<3・4面>
午後1時、総監、柿沼広澄尊師の御導師にて勤行。続いて辞令授与式、先づ最初に「全国法華講連合会組織の件を許可する」旨の許可書が授与せられた。続いて、法華講全国連合会々長を命ずる旨、平沢益吉氏に辞令が授与せられる。役員として理事7名、幹事3名、会計2名が承認の辞令を各々1名づつ、柿沼総監より拝受して伝達授与式が終了。
正しい話し方、美しい言葉等、社会は個人ゝに人間関係をよりよくする為に、ことさらに種々の角度からいろいろな問題を我々にぶつけて来ますが、問題の解決は、個人を如何に攻めたとて根本的には解決されるものではありません。環境を含めて各個ゝの生活の在り方は個人ゝの差別発生に重要な役割を演じて居る事は今さら言うまでもありませんが、此の大事な環境は又個人に依って左右され、選択されて居るものであります。
世間に有る、いろいろな環境を数えたならば恐らく数え切れ無い程有る事と思いますが、信徒の環境に於いても同様の事が言えるかと思います。信を中心とした環境、又、行に重点を置いた環境、学に重点を置く環境、或いは信行に重きを置いたり、夫々の形態が有ると存じますが、此等は過去の必然的な要求の現われが流れとなって今日まで来た姿と思う次第です。
歪んだ社会環境からは当然不良児が発生して来る事は今さら申し上げるまでもありませんが、此の問題を信徒として現実の中で安心して行き切れるか否かと云う事になりますと、なかゝ重要な課題となって参ります。
近年の風潮として礼儀作法と云う事を嫌う傾向が出て居りますが、躾と云う事を忘れて行ったならば信心は大変な誤りであります。一般の人々の通念では、躾と云う事はだらしの無い者を仕込む事の様に解して居りますが、実際には礼儀作法に叶った身のこなしと云う事、即ち、理法に則った立居振舞いを身に付けると云う事になるものです。
此れを又、個々に押し付けて行こうとする事は、先に申しました如く大変なる誤りで環境の中で幼児の時から、親の信心の生活の在り方振舞いがそのまま理法に則った作法となって居り、此れが自然に子供達の身に付いて行く、若し此の作法から外れて行く時はすかさず厳しく戒め、反面、良く出来た時には此れを、ほめ勧める事は当然の事であります。理法に則った家庭及講中の環境は、無数に輩出する次代の信心の揺籃である事は申すまでもありません。更に又、此の作法は凡夫に依って作られる様な安易なもので無い事を補足して置きます。
謗法は十界互具の生命を知らずに生活致すが故に、自己自身の生命が尊卑一如の中で尊卑の分別をどの様に致すか教えられていないが為、当然其処には混乱が常に付きまとう結果になるものですが、此の混乱は内部の矛盾と其の時代の大衆の数で決定致す故に、災いは必ず何らかの形で社会全般に降りかかってまいります。
今、連合会全般を見て現われている信心の幾つかの是正すべき点を拾ってみましょう。
生活は前途に不安がありますと沈滞致します。信心も似て非なる物の分別がつきませんと沈滞して勇気を失い、何時か過去を懐かしく思う様になるものです。今我々に大切な事は前進する事であります。それには過去百年の歴史を深く掘り下げて近年の動き及び傾向速度を調査し、更に人間の欲望が現代を通じてどの方向に向っているかを加味して判断をすれば大略の見当はつくものです。
誠に難しい問題ではありますが、注意深く冷静に考えて行くならば、長い年月の間にはおおよその予測は信心の強固な人には出来る事です。其処で対策として具体的に自分等のやるべき事が決定されれば当然、先程の弊害は全部解決していく事になり、心は自然と明るく、毎日が元気よくなって来る事はあきらかであります。
個々の信心が云々でなく、今こそ「鉄は熱いうちに鍛えよ」と言われて来た教訓を一段と強固に実践して行く時が来ていると、固く信ずるものであります。
去る6月9日(日)午後1時より、常泉寺(東京)に於いて、法華講全国連合会組織の件についての許可書授与式、及び法華講全国連合会長の任命・理事・幹事・会計の承認の辞令授与伝達式が、御法主上人猊下の御名代として総監・柿沼広澄尊師の御臨席を賜り、富士学林長・佐藤日成尊能師、第二布教区副支院長・千種法輝尊師、本行寺住職・常泉寺執事長・高野永済尊師、一月寺住職・光久諦顕尊師の御出席を得、東京地区連合会法華講員約1200名が参集して、盛大に執り行われた。
教育に関心を持っておられる方ならどなたも、幼児教育が人間形成を成す上に大切な時期である事は御承知の如くであります。
等々、何故に此の様な姿が発生して来たかを検討して是正すべき所は大急ぎで手を入れ歴史の教訓から脱れなければなりません。