大白法

 平成11年1月1日号


主な記事

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新年の辞

総本山六十七世法主 日顕

 全国法華講員の皆様、新年おめでとうこざいます。皆様にはいよいよ御壮健にて信行倍増され、歓喜と確信に充ち勇気凛々として、出陣の年の初春をお迎えの事と存じます。


日顕上人猊下(10Kb)  昨年は革進の年にふさわしく、洋々たる広布に向かう総本山としてまことに重大な改革を、顕著に進めてまいりました。即ち御承知の如く、対震災害対策に抜本的な工夫をこらした新客殿が、仏敵池田創価学会の関与による前客殿建築の不安性に取り変り、堅牢優雅な装いを以て落成致しました。特にその10日間の式典に当たり、十万名を標榜する登山会が全国の信徒皆様の熱誠により、予定通り成就したことは将来のあらゆる結集に向かって、貴重な体験と教訓を得たことであり、極めて有意義でありました。

 また革進の本義よりして池田創価学会の大謗法を破し、本門戒壇の正義を厳護する上から、大御本尊の御遷座と正本堂の解体に踏み切った次第であります。

 そして更に、昨年12月3日の決議を以て吾が宗門内に宗旨建立750年慶祝記念局を設置し、僧俗一体となって種々の報恩事業の完遂に邁進することになりました。その法要の執行に必要な5,000人以上を収容する新たな奉安堂の建立もその重要な事業の一つであります。


 さて本年はいよいよ宗旨建立750年の佳節に向かう出陣の年であります。平成6年の地涌六万総会に於いて標示した30万総登山の目標に対し、昨年までの4年有余の期間は主としてその準備期間であったのに対し、本年よりの3年有余の期間こそ強力にその推進を計る実践の期間といえましょう。

 その実践に当たってまさに眦(まなじり)を決すべき年こそ本年であります。蓋(けだ)し出陣の最重要事は千万人と雖(いえど)も吾れ往(ゆ)かんとの烈々たる気魄であり、それを裏付けるものこそ法界を貫く大正理による不屈の信念であります。

 即ち人文の一切に勝出する仏教に於いて、法華経こそ釈尊自らが証明せられた一代50年の諸経中で過去、現在、未来の三説に超過する大法であります。故に小法に執われた衆生にとって難信難解でありますが、その下種の妙法は時間空間のすべてを一念に摂する故にその功徳は一切に通貫し、あらゆる人々が真の現世安穏後生善処を得る大法であります。


 宗祖日蓮大聖人は示同凡夫(じどうぼんぷ)の相を以て我が国に出現せられ、法華経に予言された文々句々を身読の結果、一国の怨嫉(おんしつ)と三類の強敵を扣発(こうはつ)されつつ、忍難弘通あそばされ、竜の口の断頭場裡に金剛不壊なる久遠の仏身を顕わされました。これ即ち末法万年の日本乃至全世界の一切衆生に対し真の幸福を授けんとする大慈大悲のお振舞いであります。

 「今、末法に入りぬれば余経も法華経もせん(詮)なし。但南無妙法蓮華経なるべし」(御書 1219ページ)

との大指針は、本地甚深の奥蔵たる妙法の受持唱題が一切の事物を生かし救う妙薬であり、一切衆生の身心の本質を一言に顕わすものであります。故に素直に本仏大聖人の正法を信じ唱題する功徳は、不思議の実証として生命と生活の上に必ず尊い体験を得るのであります。


 いかに世の中が変化しようとも、妙法の大法理は永劫不変であります。これに背く池田創価学会の大謗法その他の謗法の栄華は一時の見せかけであり、移ろい変わる世の中の悪因悪果の鉄則を免れません。それに引きかえ、

 「大悪を(興)これば大善きたる」(御書 796ページ)

の金言の如く、吾が宗門は5年前の地涌6万の結集以来、僧俗の和合の下に世界を導く大法の流布を、一歩一歩揺るぎなく進めつつあります。そこに真の個人より集団へ、社会へ、国家世界への浄化救済の因縁を生ずる事を確信すべきであります。

 出陣の年たる本年の初めに当たり、いよいよ皆様方の自行化他折伏増進と護惜建立の精進を心よりお祈りいたし、新年の辞と致します。

※写真は妙教75号のものです


御法主上人猊下御言葉
第1回 宗旨建立750年慶祝記念局委員会の砌

 本日は、第1回宗旨建立750年慶祝記念局委員会の会議を開催した次第であります。藤本総監以下、僧侶委員御一同、柳沢総講頭以下、信徒委員御一同、まことに年末の忽忙の際に御参集をいただきまして、御苦労に存ずる次第であります。

 私といたしましては、この宗旨建立750年慶祝記念局が本年度の終わりにおいて設置されたということは、この数年来の宗門の歩みが、大聖人様の大法護持の筋道において、おのずからこのところに運びが来たっておるということを痛感しておるのであります。

 また、ただいま委員になっていただいた総監以下の僧侶の方々、総講頭以下の信徒の方々がこのように集まって、みんなが一つの心になって立宗750年の慶祝に向かって進むという状態が、今日ここにはっきりと表れておることに、私は仏祖三宝尊の限りない御恩徳を深く感じ奉る次第であります。

 しかしまた、既に決められております慶祝記念の事業は、一つには非常に長い期間に渡って法要を執行するということ、さらにそれに付随した30万総登山という大事業を行わなければならないということがあります。また、奉安堂の建立その他、色々と必要な事柄が起こってまいりまして、今後の委員会において皆様方にその必要性の上から御審議をいただき、決定をいただく事柄も、あるいは出てくるかと思うのであります。さらにまた広宣流布の上から興学布教の必要性において、色々な意味での意義ある文書出版の事業を行っていくということもこざいます。

 これらの内容を考えてみると、どれ一つとして簡単な事柄で済むということではないと思います。それこそ今後、それぞれの実行委員会もできることとは思いますが、要はここにおいでになる委員の方々、そしてまた、全国の僧侶と信徒の方々が本当に心を一つにして、この事業の遂行に向かって邁進をしなければならないと思います。また、そうしなければ到底、実現不可能であるという難事業が非常に多いと思うのであります。

 しかし私は、宗門の真の僧俗の関係の上から、僧侶が指導教師として各地域に在って指導し、そしてまた、信徒の方々が法華講の立場において宗門を護持し、僧俗一体となって広布への折伏教化に向かうという態勢が、今日においてきちんと整いつつあるということを感ずるのであります。

 その点からも、この慶祝記念の各事業を滞りなく完全に遂行することが、我々の仏祖三宝尊に対し奉る何よりの御報恩であるということを深く感じていただき、一人ひとりがこの事業の完遂に向かってあらん限りの力を出していくということを、心からお願いをしたいのであります。

 その面において、特に宗門の僧侶、信徒の指導的立場に在る皆様方の自らの実践とともに、他に向かっての教導をよろしくお願いをいたしまして、一言、本日の言葉とする次第であります。


香港で第一回信徒総会

 中華民国(台湾)訪問に引き続いて尾林海外部長一行は、8日香港入りし、同日香港事務所の御会式に参列された。これには海外部主任・石橋頂道御尊師、宗務院書記・佐藤信俊御尊師も出席され、所属信徒も約100名が参詣した。

 法要は午後3時から事務所責任者・後藤史道御尊師の導師によって行われ、献膳・読経・申状捧読・唱題と奉修された。また小憩の後、午後4時からは、「第一回香港信徒総会」が開催された総会は、「地涌讃徳」の合唱のあと、信徒代表が平成9年5月の開所から現在までの経過報告と決意発表を述べ、続いて体験発表がなされた。次いで石橋海外部主任から祝辞、引き続いて尾林海外部長から指導があった。

 その中で海外部長は、事務所開設以来、責任者・後藤御尊師と共に護持発展を支えながら広布の基盤を築かれた信徒に対しねぎらいの言葉を述べ、さらに、「一般に仏といえばインドの釈尊だが、末法の我々を真に救ってくださる仏様は、日蓮大聖人である。末法の衆生の教主として、賢父として、開導の師として法華経の実義を説き明かされた大聖人を真実の仏(仏宝)と一信じ、本門の大御本尊を最勝の本尊(法宝)と確信し、大聖人以来御歴代上人への血脈相伝を(僧宝)と拝し、大確信をもって今後の信心倍増と折伏弘通に遭進していただきたい(趣意)」と指導された。

 最後に後藤御尊師より丁重なる謝辞が述べられ、午後5時に総会は滞りなく終了した。総会終了後、事務所の母体法人である『香港仏教日蓮正宗』の理事会が開かれた。

 香港では、事務所開設以来、信徒組織の確立を目指して家庭訪問を中心に活動が行われている。この動きの中で、個々の信心の向上と、組織の連携と結束に大きな発展が見られるようになってきた。そうした上昇ムードの中で開かれたこの度の総会は、「出陣の年」に向けての着実な一歩となった。


スリランカで御授戒・御本尊下付

 旧国名「セイロン」の名でよく知られる常夏の国スリランカの首都コロンボ市において、昨年11月8日に御授戒・御本尊下付が厳粛かつ盛大に執り行われた。これには、宗務院海外部主任・石田演道御尊師、慈法寺住職・田島寛応御尊師並びに宗務院書記・野村信導御尊師が出席。

 当日早朝より、徐々にメンバーが集まり始め、コロンボ市内・近郊、また地古都市から、総勢300名が、会場となった信徒宅を埋め尽くした。前日から泊まりがけで参集する遠方からのメンバーも多くいた。

 まず、午前9時より、朝の勤行が行われた。会場内の参加者のほとんどは新入信の者だったが、勤行の声は自信と確信がみなぎる堂々たるものであった。引き続き御授戒・御本尊下付が行われた。昨年1月のスリランカ出張御授戒・御本尊下付からわずか10カ月という短い期間であるのにもかかわらず、今回の出張では、156名が御授戒を受け、77体の御本尊が御下付された。


 また、この法要当日を含めた前後計7日間にわたり、コロンボ市内外および古都キャンディーの信徒宅7カ所への家庭訪問並びに主要メンバーとの質問会も行われた。各所において、30名から80名の結集があり、家庭訪問というより地区単位でのミニ総会ともいえる有意義な会合となった。

 この期間中、壮年部・青年部によって組織された警備グループは、常に御尊師方の警護に当たっていた。スリランカでは、いまだにテロリストと政府軍との間における民族紛争が絶え間なく続いている。街の至る所で軍隊が銃を構えているという緊迫した状況であったが、安全かつ大成功のうちに一切が執り行われた。


 平成6年3月に宗務院海外部として初めて現地へ赴いた当時のスリランカは、まだ信徒数も150名程であったが、この5年間で2,000名の陣容へ発展しようという勢いである。そうした中で、婦人部はもちろん、壮年部・青年部の活躍・成長も目覚ましい。

 そもそも人口の7割が小乗教徒というスリランカで、日蓮正宗の布教がこのように進んでいくことは奇跡に等しい。これは、御本尊様の御加護、御威徳はもちろんのこと、リーダーの篤き信心と情熱によるものに他ならない。今後のさらなる発展を祈りたい。


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