銀次郎物語 第六章 −初勝利を目指して−


 6月26日に銀次郎は久しぶりに芝のレースに出走しました。以前芝のレースに出走したときは短距離でしたが、今回は1700メートルです。私は銀次郎は芝向きだと思い、さらに短距離は向かないと思っていたので、今回は絶好のレースだと思いました。というよりも、何故今までこのようなレースに使わなかったのだろうと思いました。。
 前走、初の3着で、今回は私の望みどおりのコースでしたので、前回のように私は期待をしました。ただ、芝に変わったということで、そのペースにまたついていけないということがなければいいなとも思っていました。
 レースは福島競馬場ということもあり、私は見ることができませんでした。後で見たら、発走後、レースが進むにつれて銀次郎は後退し、直線も伸びずに10着に終わってました。
 レースの結果を見たあと、久しぶりの芝ということもありましたが、この結果だけを見て「この馬はダート向きだ」とか「短距離向きだ」とか思わなければいいなと私は思いました。それともう一つ、前走3着まで来たものの、この程度の能力なのだろうかとも思ってしまいました。
 このまま終わる馬ではない。1勝はできる馬だと思いながらも、次のレースを見るまで何とも言えなくなってしまいました。
 そして、7月18日、新潟競馬場の芝1800メートル戦に銀次郎はでてきました。前走芝で大敗していることもあり、印は全くありませんでした。その日もレースを見ることも、聞くことも私はできませんでした。結果を知人に聞いたらクビ差の2着ということでした。
 私はとにかく驚きました。月曜日の新聞で結果を見ると、確かに2着になってました。レースは逃げて2着まで粘ったようです。一頭になるとフラフラする面があるなど課題は残っていますが、徐々に初勝利に近づいてきたように思えました。もう一度、何とかなると思いました。
 

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この物語はフィクションであり、実際の馬、人物、団体等とはたぶん関係ありません。
写真と本文はたぶん関係ありません。