大白法

平成10年1月1日付 号外


御法主上人猊下 東京地裁に御出廷

クロウ(シアトル物語)事件の虚構を粉砕

重要証拠(出張御授戒記録手帳)により、被告池田大作・創価学会の捏造明白

 る12月22日午後2時より、東京地方裁判所709号法廷において、日蓮正宗及び大石寺が原告となり、池田大作・創価学会に対して、謝罪広告等を求めて提訴している所謂『クロウ事件』(ヒロエ・クロウと池田創価学会創作のシアトル買春事件)が開廷された。

 れは日蓮正宗総本山大石寺より、原告代表者である御法主上人猊下が証人として御出廷。先に発見された30年前のアメリカ出張御授戒時の日顕上人御自筆の手帳に記載された記録をもとに、力強く堂々と証言遊ばされ、創価学会及びヒロエ・クロウ(故人)の捏造の誹謗中傷を完膚なきまでに粉砕されると共に、社会正義の上からも、裁判所が真実に基づく厳正な処置をとられるよう強く要望された。

クロウ事件のあらまし

 ロウ事件とは、日米創価学会の謀議により、平成4年6月、アメリカ在住学会員のヒロエ・クロウをして、創作『シアトル買春物語』を語らしめ、畏れ多くも御法主日顕上人を徹底的に誹謗し、以って宗門を壊滅しようと画策された事件である。

 とよりヒロエ・クロウの語った『シアトル買春物語』などは全く事実無根であるから、宗門は、捏造の誹謗中傷であると反論したところ、待ち構えていたかのように、同年9月、ヒロエ・クロウは、『ウソつきと言われた』と、アメリカの裁判所へ62億円もの損害賠償請求の訴えを起こした。

 の盗人たけだけしい訴えに対し、アメリカ、ロサンゼルス地区上級裁判所は、これは創価学会による日顕上人追い落としの多くの訴訟の一環であり、日顕上人を罠にかけたもので、アメリカの裁判所はそのような不正な事柄を審理する場ではないとの厳正な判断により、却下の裁断を下した。

 れについて宗門は、去る平成5年12月、創価学会の誹謗宣伝に洗脳されている多くの信徒を覚醒せしめ、更にはこの謀略により失墜した日蓮正宗の社会的信用を回復するため、池田大作と創価学会を被告とする謝罪広告等請求の裁判を提訴したのである。

御法主上人御出廷の意義

 の『クロウ事件』裁判は、提訴以来、すでに4年を経過し、事実審理も進んでいる。

 の中で、今回の名誉毀損事件の発端となった『シアトル買春物語』を語ったヒロエ・クロウは、平成8年2月7日の日蓮正宗側弁護士による第一回反対尋問において、その証言の嘘を暴かれ、第二回尋問を前に同年3月急逝した。

 の後、創価学会側は、元シアトル市警察官スプリンクルを証人に申請したが、同氏は創価学会側から月4000ドルという大金で雇われていた不公正証人であることが、アメリカ及び日本の裁判所における尋問で判明。更にこのスプリンクルの東京地裁における証言により、ヒロエ・クロウの語った事件についての証言は、皮肉にも同じ創価学会側の証人によって、その悉くが徹底的に否定された。

 れにより、平成4年6月以来、ヒロエ・クロウ発言をもとに創価新報・聖教新聞等の機関紙を駆使して誹謗中傷を反復累行した、創価学会による名誉毀損報道が事実無根であることが確定的に明らかになったのである。

 かし、平成9年4月、裁判長が交代し、新たに就任した濱野裁判長に対し、7月には意見陳述を行ったが、その新裁判長より出廷要請があり、御法主日顕上人には、創価学会の邪悪な策謀と体質を天下に知らしめ、これに断固鉄槌を加えるために当方から起こした裁判でもあり、かつて日蓮大聖人が悪僧良観らの策謀に対し、問注所へ臨まれた御事績を拝し、進んで出廷すべきであると仰せられ、今回の御出廷となったものである。

重要証拠発見の経緯

 法主日顕上人(当時教学部長)は、昭和38年3月16日、日蓮大聖人の仏法を世界へ流布する第一歩となる、第一回海外出張御授戒に際し、手帳を用意され、その準備や日程等を詳細に記載されるとともに、米国主張中は、その時々の出来事や感想なども綴られた。

 国後、直ちに宗務院教学部関連行事や、それまでの東京向島・本行寺から、 京都・平安寺への御転任等があり、非常に御多忙の中で、この手帳は引越し荷物の中へ仕舞い込まれ、その存在すら忘れられていたのである。平成7年3月に至り、大石寺東京出張所の移転(文京区西片から世田谷区中町へ)にともなう荷物整理の際に、30数年の時を経て、当時のパスポートとともに、偶然に発見されたものである。(掲載の写真)

 の手帳には、詳細な当時の事実経過が明らかに記載されており、クロウ証言の一切が全くの虚偽であったことが、白日の下にさらされたのである。

 価学会側は、宗門に何らかの重要証拠が存在することを察知し、それを恐れて、これまでも盛んに、「古い手帳が出てきたなどと偽りの証拠を捏造」などと、怪文書等をもって牽制し反論してきたが、この手帳は、すでに故クヒロエ・クロウが東京地裁で証言した平成7年10月より半年も前(同年3月)に、公証人により確定日付を証明されたものであり、その中にはクロウ直筆の住所と署名も含まれているなど、真正な証拠であることは疑う余地がないものである。創価学会がいかにこの重要証拠に脅え、愚論を展開していたかが明らかと言えよう。

パスポートでクロウの嘘暴かる

 の写真は、今回発見されたパスポート中のアメリカ合衆国政府発行の査証(ビザ)と、御法主日顕上人(当時教学部長)自筆のサインである。ここには明確にSHINNNO・ABE(シンノウ・アベ)の記載が見られる。

 回の裁判でこのサイの持つ甚だ重要である。すなわち創価学会は、平成4年6月17日付『創価新報』において、次のように御法主日顕上人を誹謗しているからである。

 買春事件にかかわった人物として、警察へ連行される直前の日顕であったが、駆けつけた婦人部員の機転と懇願によって、何とか事情聴取だけは免れた。その代わり、彼女が日顕の身元保証人として警察に出頭したのである。『ノブオ・アベ』これが警察に報告された日顕の名前である。この事件に関して4枚の調書が作られ、彼女は日顕の代理としてサインした。」

 の誹謗に対し、同年7月16日付『大白法』において、『ノブオ・アベ』の記述の不合理を指摘し、御法主上人からの事実無根との御指南を掲載したところ、同月23日付『聖教新聞』に実名で登場したくだんの婦人部員がヒロエ・クロウであった。

 こから始ったクロウの『シアトル買春物語』において、一貫して彼女は、 警察において4通の書類に『ノブオ・アベ』とサインしたと主張しているのである。

 の度、御法主上人は法廷において、御自筆の手帳に街中での記録と見られる部分に関し、この旅行中、パスポートと手帳は常時、背広の内ポケットに携帯されていたことを証言された。

 国旅行において、パスポートを肌身離さず携帯されたことは当然であり、もし万一、ヒロエ・クロウの『シアトル買春物語』のようなことがあれば、まず警察官に身分を証明するパスポートの提示を求められることも当然である。

 スポートと異なるサインの警察調書などが存在するはずはなく、 この一時からも『シアトル買春物語』が虚偽捏造であることは明白であると言わねばならない。


御法主上人、堂々と真実を御証言

新発見(平成7年3月)の記録に基づき
ヒロエ・クロウの証言全てが崩壊!

19日夜の散策について 当夜は午前1時に御就寝

 成4年6月以降、創価新報や聖教新聞紙上において、ヒロエ・クロウの『シアトル買春物語』による誹謗が開始された当初、御法主日顕上人は、「当夜、ホテルから一歩も出ていない」と仰せらになられた。しかし、30年も以前のことを、明確に覚えていることの方がむしろ異常で、全く忘れておられたことが、かえって何事も無かったことの証明であると言えよう。平成5年12月の提訴以来、平成7年3月に偶然発見されるまで、手帳の存在すら忘れていた状況もそのことを示している。

 の手帳の記述により、当時の記憶を思い起こされた御法主上人は、御授戒終了後ホテルに戻られ、その後、ホテル近隣を散策され、一軒の明るい感じのレストラン・カウンターで軽く飲酒され、何事もなく3、40分ほどでホテルに戻られて、午後一時には就寝されたことを明確に証言あそばされた。次の御法主上人と弁護士の応答はそお証言の核心部分である。

弁護士 外出された際、売春婦とトラブルを起こしたことはありますか。
猊 下 全然ありません。

弁護士 売春婦または売春婦らしき者と出会ったことはありますか。
猊 下 全然ありません。

弁護士 警察に厄介になったことはありますか。
猊 下 そういうことも全くありません。そういうことがあったというのは全くの捏造であります。

弁護士 何事ももなく、無事ホテルに帰られたということですね。
猊 下 左様でございます。

 れらのことは御自筆の手帳の記述からも明らかであり、午前2時にシアトル市警、警察官からクロウに電話があったとする、いわゆる『シアトル事件』なるものは、この一事をもって、全くの虚偽捏造の物語であったことが明白なのである。

 近発見された左の写真は、阿部教学部長(当時)が当夜、軽く飲酒を楽しまれた店の名を、細かな部分まで書き留めてあるのと同名の、当時から有名なレストランである。

20日の朝食について

 ロエ・クロウは、20日の朝、味噌汁などを準備して、「8時から9時の間」に、「手伝う一人の婦人部と、私と、車を運転した男性のメンバーと、3人で」ホテルに届け、猊下はホテルで朝食をとられたと証言した。しかし、御法主上人の手帳の記述に基づいた御証言によれば、ヒロエ・クロウ等が午前11時にホテルへ迎えに来て、空港までお送りし、食事は空港の食堂でとられたものであった。

 って、ホテルでの朝食中にクロウが前夜の措置を耳元でささやいたり、それに対して猊下が無言で頭を深く下げられたというクロウの証言も、全くの作り話であることが証明されるのである。

シカゴの機内で

 にヒロエ・クロウは、シアトルからシカゴへの機中で、御法主上人が「飛行機が上空に上がっていまえば、窓からは何も見えない」と言って、どんなに勧めても窓側の席に座ろうとせず、かたくなに通路側の席に座って、スチュワーデスに、いわゆる『セクハラ』をしたなどとしているが、この機中において、御法主上人は始終窓側に御着席され、機外の広大なアメリカの砂漠や畑を御覧あそばされ、感嘆されている御様子が、手帳に細やかに記載されている。

 のことについて御法主上人も明確な御記憶があり、広漠とした砂漠や、広大な畑に大変びっくりし感銘を受けられたこと。始めから終いまで、ずっと窓側に座っておられたことなどを明確に御証言あそばされた。

 の手帳の記述については、同じ話しが、帰国後の昭和38年4月18日付『聖教新聞』しおける、出張御授戒に同行された大村寿顕師との対談記事にも出ており、 ヒロエ・クロウの証言がとんでもない作り話であることは明白である。

宿泊された宿舎について

 の写真は、ヒロエ・クロウの『シアトル買春物語』において、御法主上人猊下が宿泊されたとする『オリンピックホテル』である。今回、御法主上人は、最近御覧になった、当時の『オリンピックホテル』の写真に関して、シアトルでの宿舎は同ホテルではなかったとの驚くべき御証言をなされた。

 これらの写真のホテルは猊下が泊まられたホテルですか」
 違います。こんな立派なホテルではなかったんです。せいぜい2階か3階建てくらいの、旅館といってよいようなホテルで、部屋の内部に畳を敷いた和室のような部分もあったように思います。」

 法主上人は、他の都市のホテルについても、ロサンゼルスは立派なホテルであり、シカゴは大きいけれども古ぼけた汚いホテルだったなど、かなり明確に記憶されている。従って、このシアトルのホテルについての御記憶も信頼性があると言えよう。

 時の外貨持ち出し規制の点からも、ハワイその他の場所における質素な宿舎の状況からも、シアトル最高級の『オリンピックホテル』に宿泊された可能性は薄い。因みに、2年後の1965年、池田大作(当時、創価学会会長)が、総本山66世日達上人御一行を御案内したときは、確かに『オリンピックホテル』を使用しているのである。さしずめ、この時の記憶を元に創作であろう。

記念写真の語るもの

 のシカゴ市内における記念写真を見て欲しい。向って右側の背の低い女性がヒロエ・クロウ、左側がシカゴ支部長のツヤコ・リーブマンである。阿部教学部長(当時)に寄り添ったヒロエ・クロウの、なんと幸せそうな穏やかな表情であることか。これが前々夜、売春婦との関係を持ち、問題を起こしたことを目撃して大変なショックを受け、同じく前日、機中でスチュワーデスに様々な破廉恥行為をし、他の乗客の顰蹙を買った男性に接する態度であろうか。御法主上人の証言通り、遠く日本より出張御授戒に来られた日蓮正宗の僧侶を慕う信徒の、純粋な表情に溢れているではないか。

クロウからの手紙 贈り物と念珠について

 回、御法主上人の御出廷にあたり、新たに発見された当時の手帳やパスポート、その他の証拠書類は、色々な形で、様々な所から、思いもよらずに発見されたものである。当時を偲これらの証拠類により、ヒロエ・クロウの欺瞞は明白となった。御法主上人への尋問を前に、これらの重要な証拠類が、30数年という永い年月を経て発見されたことは、まさに仏天の御加護と御仏智以外の何物でもない。

 て、ヒロエ・クロウは『シアトル事件』の『口止め料』として、毎年贈り物が付け届けられたなどとしているが、今回、御法主上人は陳述書において明白にこれを否定された。

 に掲載した手紙は、昭和58年2月、ヒロエ・クロウが御法主上人へ差し上げた報告の礼状である。ここにのべられている、

 猊下様の御健勝を心よりお慶び申し上げ」
 猊下様の御慈悲ある数々の御振る舞い」
 過日猊下様より御下賜いただいておりました御念珠を、娘の出発の日に宝として持たせてやりたい」

 の文面からは、前項の写真同様、ヒロエ・クロウの御法主上人への尊敬の念が読みとれるが、今回の御法主上人への誹謗中傷において、『口止め』に贈られたとする「長女の婚礼祝いの数珠」も、ヒロエ・クロウが入手していた御法主上人より下賜の念珠を大切に思い、愛嬢の婚礼の餞にしたものにすぎないことは、このクロウ自身の手紙によっても明白なのである。

許されぬ名誉毀損・事実のすり替え

 告代理人のポイントをついた質問と、御法主上人の適切な答弁にいたたまれなくなったのか、被告代理人の一人は的外れな異議を唱え、失笑を買った。

 の異議は『クロウ事件』は買春事件ではなく、売春婦との金銭トラブル事件であるというもので、原告代理人から、「それはおかしい。そちらの報道は、当初より買春事件と言っていたではないですか」とたしなめられ、当然この異議は裁判長から却下された。

 れほど明白に、『買春事件』と騒ぎ立て、御法主日顕上人と日蓮正宗・大石寺の名誉を毀損しておきながら、今になってその主張をすり替えることは決して許されることではない。無論、売春婦との金銭トラブルなども、一切なかったことは言うまでもない。

次回反対尋問へ向けて

 後に、御法主上人猊下には、虚偽偽造を平気で行う、池田創価学会の邪悪な策謀により、本宗信徒をはじめ、多くの人々が、その活字の魔力に犯され、惑わされており、これらの人々に真実を知らしめるところに宗教者の義務があるとして、今回、裁判に訴え出られた理由を示され、裁判所に明確な調査と厳正な処置を願われてこの日の証言を終えられた。

 回御法主上人の御証言は主尋問であり、御法主上人には宗門の弁護団の質問に答える形で、クロウ証言を粉砕されたものである。これに対し、明年2月2日の期日には、創価学会側弁護団による反対尋問が行われる。もとよりクロウ事件は、全くの虚偽捏造の事件であるから、学会側弁護団がどのような尋問を企てようとも、かえって事実無根であることが明らかとなるだけである。

 内各位におかれては、クロウ事件の全貌を暴き、もって池田大作・創価学会の社会悪を断罪するため、先頭に立って創価学会の邪悪と戦われる御法主日顕上人猊下に信伏随従し奉り、今回同様、一致して全国に唱題の渦を巻き起こし、大勝利を目指して精進しようではないか。


back     index     next