人ほど知っているが、もう何人かいたかも知れない(笑)。
ところで、1部2部の幕間が半分すぎた頃、かなやんでもアシスタントの山崎さんでもない3人目の黒子が客席に降りてきて、舞台の前にずっと止めてあったハーレーを片付けていたことをご存知だろうか。身の丈180cm、パーマをかけた偉くカッコいい黒子さんだったが…。誰かしら(笑)。
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