どこが渋滞しているんだ

このホームページのメッセージボード(BBS)については、表示が遅いとかつながらないとか、時によってはサーバーエラーが起きるなんて苦情が、一部のユーザーと私自身から(^^)起きています。ここ以外にも、いっつも遅くて待っていられないWebサーバーはあるものですね。でも、原因が分からない。すぐに思い当たるのは、インターネットの回線が混雑していることなんですが。

そもそも自分のパソコンと相手のWebサーバーが、どういう経路で通信しているのか、という疑問に対しては、インターネットマガジンという、インプレスから出ている月刊誌の最後に綴じ込まれているマップが直感的です。このマップは、日本のプロバイダーの間をつないでいる回線を線で表示したもので、あまりに細かいので、自分のプロバイダーがどこに載っているのかを探すのも大変な代物です。この網の目のような図からは、例えば、biglobeからBEKKOAMEのホームページにつないだ場合、データはBEKKOAMEからNSPIXP2と言う接続点を経由して、送られていることが分かります。ただ、この図は、つながっているという事実だけを示したもので、自分の受けた信号がどこを経由しているのかは、この図からは分からないのです。そもそも、OCNからbiglobeの場合のように複数の経路がある場合もありますし、自分のアクセスポイントからプロバイダーの出口までの道筋は、この図には表示されていません。

それでは、自分のデータがどこを通っているのかという経路情報は、まるっきり薮の中かというとそうでもないのです。特に、windows 95のユーザーであれば全ての人が経路情報を知ることができます。これが、「禁断のtracertコマンド」です。なぜ禁断かというと、このコマンドの動作原理がネットワークを混雑させる原因になるからです。このコマンドは、目的地に至る経路上にある全ての中継点を、いちばん近いところから順番にたどっていきます。辿るたびに中継点と自分の間を信号が往復するので、中継点が多い場合は、その数だけ信号が往復ことになる。ですから、みんながこれを使うと、それでなくても混んでいる中継点がさらに混雑することになるのです。そもそも、tracertという名前はUNIXのtracerouteコマンドから来ているものらしい。tracerouteコマンドは、インターネットに接続しているサーバーの管理者が、データの転送ができないなどの障害が起きたときに、どの中継点で経路が切れているかを調べるためのものなのです。だから、このコマンドが、近所のおばさんが使うかも知れないWindows 95に、おまけで付いている理由が私には分からない。ちなみに、Macintoshの場合には、このソフトはOSに付属していないので、フリーソフトかシェアウエアをとり寄せる必要があります。traceroute (tracert)がどのような情報を表示するかを知りたければ、ここををクリックしてください。

上のリンクをクリックして表示される情報は、TAMA Internetというプロバイダーから、NSPIXPというプロバイダー間の接続点までの経路を示しています。ここに至るまでに通る中継点のドメイン名からは、どこのプロバイダーを通しているかが分かるので、こうしたtracerouteの出力とインターネットマガジンのマップを合わせると、かなり正確に経路が辿れます。ただ、このソフトはIPアドレスからドメイン名を割り出すのに、DNS(ドメインネームサービス)というインターネットの機能を使っているので、このサービスに登録されていないアドレスの場合はドメイン名が分かりません。この場合は、JPNICというIPアドレスを管理している機関のサーバーで、表示されたIPアドレスがどのプロバイダーに割り当てられているかを検索することができます。さて、このtracerouteの出力に信号の往復時間が表示されるのを見て、これで、どこが混雑しているのか分かると思った人もいるでしょう。でも実は、この数字は刻々変わるのでちっとも参考にならないのです。だから、このコマンドを連発して混雑場所をみつけようなんて考えないでください。

経路は分かってもどこが混雑しているのか分からない。往復時間だけが分かるらしい..、という程度じゃ納得いかーん、という方もいらっしゃるでしょうね。でも、ホームページを表示するだけとは言え、サーバー自身の動作速度も含めて、いろいろな要因があって速さが決まるものだから、誰かをつるし上げるのは簡単でも、えん罪の可能性は大きいのです。ネットワークを流れるデータは、合流や分岐のある竹で流しそうめんをしているようなもので、瞬間瞬間にあっちこっちで混雑が起きているのです。それでも、ネットワークがいつ混雑しているかを知りたい方は、プロバイダー同士の接続点にあるNSPIXPトラフィック図を見てみるとよいでしょう。これによると、インターネットは朝の6時から8時の間に空いているようです。そもそも、一般の交通事情とインターネットの大きな違いは「ユーザーは経路を選べない」点です。だからといって、インターネットマガジンのマップを見て、太い線を使っているプロバイダーに契約すれば、どことでも快適につながるというわけでもない。相手が、遅い回線を使っていたり、そこにつながるまでの経路に混雑する中継点があれば同じことが起きるのです。強いて言えば、異なる第一種・特別二種プロバイダーにつながった、複数のプロバイダーに加入していると良いかも知れませんね。遅かったときに、もう一つのプロバイダーでつないでみて、やはり遅かったら諦めが付くでしょうから。

1998.01.16
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