おもしろいゲームとは?
〜墨守より転載(1994年)〜
面白いゲ−ムっていったいどんなものなんでしょうか? やっていてたのしいもの。 目新しく、誰がやっても新鮮なもの。 困難を苦労して乗り切るもの。 ・・・まあ挙げてみればこんなものでしょう。 時間を忘れてつい何時間もやってしまうようなゲ−ムがやっぱり面白いものなんでしょうね。
でも、自分の分身であるキャラクタ−が他のなんらかの思考を持ったいわゆる悪役などと呼ばれてしまうような存在よりも”優位”にたつということがほとんどのゲ−ムの行き着くところではないだろうか。 そこに行き着くまで、時にはいわゆる悪役よりも”劣位”になることもあろう。 でもやっぱり最後には自分の分身であるキャラが”優位”になるし、ならなければならない。 ならなければ大抵ゲ−ムオ−バ−。 ちゃん、ちゃんである。
ここで困ったゲ−ムのひとつに無限コンティニュ−というのがある。 クリアするまでやれともいわんばかりである。 苦労して困難を乗り切るのだが、それが何度でもできる。 人の人生にたとえるなら不老不死とも言えよう。 ・・・緊張感のかけらもない。 これは最近のある程度完成されたRPGのセ−ブやロ−ドなどもそれといえる。 ボスの前にセ−ブポイント。 最強最大のボスにパーティ−がこれから挑むのであるが、これなら全く以て大安心である。 わたしが先に挙げたゲ−ムの面白みの中の困難を苦労して乗り切る、つまり達成感が損われてしまう。 さすがに何十時間もかけて育てたキャラがやられて、最初から・・・となればかなりくやしいが、そんなゲ−ムがあってもおもしろいのではないだろうか。
ゲ−ムクリアまでに丸々3日を要し(もちろん死ねばやりなおし)、リアルタイムでポ−ズ機能はなし。 プレイヤ−が死なない程度の食事やトイレや睡眠の時間などもあるていど用意されているそんなゲ−ム。
・・・はっきしいってばかげていてナンセンスとも言えるが、3日の休暇(学校や仕事の)をとって3日分の食料を買い込み、万全の体制でそのゲ−ムをクリアしてしまう輩(やから)がいたとすれば、わたしはその人に敬意をひょうしたい。 クリアしたその人も、あたかも「人類初のヒマラヤの頂上制覇!」とか「時価数十億の徳川埋蔵金発掘!」とか「欽ちゃん走り会得!」などといっためまぐるしい感動の渦に巻き込まれることはまず間違いない。 3日目にようやくたどり着いたボスを前にやられてしまったくやしさなどもそれの逆ベクトル要素を持っている事だろう。 「たかがゲ−ム されどゲ−ム たかが麻雀 されど麻雀」という言葉があるが(誰か知ってるかなぁ?)、ここまでくれば”たかがゲ−ム”などともいってられない。 こんな壮大かつナンセンスなゲ−ムもあるイミ、”面白いゲ−ム”と言えるのではないだろうか? でも、もしそんなゲ−ムがあったとしても、わたしゃ買わんし、やらんがの・・・。(オチ)
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