秋華賞

(2000年10月15日 京都競馬場 芝2,000m)

 

(ごくごくかんたんなレースの説明)

 それまでの牝馬3冠目「エリザベス女王杯」が古馬にも開放されたのに伴い、1996年に新設された、牝馬3冠戦の最終レース。第1回優勝馬はファビラスラフイン(騎手:松永幹夫)。
 前身のエリザベス女王杯が距離2,400mで行われていたのに対して、秋華賞は距離2,000mに設定され、1,600mの桜花賞、2,400mのオークスを受けての牝馬3冠第3戦としてのバランスはよくなってきている。97年に距離の壁からオークス11着に沈んだ桜花賞馬キョウエイマーチが2着に粘ったのもその典型例。ただ、京都競馬場の芝内回り2,000mコースは3〜4コーナーが小回りになっている難コースとして知られ、その点での不満の声が関係者などからあがることもある。
 エリザベス女王杯時代から荒れるレースとして定評があり、第1回は単勝1.7倍のダントツの本命馬エアグルーヴがレース中の骨折により10着に敗れたこともあっていきなりの万馬券スタート。97年こそ人気を2分した「メジロドーベル−キョウエイマーチ」の1−2とカタい決着となったものの、98年もファレノプシスの2着に14番人気ナリタルナパークが入り、10,460円と2年ぶりの馬連万馬券となった。そして、昨年、超大型爆弾は炸裂した。最後に猛烈な追い込みの脚を見せて勝利を射止めたのは、12番人気の伏兵ブゼンキャンドル(騎手:安田康彦)。そして、2着にも10番人気のクロックワークが飛び込んできて、馬連94,630円の大万馬券。これは、GTレースとしては、92年阪神3歳牝馬ステークス(馬連120,740円)、96年マイルチャンピオンシップ(馬連104,390円)に次ぐ高配当記録第3位である。ともに賞金800万の身でトライアル3着で辛うじて出走権を確保した馬の1−2で、「荒れる秋華賞」の印象を決定づける形となった。

(過去10年間の勝ち馬)

年度 優 勝 馬 性別・
年齢
重量 騎 手 人気 タイム 馬場
状態
1990 キョウエイタップ 牝4 55 横山典弘 2.25.5
1991 リンデンリリー 牝4 55 岡潤一郎 2.29.6
1992 タケノベルベット 牝4 55 藤田伸二 17 2.27.1
1993 ホクトベガ 牝4 55 加藤和宏 2.24.9
1994 ヒシアマゾン 牝4 55 中舘英二 2.24.3
1995 サクラキャンドル 牝4 55 小島太 10 2.27.2
1996 ファビラスラフイン 牝4 55 松永幹夫 1.58.1
1997 メジロドーベル 牝4 55 吉田豊 2.00.1
1998 ファレノプシス 牝4 55 武豊 2.02.4
1999 ブゼンキャンドル 牝4 55 安田康彦 12 1.59.3

   (注)1995年まではエリザベス女王杯の結果を参考に掲載。距離は2,400m。 

 

(Ryuの予想)

   ◎ 2.チアズグレイス
   ○ 16.サニーサイドアップ
   ▲ 5.トーワトレジャー
   △ 13.マターラミツル
   △ 1.ポンテローザ

 なんか「荒れるのがお約束」という感にさえなってきた秋華賞(笑)。今年のレースをどう見るか、なのですが、結論から言えば、やっぱり「荒れる」のではないでしょうか。ただ、昨年並みの「大荒れ」じゃなくて、馬連でいえば10,000円前後の荒れ具合…って、それだけ荒れりゃーたくさんだな。
 ともにローズステークスでは不本意な結果に終わった桜の女王と樫の女王。確かに、「ここは1叩きで、次走こそ目標」ととらえることは可能です。ただ、「この2頭で決着」とは、どうも思えません。どちらか、あるいしどちらもとぶ、と疑ってかかったほうがよさそうです。
 で、Ryuの結論ですが、「チアズグレイスは残し、シルクプリマドンナは消し」。もう、これって「直感」以外の何物でもないんですけど、なんとなく「よくなっていきそうな余地」はチアズのほうがありそうな気がしたので…。展開的には、ここ2年とも「ハイペースで、後ろから切れる脚で差す馬が笑う」というものになっているので、それからいけばむしろシルクのほうがよさげなんですけど。
 ○には、同じ山内厩舎のサニーサイドアップを抜擢。確かに、さほどのメンバーでなかった前走紫苑ステークス3着に不満がなくはないのですが、状態面では同厩舎のGTウィナー2頭を凌駕すると思います。鞍上が大胆な騎乗で現在関東リーディングをひた走る後藤騎手というのもプラス材料。期待したいと思います。
 ▲はトーワトレジャー。ローズステークスで最後追い込んで3着に飛び込んだ脚は見事でした。むしろ、勝ったニホンピロスワンより魅力を感じてしまいます。逆に、ニホンピロスワンは、あの脚をまた使えるという保証がないのに人気になりすぎている感がして危険だと思うので、消し。
 そして、ヒモとして、人気はさほどでなくても、スパンと切れる脚を持っている馬を狙いたいと思います。抜擢したのは、マターラミツルとポンテローザ。ともにローズステークスでは6着と7着に終わったものの、上がり3ハロンの脚ではシルクプリマドンナやチアズグレイスより上でした。穴を開けるとすれば、むしろこういったタイプなのではないでしょうか。
 あともう1頭、気にはなったんだけど消した馬は…ティコティコタック。札幌での前走大倉山特別(900万下条件)は確かに1頭だけ別次元での競馬を見せていましたが、いかに牡牝混合戦を戦ってきたとはいえ、まだオープンクラスでの戦いを見ていません。過信は禁物だと思い、今回は見送ることにしました。ヤネの幸四郎騎手もマイナス材料。いや、幸四郎騎手がヘタって言ってるわけじゃなくて、経験の面で…ね。

(Ryuの買い目)

   (馬連)
    2−16 100円
    2−5 100円
    2−13 100円
    1−2 100円
    5−16 100円
    13−16 100円
    1−16 100円
    5−13 100円
    1−5 100円
    1−13 100円
   (ワイド)
    2−16 600円
    2−5 600円
    2−13 600円
    1−2 600円
    5−16 600円
    13−16 600円
    1−16 600円
    5−13 600円
    1−5 600円
    1−13 600円


   (合計) 7,000円

(レース結果)

   天候:曇 馬場状態:良 

順位 枠番 馬番 馬名 性別・
年齢
重量 騎手 人気 タイム・
着差
ティコティコタック 牝4 55 武幸四郎 10 1.59.9
14 ヤマカツスズラン 牝4 55 池添謙一 1/2
トーワトレジャー 牝4 55 上村洋行 3/4
チアズグレイス 牝4 55 松永幹夫
グランパドドゥ 牝4 55 河内洋 3 1/2
ジェミードレス 牝4 55 岡部幸雄 ハナ
バイラリーナ 牝4 55 小林淳一 15 1 1/4
13 マターラミツル 牝4 55 安藤勝己 11 ハナ
15 レディバラード 牝4 55 熊沢重文 17 ハナ
10 12 シルクプリマドンナ 牝4 55 藤田伸二 アタマ
11 10 ニホンピロスワン 牝4 55 福永祐一 ハナ
12 サファイヤコースト 牝4 55 幸英明 18 1/2
13 18 カリスマサンオペラ 牝4 55 石橋守 16 3/4
14 フューチャサンデー 牝4 55 横山典弘 13 1 1/2
15 16 サニーサイドアップ 牝4 55 後藤浩輝 アタマ
16 ポンデローザ 牝4 55 渡辺薫彦 14 1 1/4
17 17 マニックサンデー 牝4 55 田中勝春 12 1 1/4
18 11 マルターズスパーブ 牝4 55 柴田善臣 1 1/2

   (単勝)4.2,710円
   (複勝)4.920円 14.710円 5.410円
   (枠連)2−7 4,480円
   (馬連)4−14 30,010円
   (ワイド)4−14 7,100円 4−5 4,030円 5−14 3,340円

 結果論とはいえ、自分で自分に腹が立つ。なぜ、最後の最後に勝ち馬を切ってしまったのか。「オープンクラスでの戦いを見ていない」ということは、裏を返せば「まだ対戦していないがゆえの魅力」と言うこともできるはず…って、こんなの全て、レースが終わってしまったからこそ言えることなんですけどね。
 今回のRyu最大の失敗、それは、レース展開を読み間違えたことにあります。スローペースでの前残り。これでは、後ろからの馬にはキツいでしょう。前は止まりませんし。サニーサイドアップにしても、マターラミツルにしても、ポンテローザにしても、今回は展開が向かなかったと思います。また、今回のレースでは、折り合いが全てだったような印象です。
 ティコティコタック、切れましたねえ、こんなスローペースだったのに。出世が遅れていただけで、実力的にはクラシック組と遜色なかったってことなのでしょう。コーナー取りもスムースでした。幸四郎騎手には、見くびったことをここに深くお詫び申し上げます。
 見くびったといえば、ヤマカツスズラン。いや、このウマが派手にぶっ飛ばして、超ハイペースになると思ったんですよ、Ryu的には。で、逃げてツブれてしまうんじゃないか…と。それが、まったりとした逃げで、きっちりと2着を確保しました。後ろの騎手は、先行馬総崩れとなった昨年の例もあったので動くに動けなかったのでしょう、みすみすとヤマカツスズランを楽に行かせてしまいました。でも、そこで粘り切ったのは、この馬の実力。最後にティコティコタックに屈したとはいえ、あわやの見せ場は充分に作ってくれました。やっぱり、昨年の3歳牝馬チャンピオンは伊達ではなかったのでしょう。力を再認識させられました。
 トーワトレジャー、後ろからの馬で掲示板を確保したのはこの馬だけでした。最後もよく伸びていました。状態面のよさがレースぶりにも反映されていたようです。実力は出し切ったのではないでしょうか。
 チアズグレイス、最後の反応がもう1つでした。成長分を差し引いてもまだ太かったんでしょうか。エリザベス女王杯では490kgチョイぐらいで出てこないとキツいかもしれません。シルクプリマドンナは、やっぱり展開に泣いた形です。

(最終収支決算)

   (支出)−7,000円 + (収入)0円 = (合計)−7,000円

   <今秋の合計> −16,000円(0勝2敗)

 

  

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