短いMCの間に息を整え、次の曲として紹介されたのがいくつかの曲をメドレー形式で繋ぐ
「日替わりメドレー」。事前の情報でメドレーは常時3パターンが用意され、会場によって
ランダムに変わるとあり、ネット上では曲目の予想が華やかとなっていた。 その結果、この日、演奏されたのは「mezzo forte 〜 FUTURE STAR 〜 輪舞-revolution」の 3曲であった。 「mezzo forte」は歌手活動再開後のアルバム「Contact」から、「FUTURE STAR」は「Parade」から、「輪舞-revolution」は奥井雅美トリビュートアルバムからの選曲と茅原さんのディスコグラフィ的にはバランスの良い選曲となっていた。ただ、残念だったのは3曲目の「輪舞-revolution」でアクシデントが発生してしまった事で、歌詞落ち−一部分だけ茅原さんの頭から歌詞が飛んでしまったからだった。その失敗は大きなものではなかったが、それは次なるアクシデントを予感させるものとなってしまった。 メドレーの後、茅原さんは再びステージを捌け、すぐさま本日2回目の「Interlude」が始まった。 その間に茅原さんは、衣装チェンジを行い、次の「animand〜agitato」のイントロが場内を満たし始めるやいなや登場。その姿は全身黒の、片足だけガーターベルト(網タイ)というかなりSexyなものであった。最前の客はざそや目のやり場に困った事だろう。 「盛り上がってますか!」 1階席〜5階席、男性、女性、それぞれの客に対して茅原さんが呼び掛けた。 それに対し、各々が「Yeah」と大きく応え、ステージと客席の一体感は増した。それに思いの外、 歓声の中に黄色い声が多かったのは特筆すべき事であった。これは着実に茅原さんに女性ファンが 増えてきている事の証ではないだろうか。 勢い良く始まった「君がくれたあの日」では、激しい「Hi!Hi!」の掛け声が再び場内を包んだ。 しかし、順調に進んでいた曲に異常が見られたのは後半部分だった。 何小節か、完全に歌詞が飛んでしまったのだ。すかさず、客席で始まる大合唱。正に昨年の「純白サンクチュアリィ」 アクシデント&サプライズの再現となった訳だが、昨年との決定的な違いが其処にはあった。それは他ならぬ茅原さん自身だったのだ。 茅原さんは観客が唄い始めたと見るやいなや、すかさずマイクスタンドを客席に向けるという ロック・ボーカリスト並のアクションを展開。「歌詞落ち」というアクシデント = 負の要素 さえもプラスに転化させた茅原さんに、ボーカリストとしての成長と逞しさを感じ大いに感心 してしまった。 17曲目からはアルバム「Sing All Love」から”攻めの曲”のつるべ打ち。 「書きかけのDestiny」「愛とナイフ」「覚醒フィラメント」「Perfect energy」と息つく暇なく熱唱する茅原さんに我々もサイリュウムを振って応えた。 私は(4曲入りCDとして発売された)「PRECIOUS ONE」にだけ収録された「愛とナイフ」を発売当初から、かなりカッコイイ楽曲だと注目していただけにこの曲を生で聞けたのは 嬉しかった。 同時に、ヘッドバンキングでもしそうな勢いで激しく唄う茅原さんに、もはや声優という世間 一般が持つイメージから懸け離れた存在となっていたのを確信したのだった。 「覚醒フィラメント」でのコール&レスポンスなどで客席の体感温度を確実に上昇させた茅原さんは「Perfect energy」終了と共に、「みんな 飛ぶよ−」の大号令の元、客席を巻き込んで恒例のジャンプを行い、ステージを下りていった。 今までステージを煌々と照らしていた光が消え暗転すると、自然発生的にアンコールを求める声 が沸き上がった。 初めは散発的に。やがて、それは統一され大きな塊となっていった。 高まる声に押され、しばらくすると茅原さんがバンドメンバーを従えステージに復帰した。 黒のツアーTシャツとスカート、腕にはコンサートグッズである紫のリストバンドというラフな姿 でアンコールの求めに感謝を述べた。 観客の期待が高まる中、始まったアンコール1曲目。 それは「Tomorrow's chance」だった。 昨夏、開催されたSUMMER CAMPという茅原さんにとって初野外イベントで初ライヴ披露(国内に限ってだが) され、それを収録したDVD/Blu-rayでも「Sunshine flower」と共にそのイベントの象徴のような曲であったが、目の前で楽しそうに唄う茅原さんの姿に私は、ライヴでこそ映える曲であると再認識した。 2曲目の「雨上がりの花よ咲け」はファンには、もうお馴染みの曲。 ちなみに、このアンコール2曲目も、前述のメドレーと同様に日替わりで演奏されるという趣向で、3パターンが用意されていた(他の二つは「Sunshine flower」と「Contact 13th」)。 大先生のヴァイオリンが力強いイントロを奏でると、すぐに客席から「Hey Hey」と大きな声が雪崩のように沸き起こり、茅原さんの表情は笑顔で一杯となっていた。 |
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