モーニング娘。
モーニング娘。'14 コンサートツアー秋
GIVE ME MORE LOVE
〜道重さゆみ卒業記念スペシャル〜 FINAL

ライブ・ビューイング







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 「モーニング娘。とは 道重さゆみ のことである」




 以前、mixi日記にそう書いたことがある。


 言うまでもなく、これは「AKB48とは高橋みなみのことである」 という秋元康氏の言葉を受けてのものだが、 全盛期のモーニング娘。に憧れ、オーディションを受け 13歳でモーニング娘。となり、黄金期の一端に触れながらも その後の低迷期、雌伏期を経ての再浮上の全て経験したのは道重さゆみしかいない。
 モーニング娘。に半生を掛けた(駆けた)彼女こそ、モーニング娘。そのもの と言っても言い過ぎではないのではないだろうか。
 それは この卒業コンサートでも十分に表れていたと思う。
 足を痛めるアクシデント、それにもめげずの心を込めた懸命なパフォーマンス、後輩メンバーとの絆、 最後のメッセージ、どれを取っても”モーニング娘。愛”に溢れた道重さゆみを象徴するエピソード であった。
 あの卒業から既に3週間以上が経過し、道重さゆみ本人のブログ以外にも後輩メンバーのブログや 担当ラジオ(「モーニング女学院」「ヤングタウン土曜日」「いつでもカンノンスマイル」等)あるいは各ネットニュース、著名なファンのブログなどで当日の事が語られているが それを踏まえて振り返ると、あの土壇場な状況で後輩メンバーがいかに道重をサポートし、 空中分解しかねない公演をまとめあげ、道重もギリギリ踏みとどまったのは凄い事であった。

 チケットは瞬殺で売り切れ、その後、最前列は60万だか90万だかまで高騰し、自分も参加した 全国の映画館と繋ぐシネマビューイングでさえも、ほとんどが売り切れ、続々と追加スクリーンが出るくらいまで 盛り上がったこの公演は、始まる前から異様な興奮に包まれた。


 シネマビューイングは昨年の田中れいなの卒業コンサート(武道館)以来、二回目の経験であった。
 会場も同じ、行き慣れた映画館「109シネマズ名古屋」である。
開場時間を控え、名古屋駅方面笹島の交差点を渡ると明らかにシネマビューイングに向かう人の群れが 目立ち始めたのを感じた。特に女性ファンが多いのをひしひしと感じる。
 今に始まった訳ではないが、道重さゆみ卒業というのはライトなモーニング娘。ファンを呼び込んだのは 紛れも無い事実だと思う。

 映画館内に入ってもファンでごった返し、グッズ売り場前にはパンフ付チケット購入者がパンフの交換の為、 列を為していた。
 今回の109シネマズ名古屋でのシネマビューイングは、456の3つのスクリーンで行われた。
 私は6スクリーンだったのだが、薄暗い中、場内に入って行くと、自分の席に既に先客が......?
 間違えたのかと、再び場内から出て外の座席表を視認。自分は間違っていない事も確認した。
 そして再び、場内に戻って先客の人に尋ねると−案の定、スクリーンを間違えていたのが判明した 先客は気まずそうに出て行ったのが、マア、スクリーンが3つもあれば仕方ない。
 晴れて自分の席に座ると、程なくして横浜アリーナのステージにJuice=Juiceが登場するのを映し出した。今夜のオープニングアクトである。
 Juice=Juiceは昨年の田中れいなの卒業コンサートでも登場したが、生では今夏のハロコンしか 見た事がない。披露した曲は「背伸び」であった。
 引き続き登場したのが先日、改名と第三期メンバーを発表したスマイレージ
 スマイレージはその三期メンバーを引き連れ、なんとパフォーマンスを初披露するという。
 「ここでか?」と正直な処、思ったし、後でそう思ったファンも多かったと聞いた。
 だが「エイティーン エモーション」を披露した三期メンバー3人(室田瑞希、佐々木莉佳子、相川茉穂)は、既にグループに馴染み 堂々のパフォーマンスを披露した。注目度の高いステージでパフォーマンス初披露はまずまずの成功ではなかったかと思う。
 スマイレージがステージを去り、カメラはステージ裏に切り替わった。
ここからがシネマビューイングならではの映像特典部分である。(同時中継されたスカパーでも映されていない)
 レポーターはお馴染み、同じアップフロント所属のさわやか五郎を擁する「上々軍団」の二人である。
 面白おかしく、さわやかが我々−劇場の客を煽る(ほとんどスベっていたが 笑)。 そこにモーニング娘。'14のメンバーがやってくる。既に鈴木香音や、佐藤優樹が目に涙を溜めているのが スクリーンを通しても はっきりと確認出来た。
 そんな中で、恒例の声がけ「がんばっていきまっしょい」だ。涙に濡れるメンバーがいながらも中心には 笑顔のリーダー、道重さゆみがいた。
 いつものように円陣を組み、それぞれが中心に手をかざす−ライヴ開始前の恒例の儀式も恙無く終わりいよいよ10人はステージという戦場に向かうのだった。
 カメラは再び、横浜アリーナの客席を映し出した。
 既に大きな声援があがり、今か今かとコンサートの開演を待ち望んでいる様子が、こちらにも伝わってきた。




 いよいよ、開演。


 「TIKI BUN」と共に 道重さゆみ、最後のモーニング娘。としてのライヴが始まった。


 ライヴ自体は、一部の曲を除いて先日の道重さゆみ最後の愛知公演とセットリスト的に大きな変化はない。 もちろん、ステージが花道を含め大きくなったので演出はそれに伴って大きく変わっているが 全体的な流れは同じであった。途中の中澤裕子矢島舞美田中れいなのゲストからの花束贈呈や後半の卒業セレモニーという卒業コンサートならではのイベントもあったが、普段のツアーの集大成である事を 再認識させた。
 ただ、中盤から後半に入るメドレーのAパターン、Bパターン、Cパターンが全て合体して一つになったのは 驚いた。はじめから、一つになるようにパターンを振り分けていた事に今更ながら気付かされたのだった。
 だが、ただでさえ激しいダンスの曲が続くメドレーであるのに、それが3倍と曲が増えかつパフォーマンスタイムが長時間となったのは メンバーに大きな負担を強いる事となった。特に、道重さゆみにとってそれは顕著であったのだ。
 今回のライヴはいくつかのポイントがあった。
ポイントの大きな一つが、道重さゆみの足の負傷(足が攣ったと思われる)である。
 それが判ったのは、前述した激しいメドレーでの事。
鞘師里保がしっとりと歌い上げた「シルバーの腕時計」の後は、グループ全員で舞い歌う曲− 「Help me!!(updated)」「恋愛レボリューション21(updated)」「恋愛ハンター(updated)」が 続いたが、「恋愛ハンター(updated)」終わりに屈んで足を気にする道重の姿をカメラははっきりと映しだした。

 「あれ? どうしたんだ」

 その異変に気づいた人は多かったのではないだろうか。少なくともスクリーンやTV中継を見ていた者にとっては....。
 次の道重のソロである「ラララのピピピ」の為に、ステージ中央でメンバーが縦に 道重を最後尾に一列に整列して、曲イントロと共に他のメンバーが左右に拡がって道重が中央に 現れるという演出だったのだが、スクリーンに映った道重は後ろを向き再び、屈んで足を触っていたのである。
 すぐに前を向き、いつもの”さゆスマイル”を振りまいたが、明らかに足を引きずっていた。
 そして−顔アップになった時、一瞬、苦痛で顔が歪んだのを私は見逃さなかった。

 「やっぱり何か起きている。また、足が攣ったのか?」

 これまでにも「今夜もうさちゃんピース!」や「ヤンタン」などでライヴ中に、度々、足が攣って  ステージに出られなかったと告白してきただけに、すぐそれが思い当たったのだ。
 それでも「ラララのピピピ」は続行された。だが、腕を中心に上半身しか動かせない道重。軽いダンスさえ 困難になっているのが実に痛々しかった。その代わりに道重の周りを飛び跳ねるように踊る後輩メンバー達。
 ここからパフォーマンスはメインステージから客席奥深くに延びた花道−センターステージへ移っていった。
 先頭を切って飯窪春菜が飛び出していく。不安そうに続く工藤遥と他のメンバー。道重は全く動けない
 センターステージで「A B C D E-cha E-chaしたい」を歌い始める鞘師里保。その遥か後方に道重さゆみの姿が映る。
 パッと見た感じでは、後輩メンバーの姿を後ろから見据えて、言い方は悪いが操っているようなあるいは 道重卒業以後のモーニング娘。を疑似体験させて見守っているような感じの演出なのか−とも思わせるものだったが そうではなかった。(実際、見ている時はどうなのか判別がつかなかった。)
 後々、聞いた話によれば飯窪が機転を利かせて本来の予定通りに行動したらしいのだが、あの切迫した状況下で パフォーマンスをストップさせなかったのは結果的に正解であった。
 この行動は後に『イイクボ・スタート』と言われた。
そのままの状態で「ワクテカ Take a chance(updated)」「ブレインストーミング(updated)」と 最近のEDMとフォーメーションダンスを屈指した曲が続いた。
 その間も、メインステージでは笑顔で上半身だけでパフォーマンスする道重が遠目に、アップでスクリーンに映しだされた。
 「ブレインストーミング(updated)」の曲終わりに近づくと、髪の毛が汗で額に張り付いたサブリーダーの譜久村聖が、ふいに後ろを振り向いて メインステージに、道重の元に駆け出していった。次の道重とのデュエット曲「好きだな君が」を歌う為である。
 即座に表情がカメラで抜かれた。そこには、満面の笑顔で譜久村を迎える道重の姿があった。(この笑顔が、最高に良い!)
 これが各方面で絶賛された、俗にいう『フクムラ・ダッシュ』であった。
 後にラジオ番組「モーニング娘。'14のモーニング女学院〜放課後ミーティング〜」(2014年11月29日放送)で 譜久村は「二人では最後だから....隣で歌いたかったから、走っていきました」と語り感動を新たにしたが、 譜久村は加入時のリーダー高橋愛を思い出し、当時起こったアクシデントと重ねて「高橋さんなら、どうするんだろう?」と考え、行動したとも言っていた。意外な答えだったが、ああ、モーニング娘。の歴史と”魂のバトン”はこういう風に着実に渡されているんだと思って 感動してしまった。(なんと素晴らしい事か!)

 何事もなかったように、背中合わせに「好きなら、君が〜♪」と歌い出した二人に合わせ、センターステージでは残りのメンバーが、二人を盛り上げるようにダンスをしていた。
 道重さゆみの足の故障で、当初の演出とは全く変わってしまったが、却って印象的なパフォーマンスになったのは確かであった。
 「この地球の平和を本気で願ってるんだよ!」では再び、メインステージにメンバー全員が集合して  ここでようやく本来の10人のモーニング娘。'14となった。
 「青春コレクション」でステージには鈴木香音、飯窪春菜、佐藤優樹、工藤遥、小田さくらが残り パフォーマンスを続けたが、次の「LOVEマシーン(updated)」では再び全員がステージに戻ってきた。
 その中には、ブーツからスニーカーに履き替えた道重もいた。
ここで自分を含めた観客は、足の故障ではなく、靴の故障?だったのか。と一瞬、安心させたのだが もちろん、そんな軽いものではなかった。
 すぐステージセットの階段、中央に座り、その痛々しさが伝わってきた。
 それでも上半身だけを使って、笑顔で道重さゆみは歌った。
 道重さゆみのデビュー曲である「シャボン玉」では、再び立ち上がった道重さゆみ。
 少し足を引き釣りながらもパフォーマンスを続けた。それは「One・Two・Three」でも変わらなかった。
 続く「Password is 0」においては、ジャンプまで行い回復つつあるのかさえ感じさせたが、この晴れ舞台で 無理をしていたのは後ではっきりと明らかになるのだった。
 涙をこらえられなくなった道重が「Be Alive」を歌い、今宵初めてセンターステージに向かって 歩き始めると客席はピンクに染まった。他のメンバー(小田さくらや佐藤優樹)が涙に濡れる中、道重には 再び、笑顔が戻ってきた。花道で最後まで手を振り続けるその姿には清々しささえ感じたのだった。




  − アンコール −



 メンバーがステージを捌けると、客席から激しい「さゆみんコール」が響き渡った。
 横浜アリーナは一面、ピンクのサイリュウムで満たされた。本当に凄い光景だった。
 時間を追うごとに「さゆみんコール」はより激しさを増し、大音量となっていった。
 そんな状態が10分弱も続いた。ステージ裏では、道重の足の故障で今後のステージ構成をどうするか 話し合いがされ、足のマッサージ等がギリギリまで行われていたのは想像に難くなかった。
 暗転したステージに、道重以外の12期を入れたメンバー13人が現れるとすぐスポットライトが 当たった。全員ノーブルな白い衣装で現われたメンバーを代表し、次期リーダーを指名された譜久村が

「私達から道重さんへの感謝の気持ちを込めて、心を込めて、歌います」

と言って始まった「見返り美人」は、今ツアーでは初披露であった。パフォーマンスとしては「NHK歌謡コンサート」以来、2回目である。正に今夜の為に、用意された曲であった。と言っていい。
 つんく作詞・作曲でない、演歌の大御所−弦哲也ペンによるモーニング娘。史上初の演歌のこの曲は 譜久村が言ったように、9・10・11・12期が道重の為に唄う歌である。(12期にとっては初パフォーマンスでもあった)
 イントロと共に、ステージ左右、また階段セットに拡がったメンバーが後方から、艶やかな着物姿で現われた道重さゆみを 迎え入れる。場内からは沸き上がる大歓声。
 道重は「凛と佇む」という歌詞どおりの表情で後輩を、そして客席を眺め花道を一人、ゆっくりと歩き出した。
 曲後半になり、花道から戻ってくる道重を迎える後輩メンバーには笑顔があった。


 いよいよコンサートも終盤。卒業コンサートではお馴染みの卒業セレモニーへと移った。
 だが、これが波乱含みのものとなってしまった。
 いきなり場内は暗転。心配したファンの「さゆ〜」という掛け声は大きくなっていった。
 それに押され、ステージに灯りが点ったが、映しだされた其処には痛みに耐えられず座り込んでいる道重の姿があった。

 「ちょっと1回、暗くして貰っていいですか」

 再び、暗転。さすがの異常事態に「がんばれー」の声が一斉にあがった。
 「さゆみん」コールの大合唱と共に、再びステージに光が戻ると道重を右に、メンバーが横一列に並んでいるのが浮かび上がった。
 12期の新メンバーから、道重に言葉が贈られる。お馴染みの風景だ。
 最後に道重と抱擁する。
 道重の大ファンだという新メンバー、 牧野真莉愛が号泣していたのを手始めに小田さくら、工藤遥、佐藤優樹(最後までみにしげさん」と道重を呼んだ)、石田亜佑美、飯窪春菜、鈴木香音、鞘師里保と皆、涙に濡れながら言葉を伝えた。(鞘師が「道重に嫉妬していた」という発言には吃驚だったが)ここまでは、いつもながらのセレモニーだった。
 だが、次の(先程、サブリーダーに指名されたばかりの)生田衣梨奈の番になって道重は足の痛みの為、再び座り込んでしまう。

 「まさか生田の番で....」

 いじられキャラの生田の直前というのもあって、少し笑いが起こったものの、すぐに道重を心配してメンバーが集まってきた。再度、ステージは暗転した。
 場内では「さゆ」と心配する声があがる。そして「さゆみん」コールが。カメラは薄暗いステージをアップで映した。
 スクリーンには、メンバーが腕を振り上げ「さゆみん」コールを煽る姿が踊っていたのだった。
 それに伴い、場内には大きな「さゆみん」コールが波となって拡がっていった。
 ステージに灯りが戻ると、道重と生田は対峙し、セレモニーが再開されたのだった。
 かって、道重にイジられ泣いてしまった時を振り返りながら 「サブリーダー、頑張ります」と決意を述べると、道重は「がんばって」と返した。
 そこは「がんばって生田」(生田のここ一番の持ちギャグ?)だろう−なんだが(笑)
 あくまでも道重は「がんばってください」と言って焦らし笑いを誘うのだった。
 何度もステージが暗転し、暗い雰囲気となりそうな処で、笑いを入れて空気を一変させた 道重は今日もトークの冴えが際立っていたのだった。
 だが、生田と抱擁した瞬間、道重が「がんばって生田」とオフマイクで呟いていたのをカメラは克明に映しだした。(それは目立たぬ処で、道重の優しさが表れた瞬間でもあった。)
 明日からリーダーとなる譜久村の涙の決意を見届け、ステージを去る道重さゆみ。
 ステージ暗転と共に他のメンバーもステージを降りていった。(その際、道重の為に用意された椅子を片付ける牧野真莉愛も印象的であった。)

 「さゆみん」コールがピンクのサイリュウムの光と共に響き渡る。 声援を背に、道重さゆみは全身を花に覆われたドレス姿(イメージ的に全身が花に包まれているように見えた)で現われた。

 そして−始まった前代未聞の8分20秒あまりのスピーチ

【コメント全文】道重さゆみ、「さゆみのファンの人たちが、ほかの誰でもない、みんなでよかった。」

 涙を見せる事なく、淡々と目の前に居るファン一人一人に、率直に話しかけた道重さゆみは神がかっていたと言っても 過言ではない。最近のモーニング娘。の卒業コンサートでは、ファンに向けたメッセージは手紙を朗読する事で代用していたが 道重さゆみの場合は、そんなカンペなど全く必要なかった。長年、コンサートやイベント、バラエティ番組で磨いたトークスキル が遺憾なく発揮された、集大成がこれだったのだとようやく理解出来たのだった。
 自分のファンを『ヘンな人達、変わり者の集まり』と毒舌を絡ませ、 最後は『さゆみを見つけてくれてありがとう..ヘンな人達、サンキュー』と感謝で纏めたのも流石だった。
 このスピーチの素晴らしさはミス・ユニバース・ジャパン公式スピーチ・トレーナーまでもが「キング牧師も使った手法。直すところがない」と発言し絶賛されたがとにかく、ライブビューイングを見ながら「凄いことになっている!」という意識しかなかった。

 「私の人生の始まりの曲。この曲を歌ってモーニング娘。になりました。」

 と言って始まった曲はメロン記念日の「赤いフリージア」。モーニング娘。の6期オーディションで歌った課題曲である。
 それだけにファンの間では別名「さゆーじあ」と言われる曲である。このサプライズな選曲に場内から一斉に「おぅー」という感嘆の声が上がった。歌い始めると同時に花道から、センターステージへ。その一歩、一歩はまるで道重さゆみの12年に及ぶモーニング娘。人生を象徴するかのように感慨深った。
 道重さゆみの卒業へのカウントダウンが刻々と進む。もう時間がないのは誰もが判っていた。
 引き続き披露された「歩いてる」は道重が大好きな曲。今ツアーでもお馴染みの曲であった。
 これを道重がセンターステージで歌い、他の後輩メンバーはメインステージで受け取る形で始まった。
 センターステージへと歌いながら移動し、道重を真ん中にして歌う9期、10期、11期は笑顔に溢れている。道重も同様だった。
センターステージで最後の挨拶をするモーニング娘。'14、10人のメンバー達。
 最後のパフォーマンスは、ツアーと同じ「Happy大作戦」。恒例となった客同士の肩組みも映しだされた。
 「Happy大作戦」終了後「歩いてる」のインストをバックに、アリーナ席の外周を周るメンバー達に大きな声援が掛けられる。
 それに対して「ありがとう」「ありがとうございました」と手を振りながら感謝を伝える。
 客席もメンバーも笑顔で包まれているのが、克明にスクリーンに映しだされた。
 だが、その外周を回り終わろうとした刹那、道重がこらえきれずに目が涙で光り輝いたのを見逃さなかった。
 『12年間が..ああ、終わってしまう』.......ここでグッときた人も多かっただろう。

 「本当に、心から、どうもありがとうございました」

 静かに、道重さゆみはステージを去っていった。ついに終わってしまった。そう思った瞬間、唐突にステージの大スクリーンに OPENING MOVIEが映し出された。
 あっけにとられて、息を呑んで見つめる大観衆。
 あの秀逸なOPENING MOVIEには、こんな続きがあったのか!
道重の元に集まったメンバー達が、一人ずつ画面から去っていく。
 それは正に、道重にさよならと別れを告げているように思えた。
 やがて最後まで残った道重も、画面から消えた。

 そして− 道重が手にしていた本のタイトルがアップになる。(画像参照)


『Mo 4329days 2003.01.19 〜 2014.11.26 sayumi michishige morning musume。』


 4329日に渡るモーニング娘。道重さゆみの物語は今日を持って終わりを告げた。
 映像は雄弁にそう物語っていた。
 高まる大きな拍手はやがて「シャバダバドゥ〜」のSEと共に手拍子に変わった。
 再び「さゆみん」コールが起こるものの、道重さゆみはそれに応えることはなかった。



 ライブビューイングは、その「さゆみん」コールの前で唐突に終わった。
(横の男性が「えっ 終わり?」と叫んだのも納得出来たぐらい唐突であった。) 期待していた(昨年同様に)ライブ終了直後、ステージ裏でのメンバーの様子を映す事もなかった。
 最初は予定されていたのかもしれない。しかし、道重の足のアクシデントでそれも叶わなくなったのだろう。残念ではあったが、小田さくらがブログでその瞬間をこう綴っている。


 「そんな道重さんが 
 公演終わってステージ裏にはけた直後
 メンバーに抱きついて、
 声をあげて泣いていて、

 あんな道重さん、
 初めて見ました」




 その涙が足の故障で満足に出来なかった涙なのか、やりきったことからくる安心の涙なのか、 大好きだったモーニング娘。でなくなってしまった涙なのか、今となっては判らない。
 無期限活動休止に入ってしまった道重からその真相を訊くのも叶わないからだ。
 しかし、この涙には全ての意味が込められていたんだろうと思う。

 以前、道重さゆみは卒業する理由を

 「後輩のみんなが頼もしくなったので...」

 と言っていた。
 この卒業コンサートでは、不運にも道重の足のアクシデントがあったが、譜久村、飯窪の行動を はじめとして後輩メンバーのサポートは道重の言葉をいみじくも証明するものとなった。
 確かに道重さゆみにとっては、不本意な卒業コンサートであったかもしれない。
 だが、目を閉じると今でもいくつもの印象的なシーンが脳裏に浮かんでくる。
 今のクールでカッコ良いモーニング娘。を象徴するカッコ良い卒業式ではなかったが、それだけに深く心に刻まれたコンサートになったと思う。
 個人的には、キャンディーズや山口百恵の引退コンサートに並ぶぐらいの、アイドルにとって歴史的なコンサートになったのではないか。今はそう、思っている。









 劇場を出る時、ロビーを歩いていた女性ファンが

 「がんばっている女の子って、いいよね」

と言っていた。メンバーの頑張りは、スクリーンのこちら側の客にも確かに届いていた事を自分の事のように 嬉しくなったのだった。



















 2014年12月8日

 高橋みなみが、AKB48を一年後、卒業する事を発表した。

 立場は違うが、道重さゆみ、高橋みなみというアイドルグループの二つの大きな象徴が消える。という事実に変わりはない。

 ”新旧交代”−月並みな言葉であるが、グループアイドルの歴史の大きな転換点を迎えようとしているのは確かである。















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「TIKI BUN」で登場






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12期(尾形春水、野中美希、羽賀朱音、牧野真莉愛)登場






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「彼と一緒にお店がしたい!」でうさちゃんピース!






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エース・鞘師里保にリーダー・道重さゆみの魔の手が...






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禁断のKISS






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”してやったり”の道重さゆみ






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フクムラ・ダッシュ後の「好きだな君が」






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「Be Alive」で、涙の道重が熱唱






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「見返り美人」






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卒業セレモニー始まる






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花の衣装で登場。思い出の「赤いフリージア」を歌う道重






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全員で「歩いてる」






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最後の曲「Happy大作戦」






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とうとう、終わってしまった....






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感動的なCLOSING MOVIEであった






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Mo 4329days 2003.01.19 〜 2014.11.26 sayumi michishige
MORNING MUSUME。
















OPENING ACT:Juice=Juice
SET LIST
1背伸び                               






OPENING ACT:スマイレージ(現 アンジュルム)
SET LIST
2エイティーン エモーション                  








SET LIST
1TIKI BUN
2わがまま 気のまま 愛のジョーク
3What is LOVE ?
OPENING MOVIE
4時空を超え 宇宙を超え
5Do it! Now
MC 1 (12期メンバー自己紹介 / 譜久村リーダー・飯窪、生田サブリーダー発表)
6明日を作るのは君 (New Song)
7Fantasyが始まる
8I WISH (updated) (譜久村・生田・鞘師・鈴木・飯窪・石田・佐藤・工藤・小田)
道重カメラ
9シャバダバドゥ〜 (道重さゆみ)
10笑顔の君は太陽さ
11彼と一緒にお店がしたい!
MC 2 (中澤裕子・矢島舞美(℃-ute)・田中れいな(LoVendoЯ)から花束)
12【メドレー】シルバーの腕時計(鞘師/Rap:生田・石田)〜 Help me!!(updated)〜恋愛レボリューション21(updated)〜 恋愛ハンター(updated)〜 ラララのピピピ(道重さゆみ) 〜 A B C D E-cha E-chaしたい 〜 ワクテカ Take a chance(updated) 〜ブレインストーミング(updated)〜好きだな君が (道重・譜久村)〜 この地球の平和を本気で 願ってるんだよ! 〜 青春コレクション (鈴木・飯窪・佐藤・工藤・小田) 〜LOVEマシーン(updated) 〜 Give me 愛
MC 3 (煽り)
13シャボン玉
14One・Two・Three
15Password is 0
MC 4
16Be Alive
・・・Encore 1・・・
MC 5
17見返り美人
卒業セレモニー
・・・Encore 2・・・
道重さゆみからのメッセージ
18赤いフリージア(メロン記念日)(道重さゆみ)
19歩いてる
MC 6
20Happy大作戦
CLOSING MOVIE















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