2000年とサマータイムがやって来る

21世紀が近づくにつれて、2000年問題ってのがクローズアップされてきましたね。企業で枯れたソフトを使っているところでは、お金をかけてソフトの更新をしているところでしょうが、パソコンユーザーだって他人事ではありません。さらに、それに加えて日本では、サマータイムなるものも導入されようとしていますから、暦にからんだコンピューターユーザーの悩みはしばらく続くようです。

2000年問題については、1月28日づけの読売オンラインに「元日の船舶で前兆」という題の記事が載っていました。これによると、「ある船舶では協定世界時の一月一日午前零時ちょうどに、エンジンや航行装置などの機械運転記録装置(データロガー)の電源が落ちた」ということです。この問題は、致命的ではなかったようですが、似たような現象が2000年正月にも起きる可能性があります。まさか、車のエンジンが正月早々止まってしまうなんてことはないでしょうが、新幹線や、空港の管制用計算機がエラーを起こしたりするようなことが無いように祈りましょう。こうした、2000年問題は、ソフトがどのようなデータ形式で日付を扱っているかで異なるので、すべての計算機がこの問題を抱えているわけではありません。たとえば、Macintoshには、こうした問題はありません。1984年に売られたMacintosh 128Kでさえ、2040年の2月6日、午後6時28分15秒までまで使えるんだそうです。パソコンではMS-DOSやWindowsといった、インテル系のCPUで動くOSで2000年問題が出ていますね。マイクロソフトのOSについては、対応表がでています。これによると、Windows 98やWindows NT 3.51以降については、サービスパックや修正ソフトを使うことで対応しているようです。Windows 98以前のOSについては、まだ報告が載っていません。もっとも、パッチを当てないで使っていても、2000年になった途端にソフトが止まるようなことはないと思いますが。

もちろん、OSに問題がある場合は、その上で動作するアプリケーションソフトにも問題がでる可能性があります。ですから、これは世界をあげての大騒ぎであるわけです。特に、企業の中のパソコンについては、数が多いだけに頭が痛いですね。規模の小さな会社だと、まだ、数年前のMS-DOSで動いている文字ベースのソフトだってあるだろうし。こうしたソフトが走っているパソコンは、古い機種もあるでしょうから、単純にMS-DOSをWindows 98にバージョンアップすれば済む話ではありません。古いパソコンといえば、独自のアーキテクチャだったPC-9801とかはどうなんでしょうね。これは、NECの2000年対応のページに載っています。面白いのは、なつかしいPC-6000シリーズなんかは、返って問題がないことですね。理由は、「カレンダー機能なし」だからってのが笑えます。PC-8000シリーズは、もともと下二桁しか数えないのでハード自体に問題はない(^_^)ってことらしい。PC-980XAなど1986年10月以前のPC-98シリーズも年を自分で加算しないし、閏年も自分では処理できないので、これも2000年問題とは関係ないようです。なんだか、機能がもともとなかったから問題にならなかったみたい(^_^)。もっとも、その機種で使っているOSやソフトに問題があれば仕方ないですが、ここの情報によると、MS-DOSについては2000年以降も、日付の設定で西暦を4桁でいれれば問題ないように書かれていますね。うーん、問題は単純ではないようだな。意外や、「うちのパソコンは15年使ってるけど、何ともないね。なんか問題あったの?」とか平気で言うおっさんも居たりして。というより、それだけ長く使えているパソコンの方が奇跡のような気もするが(^_^;。

むしろ、サマータイム問題の方が、パソコンは正常に動くだけに問題になりませんかね。この話に付いては、資源エネルギー庁の説明があります。早い話が、日の出の早い季節は、一時間時計を早めてみんなを早起きさせ、その分、早寝させることで照明代を浮かそうということのようですね。これで、環境問題で世界に約束した、炭酸ガスの削減目標である6%をクリアしようということです。それ自体は、特に反対することでもないのですが、パソコンの立場は微妙ですよね(^_^)。閏年は勝手にやってくれるけど、今のOSはサマータイムは考えてくれないからな。自分で、一時間進めても良いけど世界時計も全部進んじゃうから、海外との時差が問題になるようなソフトだとやっかいですね。すると、またまた、2000年問題のようにソフトを対応させる必要が出てくるんでしょうか。このサマータイム問題については、「地球環境と夏時間を考える国民会議」なる機関が、定期的に議論しているようです。これの、議事録の要約をインターネットで読めます。もちろん、この中でもパソコンなどの計算機のOSを対応させるのに金がかかるのではないかという議論が出ています(ページの下の方に少しあります)。しかし、ここでの議論はおおむねプラス指向(^_^;なので、多少の問題があっても背に腹はかえられない的に終わってしまいそうですね。

でも、本当に問題にならないのでしょうかね。少なくとも、OSの時計を自動的に進ませるような仕組みが必要だと思うのですが。これって、パッチで済むのかな。すでにサマータイムを使っている、アメリカなどではどうやってるんでしょうか。きちんとした動作を期待するなら、やっぱりOSで対応するんだろうなぁ。ってことは、お金がかかるのは確かでしょうね。誰が払うんだか知りませんが。でも、そうやってパッチが出たとしても、パソコンを使っている人全員が、こうしたサマータイムに対応した手を打つとは思えませんから、当面、夏の間はいつも一時間遅れている人が出ますね。そんなもん、なんてことないじゃないかという意見もあるでしょうが、最近のパソコンはネットワークにつながってますから、自分だけでもすまないのですね。たとえば、電子メールの場合は、メールソフトに相手が投函した送信時間が表示されますが、あの時間はメールホストの時計ではなくて、パソコンの時計の時間が入るのですね。だから、未来から送られてくる電子メールを受けてしまうこともあります。この人は、国内なのに、いつも一日以上かかってメールがくると思っていたら、原因はパソコンの日付がまちがっていた、なんて現象もあります。同じようなことが、サマータイムが導入されたあとで起きるかもしれません。まぁね、だから困るかといえば、たかが一時間なんだけど(^_^;。

私の場合、職場では主に使っているのがMacintoshだから余裕ですけどね。家で使っているのも、MacintoshとMS-DOSで動くPC-98だから問題なさそう(^_^)。問題は、職場に何台かあるWindows 95/NT/3.1マシンですね。Windows NT 4.0は、サービスパック4をあてるか、今のサービスパック3にパッチをあてるか迷うところですね。Windows 95とWindows 3.1については、マイクロソフトの対応待ちです。Windows 98へのアップグレードのあるマシンもありますけど。それをするほうが、2000年問題よりも問題の種になっちゃうかもしれないし。なんだかんだいって、2000年はくるわけですから、今年は自分のパソコンにいつパッチをあてるか、他の人の様子を見ながら対応しましょう。結局、ぎりぎりまで今のパソコンを使って、Windows 2000プリインストール版がでたら買い替えるのが、一番問題がなかったなんてことにはならなきゃいーけど(^_^;。

1999.01.29
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