銀次郎物語 第四章 −牧場を離れて−
9月15日。銀次郎が美浦トレーニングセンターに入厩しました。予想していた以上に早い時期の入厩でした。私が牧場にいた頃、銀次郎の脚は非常にすっきりしていて丈夫そうでした。入厩するまで順調だったということですし、エビなどで悩まされることもないかもしれません。年内デビューも十分あり得るでしょう。非力なところが解消されれば楽しめるかもしれません。
牧場での最終馬体測定日は9月8日。体高157.5cm。胸囲176cm。管囲20cm。馬体重は468kg。昨年の10月と比べて、体高は6cm、体重は36kg増えています。
しかし、あの薄い馬が468kgまでになるとは思いませんでした。もし馬に幅がでてきて、力がついてきたのなら期待できるかも・・・。しかし、単に体重が増えただけで、太いだけかもしれません。ともかく、入厩先のS厩舎はバリバリやる方だと聞いていますし、入厩後の成長に期待をし、見守っていくしかありません。
11月8日。3歳クラシックの最終レース、菊花賞がありました。銀次郎の1つ年上で私が乗っていた馬に、3歳のオープン馬がいたのですが菊花賞には登録してきませんでした。クラシックに出走しなかったにせよ、出走できる賞金があったということはたいしたものです。銀次郎にも頑張ってもらいたいです。しかし、クラシックの出走権を得るのは、ほんの一握りの馬達だけです。その0.2%にも満たないものに期待をかけるのは酷でしょうか?
−10−
BACK NEXT
銀次郎物語目次に戻る
この物語はフィクションであり、実際の馬、人物、団体等とはたぶん関係ありません。
写真と本文はたぶん関係ありません。