本文へスキップ

○○○○○○○○


  TOKUSHIMA

国道沿いのビジネスホテルで目を覚した

ベッドの上 微睡んだまま耳をすます

アスファルトの上を転がるタイヤが乾いた摩擦音を発してる

「大丈夫 もう雨は降っていない」

小さな窓のカーテンを少し開け、乾いた道路を走る小さな白い車を確認

「よし 釣りに行こう」

闇未だ明かぬ国道を鳴門に向けて車を走らせた

その日、大きなイシガレイを釣った私は揚々と帰還

そして翌日、夜明け前にホテルを出立

「さて、今日の天気はどうだろう?…」

ハンドルを握りながら薄暗い空を見上げ、宿泊していたホテルに目を向けた

ん?

小さな窓に灯りがついて 誰かがこっちを見ている
カーテンの隙間から この小さな白い車を見ている

それは 昨日のわたしだったりして…
 
CONTACT U