検索サイトが面白い

先日、ここの検索サーバーページをメンテしていて、ほんの2年くらいでサイトが統合されたり、消えたり、見かけもサービスも変わっているのに気がつきました。そこで、今回は検索サーバーについての雑談です。

そもそも、Web(World Wide Web)の最初の目的は、インターネット上での情報の交換にありました。一種の、全世界的なマルチメディアのデータベースで、そのためにハイパーリンクという、他人の情報を自分のページに表示して表示たり、そこへ移動できる方法が使われました。この「自分のページに」という点は完全に著作権とぶつかる部分なので、WWWの始めの頃に比べて、かなり制約を受けるようになりましたが、それでも、関連する情報を芋づる式に追っていくという便利さは生きています。ただ、WWWのサイトが急増して、膨大な数のページが作られていくと、相互リンクを追っていく方法では情報を集めきれなくなりました。そこで、そうした情報を口コミやら自己申告で集めて、一つのホームページに整理したのが、Yahooをはじめとする検索サイトの始まりです。

始めの検索サイトの形は、管理者の趣味でカテゴリ別に整理したリンク集だったので、トップページから、「ソフトウエア」>「ゲーム」>「パソコン」>「ウィンドウズ」といった具合に目的に向けて絞り込んでいく方法でした。キーワードを考えなくても良いという使いやすさがあるので、Yahoo[yahoo.co.jp]などのように今でもこの方法は生き残っています。しかし、これのデメリットは、キーワードに該当するサイトが増えてくると、スクロールしないと全体が読めないような、巨大なリンクページになるということです。したがって、Yahooは申請されたページを全て登録するのではなく、サイト管理者が自分の意図で選択するという方法をとらざるを得なかったのです。ただ、こうすると、選択する基準が利用者と一致しない場合、利用者にとって欲しいサイトが見つからないということになります。また、登録サイトを厳選すると、来訪者が多い人気サイトは、さらにアクセスが増え、読む人が少ないサイトは、内容が良くてもアクセスが増えないということにもなります。

そこで、収集したデータベースからキーワードで目的のサイトを見つける、検索エンジンというソフトが考案され、Google[google.co.jp]のようにキーワードで検索するタイプの検索サイトが生まれました。Googleのトップページには、利用者の参考になるキーワードは見当たりません。利用者が、自分で検索窓にキーワードを入れないと始まらないシステムです。これが、初心者に向かないという意見もあるかもしれませんが、私は、もっぱらGoogleを使っています。理由は、スカもたくさん引きますが、ともかくいろいろなサイトを見つけることができるのと、見つけたURLの下に、キーワードを含むページ内の文字列が表示されるので、そこを開く前に見当をつけることができるという点にあります。ただ、一方で、この検索方法は明確なターゲットがない、暇つぶしでインターネットをさまようような目的では使えないというデメリットもあります。そんな人には、キーワードや広告でページが埋まったような検索サイトから入るのが良いのかも。ま、Googleもトップからも、ディレクトリというリンクをクリックすれば、カテゴリ別のメニューに入れますけど。

昔話に戻れば、Webが普及するにしたがって、検索サイトは一番人が集まるWebサイトになっていきました。すると、当然、そこを広告に使う営利サイトも出てくるわけで、そこから広告収入をとることも可能になります。つまり、ビジネスになってきます。その後、商売を目的にした検索サイトがいくつも立ち上がった時期がありましたが、結局、現在は本当に検索するために使用するサイトと、ポータルサイトの二つに分かれているように見えます。前者は、Googleのような広告の少ない、検索に徹したサイト。後者は、Excite[excite.co.jp]のような、広告や検索メニューがにぎやかに並んでいる検索サイトです。ここでは、必要であれば、トップページから結婚相手を地域や年齢別に検索できたりもできます。それにしても、マジか、この機能は?

現在、世界で検索サイトがアクセス数を競争していますが、どのサイトを使うかについては国民性があるようです。例えば、欧米はMicrosoft, Yahoo, Googleが競っているようですが、日本はYahooだけが断然トップ[cnet.com]なんだそうです。私は、だいたいGoogleからスタートしますが、Googleは日本では14位です。つまり、日本人は検索するというより、キーワードなしにインターネットをさまようのに検索サイトを使っているのでしょうか。一方で、こうした熾烈な競争に勝つために、検索サイトもいろいろメニューを増やしています。例えば、イメージ検索。これで検索すると、インターネット上の画像がサムネールになって表示されます。結構、暇つぶしには面白いですが、ある特定のキーワードを使うと、むふふ画像系の情報がヒットするという問題が(^_^;。それも、普通はアンダーグランドで、とても見つけようとしても出てこないような写真が出てくる...こともある(^o^;。こうしたことが起きるのは、検索サイトの多くが、ロボットというプログラムでデータを収集しているからです。ロボットには、エッチもむふふも関係ないのだ。

ロボットは、インターネットのサイトを自動的に巡回しながら新しいページを探していきます。芋づる式に探すので、人気の無いサイトであろうが、無意味なサイトであろうが見つけてきます。これは、検索者にとっては、誰かの意思が入っていない分、自分の目的とするサイトを見つけられる可能性を増やすというメリットがあります。ゴミもたくさん拾いますが、そこから珠玉を拾い出すのは、検索者魂っていうか、職人の技ですな。それはともかく、一方で、本来闇の世界にあるべきページが、いきなり浮上するという危険性もあるということです。そう、データに善悪は無いのです。したがって、検索者の方で選択できないと問題が大きいのです。アンダーグランドだと思ったら、近づかない、開かない。むふふページも要注意です。当然、メールアドレスを聞かれても、安易に登録しないことね。

最近の検索サイトでは、人寄せに辞書機能をつけているところもあります。ま、辞書も検索の一種ですからね。ただ、これも、機能が簡単すぎると使いこなす気になれません。そのなかでは、Exiteの辞書[excite.co.jp]は優れています。英日・日英辞書は、例文までついているので、もはや電子辞書はいらない...に近い。ついでに、翻訳機能もあるし。この翻訳機能は、他の検索サイトにもついていたりしますが、利用には要注意です。原文が検索サイトに送られることを忘れないことです。翻訳した原文は、当然、ファイルに記録されて誰かに読まれる可能性があります。少なくとも、仕事で使うことはやめたほうが良いでしょう。仕事には、ちゃんと翻訳ソフトを買いましょう。他にも、URLを入れるだけでページごと翻訳してくれる[nifty.com]サービスも無料で使えます。もっとも、翻訳された文章から内容が推測できるかどうかは別ですが。

検索サイトは、インターネットのほとんどにアクセスできる入り口のようなものです。Mosaic(モゼーク)というブラウザが1993年に発表されてから、10年の間にWeb世界に多くの情報が蓄積されてきました。最近では、わからないことは百科事典よりWebに聞く方が早い時代になっています。(得た情報の目利きは必要ですが。)そういう意味で、私にとっては、Googleが百科事典になっていますね。一方で、暇つぶしのへの入り口、あるいは、人生の問題解決への入り口としても、検索サイトが使われるでしょう。うーん、暇つぶしであれば良いのですが、人生相談に使うときは、一度オフラインで考えてから行動しないと、集団であの世へ行ってしまう[asahi.com]結果になりますね。情報というのは、結論ではなく、結論を導くための材料です。インターネットは、人生へのヒントはくれても道筋は教えてくれません。わー、説教くさいこと。こんなことは書きたくないんだけど、なんか最近、腹が立ってきてさ。

2004.10.17
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