大白法

昭和54年9月16日号


主な記事

<1〜4面>

<5〜8面>


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総本山日顕上人猊下より訓諭



院第1号
             宗 内 一 般
 昭和54年8月21日
          日 蓮 正 宗 宗 務 院

 今般、阿部日顕猊下より別紙のとおり訓諭
が発せられましたので通達いたします。
 就ては、これを御諒承の上、檀信徒一般に
も周知せられ、訓諭の趣旨に副うよう御徹底
方御取計らい願います。
                 以 上


上記のごとく、宗務院から通達がだされました。就てはここにその訓諭を掲載いたしますので、法華講員一人も漏れなく周知せられるよう望みます。



訓 諭

日顕上人猊下


 野衲(ヤノウ)曩(サキ)ニ日達上人ヨリ血脈相承ヲ受ケ
本年7月22日 総本山第67代ノ法燈ヲ嗣ギ 本宗管長ノ
職ニ就キマシタ
 
 顧(オモ)ウニ近年宗門ノ教勢ハ隆々トシテ未曾有ノ進展
ヲ示シツツアルコトハ喜ビニ堪エマセンガ 亦タ此レニ伴イ
種々ノ障碍(ショウゲ)ガ惹起スルコトハ洵(マコト)ニ遺
憾デアリマス
 
 コノ秋(トキ)ニ当ッテハ 宜シク血脈法水ニ基ク和衷協
力ヲ以テ 統一的見地ニヨル諸般ノ匡正(キョウセイ)ト改
善ヲ図リ 教学ヲ振興シ弘教ニ邁進スルコトガ肝要ト思イマ
ス
 
 加ウルニ宗祖日蓮大聖人第七百遠忌奉修ニ関スル各般ノ記
念事業ハ一日モ忽(ユルガ)セニナシ得ズ 至信ノ行業ヲ以
テソノ完遂ニ嚮(ムカ)ワネバナリマセン
 
 野衲ハ徳薄垢重(トクハククジュウ)ニシテソノ器デアリ
マセンガ 伝燈ヲ継承シテソノ責務ノ重大ヲ覚悟スルト共ニ 
宗祖及ビ先師ノ遺訓ヲ体シ宗内一同ノ協力ヲ得テ宗門ノ興隆
ト広布ノ願業(ガンゴウ)ニ邁進スル決意デアリマス
 
 一宗ノ緇素(シソ)ヨク此ノ微衷(ビチュウ)ヲ諒セラレ 
三業ヲ正シ護持精進以テ宗門ニ寄与セラレンコトヲ願イマス
 
 右訓諭シマス
 
 昭和54年8月21日

 日蓮正宗管長

     阿 部 日 顕


○ 訓諭を拝して 法華講連合会委員長・佐藤悦三郎

御法主日顕上人猊下は、曩(さき)に第66世日達上人より血脈相承をお受け遊ばされ、本年7月22日、総本山大67代の法燈をお嗣(つ)ぎ遊ばされ、引きつづき8月21日に宗内一般に、上記「御訓諭」が発せられました。

私達法華講員は、御訓諭の御主旨に添い奉り、随身申し上げますとともに、宗祖日蓮大聖人第700遠忌に向かいまして、一層の結束と精進を致し、和衷協力、純真なる信心に徹し、もって万全を期して参りたいと存じます。




辞 令
     大僧都 吉 田 義 誠 妙蓮寺住職に任ずる  昭和54年7月18日 管 長
     大僧正 阿 部 日 顕 願に依り総監を免ずる  昭和54年7月22日 管 長
     大僧都 藤 本 栄 道 総監に任ずる     権大僧都 菅 野 慈 雲 庶務部長に任ずる     権大僧都 大 村 寿 顕 教学部長に任ずる      大僧都 吉 田 義 誠 渉外部長に任ずる
    権大僧都 菅 野 慈 雲
兼ねて海外部長に任ずる

     大講師 丸 山 雄 道
財務部長に任ずる

 各通 昭和54年8月2日
管 長
     大僧正 阿 部 日 顕 常泉寺住職を免ずる      大僧正 阿 部 日 顕 大石寺住職に任ずる      大僧都 藤 本 栄 道 蓮成坊住職を免じ常泉寺住職に任ず る  各通 昭和54年8月6日 管 長




米国NST法人設立記念法要


アメリカ合衆国公法人・日蓮正宗寺院(NST)設立記念法要が、8月24日午前10時(日本時間25日午前2時)、海外部長・菅野慈雲尊師の導師のもと、『「NST」事務所』が設置されたロスアンゼルスの恵日山妙法寺で厳粛に奉修された。

アメリカにおける日蓮正宗の寺院は、今まで形のうえで「NSA」(※創価学会の法人)の中に含まれていたが、この程、宗門としてアメリカの公法人を取得することができ、総本山直轄の寺院として運営および活躍していくこととなった。これにより、従来の性格から脱却して、宗門の自立性と伝統性に立脚し、日蓮大聖人の仏法を宣揚する寺院として、真に僧俗一致の体制が確立されることとなった。

これには、財務部長の丸岡雄道尊師をはじめとする各御尊師方、そして、法華講からは芦沢幹事をはじめとして数名、寺族、地元の檀信徒多数が参列し、「NST」設立を奉祝した。

法要は、菅野海外部長の導師のもと、方便品・寿量品の読経、焼香、唱題と厳粛に行われ、引き続いて式に移った。

はじめに、菅野海外部長があいさつし、「アメリカ合衆国における法人日蓮正宗寺院の設立は、日達上人の海外布教に対する御慈悲あふるる御指南の一つである。海外寺院の住職が、御奉公の誠を安心して尽くしいける寺院、また、正宗信徒の方々が心の底から安心して信心のできる道場としての寺院のあり方を御配慮下さり、本年5月15日、その法人設立が成った。これからは御法主日顕上人猊下の御慈悲のもと、参列の各位が一致団結し、更なる前進をされるように」と話された。

つづいてハワイ本誓寺の菅野修道尊師の経過報告では、まず法人設立を見るまでの経過をを述べられ、「日蓮正宗(NST)の法人格の設立の目的は、あくまで『妙法広布』と『令法久住』のためである。また、日蓮正宗の寺院は信心修行の道場であり、一人一人が日蓮正宗の信徒として寺院に参詣することは、戒壇の大御本尊様にお参りすることと同意義である」と寺院の重要性を話された。

次に、宗務院を代表して、妙法寺の初代住職であった鈴木譲信尊師が祝辞を述べた。その中で、「アメリカにおける正宗寺院は、法的にはNSAに含まれた変則的な形であったが、今回、日蓮正宗所属寺院として明確な姿に整えられ、本宗の伝統教義を更に興隆することとなった」と述べ、また、「日蓮大聖人の仏法を信ずる者は、世界のどこに居住しようとも、常に総本山大石寺を忘れてはならない、そして、本宗の根本義である仏・法・僧の三宝を崇め、正信に住せられるように」と話された。

ここで、総監藤本栄道尊師の祝電披露があり、妙法寺住職NST理事の坂田正法尊師が謝辞を述べ、「NSTの寺院は信徒一人一人のためにあり、そこに派遣された僧侶は、信徒一人一人の成仏を願い、日蓮大聖人の仏法を正しく弘め、更にアメリカ広布のため精進していく」と話された。最後に『日蓮正宗の歌』を全員で力強く合唱し、式を終了した。このあと、同寺境内で記念植樹、記念撮影が行われ、法人設立を祝し合った。

また、同日午後6時(日本時間25日午前10時)からは、ロスアンゼルス市内のビバリー・ウィルシャー・ホテルで、『原進の日蓮正宗写真展』に引き続いて、NST主催の『NST法人設立祝賀会』が、多数の来賓を迎えて行われた。

祝賀会は、菅野海外部長のあいさつがあり、その中で、御法主日顕上人猊下のメッセージが披露された。つづいて高野永済尊師ほか来賓の代表が祝辞を述べ、午後10時前、祝賀会は終了した。

なお、妙法寺は昭和42(1967)年5月16日、第66世日達上人御親修のもと、落慶入仏式が行われている。




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