スプリンターズステークス

(2000年10月1日 中山競馬場 芝1,200m)

 

(ごくごくかんたんなレースの説明)

 今となっては想像するべくもないが、かつての日本競馬は明らかに「短距離軽視」という風潮が主流で、4歳馬以上の重賞レースには長い間1,200mのレースは存在しなかった。そのようななか、1967年に4歳以上の馬にとって唯一の1,200m重賞競走として新設されたのが、このスプリンターズステークス。第1回の優勝馬はオンワードヒル(騎手:牧野三雄)。
 その後、1984年のグレード制導入と同時にGVに格付けされ、3月開催ということもあって安田記念のトライアルレース的な色彩を持たされていた。87年にはGUに昇格したものの、開催時期の問題などもあって今1つメンバーには恵まれないでいた。
 しかし、90年、短距離路線をさらにマイル路線とスプリント路線へと細分化させようという動きのなか、スプリンターたちの頂点を決める競走として、1,200mの競走で初めてGTレースに認定された。GT昇格後の最初の優勝馬はバンブーメモリー(騎手:武豊)。1分7秒8のレコード勝ちで、「電撃の6ハロン」競走初のGTとして強烈な印象を残した。
 94年からは外国馬にも門戸を開放し、国際競走として海外からスピード自慢のスプリンターたちが参戦してきているが、最高成績は95年のソーファクチュアルの3着で、連対馬はまだ出ていない。GT昇格後の優勝馬は97年までは全て1番人気馬か2番人気馬で、単勝はかなりカタく収まる傾向にあったが、98年は一転。これが引退レースになるタイキシャトルで磐石とレース前は思われていたものの、ゴール前に差し切り勝ちを見せたのは7番人気の伏兵マイネルラヴ(騎手:吉田豊)。タイキシャトルはシーキングザパールの逆転も許し、3着と若干不本意な形で競走生活を締めくくることになった。一方、馬券的にはタイキシャトルがとんだことによって馬連は15,920円と万馬券となった。
 それとは対照的に、99年はそれまで同様に、2番人気−1番人気というカタい決着となった。1番人気のフランスGT馬アグネスワールドを押さえて勝利を収めたのはブラックホーク(騎手:横山典弘)。素質を高く評価されながら脚元の不安で回り道をした馬の悲願の戴冠であった。
 歴史に残る名勝負としては、96年のフラワーパークとエイシンワシントンの大接戦。同着と言っても差し支えないほどの僅差で、写真判定は10分以上にも及んだ。その結果、その差1cmという本当の意味での「ハナ差」でフラワーパークに凱歌があがった。ちなみに、GT昇格後に牝馬で勝利を収めたのは3頭。91年ダイイチルビー(騎手:河内洋)、92年ニシノフラワー(騎手:河内洋)、そして96年フラワーパーク(騎手:田原成貴)。そのいずれもが、それ以前にGT勝ちの経験がある馬だった。
 GT昇格後は、一貫して12月第3週、最終開催の中山6日目に行われていたが、今年からは9月の中山開催最終8日目へと時期が移行され(今年はカレンダーの関係で10月1日開催)、秋GTの第1戦として生まれ変わることになった。

(過去10年間の勝ち馬)

年度 優 勝 馬 性別・
年齢
重量 騎 手 人気 タイム 馬場
状態
1990 バンブーメモリー 牡6 57 武豊 R1.07.8
1991 ダイイチルビー 牝5 55 河内洋 1.07.6
1992 ニシノフラワー 牝4 53 河内洋 1.07.7
1993 サクラバクシンオー 牡5 57 小島太 1.07.9
1994 サクラバクシンオー 牡6 57 小島太 R1.07.1
1995 ヒシアケボノ 牡4 55 角田晃一 1.08.1
1996 フラワーパーク 牝5 55 田原成貴 1.08.8
1997 タイキシャトル 牡4 55 岡部幸雄 1.07.8
1998 マイネルラヴ 牡4 55 吉田豊 1.08.6
1999 ブラックホーク 牡6 57 横山典弘 1.08.2

  ★タイムの「R」はレコード

    

(Ryuの予想)

   ◎ 2.ブラックホーク
   ○ 9.アグネスワールド
   ▲ 5.マイネルラヴ
   △ 7.ベストオブザベスト
   △ 12.ブロードアピール

 ◎○は昨年と全く一緒。ていうか、この2頭はやっぱり頭1つ抜けてると思います。
 まずブラックホーク。何といっても、前走セントウルステークスを叩かれて2戦目で、ますますの良化が望めそうです。内枠を引いたのも好材料。今週、中山は仮柵が外されて内のほうが馬場がいいので、先行して馬場のいいところいいところを進めるのは強みでしょう。これで負けたら仕方ないって感じ。唯一の心配は、時々勃発するヤネのポカぐらい。
 一方のアグネスワールド。昨年のこのレースを見る限りでは中山の坂に不安はありません。休み明けでぶっつけという点だけが気がかりなのですが…。相手をブラックホーク1頭に絞って乗れば昨年の借りを返すことだって可能でしょう。例によって、ツートップの軸とします。
 さて、今回、本当なら面白いと思うはずのウマを何頭か切りました。まず、3番人気が予想されるビハインドザマスク。確かに強さは認めます。ただ、追い込み馬のこのウマが最内枠を引いてしまいました。しかも、前述のとおり、今週の中山は仮柵を外したAコース。先行馬がこぞって内に殺到すると、結局このウマは、コースロスを承知で外に持ち出すか、行き場がなくなるかもしれないのを承知で内を進むかの2択を迫られることになります。それで力を出し切れるでしょうか。しかも、追い込み馬にはキツい道悪で。思い切って消してしまいます。同様の理由でキングヘイローも消し。
 もう1頭。スギノハヤカゼ。3枠6番だし、セントウルステークス同様にしぶとく粘り込めれば2着はあるかな…とも思ったのですが、消しました。理由はカンタンですね。そう、道悪になったからです。しかし、どうしてこのウマ、GTになると道悪になるのでしょうか?
 ▲はマイネルラヴに打ちました。昨年も4着。中山だと走るウマです。ブラックホーク同様の「叩き2戦目の良化」に期待します。ただ、重実績に今1つ乏しいのが不安材料です。
 あと、ベストオブザベスト。香港馬、もはや軽視は禁物です。まして、安田記念を制したフェアリーキングプローンより強いと言われるウマです。枠もほどよし、先行力もあり、とあっては、買わない手はありません。もう1頭、伏兵候補としてブロードアピール。人気を下げていますが、中京、函館、札幌での敗因は「小回りコースは向かない」だけなのかもしれません。中山にコース代わりすれば、シルクロードステークスの再現も夢ではありません。ましてや、あのときも不良馬場だったし。

(Ryuの買い目)

   (馬連)
    2−9 3,000円
    2−5 1,000円
    5−9 1,000円
    2−7 1,000円
    7−9 1,000円
    2−12 1,000円
    9−12 1,000円

   (合計) 9,000円

(レース結果)

   天候:曇 馬場状態:稍重 

順位 枠番 馬番 馬名 性別・
年齢
重量 騎手 人気 タイム・
着差
15 ダイタクヤマト 牡7 57 江田照男 16 1.08.6
アグネスワールド 牡6 57 武豊 1 1/4
ブラックホーク 牡7 57 横山典弘 ハナ
12 ブロードアピール 牝7 55 松永幹夫 クビ
マイネルラヴ 牡6 57 蛯名正義 1 1/2
11 ユーワファルコン 牡4 55 中舘英二 10 クビ
キングヘイロー 牡6 57 柴田善臣 2 1/2
タイキブライドル 牡6 57 郷原洋司 12 クビ
マイネルマックス 牡7 57 佐藤哲三 14 ハナ
10 16 タイキトレジャー  牡5 57 後藤浩輝 クビ
11 ビハインドザマスク 牝5 55 福永祐一 1/2
12 スギノハヤカゼ 牡8 57 芹沢純一 11 クビ
13 10 マサラッキ 牡8 57 藤田伸二 13 クビ
14 13 シンボリインディ 牡5 57 岡部幸雄 3/4
15 ベストオブザベスト(香港) セン6 57 D.ホワイト 1 1/4
16 14 ジョーディシラオキ 牝4 53 北村宏司 15

  

   (単勝)15.25,750円
   (複勝)15.2,190円 9.120円 2.130円
   (枠連)5−8 2,350円
   (馬連)9−15 25,700円
   (ワイド)9−15 4,620円 2−15 7,390円 2−9 220円

 「驚いた」の一言。馬場適性によるものか、調子が最高潮だったのか、はたまた父譲りの1発の爆発力が火を噴いたのか。ダイタクヤマト、まさに「してやったり」でしょう。
 当日は外出していたので、帰宅後にビデオで確認したんですけど…いや、スタートよかったですね。そして、前でじっくりと折り合ってました。さらに、言われているように、渋った馬場も向いたのでしょう。除外対象だったのに、賞金上位馬の回避で最後の最後に滑り込みで出走を決めた最低人気馬。こればっかりは、勝つなんてカケラも読めなかったけど、でも、立派です。ダイタクヘリオスの息子。「孝子出づ」って感じです。これでダイタクヘリオスもいい牝馬をお相手できるようになったらいいですね。いっそのこと、『馬なり1ハロン劇場』ノリでダイイチルビーなんて…どう?(笑)
 2着のアグネスワールド。やっぱり、馬場でしょうかね…。他に理由思いつかないです。4コーナーでもう手ごたえ悪かったみたいだし。彼なりに頑張って走って、ブラックホークはわずかにかわしたのに、前にもう1頭いたという。どうして日本のGTだと勝てないのかなあ。
 ブラックホークも馬場が響いたのでしょうか。やっぱり、他に理由が思いつかないんですよね。ヤネのポカも今回はなかったみたいだし。マイルチャンピオンシップに向かうみたいだけど…1,600mはどうだろ。もっとも、昨年のエアジハード級の抜けた存在がいないから、そこで雪辱も可能かもしれないけど。マイルはこなせると思うんですけどねえ。もっとも、安田記念はからっきしで、あのときは「マイルは長い」と思ったけどさ。
 ブロードアピールはやっぱり道悪だと走ります。ただ、道中もう少しだけ前に位置取りできれば2着はあったかもしれません。でも、最後の脚は見事でした。ビハインドザマスク、予想通り、内は窮屈でしたね。それでも最後には進路が開いたのに、いつもの伸びがありませんでした。やっぱり、このウマも良馬場でないと持ち味殺されてしまうのかもしれません。
 馬場状態に笑うウマ、泣くウマ、それぞれいたことと思います。でも、これもレース。条件は全馬一緒だったのですから。ここでは素直にダイタクヤマトの勝利を称えるとしましょう。

(最終収支決算)

   (支出)−9,000円 + (収入)0円 = (合計)−9,000円

   <今秋の合計> −9,000円(0勝1敗)

 

  

「秋華賞」に続く

 

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