菊花賞

(2000年10月22日 京都競馬場 芝3,000m)

 

(ごくごくかんたんなレースの説明)

 イギリスのクラシックレース「セントレジャー」を模範としてつくられた、3冠レースの最終戦。1938年12月11日に「京都農林省賞典四歳呼馬競走」という名称で行われた第1回レースで優勝したのはテツモン(騎手:伊藤正四郎)。以降、昭和23年に「菊花賞」という名称に改められて、今日に至る。昭和54年に1回だけ阪神競馬場で行われた以外は、京都競馬場、芝3,000mは不動。本場のセントレジャーが衰退の一途をたどっているのに対して、京都唯一のクラシックレースとして、また、3,000mの長丁場と2度の坂越えというハードなレースぶりで、数多くの名勝負を生み出し続けている。「皐月賞は最も早い馬が勝ち、ダービーは最も運のいい馬が勝ち、菊花賞は最も強い馬が勝つ」という言葉が生まれたゆえんである。
 3冠レースの最終戦ということは、もちろん3冠馬誕生の舞台となるレースなわけである(笑)。そのなかでも圧巻だったのは、2着のヤシマソブリンを7馬身ちぎって圧勝で3冠を決めたナリタブライアン(1994年)。また、シンボリルドルフは、史上唯一の「無敗の3冠馬」である(1984年)。92年にミホノブルボンは史上2頭目の「無敗の3冠馬」に挑んだが、ライスシャワーの2着に敗れて達成はならなかった。
 牝馬の優勝は2回。1943年のクリフジ(騎手:前田長吉)と、47年のブラウニー(騎手:土門健司)。95年にはオークス馬ダンスパートナーが牝馬としては久々に挑戦し、1番人気に推されたが、マヤノトップガンの5着に敗れた。昨年は、「3強対決」のムード高まるなか、皐月賞馬テイエムオペラオー、ダービー馬アドマイヤベガを押さえて勝利を収めたのは、もう1頭の「3強」ナリタトップロード。4コーナーで先頭集団に取りついた後、長くいい脚を使ってテイエムオペラオーの急襲をしのいだ。鞍上渡辺薫彦は嬉しいGT初制覇。
 今年から、それまでより開催が2週前へとシフトされた。ジャパンカップへのローテーションを中2週から中4週へと空け、そのことによってより強い4歳牡馬が参戦しやすくするための措置らしい。

(過去10年間の勝ち馬)

年度 優 勝 馬 性別・
年齢
重量 騎 手 人気 タイム 馬場
状態
1990 メジロマックイーン 牡4 57 内田浩一 3.06.2
1991 レオダーバン 牡4 57 岡部幸雄 3.09.5
1992 ライスシャワー 牡4 57 的場均 R3.05.0
1993 ビワハヤヒデ 牡4 57 岡部幸雄 R3.04.7
1994 ナリタブライアン 牡4 57 南井克巳 R3.04.6 稍重
1995 マヤノトップガン 牡4 57 田原成貴 3.04.4
1996 ダンスインザダーク 牡4 57 武豊 3.05.1
1997 マチカネフクキタル 牡4 57 南井克巳 3.07.7
1998 セイウンスカイ 牡4 57 横山典弘 R3.03.2
1999 ナリタトップロード 牡4 57 渡辺薫彦 3.07.6

  ★タイムの「R」はレコード

    

(Ryuの予想)

   ◎ 6.アグネスフライト
   ○ 13.トーホウシデン
   ▲ 15.エアシャカール
   △ 1.エリモブライアン

 なんか「アグネスフライト−エアシャカール」で決まるという気がしませんねえ。どちらかとぶんじゃないかな…って、先週も似たようなこと言ったな。
 で、思い切ってエアシャカールは消し。ていうか、評価的には▲はつけるけど(このメンバー中ではそれ以下には落とせまい)、今回は1点で勝負…って、一応ワイドも買うけど(笑)。
 エアシャカール消しの最大の理由は「気性面で信頼置けん」って点。弥生賞でも、日本ダービーでも、神戸新聞杯でも見せてました。パドックでうるさいとこ。このうるさい性格で、果たして3,000mの長丁場を乗り切ることができるのでしょうか。確かに実力的には最上位です。アグネスフライト以上かもしれません。ただ、それは「実力を100%出し切ることができたとして」。不安要素が大きい以上、切るのはこちらでしょう。
 アグネスフライト、唯一の心配は血統面です。どうも、僕的にはサンデーサイレンス産駒って「中距離マスター」なような気がするんですよね。と言うと「ダンスインザダークは菊花賞勝ってるし、スペシャルウィークは天皇賞・春勝ってるじゃないか」と反論されるかもしれません。でも、思い出してください。ダンスインザダークの最後3ハロンの驚異的な末脚って、明らかに中距離馬のそれでしたよね。また、スペシャルウィークにしたって、天皇賞・春勝ってるとはいっても、ベストは2,000〜2,400mだったと思うんですよ。「サンデーサイレンス産駒は、母系である程度距離はカヴァーできるけれど、ベストは中距離」、これが僕の持論です。そして、アグネスフライトの母は…桜花賞馬のアグネスフローラ。ちょっと不安です。ま、もっともオークスも2着だから大丈夫という説もあるけど…。
 対抗候補。これも1頭のみ。トーホウシデン。ダービー4着には驚かされましたが、あのときよりもさらに力つけていると思います。距離は伸びれば伸びるだけよくなりそう。セントライト記念の結果もほどよいくらい。ここが勝負と見て、6−13の1点です。
 あと、買わないけどあえて△を付け加えるとすれば、エリモブライアン。もう1頭のブライアンズタイム産駒。サンデーサイレンスよりブライアンズタイムのほうが菊には向くと思います。

(Ryuの買い目)

   (馬連)
    6−13 1,000円
   (ワイド)
    6−13 4,000円

   (合計) 5,000円

(レース結果)

   天候:晴 馬場状態:良 

順位 枠番 馬番 馬名 性別・
年齢
重量 騎手 人気 タイム・
着差
15 エアシャカール 牡4 57 武豊 3.04.7
13 トーホウシデン 牡4 57 田中勝春 クビ
エリモブライアン 牡4 57 藤田伸二
ケージージェット 牡4 57 佐藤哲三 12 クビ
アグネスフライト 牡4 57 河内洋 1/2
17 フェリシタル 牡4 57 高橋亮 10 クビ
ヤマニンリスペクト 牡4 57 福永祐一 13 3/4
ジョウテンブレーヴ 牡4 57 蛯名正義 1/2
トップコマンダー 牡4 57 松永幹夫 16 1/2
10 ホワイトハピネス 牡4 57 小原義之 1/2
11 12 ヒシマジェスティ 牡4 57 角田晃一 クビ
12 ダイワバーミンガム 牡4 57 柴田善臣 クビ
13 16 カリスマシルバー 牡4 57 小林徹弥 18 1/2
14 スプリームコート 牡4 57 四位洋文 11 2 1/2
15 10 マッキーローレル 牡4 57 本田優 クビ
16 14 マイネルビンテージ 牡4 57 熊沢重文 15
17 18 クリノキングオー 牡4 57 幸英明 17
18 11 ゴーステディ 牡4 57 吉田豊 14 大差

  

   (単勝)15.280円
   (複勝)15.150円 13.280円 1.490円
   (枠連)7−7 1,510円
   (馬連)13−15 1,580円
   (ワイド)13−15 550円 1−15 1,100円 1−13 1,930円

 クイズ部10月例会に参加していたうえ、帰宅したらビデオイカれてて、翌日の新聞と雑誌でしかレース内容を知りません。というわけで、今回は見ていないので完結に。
 エアシャカール、イレ込みは今回さほどでもなかったようです。となると、まともに走ればこのウマの実力のほうが上位、ということなのでしょう。かからないように道中馬群の中に位置取りした武豊、さすがとしかいいようがありません。話を聞いて、97年天皇賞・春の成貴さんを思い出してしまいました。しかし、エアシャカール…やっぱり少し内にモタれてたみたいですね。これ、なんとかならんもんかな…。馬券買う側とすると全幅の信頼置きづらいウマなんですよねえ…。
 トーホウシデン、いや、人馬ともに100%のレースだったと思います。このクビ差2着は仕方ないですね。3着のエリモブライアンとは4馬身だし。勝ち馬、というより勝利騎手にしてやられた格好です。でも、もっともっとよくなるウマですよ。
 アグネスフライト、状態面もよかったということなのに。となると、結果として…距離を疑わざるをえません。「サンデーサイレンス産駒で大丈夫か?」は今回はこちらのほうだったというわけです。アーメン。

(最終収支決算)

   (支出)−5,000円 + (収入)0円 = (合計)−5,000円

   <今秋の合計> −21,000円(0勝3敗)

 

  

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