天皇賞・秋

(2000年10月29日 東京競馬場 芝2,000m)

 

(ごくごくかんたんなレースの説明)

 天皇賞は、春・秋共通で考えると、1937年12月3日東京競馬場で行われた「帝室御賞典競走」が第1回。優勝馬はハッピーマイト(騎手:新井朋次郎)。当時4歳の牡馬で、その後4歳馬が天皇賞を勝つまでには実に59年の歳月を待たなければならなかったのである(まあ、「5歳上」の時期が長かったんだけど)。
 秋の天皇賞は、これまでほぼ一貫して東京競馬場で行われている(記憶が確かなら、1回だけ改修工事の関係で中山で行われたことがあったような…)。その天皇賞・秋が大改革を迎えたのが、グレード制導入元年の1984年のこと。それまで春同様に3,200mで行われていた天皇賞・秋は、この年から2,000mで行われることになったのである。この初めての2,000mでの天皇賞・秋(第90回)で勝利を収めたのが、史上3頭目の3冠馬ミスターシービー(騎手:吉永正人)。
 その後、87年からは4歳馬の参戦も可能となり、翌88年に4歳ながら2着に入ったのは、あのオグリキャップ。96年には、バブルガムフェローが59年ぶりに4歳馬として制覇。後に3強と言われたサクラローレル、マヤノトップガン、マーベラスサンデーを抑えてのことだった。そして、97年、牝馬としては80年のプリティキャスト以来17年ぶりにエアグルーヴが勝利。もちろん、2,000mになってから牝馬が勝つのは初めてであった。
 今年から、JRAのレース開放計画にのっとって、天皇賞は春・秋ともに一定基準を満たした外国産馬が2頭の枠で出走可能となった。この天皇賞・秋は、「GT勝ち馬(3歳戦を除く)」「当該年度の『オールカマー』『毎日王冠』『京都大賞典』の勝ち馬」が出走可能となる。外国産馬の参戦が1頭もなかった春と違い、この秋にはイーグルカフェ(2000年NHKマイルカップ)、メイショウドトウ(2000年オールカマー)の2頭の外国産馬が登録。新たな歴史を刻むこととなった。
 レース自体は、「東京芝2,000m」という、前週の「京都芝内回り2,000m」に匹敵する難コースで行われる。勝負は、何といっても、「急に狭くなるよう」と各騎手が口にする1コーナー〜2コーナー。あとは東京名物の長ーい直線。ちなみに、1番人気馬がことごとく敗れ去るレースとして知られ、現在1番人気馬は12連敗中(最後に勝ったのは87年のニッポーテイオー)。シンボリルドルフはギャロップダイナに出し抜けを食らい2着に甘んじ(85年)、メジロマックイーンは1着入線するも進路妨害で18着降着となり(91年)、ビワハヤヒデは競走中に故障を発症し5着と敗れ(94年)、サイレンススズカは3コーナーで「悪夢」に見舞われて永遠に未来を奪われてしまい(98年)、そして昨年も、セイウンスカイは枠入不良が響いたのか5着に惨敗した。ジンクスは今年も生きるのか、断然の1番人気が予想されるテイエムオペラオーはどうでるのか…。

(過去10年間の勝ち馬)

年度 優 勝 馬 性別・
年齢
重量 騎 手 人気 タイム 馬場
状態
1990 ヤエノムテキ 牡6 58 岡部幸雄 R1.58.2
1991 プレクラスニー 牡5 58 江田照男 2.03.9 不良
1992 レッツゴーターキン 牡6 58 大崎昭一 11 1.58.6
1993 ヤマニンゼファー 牡6 58 柴田善臣 1.58.9
1994 ネーハイシーザー 牡5 58 塩村克己 1.58.6
1995 サクラチトセオー 牡6 58 小島太 1.58.8
1996 バブルガムフェロー 牡4 56 蛯名正義 1.58.7
1997 エアグルーヴ 牝5 56 武豊 1.59.0
1998 オフサイドトラップ 牡8 58 柴田善臣 1.59.3
1999 スペシャルウィーク 牡5 58 武豊 R1.58.0

  ★タイムの「R」はレコード

 

(Ryuの予想)

   ◎ 13.テイエムオペラオー
   ○ 15.メイショウドトウ
   ▲ 9.ステイゴールド
   △ 10.トゥナンテ
   △ 11.イーグルカフェ

 道悪、距離、府中、といろいろな不安説も囁かれているテイエムオペラオーですが、今のこのウマに◎を打たないわけにはいきません。もう、断然だと思います。それぐらい、実力はズバ抜けてます。「府中の森の悪魔」が悪さしたとしても、2着、いいとこ3着まで。この秋は(いや、春もだったか)このウマ中心。もう間違いありません。レース見てても1頭だけ次元が違うように見えます。あとは、その断然の実力が100%発揮できるかどうか…でしょう。
 で、○。これもメイショウドトウでいいでしょう。宝塚記念クビ差2着の内容を評価したいと思います。道悪にも強そうだし、テイエムオペラオーとの差を詰めるのには絶好の機会じゃないでしょうか。逆転の可能性秘めてるウマの1番手は、やはり間違いなくこのウマです。
 ▲はステイゴールドを抜擢。そろそろ、いや、そろそろだと思うんですよ。しかも、今回は武豊。コワいぞ、このシチュエーション。そういや、目黒記念も重馬場でしたね。相手なりに走れる(逆に言うと「相手なりにしか走れない」)このウマ、期待しましょう。
 あとは、毎日王冠の勝ち馬トゥナンテ。毎日王冠は恵まれすぎの印象もなきにしではあるものの、その内容を評価。その毎日王冠ではもう1つだったものの状態の上積みが見込めて調教もよかったイーグルカフェまで押さえましょう。ナリタトップロードは…なんか、いいときのこのウマの状態にはないような気がするので消します。

(Ryuの買い目)

   (馬連)
    13−15 1,200円
    9−13 600円
    9−15 600円
    10−13 600円
    10−15 600円
    9−10 600円
    11−13 200円
    11−15 200円
    9−11 200円
    10−11 200円

   (合計) 5,000円

(レース結果)

   天候:曇 馬場状態:重 

順位 枠番 馬番 馬名 性別・
年齢
重量 騎手 人気 タイム・
着差
13 テイエムオペラオー 牡5 58 和田竜二 1.59.9
15 メイショウドトウ 牡5 58 的場均 2 1/2
10 トゥナンテ 牡6 58 幸英明 3/4
11 イーグルカフェ 牡4 56 岡部幸雄 クビ
ナリタトップロード 牡5 58 渡辺薫彦 アタマ
ユーセイトップラン 牡8 58 M.ロバーツ 13 1 3/4
ステイゴールド 牡7 58 武豊 アタマ
ロサード 牡5 58 松永幹夫 ハナ
ダイワテキサス 牡8 58 北村宏司 アタマ
10 メイショウオウドウ 牡6 58 飯田祐史
11 ジョーヤマト 牡8 58 須貝尚介 15
12 サクラナミキオー 牡6 58 田中勝春 11
13 14 ミッキーダンス 牡5 58 佐藤哲三 10 1 1/4
14 トーワラノビア 牝6 56 郷原洋司 14
15 12 ロードブレーブ 牡6 58 柴田善臣 12
16 16 ミヤギロドリゴ 牡7 58 横山典弘 16 1 1/2

  

   (単勝)13.240円
   (複勝)13.130円 15.150円 10.280円
   (枠連)7−8 490円
   (馬連)13−15 490円
   (ワイド)13−15 260円 10−13 740円 10−15 820円

 府中の森に住む悪魔は、雨のために開店休業してしまったのでしょうか。ともあれ、様々な不安要素を振り切って、テイエムオペラオー完勝。2,000mでも強かった。よくよく考えてみりゃ皐月賞馬だし、この距離でも切れ味鈍るわけないんだよな。鋭い末脚が武器なウマなわけだし。次は、ジャパンカップで世界の強豪とどう戦うかでしょう。にしても…やっぱ抜けてる印象だよなあ。
 メイショウドトウ、オペラオーにこそ離されたものの、やっぱり対抗の1番手でした。オールカマー勝ったときから状態維持してたみたいです。それでも…オペラオーには離されちゃいましたね。並ばれるや否やピューでしたからね。まあ、100%の競馬をして負けたのだからしょうがないですね。次のレースに期待してます。
 トゥナンテは絶好のスタートを切った後、最内枠を利してうまく折り合って進みました。最後の直線でちょっと前が詰まった他は理想的な展開だったのではないでしょうか。さすが毎日王冠馬。トライアル勝ちは伊達ではありませんでした。展開に恵まれた感もなきにしもあらずではあるものの、逆に言えば恵まれればこれくらいは走るウマだということなのでしょう。あとは、毎度毎度課題と言われ続けていた「スタート難」を今回のようにクリアすることかな。
 ステイゴールドは2コーナーで不利がありました。状態よかったのにハードラックでした。やっぱ府中の2,000mはコース形状的に難ありですね。改修できないものでしょうか。ナリタトップロードは、やっぱり状態もう1つでしたね。
 さて、馬券勝負…ですが、当初は全てワイドで買う予定だったものの、土壇場で馬連に切り替えてしまい、結果的に「ワイド総取り」を逃してしまうという大バカを演じてしまいました。悔やまれる…。今秋初勝利ではあるものの、たかだか880円。これじゃトンカツも食えんぞ。

(最終収支決算)

   (支出)−5,000円 + (収入)+5,880円 = (合計)+880円

   <今秋の合計> −20,120円(1勝3敗)

 

  

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