サブノートはいつ本物の携帯パソコンになるのか

サブノートって言葉は、今も使われているのだろうか。私にとっては、ほろ苦いトホホ経験の一部ですが。

持ち運びができて、蓋を開くとキーボードと液晶ディスプレイが現れるタイプのパソコンは、10年くらい前にラップトップ・パソコンという名前で普及し始めました。当時は日本人の膝の上にはとても収まらないくらい重かったのですが、ともかく持って歩けるパソコンとして重宝しました。そして、数年で文字通りノートと同じくらい占有面積になって(ノートにしてはとても厚いが)、ノートパソコンとか、ブックサイズのパソコンなどと言われるようになった。たぶん、ノートパソコンの形が決まってきた1990頃が、これが持ち歩けるパソコンに進化するのか、それとも省スペースのデスクトップパソコンとなるのかの、別れ道だったのだと思います。結果は、デスクトップと同じ速いCPUを搭載して、ハードディスクもメモリーもデスクトップと同様、さらにはカラー液晶も付けて完全にデスクトップパソコンの省スペース版に進化して行ったのです。ラップトップの名残で電池はついているが、電池で動作させる機会は買ってから捨てるまで一度もなかったりする。この選択は、ユーザーではなくメーカーとマスコミがしたのだと私は思います。特に、マスコミはデスクトップパソコンと同じ判断基準で、ノートパソコンを評価しました。つまり、プロセッサの速さとかハードディスクの大きさとか。誰も、バッテリー駆動時間なんかでは比較しなかった。

ノートパソコンが省スペースのデスクトップパソコンの一種となった5年程前、本当に持って歩くことが出きるノートパソコンとして、サブノートが世の中に出てきました。これの大きさはB5版くらいで重さは2kg以下、CPUには低消費電力版のCPUと節電機能がついて、バッテリーで4時間ぐらいは動作するものでした。電子手帳と違うのは完全にアーキテクチャがパソコンと互換でDOS/VやWindows 3.1の動作が可能と言う点。サブノートという言葉をメーカーは使わなくなっていますが、今出ている製品では、IBMのThinkPadのラインアップで言えばThikPad 535Eが一番近いでしょうか。重さは1.7kgで寸法は247(幅)×186(奥行)×41(高さ)、バッテリー動作時間はカタログ値で2.7時間です。私は4年前、Windows3.1が使えるというので、Handi-PC486という台湾の会社が作ったパソコンを職場で買いました。25MHzの486SLという既に販売を止めていたCPUと、4MBのメモリーと80MBのハードディスクが入っていました。重さは1.5kgで寸法は255(幅)×169(奥行)×35(高さ)、最低4時間のバッテリー動作が可能でした。買った時点で、パワーマネジメントのBIOSにバグがあって、後で書き換えてもらったりしましたが、何と言ってもショックだったのは、一年後くらいにメモリーを増設しようと問い合わせたら、製造元が無くなっていた...。これが、尾を引いて、いまでは、使い道のないパソコンになっています。4MBのメモリーで動作できるソフトが限られているのもありますが、何と言っても、既に入手不可能となっている電池がくたびれてしまって、電源のないところでは使えなくなっている。今のオフィスでは、Windows3.1がやっとこ動くようなパソコンの出番は、あまりありません。これが、トホホですね。

今売られているパソコンで一番携帯性に優れているのは、東芝のLibrettoですね。210mm(幅)×115mm(奥行)×34mm(高さ)という大きさと、850gという軽さはサブノートというより電子手帳に近くなっています。ただし、高性能なCPUは動作時間を1.5時間と短くしています。今はさらにインターネットとの接続性が問われているので、通信しながらの消費電力の増加は避けられません。ですから、本気で電源のないところで使うなら拡張バッテリーは必需品となるでしょう。この、動作時間とパソコンとの互換性のトレードオフが、さらにサブノートを変えつつあります。それが、RISCアーキテクチャのCPUを使ったWindowsCEベースのハンディパソコン(H/PC)です。これには、MibileGearとか、Cassiopeaがあります。大きさと軽さはLibrettoに近いですが、動作時間がけた違いに長く、しかもデータレベルでWindows95マシンとの互換性を持たせています。フロッピーディスクは無くても、パソコンを経由してソフトをインストールすることが出来ますし、OSもROMの交換でアップグレードが可能となっているところが、ザウルスのような買ったきりの電子手帳とは異なっているところです。すると、これからはWindowsCE一色になるのか、というところが興味のあるところですが、私は、ここ半年くらいの間でWindowsCE Ver2が普及したときに見えてくるのではないかと思います。あるいは、パワーザウルスを売っているシャープが、日本でもWindowsCEマシンを売りだしたら、WindowsCEマシンも本物ということなんでしょうね。

余談ですが、WindowsCEで使われているRISCのCPUでシェアを延ばしているのは日立だそうです。

1997.10.17
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