銀次郎物語 第二章 −騎乗開始−
11月上旬、銀次郎のグループも約一月ぶりに、騎乗を再開しました。鞍を放牧地にもっていき、そこで馬装をします。馬装をした後は、馬の蹄の裏に詰まっている土などをかき出します。この作業を俗に「ウラホリ」と呼びます。しばらく乗らずに休んでいた銀次郎は、この作業をやらせないようになっていました。肢をもつと、はずそうとして振ってきたり、今度は尻を私の方へ向けてきたりしたので、鞭で銀次郎の尻を強打しました。叱られたのがわかったのでしょうか、それからは以前のように楽にウラホリをやらせるようになりました。しばらく乗っていない馬に乗るときは、だいたい馬が暴れたり、言うことを聞かないことが多いですが、乗ることに関して銀次郎は悪いところは見せませんでした。よく言うことを聞くし、なかなかいいやつです。
運動量も徐々に増え、ダクで3200メートル走るようになりました。年が明ければ銀次郎も2歳です。そしたらキャンターをするようになるでしょう。これからどんどん競走馬になるためのトレーニングが始まるわけです。
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この物語はフィクションであり、実際の馬、人物、団体等とはたぶん関係ありません。
写真と本文はたぶん関係ありません。