ノストラダムスのどわぃ予言


〜墨守より転載(1994年)〜

 これから書く内容は事実、日本全国を恐怖と絶望のどん底に陥れることができる事が可能な極めて現実的かつ恐ろしい内容であるので心して読むように。

 現在に至るまでの長い歴史の中で、ベル等が発明した電話機をはじめ長距離情報伝達端末機が発達してきました。 新技術の発達はめざましく、ラジオやテレビはもとよりテレビ電話やデジタル回線の普及などこれからも進歩してゆくことであろう。
 そんな中でもっとも身近なテレビを取り上げてみよう。 ‥‥‥日本におけるテレビの普及率はめざましく、かつて「三種の神器」と呼ばれる時期もあったほどだ。 それどころか、現在では一家に一台は当たり前なのが現状で、そのテレビという電化製品は進化をとどめることを知らない。 ブラウンがブラウン管を発明し、真空管はトランジスタへ‥‥‥。 入出力系もRFからビデオDIN、Y/C系のS端子、RGB‥‥‥などなど数え上げればきりがありません。
 そして近代における最大のテレビ大発明といえば何といっても『リモコン』であろう。 リモコンは離れて見るテレビのチャンネル切り替えをわざわざ近づいてスイッチを押したり、ダイアルを回すといった面倒な作業を遠いところから切り替える事が可能で、そのほかにもそのテレビが有している様々な機能をリモコン一つで切り替えることができるのです。 もはや誰もがリモコン無しのテレビでは満足できないであろう。

 さて、大変便利な『リモコン』を再確認してもらったところで、本題に戻ろう。

 夏の暑い夜、ほのかな蚊取り線香のにおいをかぎながら、父 山本 たけし(39歳)、母 さえ子(40歳)、子 よし男(9歳)、とも子(13歳)が茶の間を囲い、テレビを見ていたとしよう。 ちなみにたけしとさえ子は恋愛結婚で、さえ子はバツイチである。
 家族はちょうど夕食を終え、たけしはビールをあおり頬(ほお)を赤らめ、さえ子は好物の濃いめのお茶を飲んでいる。 時間は8時ちょいすぎ、テレビではCMあけに2人のお笑い芸人がコントを繰り出している。 家族はそれに夢中で「楽しいな楽しいな」状態である。 まさに一家団らんの一時である。
 ‥‥‥するとどうだろう。 テレビのチャンネルを変えたとき特有の一瞬のブラックアウト状態になり、何やら他局の怪しげなドラマに切り替わる。 一瞬の出来事だ。 そしてそのままの番組はそのメインエベントである濃厚ラブシーンに突入!! ‥‥‥家族はその唐突な出来事にじわじわと理解を表し始める。 そのときの家族の気まずい雰囲気!
 たけしはさっきまで大口を開けて笑っていた口がそのままだし、さえ子は編み物をしていた手を止めているのを気づかず、テレビを見つめたまま。 とも子は俊敏にその内容に気づいたらしく、恥じる気持ちでうつむきつつテレビに耳を傾けている。 よし男はなんのこっちゃ分かってない(笑)。 しばしの沈黙。 そしてたけしがわざとらしい咳払などをし、「ああ、いかんいかん‥‥‥」などといってチャンネルを元に戻したり、必要以上にで大きな声を出して「さあて、風呂でも入るか!」などと言い放ってその場から離れてしまうのであるが、 最悪の場合 たけしがチャンネルが変わってしまった事に気づかずにそのラブシーンに見とれてしまい、家族からの信頼度を失い、かつ、さえ子からの冷ややかな視線をこれでもかと言うほどに浴びてしまうのである。
 このようなことが日本中で起きたらいったいどうなるのだろうか。 日本中のこの "気まずい空気" のエネルギーは計り知れないものになり、このエネルギーの総量は核爆弾4個分、東京ドーム16杯分、積み重ねると月まで5往復半にも相当するのである。 そうなればこの日本は沈没してしまうことうけあいである(なんのこっちゃ)。

 これって、ほんとに可能なことなんですよね。 各社共通で使えるリモコン(とはいっても信号は違うが)もあるくらいだから、その信号を解析し、衛星からその電波を照射すれば以上の事柄が本当に可能になってしまうわけです。 てなわけでこれが1999年7の月に訪れるという恐怖の大魔王の正体なのだ(断言)。 いやあ、恐ろしいですねぇ(他人事)。


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