大白法

平成10年1月16日号


主な記事

<1面>
<2〜4面>
<5面>=国東山寿福寺本堂新築落慶法要より= <6面以下>

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御法主上人猊下御言葉 末寺住職・寺族初登山の砌

成十年新春に当り、宗内住職・教師、また寺族各位の大勢の方々が総本山に御参詣になり、御戒壇様に御報恩申し上げて、本年一年の精進、弘通を誓われたことは、私も本当に喜ばしく存ずる次第でございます。


<新客殿と建立御供養に関して> 〜はっきりしてきた姿〜

が待望しておりました新客殿も、内部はまだ完全には出来ておりませんけれども、外回りがほとんど完成いたしまして、皆さん方が見ての通りの状況になっております。この新客殿の建立ということにつきまして、昨年の十二月に法華講連合会の呼び掛けによる、各寺院の法華講の方々の客殿建立に対する御供養がなされ、その御供養が集計されて、全てが総本山に届けられております。

さらにまた、それとは別に、宗内住職・教師の方々の中で、非常に篤い御報恩の御心をもって御供養して下さった方々が非常に多いのであります。皆さん方のそれぞれの御供養と、所属の御信徒の御供養について種々の面にわたる指導等をして下さったことに対して、心から御礼を申し上げる次第であります。まことに有り難うございます。つきましては、これは本当の私の志でありますが、新客殿の落慶の記念をいたしまして、教師の方々に袈裟・衣を御供養したいと思います。今年の3月から4月ごろに、それぞれのお手元へお送りすることになると思いますから、どうぞ受領していただきたいと思います。これは、あくまで客殿の記念ということで、総本山から皆様方、教師の全員にお送りさせていただく次第であります。

この客殿の建立といい、宗門の行政その他、様々な面から、昨年は非常に大切な処置を取ってまいったのであります。これによって状況がかなり変化した上から大変なこともあったと思いますが、宗内の僧侶・寺族各位には、よくその趣旨を弁えていただいて、正しい処置・対応をして下さったことと思います。これからも、そういった面も含めて、色々な点でハッキリしていくことが必要だと思います。特に創価学会破門以後も、長い間創価学会会員は、まだそれぞれの寺院に所属した信徒でありました。しかし、昨年の12月1日以降、これもハッキリといたしまして、かえってこれによって、これからの正しい護持正法、乃至折伏への筋道が立ってきたことと思うのであります。


<クロウ裁判について> 〜堂々と真実を話すことが最良〜

れから、創価学会による、いわゆる『クロウ事件』という、私に対する捏造・虚偽の報道に対して、宗門としては、この正否を明らかにするべきであるとの考えから、先般来原告として訴えてきたのであります。しかし、法主たる立場の者は、なるべく裁判所に出廷しない方がよいというような、信仰の上からのお考えが、宗務院の方々にも、また一般の僧侶の方々にもあったように思います。また、これは私個人の事ではなく。私が総本山の仏法を継承する者として、その大事な意味を深く考え下さっておるということからしても、皆様方の御信仰、法を護る気持ちがそこに表れてということは、誠に尊いことと思います。

そのような形で何年も経過してきたでありますが、先般来の印刷物等でもだいたいお解りと思いますけれども、平成4年から、突然『クロウ事件』という、思ってもいないような誹謗が行われました。私としては、当然そんな莫迦げたことは絶対なかったのですから、その晩の出来事について特に印象に残っていることもなく、その印象の中では、「出張御授戒のためにシアトルに一晩だけ泊まったが、その晩はホテルから一歩も外に出ていない」と、本当に思い込んでいたのです。また、30数年も前のことで、しかもそのような細かいことの一々を覚えているはずもありません。また、そのあとのシカゴへ泊まった晩との対比的な関係からいって、シカゴの方だけはよく覚えていたのです。ですから、シアトルのことはまるっきり忘れていたわけで、ホテルから一歩も出ていないと自分では思い込んでいたのです。

ところが、平成7年の3月に東京の大石寺出張所を移転するに当たって、家内が荷物を整理していましたところ、普段全然開けもせず、積み込んでいたダンボールの中から、私の当時の手帳が出てきたのであります。そして、中を見てびっくりしました。そこにはホテルから外出したと、私の字でちゃんと書いてあるのです。しかし、御承知とは思いますが、もちろん、彼らが捏造したり喧伝しているかのような出来事は一切ありませんでした。この時は、すぐに渉外部長を呼んで、当時の主任弁護士に連絡をさせまして、準備書面を散策のために外出したという形にしたのです。

ところが創価学会のことでありますから、この齟齬をついて、準備書面で何回も何回もそこを突いてきたのです。つまり、平成7年の6月ぐらいまでは、こちらの準備書面でも「一歩も外に出ていない」と言っていたのですが、その後において、準備書面の内容自体も変わったわけです。その学会の連中が、私を弾劾するなどと言っておりますが、とにかく私を裁判所に引きずり出せというやりかたでずっときていました。そのような流れもあり、先般裁判長が原告の一番の中心者である、私本人に事情を聞いてみたいということになってきたのです。これを聞きました時にも、まだ総監を始めとする宗内の方々は、「なんとか、猊下の出廷は無いように考えていきたいと思います」などと言いますから、私は「とんでもない」と言ったのです。事此処に至ったら、私が堂々と真実を話すことが最良であると、はっきり総監達に言いました。ちょっと不服そうな顔でしたけれども、宗務院の方々は私のハッキリした意志を受けてくれまして、それによって出廷という形になったのであります。

これについて申し上げたいことは何もありませんが、ただ正直ということと真実ということを、私が出廷した形においてもハッキリと言って参りました。本当の事を事実通りに言うことぐらい楽なことは無いのであります。強い事もまたその通りであります。

<2月2日の御出廷について> 〜嘘は嘘、真実は真実〜

の次の2月2日は反対尋問ですから、今度は向こうの人達が私の証言を、なんとかひっくり返そうとして、色々な難癖をつけてくるでしょうけれども、どんな画策があろうとも、私はあらゆる事に対して、正直をモットーとして真実を述べてゆくという姿勢ですから、何も恐れる事はありません。私は、事実を事実として、本当にハッキリしていきたいということを今回の裁判問題に当たって決めまして、昨年の12月22日、並びに2月2日の出廷について対処して参りましたし、また今後もそうしていくつもりであります。

今まで彼らは、あらゆることを捏造し、でっち上げてきましたが、あの手帳に記載されている一つひとつの細かい記録によって、断片的になっている意味もありますが、客観的に見ても、彼等の言っておることのほとんど全部が嘘であることが、証明されてきた意味があるのです。

しかし彼等は今度の2月2日には、さらに上乗せして、嘘に嘘を重ねて言ってくることと思います。今日も『創価新報』やその他の紙誌で、相変わらず、そういうことを言っておりますけれども、どんなにうまく嘘を言ってきても、嘘はあくまで嘘であり、真実は真実であるということを、私は確信してやっていきたいと思います。


<昨今の学会教学について> 〜嘘で塗り固めた基盤〜

に、皆さんも御覧になったことと思いますが、昨年の暮れに、創価学会の御本尊に関する件と、『日顕宗の邪義を破す』などという、実に狂った彼等のマニュアル式の文章が出た事に対して、教師講習会の時の内容をさらに整備して、破折書を出版しました。

これらのことも含めて、創価学会の今の在り方、特に池田大作の大謗法の姿は、全てがこの裁判の在り方と全く同じだと思うのです。というのは、全部嘘で塗り固めていかないと、彼等の立場が無くなってしまうのです御戒壇様を否定して、物体だなんとか言っておるようですし、それでいて、日蓮大聖人直結だなどと言っておりますが、では、彼等は日蓮大聖人の教えのどこを基準として言っておるかということです。それは「久遠元初の法だ」などと言うのですが、そのようなことが御書のどのような方式で示されているのか、また、その御書はどのような形で、大聖人様の一期の御化導の上においてどこに位置するものであるのか、これについては正法から離れた以上、実にむちゃくちゃなのです。このことは、大聖人、日興上人の相伝の仏法以外にないのです。すなわち、三大秘法なのです。彼等は久遠元初の仏法という、そういう法があるのだと言うのだけども、それは観念論に過ぎないのであります。

今でも、色々な所で、様々な外国人と話しをして『仏法対話』などと言っておるけれども、みんな抽象論、観念論なのであり、それは大聖人の仏法から全く外れ、離れた内外一致の立場なのです。彼等は、今本物を失くしてわけですから、なんとかそこを誤魔化していこうという点では、今の裁判と全く同じなのです。彼等はそういう意味において、根本的な欠陥があるのです。皆様方には、その元をハッキリと見据えて、さらに折伏を行いつつ、堂々と正法正義が日蓮正宗にのみ存する所以を明らかに顕していっていただきたいと思うのであります。


年は『革新の年』ということで、彼等の謗法・邪義の一つひとつを克明に顕し、さらにこれらを改めて、今までになかった在り方も含めて、謗法・邪義を打ち破っていくという形が出てくることと思います。それが『革新の年』の特質でもあると思うのです。そういう面で、いかなることがあろうとも僧俗が真に一致団結して、本年において、この正法正義をさらに興隆せしめ、邪義を徹底して破折していきたいと思う次第であります。皆様方のあらゆる面における異体同心の団結を、心からお願い申し上げて、新年の御挨拶とさせていただきます。本日はまことにおめでとうございました。

※中見出しは筆者が付けたものです


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