銀次郎物語 第五章 −デビュー−
銀次郎が美浦トレーニングセンターに入厩してから2ヶ月が過ぎた11月14日、銀次郎は東京競馬場でついにデビューしました。
しかし新馬戦ではなく、何故か未勝利戦。確かに新馬戦は多頭数で、銀次郎が出走した未勝利戦は7頭立てではありましたが、レース経験馬が相手であり、相手の6頭の内2頭は前走、前々走と2着に来ている馬でした。結果は7頭立ての6着。勝ち馬から2.5秒遅れてのゴールでした。私はレースを見られなかったのですが、道中後退し、4コーナーでは少し離された最後方になったようです。まだまだレースをするには早すぎたのか、あるいは全くダメかもしれません。しかし1度使われたことに期待し、次走の好走を願うしかありません。
銀次郎のレース出走時の馬体重は462kg。今のあの馬が460kgあるわけないと思いました。騎乗したN舘騎手のコメントも「初出走で若さを見せていたな。体も余裕があったのでレース慣れしてくれば・・・・。」でした。「・・・・・・。」の部分は一体・・・・・。少しは期待できそうなのか!?
私が思うにはダートの1200mというのも銀次郎には向いていないような気がします。きっとまだ非力なままでしょうから、力の必要ない芝の方がいいと思います。しかし、追い切りで併せ馬に0.8秒遅れたように、まだまだ調教不足だったのかもしれません。もしかしたら調教代わりに使ったレースとも思えます。結局、ひいきの馬には都合のいいように物事を解釈してしまうのですが、そんなものです。私が牧場で最後まで乗っていたら今と違う銀次郎がいたかもしれないと思いましたが、そんなに甘いものでは無いということも承知しているつもりです。
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この物語はフィクションであり、実際の馬、人物、団体等とはたぶん関係ありません。
写真と本文はたぶん関係ありません。