ミニノートってなんなんだぁ

街角で怪しげなおっさんが囁く、「おにいさん、今年のボーナスでパソコン買うならミニノートがお買い得ですぜ。アメリカでもすっごく評判なんだから..」「へー、でも、それって何なの。サブノートのことじゃないの。」おっさんは、曖昧な笑いを浮かべながら繰り返す、「なんてったって軽いからさぁ。おっと、そこ行くサイバーなお姉さん..」おじさんはいきなり雑踏に消えてしまう。おっさん、おっさーん、それって、なんなんだよぉ。

どうも、小型ノートパソコンの世界では、ミニノートと名乗っている製品と、サブノートと名乗っている製品があって境界がよく分からない。いろいろ、インターネットに公開されている仕様書を読んでいると、少なくともA5サイズでWindows95が載っているものはミニノートと言ってまちがいないが、B5サイズのものはメーカーによって最小のノートパソコンという所もあってグレーゾーンの様子。でもね、下の表を見ると、値段に248,000円とついているのはミニノートと言ってもよいのかなとも思えます(笑)。

最新の表は小型ノートパソコン情報を参照してください
名前 価格
(円)
重さ サイズ(mm)
WxDxH
電池動作時間 ディスプレイ RAM HardDisk モデム CPU Webページ
リブレット
(PA1260CA)
268,000 850g 210x115x34 3.6h
(option)
6.1inch
TFT
カラー
(640x480)
16MB 1.6GB PC Card MMX
Pentium
(120MHz)
Libretto
モビオ
(PC-MB12
CUDC1)
248,000 800g 210x141x29 3.5h
(option)
6inch
STN
カラー
(640x480)
32MB 約1.6GB PC Card MMX
Pentium
(120MHz)
mobioNX
AMiTY CN
3011-J24P1
298,000
(参考)
1.1kg 235x170x34 7.5h
(option)
7.5inch
DFPassive
カラー
(640x480)
16MB 1.2GB PC Card Pentium
(133MHz)
AMiTY CN
BIBLO
NC13D
248,000 1.1kg 230x170x35 2.5h
(option)
7.2inch
DSTNカラー
(640x480)
16MB1.0GB 33.6Kbps Pentium
(133MHz)
BIBLO NC
Endeavor
NT-100
240,000 1.2kg 235x173x33 2.5h 8.4inch
TFTカラー
(640x480)
24MB2GB PC Card MMX
Pentium
(133MHz)
NT-100
モーバイルギア
(CS12)
89,000 400g 175x97x27 40h モノクロSTN
(480x240)
8MB 無し 14400bps 64bitRISC MibileGear
ThinkPad
535E
(2606-36J)
349,000 1.7kg 247x186x41 2.7h 10.4inch
TFT
(800x600)
16MB 1.6GB 28.8Kbps MMX
Pentium
(150MHz)
ThinkPad
535E
MS-Word, Excelなどがプリインストールされたグレードを比較していますが、エプソンダイレクトのEndeavor NT-100のみは、これが別売になっています。

この表は、各社のミニノートらしいものを並べたものですが、必ずしも、メーカーがミニノートと言っているものではありません。アメリカのニュースWebサイトのNEWS.COMなんかの報道を見ると、東芝のLibrettoはミニノートと言ってよいようなので、これの対抗機種をならべただけです。だからか、定価が248,000というのが多い。多分、これはミニノートの先駆者、リブレット様がターゲットだからでしょうね。あと、重さが850g以下という仕切りもある。富士通のBIBLOの場合は値段はミニノートですが、大きさがB5版(A5ファイルサイズとも言うらしいが..)で重さが1kgを越えているので、どちらかというとサブノートに近いと思います。ただ、大きさでは一概にいえないものもあります。例えば、NEWS.COMがLibrettoの対抗機種と言っている三菱電機のAMiTY CNという機種は、重さも大きさもBIBLOと似ています。ただ、この機種にはオプションの大容量バッテリーを付けると7.5時間使えるという特徴がある。値段は、ホームページで見つからないので、DOS/V PowerReportと言う雑誌から引用しました。

ミニノートの世界は定義が曖昧というところですが、ハンディPC(H/PC)であるモーバイルギアや、最小のノートパソコンであるThinkPad535Eと比較すると、やはりマーケティングは明らかに違うようです。例えばH/PCとの違いは、ともかくデスクトップ機と同様にWindows95が動作すると言う点。だから、ハードディスクは必要だしメモリーもそこそこいるし、ディスプレイもVGAは必要だし、その結果CPUはPentiumで電池動作時間は2-3時間というところに落ち着いてします。大きさについては、Librettoがアメリカでキーボードが小さすぎると不評らしいので、すでに十分小さいところまで来ているようです。一方の、一番小さいノートパソコンが売りのThikPad 535Eとミニノートを比べると、まず、重さが半分で大きさが一回り小さく、値段も一回り小さい(^^)v。犠牲になっているのは、ディスプレイの大きさとキーボードの大きさくらいですが、消費電力を気にして遅いCPUを使っているので、実際は動作速度も一回り遅いのかなとも思います。使っていないので想像だけですが。

さて、こんなミニノートですが、どんな人種が使うんだろう。私の想像ですが、たまに出先でExcelとかWordを見る必要がある人で、職場にそのデータを作るデクストップのWindowsマシンをもっていて、一日に数回電子メールを使う人..かな。多分、この電池駆動時間では、電源のない場所ではExcelなどでデータを作ったりするような、ちゃんとした仕事は出来ないと思うのですね。だから、Excel、Wordはあったとしても出来合いのデータを見るだけ。それと、Webをばりばりサーフィンするには、やっぱり電池が寂しいので、インターネットも瞬間芸の電子メールが実用的な範囲だろうな。電池駆動で40時間使えるというスペックのモーバイルギアでさえ、内蔵モデムを使っていると6時間で電池がなくなるとインターネットマガジン11月号に載っていましたからね。拡張バッテリを付けると3.5時間使えるモビオでも、PC-CARDモデムでインターネット接続すると30分で電池切れアラームが出る計算になります。

そんなわけで、ミニノートとは、たまに外に出て仕事をしようって人向けの、データ持ち運び用パソコンなのでしょうか。いや、もう一つ、超省スペースのデスクトップパソコンという使い道があります。小さいとは言っても、Windows95が動作する一人前のパソコンです。PCカードを使えば、SCSI対応のCD-ROMなどもつながりますから、市販のCD-ROMソフトも使うことが出来ます。家にも一台パソコンが欲しいけどデスクトップパソコンなんて置く場所がない、そんな人には最適かも。引き出しに入れておけるしね。

1997.10.30

Endeaver NT-100を追加、AMiTY CNの値段を修正 1997.11.02

[関連記事]NECのMobio NXはアメリカでも販売される 1997.11.05

Librettoの情報を修正、モビオとの値段差はTFTとSTNの違いか。 1997.11.07

ひとつ戻る つぎに進む