大白法

平成10年7月16日号


主な記事

<1面>

<2〜4面>

<5・6面>


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『新編妙法蓮華経並開結』頒布開始


このたび、待望の『新編妙法蓮華経並開結』が出版された。同書は、法華経の開経となる『無量義経』と、一代聖教の肝心・一念三千を説く『法華経』と、依正の二法悉く法華経なりと結し納めた『観普賢菩薩行法経』の、法華三部経を一書に収めたものである。 新編法華経(13Kb)

旧版にない同書の特長は、三大秘法の教義綱格を根幹に、総合的見地よりの整備に努めた点にある。大聖人御所持の春日版法華経に基づき、中国敦煌の写本やネパール及び中央アジア出土の諸本をも含めて、広博・中正の立場から諸刊本の対照校訂を行い、特に仏意から拝した経意の正確な把握、経典としての品位格調保持の両視点から適切なる表現が配慮されている。なお、初心の講員にも手軽に拝読できるよう真読(漢訳経典原文)及び訓読(漢訳原文を日本語に読み下した和文)ともに、すべての漢字に読み仮名を振った。また、旧来の諸版は上段(真読)と下段(訓読)が大きくずれて、対照しにくい難点があったが、新編では可能なかぎり、その弊も改められている。


大聖人は、「法華経の文字(もんじ)は六万九千三百八十四字、一々の文字は我等が目には黒き文字と見え候へども、仏の御眼には一々に皆御仏なり・・・法華経を持ちまいらせぬれば、八寒地獄の水にもぬれず、八熱地獄の大火にも焼けず」(本尊供養御書御書1054頁)と仰せである。時あたかも夏期講習会では、御法主日顕上人猊下より『法華経』各品について甚深の御講義を賜っている。


同書の「発刊の辞」において、御法主上人猊下は、「広布の時機に合致する不惜身命の行躰行儀のための指針として、大聖人の御書と併せて研鑚されることを期待するものである」と御指南され、法華経が日常的に活用されることを強く望まれている。この機に、一人でも多くの講員が、御書とともに法華経を座右に置き、信行の確信をいよいよ深め、僧俗一体の折伏に邁進し、もって大いなる福徳を積まれんことを期するものである。

大きさは、B6版で、拝読しやすいように従来のものより大きな活字が使用されている。定価二千円(税込)。大石寺書籍販売所(総一坊下バスターミナル)または、法華富士会館書籍係で取り扱っている。なお、本紙(※大白法)では今号より同書を引用する際、略称を「新編法華経」とする。


『“本日”よりの折伏大前進を』

北近畿地方部長 河原昭太郎

仏法の信心修行は、知恩報恩に過ぎたるは無しである。我等日蓮正宗僧俗一同、今こそ御三宝尊の大恩を報ずる時である。本年も総本山大石寺新奉安殿で大御本尊様の御内拝をさせて戴き、新客殿において御法主上人猊下の御尊姿を拝し、甚深の御講義まで聴聞させていただいた夏期講習会登山の歓喜の功徳善根を歓ぶ毎日であり、未受講者は急ぎ参加すべきである。

平成10年『革新の年』における多事多忙の前半は過ぎ、はや後半戦に突入した。平成14年の立宗750年・三十万総登山への仕上げの真只中である。全国各支部は、講中未来への興廃が懸る後半戦である。かつて、平成六年、勇躍広宣流布・僧俗一致の地涌六万大総会の砌、御法主上人猊下は、

「今日の集会の六万人の五倍、ないしそれ以上の信心篤き地涌の友が輩出すれば、一日一万人の参詣として、一カ月以上にもわたるであろう大法要を修することが可能であります。もって、広布の確実な進展とともに法界を浄化し、清気・清風を世に送り、国家社会の自他倶安同帰寂光の礎を建設することにより、広大な仏恩に報い奉るとともに、その実現に向かい、法華講の皆様の広布に対する偉大な実証を、本日よりの折伏大前進をもって顕していただきたいと思いますが、皆さん、いかがでありましょうか」(大白法414号)
と、折伏弘教を奨勧あそばされた。会場の僧俗六万が全員で拍手し、その御指南にお応えせんと、確かと誓ったのではないか。この御指南を正直に拝している支部は、もう世帯数が平成六年の二倍以上になっている筈だ。しかし、100世帯以下の支部が10%の年間目標とは、一体何を考えているのだろうかと残念に思う。一年に10%の目標で、どうして五倍ないしそれ以上の信心篤き友の輩出があろうか。折伏目標の早期達成が10%では三十万総登山は不可能だという理は承知の筈である。御法主上人猊下の御指南は「一年に一人が一人の折伏」であることを、よもや忘れてはいないだろう。

客殿新築落慶・慶祝記念大法要、大御本尊様の清浄なる新奉安殿への御遷座、そして柳沢委員長への総講頭の御任命は、すべて三十万総登山への大前進の号令が発せられたものである。法華講員の一人ひとりが、これ程の大事な時にある我が身をよく自覚し、起ち上がらねばならぬ。また、起ち上がらない者を放置してもならぬ。全国の各支部が指導教師のもと一体となり、唱題に励み、必ずや折伏に折伏の全力投球をするだろう。勿論、折伏が進めば魔は必ず競うが、断固紛砕すべきである。特に大謗法狂団池田創価学会の目論む邪悪な虚偽捏造のクロウ事件には、原告証人としてもったいなくも御法主上人猊下の御尊体を東京地裁の法廷に三度までもお運びになられたことを鑑み、宗内一統まことに申し訳なく、幾多の御難を一身にお受けあそばされているところ、一日も早く御安堵の日々としていただきたくべく、偏(ひとえ)に三十万総登山の見事な達成で御報恩の誠を示す以外に無いのである。

「不自借身命・勇猛精進」と、誰もが常に口にすれども折伏無くしては虚言(そらごと)であり、不知恩である。日蓮大聖人の誠の題目を唱えるのは、法華講員だけである。この題目行こそ供養・随順・求道の三つの意義が含まれているのだ。供養とは、戒壇の大御本尊様を心から賛嘆し、法味を御供養申し上げる信の題目であり、随順とは、御法主上人猊下の御指南に随って正直に大御本尊様に子(衆生)が親(仏様)の心に随うがごとく唱題すると共に、御威光倍増と御利益広大を願うところである。求道とは、正法の道をどこまでも求めていこうという信心であり、歓喜と勇気と確信の信心を弛(たゆ)まず磨くための唱題であり、この求道心こそ折伏を行じようという一念を湧き起こすのである。

されば明日と云わず、今日折伏に出掛けるのだ。これ程かけがえの無い日々は、宗祖日蓮大聖人御在世以来、また未来に無いのである。私は断言する。折伏をせずして戒壇の大御本尊様の御威光がどうして倍増し得るかと。故にこの三十万を目指す闘いは本年に在り、来年に回せば、臆病な講中との烙印(らくいん)は免れぬだろう。本年は「やろう」では駄目。当に「やる」の二文字のみである。「死身弘法」とは、死を覚悟して折伏をやるのではないか、死して悔い無き壮絶な決意の「平成の折伏戦」にしよう。さあ総講頭を先頭に本年の十万が、まず起つのだ。全国各支部が僧俗一致で唱題・折伏・育成に本年の後半戦を、支部の盛衰を懸けられん事を願って止まぬ。


ローマ法華講グループ 結成から六年

イタリアには現在、ローマ、フィレンツェ、ミラノの各都市を中心にした、三つの日蓮正宗信徒組織があり、イタリア広布に向けて日々活動を進めております。最も大きなミラノグループは約50名、フィレンツェグループは約40名、そして私の所属するローマグループには約40名のメンバーがおり、1992年にSGIを脱会して組織を結成しました。今回は、私たちローマグループの活動を御紹介いたします。

ローマはキリスト教の総本山サンピエトロ寺院のある都市です。ローマの人口の90%以上がカトリック信者です。創価学会が破門された当時ローマでは正確な情報が得られずに、みんなが動揺していました。お寺もない、御僧侶もいない状態で誰を信用し、頼りにしていいのかわからず、何人かで集まって、ただ題目を唱えて励まし合っていました。

その後、フィレンツェのメンバーが宗務院海外部と連絡を取り合っていることを知り、やっと光が射したのでした。それからはフィレンツェのダニエル・タリーニさんより海外部を紹介していただき、また海外部より、ブルーナ・ルビー二さんを中心者としてローマでも法華講信徒の組織を結成する許可をいただいたのです。それからはスペインより山田容済御尊師、日本から関快道御尊師、今は海外部より中本代道御尊師が、一年に二回は来訪されて、御指導をいただけるようになりました。私たちは、現在週に一度は交替でメンバーの家に集まり、広宣流布勤行会・勉強会・折伏座談会等の会合を開いています。みんな仕事持っていますので、会合は夜の八時くらいから始まり、深夜にまで及びます。勉強会は月に二回行っていますが、教材は海外部から送っていただいた英語の御説法を、さらにイタリア語に翻訳したものを、フィレンツェのメンバーからいただいております。


ローマの中心者であるブルーナ・ルビー二さんは、日本語学校に通っており、他のメンバーも重要な仏教用語は日本語で覚えようと努力しています。きっとやがては難しい仏教の概念も直接日本語で理解できるようになっていくのだと思います。御住職がおられない勉強会は、日本のお寺での御法話のように、きちんとしたものではなく、テキストを見ながらみんなで話し合い、理解しようと努力しているというのが現状です。ですから半年に一度御僧侶がいらっしゃると、いろんな質問が出てきます。

私たちローマに住むメンバーも、他の国々の人々と同じように様々な悩みを抱えていますが、イタリア人特有の明るさで、みんなが前向きに、そして仲良く、目標に向かってがんばっています。私たちの目標とは、このキリスト教の本拠地であるローマに日蓮正宗の寺院を建て、御住職をお迎えすることです。それにはまだ時間もかかるでしょうが、2002(平成14)年に向けて、一日でも早く実現するように唱題を重ね、そして立宗750年の記念法要には全イタリアのメンバーが、異体同心の精神で参加できるように努力しています。


このローマにもたくさんの日本人が住んでいますが、創価学会を離れることのできない日本人がたくさんいます。観光業に関わる日本人の50%が学会員であるとも言われています。しかし、日本からの情報があまりにも少ないために、多くの人が事実を知らないでいるのだと思います。また学会に関連する仕事が多いために、仕事を失わないように、知っていてもやめられないのです。ローマでも学会員による法華講員に対する嫌がらせが起こっていますが、私はそんな日本人とできるだけ話をしていきたいと思っています。

メンバーの中にも、両親がカトリック信徒であるため、大変苦労している人がたくさんいます。耳を傾けてもらうことも、ましてや理解してもらうことなどは、日本では想像もつかないくらいに大変なことなのです。それでも自分の信心を強く持ち続けて、唱題と折伏に励んでいます。さらにもう一つの大切な目標は、貯金をして日本に行き、戒壇の大御本尊様の御内拝をさせて戴くことです。大御本尊様が奉安殿に御遷座されたことを聞き、早く行きたいと楽しみにしております。



体験発表 『僧俗和合・一家和楽の念願叶う』

正円寺支部 北浦保子 (大阪地方部総会より)

第六回地方部総会、たいへんにおめでとうございます。このおめだたい席において体験発表させたいただけます身の福運を、御本尊様に感謝申し上げます。

正円寺は大阪の東端にある柏原市にあります。交通の便のとても悪い田舎ですが、御題目第一の素晴らしい御住職様のもとで精進させていただいております。


私の入信は昭和36年7月23日で、創価学会の縁によって入信いたしました。そして平成3年5月20日、池田大作の大謗法により創価学会を脱会し、法華講に入講させていただきました。正円寺にも支部をと、広布への思いを胸に、「戒壇の大御本尊様への御報恩を忘れては幸せにはなれません。創価学会はおかしいから、すぐに脱会して、お寺について信心しましょう」と言って回りました。すると創価学会の人の嫌がらせが始まりました。尾行がつくし、幹部が次から次へと家に押し寄せ、訳の判らないことを言って帰ります。皆さんと同様にたいへん嫌な思いをいたしました。職場ではいつも学会員ばかり集まって、賑やかに楽しく仕事をしていたのが、脱会してからは誰一人、口を利いてくれません。そんな毎日が続き、とうとう、誰とも話すことがなくなり、職場は生活のためだけと自分に言い聞かせ、無気力な日々を送っておりました。次第に体を患って血圧は230まで上がり、心臓、胃潰瘍、腎臓結石など、次から次へと襲ってきました。

支部の中は、私たちの無知から起こるもめ事が多くなり、折伏が止まり、世帯数も35世帯で止まってしまいました。それでも、35世帯で支部結成をするとの初代住職・宮原委道御尊師の固い決意の御指導により、平成5年2月に支部結成式を行いました。その喜びで、また折伏が実り45帯にまでなりました。よかったと喜んだのもつかぬ間、ある日、たくさん折伏してたいへん喜んでおられた婦人部の人が、機根の調わなかったためか怨嫉から14世帯を引き連れて脱講してしまいました。


私も、お寺に行くのが嫌になるくらい辛い日々が続きました。私自身の、学会の信心しか知らない無知故に、申し訳ないことに愚痴を言っては御住職様を苦しめました。すると、精神的にどんどん追いつめられ、ただ寂しさばかりがつのります。あるとき、こんなことをしていたらだめになってしまう。何のための信心か、判らなくなってしまう。幸せになるために、脱会して正しい信心を始めたのだと思い直しました。そして、「これはすごい魔だ。負けるものか。今倒れたら30年の信心が無駄になる。御本尊様どうか助けてください」と、必死で祈りました。今思えば、御住職様の深い御慈悲とも知らず、仏様が正して下さっていることも判らず、ただ泣いてばかりいました。それでもお寺に行かなかったことはありません。どんなに叱られても、くじけそうになる自分に鞭打って、御本尊様から離れれば成仏はないと信じて、お寺の参詣だけは続けておりました。批判されるのが恐くて、お寺に行っても相変わらず、話すことも、笑うこともありません。職場に行っても独りぼっちでした。ようやく「これは誰のせいでもない。自分の罪障なんだ」と気付かせていただき、平成4年8月より毎月、登山をさせていただくようになりました。

月に一度の御登山を始めて一年が過ぎた頃、やはり御登山をしている最中、日蓮正宗のことを何も知らず、信心を判っていない自分が、御本尊様に対してとても恥ずかしく、申し訳なく感じました。そしてお詫びしつつ、正しい信心を教えてくださいと戒壇の大御本尊様にお祈りしつつの登山でした。戒壇の大御本尊様に内拝させていただいた後、三師塔にお詣りしてから歴代の御法主上人様お一人お一人の墓所に「御法主上人猊下が大御本尊様をお守りくださったおかげで、私たちが今、御内拝させていただけます」と謝徳のお詣りをさせていただきました。

そんなある日、頭が冷たく感じたことがありました。とても気持ちが良く、それ以来血圧が下がり、今までも上がることはありません。心臓も動悸を打つこともなくなりました。


平成7年3月30日、第二代住職に渡辺雄布御尊師をお迎えし、心も新たに再出発することを決意いたしました。お寺に行くと、御住職様はいつも御題目を唱えておられました。この年、長い修行で別々に暮らしておられた御住職のお母様が亡くなられました。御住職はその悲しみをこらえながら、懸命の唱題により、どんどん功徳の実証を示していかれました。私たちにもはっきり判る功徳の実証です。御住職様が学会員への折伏を呼びかけてくださいまして、私の案内する学会員の家にも破折に回られました。御住職様に対し、たいへん失礼極まる、罵りの声を浴びせる学会員もありましたが、五軒ほど回られると一世帯の折伏が成就し、びっくりしました。

毎日二時間の唱題を欠かされることのない御住職様の祈りと時を得て、講中が変わる時がきました。支部の役員も全部代わり、私にも登山部長のお役目をくださいました。戒壇の大御本尊様のもとへ、一人でも多くの人をご案内していく役目です。御法主上人猊下のお手伝いをさせていただける、そんな喜びと、使命に燃え、喜んで拝受させていただきました。『弥三郎殿御返事』に、

 「今まで生きて有りつるは此の事にあはん為なりけり」(御書1165ページ)
とあります。「必ず御住職様の期待にお応えしよう」と決意しました。平成九年度支部総登山が終わった直後より、毎週水曜日の唱題会、月一回の六時間の折伏唱題会、日曜日の唱題会で、「客殿新築慶祝記念大法要に全講員が登山できますように」という御祈念を始めました。そして唱題の後は折伏に出かけます。私個人としましても、早朝勤行にお詣りして、十万総登山の大成功を御祈念させていただいておりました。御法主上人猊下が客殿新築を発願された時より、竹の筒に少しづつ御供養を貯めだし、郵便局の積立も始めました。御供養に心からの喜びを感じて精進させていただいておりましたところ、隣の家の方から、余所に家を新築しますので、今住んでいる家を売りますとの話がありました。御住職様の御指導を受けましたら、「家を買うなんて福運だよ」と言ってくださいました。子供に話しますと、「隣というのは、将来のことを考えると、いろいろな面で便利だから買いたい」と言うので応援してあげたいと思いましたが、二軒目ですので、買えるか買えないか、すべて仏様におまかせしようと決意し、御登山の推進に走りました。

正円寺は、いただいた目標53名のところ、74名の人が総本山へ喜びの御登山をさせていただけることとなり、今まで集まったことのない数にびっくりしています。これも御住職様はじめ、講員の皆様の御登山に対する真剣な取り組みの賜物と、心より感謝いたしております。


御住職様は今年1月1日より、毎日三時間の御題目を唱えて、私たち講員一人ひとりのことを、祈ってくださっております。3月21日のお彼岸の日、しばらくお寺から遠ざかっていた弟の家族が、お寺に訪ねてきました。そして、御住職様の御指導をいただいてお塔婆を立てていただき、喜んでお墓参りをして帰りました。3月23日には、新客殿の御登山の推進と同時進行で進んでいた家を買う話も、たいへん好条件で、金銭面においても苦労もなく、すべて完了しました。我が家は、お寺の大きな行事とか宅御講などには、家族全部で信心しているように見えますが、実際は、子供たちの家族はあまり勤行をしていなかったので、今度買った家に別居するに当たり、果たして御本尊様をいただいて粗末にならないかとても心配でした。

しかし、仏様の御計らいかと思えることがありました。孫が最近、熱性痙攣を三度も起こし、食事もあまり取れなくなり、病院で点滴を打ってもらいました。孫の親である、息子の宏に向かって「子供が可愛いのは判るけど、子供の苦しむ姿を見ても祈ってやることもできないのか」と、始めて厳しいことを言いました。すると黙っていましてが、3月25日の客殿新築落慶大法要の前夜に、登山のための準備をしているところへ「おかあちゃん話がある」と言って、私の部屋へ入ってきました。「おかあちゃんは僕の小さい頃からずっと、祈ってくれていた記憶がある。でも僕は、自分の子供が点滴を打っているときも側に付いているだけで、何もしてやることはできなかった。これからは、真剣に信心して子供のことを祈っていく」と言って、その晩から真剣に勤行し始めました。

念願だった、家族みんなで勤行できる生活が実現し、本当に嬉しくてたまりません。幸せいっぱいです。御登山の目標達成と、今まで悩んでいたことも全部御本尊様に解決していただき、晴れ晴れとした気持ちで、4月4日、家族5名全員で客殿新築慶祝記念大法要に参加させていただくことができました。新客殿の素晴らしさ、御影様が御厨子に入られ、なおいっそう荘厳で、たいへん感動いたしました。4月29日に子供たち家族は御本尊様を御下付いただいて、隣の家で信心にがんばっています。


思い起こせば昭和46年に主人が亡くなってからは、子供と二人の寂しい生活。それは今では、二人の孫に囲まれて、賑やか過ぎるほど笑いの絶えない我が家となりました。一方職場では、学会員は相変わらずですが、他のみんながとても大切にしてくれます。入信以来、ただひたすらに御本尊様に、罪障消滅を祈り続けた37年間でした。その間、仏様にたくさんの功徳をいただき、お守りいただいたことも数知れません。『祈祷抄』に、

「大地はささばはづるるとも、虚空をつなぐ者はありとも、潮のみちひぬ事はありとも、日は西より出づるとも、法華経の行者の祈りのかなはぬ事はあるべからず」(御書630ページ)
とあります。家族が力を合わせ、一家の一人ひとりが広布のお役に立てるよう、精進してまいります。

今日、体験発表をさせていただけたことは、御本尊様の功徳、御住職様の御指導のまま信心させていただけた功徳によるものです。御住職様、そして正円寺の法華講の皆さん、さらには、いろいろと教えてくださいました先輩の方々に心より御礼申しあげます。ありがとうございました。以上をもちまして体験発表とさせていただきます。

※この原稿は深遠寺支部一ノ瀬さんのご協力で転載いたしました。(管理者 1998/07/26)


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