覚えの無いとこからメールがくるが

珍しく海外からメールがやって来た。聞いたことの無い名前だし、ドメイン名も初めて見る。「あなたのアドレスが或る電子メールリストに載っていたので、お送りしました」で始まる手紙の用件は、この人のウェブサイトを見て、感想を送ってくださいということらしい。試しに、書いてあるURLにつないでみると、どうやらホームページ作成のコンサルティング会社の宣伝のようだった。まあね、アンダーグランドなサイトではなかったから実害もないけど、どうやって私のメールアドレスを手に入れたのでしょうか。こういう見知らぬ相手からのメールはアメリカからのものがほとんどで、中には宝くじを買いませんかみたいなのから、この手の宣伝電子メールを撃退する方法を教えますみたいなものまであります(^^;。

こうした勝手に送り付けてくる宣伝メールはSPAMというのに属するのですが、これについて詳しく知りたい方は、SPAM Information Pageが参考になります。SPAMは全世界的な問題で、インターネットを語るときに必ず登場する言葉です。ただ、今回の私の興味は、一体どこから彼らが電子メールアドレスを集めているのかというところです。私の職場に送られてくるということから、職場から私が電子メールアドレスを教えた先から漏れている可能性があります。でも、こういう機会は多くて、例えば、Webブラウザのプラグインをインターネット経由でダウンロードするのに、サインアップを求められることはざらです。他にも、海外の会社が作っている業務用ソフトのレジストレーションカードには、必ず電子メールアドレスの欄があります。もちろん、宣伝メールの中には、こうした登録先からのバージョンアップの案内などもあります。しかし、冒頭に書いたような、見知らぬ相手からの電子メールというのも、数は少ないけどあるのです。

仮に、ソフトメーカーのデータベースから漏れたのでなければ、電子メールを出しているところが海外であるということと、電子メールの宛先が私の職場ということから、情報の出所はしぼられてきます。そこで思い当たるのは、私が加入しているアメリカの技術系の学会。会員登録に電子メールアドレスの欄があるし、会員名簿にも、しっかりと電子メールアドレスが入っているはずです。こうした名簿が、会員から名簿会社に売られていることは当然予想できますね。敵は、こうしたメールアドレス付きの名簿を元に世界中に電子メールを飛ばしているのでしょう。日本の場合は、今のところ、同窓会名簿なんかを元に電話勧誘するのが普通ですが、そのうちに、こうした名簿にも電子メールが登録されるようになって、メーリングリストを使った勧誘SPAMが横行するようになるでしょう。ところが、実はすでに私のところに、日本語で宣伝メールが来ているのですよ。

このメールは、明らかにどこかのアダルトサイトを運営している会社からのもので、会員登録をお勧めしますみたいな内容のものです。しっかり、メールの中にそのサイトのURL(httpで始まるアドレスのこと)が書き込まれています。思わず、クリックしそうになりましたが、もしかしてそれが狙いかも知れないので、思い止まりました。電子メールの転送ルートを見たところ、どうも送信元を誤魔化した形跡があるので、こいつはいわゆるアンダーグランドな世界からの電子メールのようでした。しかし、この場合は、いったいどこから私のアドレスを知ったのでしょうか。そりゃ、どこかのエッチサイトの体験ページを見るのに電子メールアドレスを入れたなんてことが一度でもあれば、あのときかぁ、と思い当たるところですが、そんな記憶もない(^^;。すると、残された可能性は、誰かが私の電子メールアドレスを使って、アダルトサイトの体験ページに入ったっつー事ですね。幸い、このメールは、その後届いていませんが、相手が相手だけに気持ちは悪い話です。

電子メールアドレスなんて、そこから直ぐに住所が割れるわけでもないので、安心してサインアップの時に書き込んだりしてしまいますが、書いたら最後、どこに流れていくか分からないものです。日本では、まだ電子メールを使った悪徳商法は表に出ていませんが、影ではマルチ商法まがいの形犯罪の一種となりつつあります。こうした被害は、電子メールアドレスが独り歩きしたときから始まるわけで、たかが電子メールの宛先だからって馬鹿にならないのです。だから、基本的には知らない人から自分に電子メールが送られてきた場合、内容に思い当たる節が無ければ無視することです。この先、電子メールやWebといったインターネットサービスを使いこなすほど、この世界の暗黒面に触れる確率も高くなるということを覚悟しておきましょう。

1998.04.10
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