モーニング娘。コンサートツアー2011秋
愛 BELIEVE 〜高橋愛 卒業記念スペシャル〜







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 パフォーマンス再開はお馴染みの「リゾナント ブルー」である。
ステージいっぱいに使った統一感溢れたダンスと、交互にボーカル を取り合うスタイルが視覚と聴覚に訴えてくる。
 5曲目「やめてよ!シンドバッド 」は一転して再びコミカルな曲。
中近東なタイトルでありながら、曲調は古い時代劇の劇伴ライクな ところが面白い。1階の熱心なファンもステージ上のメンバーの振りを マネしているのも見えてくる。
 次の「My Way 〜女子校花道〜」は10月発売のニューアルバム「12スマート」 からの新曲である。まだ、誰も聴いたことのない曲(厳密に言えば、初日 の昨日、本日昼公演でも披露はされていたが)を卒業コンサートにぶつけて くるのは異例な事だろう。曲もノリが大変良いので聴いていて楽しくなった。
 2回目のMCは田中れいなを司会に、譜久村聖を除く9期3人にお題が出され る形で行われた。そのお題とは「ハッピーサマーウェディング」での 『アチョー』の掛け声を自分なりにアレンジして披露するというもの。
鞘師が無難にこなし、鈴木香音が田中れいなにして「気持ちワルイ」と言わ しめたパフォーマンスを行えば、最後の生田は会場の空気を寒くする正に KYに恥じないパフォーマンス。面白かった。
 最後には観客の大きな声に推され、お約束の田中れいなのお手本指導。
 れいなは谷啓の「ガチョーン」で臨むものの、生田並にお寒いものになってしまった のは仕方がない。
 鈴木香音の紹介で、次にステージに現れたのは道重さゆみと譜久村聖
 道重さゆみは今まで、2人で唄うことが多かったが今回のツアーでは譜久村 が抜擢されたようである。曲は「12スマート」からの新曲「好きだな君が」
 これまた誰も聴いたことがない初披露の曲だった。だが、曲はいい。
 道重曲ではお馴染みのエフェクト加工された声(「大きい瞳」はその典型) がメロディに乗るエレクトロポップはもろPerfumeだが、模倣にしては良く 出来ている。お互いハロプロ好き同志の譜久村とは息も合っているようだった。
 6期&9期のユニットの後は、このツアーの主役と云える5期の2人が登場 した。曲はこれまた新曲「この愛を重ねて」。高橋と新垣が時にはハモリ、 また時にはメロディを唄う、ゆったりとした曲調が非常に心地良い。
 曲後はこの2人でMCタイム。「この愛を重ねて」の練習時の事や、 物販で売られているDVDについて語り合った。
 しかし、この5期にとっての特別なサプライズは次の曲に用意されていた。
それが「好きな先輩」だった。「好きな先輩」は元々、この5期の為に書か れた曲で、その後歴代の新人が唄い続けてきたモーニング娘。にとっては 大切な曲である。だから、この2人での歌唱は特別な意味を持つ。
 そして最も驚いたのは後ろの巨大モニターに映った映像だった。
それは現在、ステージ上で唄っている2人の姿と、5期がデビューしたぐらい の映像(2002年さいたまスーパーアリーナでの5期4人映像)が左右ミックス したものであったのだ。だから、スクリーンには今はもう在籍していない、 元メンバー 〜 今春、テレビ東京のアナウンサーになった紺野あさ美、 ドリームモーニング娘。としても活動中の小川麻琴も映っている。(上記画像参照)
 つまり−バーチャルに5期が勢揃い、再結成しているという事でもあったのだ。
まだ全く垢抜けなかった当時の幼さが残る4人と今、モーニング娘。を先頭で 引っ張る堂々とした2人が交互に映るとなんとも云えない気持ちで私は 胸が熱くなってしまった。
 それに輪をかけるようにファンがそれぞれに対し昔と変わりなく声援を送る。

 「こーんこーん」(紺野の愛称)「まーこと」...

もう堪らなかった。この4人に思い入れがない私でも、不覚にも涙しそうに なった程だった。(なお、武道館公演の初日29日には、紺野あさ美、小川 麻琴はリアルにステージに登場した。オトナな事情で一緒に唄うことは なかったが最後は肩を組んで少し踊っていたと聞いている)
 感動的な時間の後、高橋、新垣がステージを捌ければ入れ替わりに6期の 道重さゆみと田中れいなが現れた。昨年ぐらいから恒例となっている6期 のMCコーナーの始まりであった。
 昨年までは、亀井絵里を含めて3人で行われていたこのコーナーだが、 正直な処、2人だけになって大丈夫なんだろうかと思っていた。だが、それは 杞憂な事であった。やはり、数々のバラエティ番組で鍛えられてきた 道重のトーク力にはいつも感心させられるし、高橋愛の卒業を発表された 後のれいなの前向きな態度にはこの2人の絆の強さを感じる事が出来た。
それに今回のMCでも、いつもは毒を吐いているようなイメージの道重が ”ちょっと良い話”をしていたのは印象的であった。私は其処に彼女の”モーニング娘。愛” に溢れた心を感じ取る事が出来たのだった。
 その道重が最近、iPodでいつも聴いているという曲が次に披露された。
 卒業記念シングルとして特別に製作された高橋のソロ曲「自信持って 夢を 持って 飛び立つから」「この地球の平和を本気で願ってるんだよ!」 のまた別のカップリング曲ではあるが、モーニング娘。というアイドルグループ のシングル曲にソロ曲が入るというのは異例な事ではないだろうか。それを 反映するようにこの特別版は各地で売り切れたと聞いている。
 兎に角、この曲はカッコイイ。私はこの日、で初めて聞いたが 一片で魅了されてしまった。ネットでは一昔前のアニソンだとか、歌い方が 吉川晃司みたいとか言われているようだが、それだからこそ郷愁的なものを誘う のだろうか。タイトル通り、高橋愛の卒業後のこれからの前向きな想いを唄った ものというのもポイントが高いと思った。
 高橋がステージ暗転と共に袖に引っ込むと、巨大スクリーンには田中れいな が映った。レコーディングスタジオのブースのような処に居るようだった。
 「メンバーから愛BELIEVE」と題されたこのコーナー。メンバー各人が 高橋愛に向けて、色んな想いを吐露する場である。
 最初はおちゃらけムードで始まったれいなの一人語りも、高橋愛とのユニット での活動(High-King)での思い出や、卒業を告げられた時のショック、また 高橋愛卒業後のモーニング娘。を道重と共に支えていくという決意−と内容は 非常に真面目なもので私の中で田中れいなの印象が少なからず変わった瞬間であった。
ただ、あの一言だけは余分だったかもしれない。マア、最後のMC−挨拶の処で 道重にその部分について突っ込まれる訳だが...。
 映像終わりで再び、ステージには娘。達が出てきた。
ピアノのイントロから一転して激しさを増す。客席が歓声に湧く。曲は「SONGS」
 高橋愛だけが黒い杖を持ち、パフォーマンスを先導していった。
 12曲目は新曲「Give Me 愛」。タイトルの愛は高橋愛と掛けてもいるのだろう。
この曲もメインの歌唱パートを高橋愛が担当し、それを支える形でれいな、新垣 の声が乗る。これもカッコイイ曲だ。ニューアルバムへの期待が益々、高まる。










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