<2・3面> 出陣式より(式次第順)
<4・5面>
<6〜8面>
◇ 出陣式より
さて、本年「出陣の年」、いよいよすべての準備を整え、平成14年・宗旨建立750年の大佳節へ向かって、本格的に大前進をすべき、まことに大事な年を迎えました。出陣とは、決死の覚悟をもって闘いに臨むことであり、文字通り、我らは打って一丸となって広布の戦陣に向かう、決死の年を迎えたのであります。我らにとって、出陣の先にあるもの、それは勝利でなければなりません。今、法華講にとって大切なのは、勝利への確信を持って出陣することであります。
しかしながら、我らの信心が軟弱であったり、臆病であっては、決して勝利することはできません。御法主日顕上人猊下は、『訓諭』の中で「一大勇猛心を喚起せよ」と仰せであります。しかれば今日、ここに集う我ら一同、否、全国の法華講衆が今日の出陣式に当たって、一大勇猛心を亀こし、勝利を確信して果敢に打って出れば、我らの勝利は間違いありません。もちろん、我らの行く手には、邪教・池田創価学会の妨害をはじめ、あらゆる困難が待ち受けていることは必定であります。だが、我々には御戒壇様がおわします。そして法華講の同志がいる。その法華講の同志が心を一つにして団結していけば、いかなる魔も恐るるに足らず。「彼等は野干のほうるなり」(御書1397ページ)との御金言を、勝利への闘いの中で、必ず実証していくことができるのであります。
どんなに優秀な集団でも、一人ひとりがバラバラで、余所を向いていたのでは、持てる力も発揮できません。今、法華講は、すべからく志を一つにして、一致団結・異体同心していくことが肝要であります。出陣に当たって必要なのは、この異体同心の団結と、勝利への確信と、決死の覚悟であります。しかし、もしそれでも我々が行き詰まったら、我らは一心に題目を唱え、題目を唱えきっていきましょう。
いざ出陣の時は来たれり。目指すは平成14年・宗旨建立750年の大佳節、30万総登山の達成であります。その意義は、三大秘法の宗旨御建立の御本仏日蓮大聖人の広大なる御恩徳に報恩謝徳申し上げ、相伝付嘱に基づく三大秘法の下種大法の令法久住と広宣流布の確固たる基盤の確立であり、また、大聖人一期の御化導、立正安国実現のためであります。
思えば平成六年、地涌六万大総会の砌、御法主上人猊下より賜りし御言葉に、「今日の集会の六万人の5倍、ないしそれ以上の信心篤き地涌の友が輩出すれば」(大白法414号)と戴きました。この御意を拝し、もったいなくも己が地涌の友なりと身口意に刻む時、どうして一日一日が遺悔の日とできるでしょうか。いよいよただ今から総仕上げに入ります。さあ、あと3年余の日々は止暇断眠、まさに折伏の鬼となって、誓願した5倍乃至それ以上の世帯数の支部に、全国がなるのです。否、ならねばならないのであります。
されば祈りも一段と真剣に、すべからく緩ならず、懈怠なく僧俗一致で余命の信心を3年に凝縮し、不惜身命で奮い立つのです。水の流れる信心より火を取り出し、我が身を広布に燃やし、燃えて燃えて、燃え尽くそうではありませんか。
信心の究極の姿こそ死身弘法であり、御本仏御在世の熱原の三烈士が法難により護法の華と散りました歴史が末代に残る鑑なら、御当代御法主日顕上人の御代に法華講員と生まれ、宗門未曽有の大時局をみる時、「祖道の恢復」「異体同心の確立」「広布への前進」の大号令を発せられ、破邪顕正・正法厳護の闘いの矢面にお立ちの御尊影を拝するとき、誰一人として御法主上人に不惜身命を誓わぬ者があるでしょうか。驥尾に附し奉り、限りある命を、今こそ30万達成の折伏戦に捧げるのであります。この闘いの歴史が、やがて平成の法華講が三烈士と並び劣らぬ、燦然と輝く鑑として残ることでありましょう。
御法主上人猊下におかれましては、瞬時の暇なく大御本尊様に御威光倍増・御利益広大と御祈念賜りますのに、折伏ぜずしてどうして大御本尊様の御威光・御利益が判るでしょうか。私は年々歳々、折伏のできない年は、もう次の年は迎えないと決死の覚悟を決めています。どうか、本年は桜の花の咲くまでに必ず折伏をしてください。自分がまず実践し、人にもさせて、一人残らず伝えていくのです。そこに30万総登山の悠々たる達成もあり、各支部の磐石なる礎が築かれ、日蓮正宗の前途は洋々と広布達成に進むのであります。
昨年の11月13日、御法主上人猊下は甚深の『訓諭』を御発令されました立宗750年を迎えるに当たり、宗内一統に明確なる信心の御教導と拝受いたしました。その趣意の中で、自行化他の折伏弘通こそ30万総登山完遂のための肝要であり、堂宇建設、諸般の整備とは、まず戒壇の大御本尊様御安置の清浄なる奉安堂の建立であり、宗内僧俗挙げて一日も早く成ぜんことを希(こいねが)い奉るのであります。
申すまでもありませんが、この宗旨建立750年を迎えるに当たり、30万総登山については、先の平成6年、地涌六万の大総会の時、御法主日顕上人猊下より賜りました御指南により、以後、僧俗の間に一日一日と芽生え、4年有余を経て、今日に至るものであります。その間のことは、皆様も御存知のことでありますれば省きますが、我らは大聖人様より血脈嗣法の御相伝を賜る二祖日興上人様以来、今日、67世御法主日顕上人猊下に連なる、尊い地涌の眷属である因縁を深く自覚し、そこに創価学会や他門の不相伝家の謗法の者とは、信行学はもとより、生活の行躰においても異なることを正しく認識し、妙法広布の上に、大事な折伏を一日も忘れてはならないのであります。
今、一口に750年と、口では簡単に言えますが、この間の御宗門の御苦労は並大抵なものではありません。世界の歴史の中で、7世紀半に亘って、最初の時のままの姿、形、味も、香りも変わることなく現在まで続いているものは、我が日蓮正宗のみであります。そこに、謗法厳誡の祖道が厳然と輝いているのであります。過去に、この正法修行の厳しさに耐えきれず、日興上人様に背き、謗法に流れていった日蓮宗他門の輩も、聞くところによれば、宗旨建立750年を考えているとのことでありますが、まことに笑止千万であります。
正法修行には魔が必ず現れてくることは、大聖人様は御一生を通じて、尊い御身をもっての御指南であります。そこに、法華経の大利益、即身成仏と、また魔の関係は表裏のごとく、常に現れることを、御歴代の御上人様も同様、御身をもっての御教導を我らは忘れてはなりません。果たせるかな、今日、創価学会もまた、栄耀栄華(えいようえいが)に誑(たぶら)かされ、謗法厳誡の厳しさに負け、そこに、未だかつてない、国家権力をも動かしかねない大組織の力を以て、御法主日顕上人猊下に襲いかかっているのであります。
御法主上人猊下は、御登座以来、「祖道の恢復」「異体同心の確立」「広布への前進」を僧俗我ら一同に御教導を賜り、ここに尊い御身をもっての今日の難は、「勧持品二十行の偈」に説かれる一つひとつの難を耐え忍ばれるものと我らは拝するものであります。我ら法華講は、ここに立正安国を目指す御宗門750年の尊い忍苦の歴史を深く心に刻み、御報恩の信行を奮起させていかなければなりません。
この2つは皆様も既に、待ち望んでおられたことと存じます。私の申し上げたいことは、どうすればできるかではなく、こうすればできるということであります。それは自分の境界を唱題によって開くことであります。ところが、なかなか宿業でありますから、外からどんなにやかましく言われても、本人には響かないのであります。しかしながら、どんな人間でも身に危険を感じてくれば、これは素早く反応を表すものであります。そこに私は、あの栗の実が、外からは手もつけられない「イガ」で固めた要害であっても、内から割れる譬えのごとく、世間はこの3年の間に、凡智を絶する程の未曾有の大変化を味わうものと思います。そこに、内から割れる栗の「イガ」のごとく、長年の人生観、名聞名利の夢も破られて妙法に帰依する大勢の人々の現れることを、私は観ずるものであります。我ら法華講は、そこに全国的に大組織網を展開し、唱題第一、生活第一の信仰即生活を互いに励まし合って、30万総登山実現の大折伏戦を展開してまいろうではありませんか。
しかし、また宿業でありますから、そう簡単に判るものではありませんが、この類の宿業は意外と転換は早いのであります。それは利益を戴くからであります。ところが信心のない者が、名聞のために法外の借金をしたり、また、利益欲しさのために小細工をする。そこに真実の御供養を知らない者の落ちる落とし穴があって、その結果、法を下げるのであります。
御供養は毎日、毎日の信心の積み重ねであります。金のあるなしにかかわらず、また老・若・幼に関係なく、1日は24時間しかありません。故に連合会は、『薬草喩品』の「三草二木の譬え」のごとく、小は小なり、大は大なりに、毎日の積み立てをもって基本としていきたいのであります。また、その目安としては、1日100円の積立貯金を提案したいのでありますが、皆様、いかがでございましょうか。
そこに塵も積もれば山となるがごとく、目標以下の人はその目標に向かって、また、それ以上の人は自分で目標を設定して、大きく功徳を積む。そうして自由に伸び伸びと、また、御供養は毎日が明るく、楽しくなっていく生活でありますから、毎日の心掛け、精進により、知らず知らずの間に境界も開き、自然と仏祖三宝尊を敬う功徳により、安心した生活ができるのであります。
昨年は、文字どおり「革進の年」にふさわしく旧来の陋習を排して、総本山では新客殿が落成し、これを慶讃し10日間の大法要に10万余の法華講の精鋭が歓喜の登山をしたのであります。最終の10日目、全山喜びに沸きかえる中、長年待ち望んでいた本門戒壇の大御本尊様が、御法主日顕上人猊下の一大英断により、あの忌まわしい正本堂より、清浄なる新奉安殿に御遷座になったのであります。そして、池田学会の野望を遂行せんとするあの忌まわしい「シシボル・正本堂」と池田・創価学会は此処に音を立てて崩壊し、富士700年の清流は厳然と保たれ、同時に、猊下を中心とした真の僧俗和合、異体同心の体制が確立し、いよいよ皆様方法華講による真の広布の時代が到来したのであります。
かくして、平成10年「革進の年」は猊下を中心とした僧俗一致の大勝利で終わり、本年立宗七百五十年・30万大結集に向かっての「出陣の年」を迎えたのであります。本年「出陣の年」は、3年後の立宗七百五十年の勝敗を決する重大な闘いであります。故に睨下は、畏くも『訓諭』 を発し、その慶讃報恩の道を示され、「挙宗一致、一意専心これを達成して大聖人の御報恩に誠を尽くせ」と。
私達一同は、異体同心にこの『訓諭』を拳々服膺し、歓喜踊躍して大折伏に出陣し、宗開両祖の御前で、陣頭指揮をお執りあそばす「大将軍、目顕上人猊下」の御もとに、法華講の精鋭を引き連れて折伏の戦野に駒を進め、一歩も退する心なく、「群狐に笑われざる師子王の闘い」を展開しようではありませんか。そのためには、まず第一に、全国各支部が本年度の折伏誓願目標を必ず達成することが大事であり、まずそのことを本日、猊下の御前でお誓いしようではありませんか。
大聖人仰せに曰く、「一丈の堀を越えざる者二丈三丈の堀を越えてんや」(御書 1132頁)と。本年の誓願目標の達成・勝利なくして何の3年後の30万達成が出来得ましょうか。生涯60余度の真剣勝負をして敗れたことのない剣豪・宮本武蔵の晩年の書『五輪書』に、「一命て捨てる時は道具を残さず役立てたきものなり、道具を役立てず納めて死すること本意にあるぺからず」と述べてございますが、私達の折伏・指導も常に真剣勝負であり、一分の油断も許されず、すべてを懸けての闘いでなければならないのであります。
もし、「この次があるから」との一瞬の気の緩みがあれば、負けであります。大聖人様仰せの、「臨終只今にあり」(御書 513頁)との大精神に立ち、強盛な唱題と祈り、これ以外にございません。その折りも、「なづきをくだきていのるに、いまゝでしるしのなきは、この中に心のひるがへる人の有るとをぼへ候ぞ」(御書 998頁)と戒められているごとく勝利の要諦はただ一つ、我慢偏執の心を捨て御本尊を信じ、御法主上人猊下の心を心とし異体同心の祈り、そして強盛なる唱題その上に情熱を持って折伏を実践するにあることを知らなければならないのであります。
さあ、「立宗七百五十年、30万大結集に向かって出陣せよ」との猊下の大命令は下されました。各支部は遅れることなく、折伏の戦野で師子奮迅の闘いをし、お互いに勝利を競い合おうではありませんか。平成11年「出陣の年」。この闘いは、「今を外しては千歳再び来たらず」であります。まず、我一人立ちましょう。今日お集まりの指導教師が立ちましょう。講頭が立ちましょう。必ず二陣、三陣は続くでありましょう。大聖人仰せに曰く、「一つの師子王吼ゆれば百子力を得」(御書 1290頁)と。
目睫(もくしょう)に迫った立宗七百五十年の勝利は、本日参集の皆様の闘いにあることを決意し、本日より僧俗一致して、大折伏に邁進いたしましょう。皆様方の御奮闘を、心よりお祈り申し上げます。
* By Yamazaki
○ 挨拶 総監・藤本日潤御尊能化
御本仏宗祖日蓮大聖人の末法御出現の目的は、三大秘法の大仏法を一閻浮提に広宣流布し、もって全世界に永遠の平和と幸福を実現するところにあると存じます。しかして、大聖人が初めて南無妙法蓮華経の題目をお唱えあそばされた建長5年4月28日から、今、まさに七百五十年の歴史を刻もうとしておりますが、その歴史の大部分は、国家権力とその宗教統制によって折伏広布への道を大きく阻まれてきたのであります。しかし、第二次世界大戦の未曽有の敗戦という結末によって、これまでの国家体制が大きく変革し、新たに制定された平和憲法によって、言論・思想・信教等の自由が保障されるに至り、三大秘法広宣流布への道は大きく開かれたのであります。
この、時の流れに乗って日蓮正宗の信徒団体として発足した創価学会は、日本及び海外において大きく教線を拡張いたしましたしかし、三代池田会長に至り、正本堂の建立に伴い、その意義に関連して著しい増上慢を起こし、遂に大聖人の仏法に大きく違背するに及び、御先師日達上人より強く誠められたのであります。このため、一時は恭順を装って破門を免れたのでありますが、御当代日顕上人の時代となって10年を経過するや再び増上慢を顕して血脈相伝の仏法を軽侮し、宗門支配を企てて来ました故に、日顕上人猊下は断固として大聖人の血脈相伝の正法正義を守るため、種々教誠を重ねてその誤りを糾されようとなされたのでありますが、池田創価学会は、今度は全く反省のかけらも見せず、遂に猊下、宗門を誹謗攻撃して、公然と反旗を翻すに至りました。ために日蓮正宗としては、平成3年11月、遂に創価学会を破門し、翌平成4年8月、池田を信徒除名処分に付しました。そして、平成9年12月の一般学会員の信徒資格の喪失により、名実共に創価学会と断絶するに至ったのであります。
この間、創価学会の誤りに気付いた多くの学会員が創価学会を脱会して末寺に所属し、今法華講員として日蓮正宗の正しい信仰に励んでいるのであります。故に、現在の日蓮正宗の状況を一口で申すならば、数年前の日本経済のバブルがはじけた状態のように、見せかけの大きなバブル部分が除去せられて、本門戒壇の大御本尊と唯授一人の血脈相伝の仏法を根本とする、日蓮正宗七百五十年の清純なる信仰を持つ僧俗のみによる正しい宗団となったということであります。昔、他宗他門から「針金宗旨」と呼ばれたように、スリムにはなりましたが、その信仰の純粋さをしっかりと持ち、真の広宣流布を目指す新しい体制がここに出来上がったのであります。
本年『出陣の年』の年頭の出陣式に当たり、先程来、それぞれの代表の方々より力強い決意が披瀝せられ、しかして、最後に御法主上人猊下より、甚深の御指南を賜ることに相なっております。どうか全国僧俗の皆様には、この御法主上人猊下の御指南を根本として、向こう三年問の行方を決する重要な第一年目の本年、それぞれにおいて立てた誓願目標を完全に達成することによって、平成14年の30万総登山の成就に絶対の確信を深めるべく、真剣なる唱題と折伏の実践を念願してやまない次第であります。
日本の国の現状はバブルがはじけて以来、今や不況のどん底といはたんわれ、金融機関の破綻や企業の倒産が相次いで、日本沈没論まで現れる状況下にあり、さらに、世界的にも環境破壊・オゾン層破壊・地球温暖化等々、人類の未来、地球の未来にまで暗い陰を落とすような問題が山積みしており、これに対する解決策も一向に進展しない現状であります。このような日本乃至、世界の危機的様相は、まさに大聖人様が『立正安国論』にお示しの、「世、皆正に背き、人悉く悪に帰す。故に善神国を捨てヽ相去り、聖人所を辞して還らず。是を以て魔来たり鬼来たり、災起こり難起こる。言はずんばあるべからず。恐れずんばあるべからず」(御書234ページ)の御文や、あるいは、「仏法は体のごとし、世間はかげのことし。体曲がれば影なヽめなり」(御書1469ページ)の御文にお示しのとおり、世間が悉く大聖人様の正法に背き、謗法に陥っているが故に、多くの災難が競い起こっているのであります。この災難が世界的な現象にまで及んでいる今日程、破邪顕正の折伏弘通が必要な時はないのではないでしょうか。
思えば、平成2年の総本山における法華講衆3万の総会は、以前に比べ未曾有の姿であり、まさに大法守護は法華講の方々にあることを顕したのであります。そして、その時に打ち出した命題が、平成6年の地涌6万総会でありました。かかる法華講の躍進、宗門僧俗の和合の態勢に対し、かねてより宗門の支配・掌握を企てていた池田学会は大いに瞋り、怨憎嫉妬(おんぞうしっと)を抱きました。それが、たび重なる衛星放送による宗門誹謗と会員の洗脳、特に平成2年11月16日の法主・宗門への罵詈(めり)誹謗となったのであります。これまことに法華経の「猶多怨嫉 況滅度後」の予言に合致するところであり、正道の僧侶と法華講信徒の大法護持によって引き起こしたところの三類の怨敵であります。宗門はこれに対し冷静・公平な処置を採りましたが、池田創価学会は貪瞋癡三毒の悪業を発揮し、世に類を見ない捏造(ねつぞう)中傷、誹謗迫害の限りを尽くし、隠れていた彼らの邪義謗法の本質を、まざまざと露わすに至りました。
しかし、宗門の僧俗はいかなる誹謗と妨害をも、ものともせず妙法を護持し、平成6年の地涌6万総会を大成功裡に成就したのであります。かくて、その時、8年後の宗旨建立750年に向かい、30万総登山を目標としての折伏大前進が、宗祖日蓮大聖人の御仏意を拝し奉る我らの誓願として、湧然(ゆうぜん)と湧き上がったのであります。しかも、そののち、池田創価学会の御本尊に関する大謗法が重なるなかで、これを嬌(ただ)すとも言える、あの阪神の大震災があり、その因縁によって昨平成10年の新客殿落慶と10万登山の快挙が成就いたしました。まことに仏法の不思議、これに過ぎるものはないと思うのであります。
思えば約3000年の昔、法華経の霊山虚空会において、釈尊は久遠の弟子としての地涌の菩薩を呼び出だすことにより、御自身の久遠常住の身を顕すことができ、在世の衆生にも久遠の生命の大自覚を与えられたのであります。しかるに、釈尊の仏身の常住の化導と活動は、その文の底に久遠元初の本仏の一念が法界の時間、空間の一切を摂する南無妙法蓮華経に基づくのであり、これを顕されるのが末法出現の上行菩薩、内証・久遠本因妙の教主たる日蓮大聖人であります。これすなわち、釈尊より地涌の菩薩への神力結要付嘱に基づくものであり、その正意は大聖人が『三大秘法抄』に解明あそばすところであります。
かかる釈尊の最後の本門の化導において、在世の衆生の迷いに対する大折伏という重要な役割を果たした地涌の菩薩は、末法の出現に至って仏法の本主たる義が顕されます。故に『御義口伝』に、「此の妙法蓮華経は釈尊の妙法には非(あら)ず。既に此の品の時上行菩薩に付嘱し玉ふ故なり」(御書 1783ページ)と仰せであります。今、末法の時、地涌の上首・上行として、また、内証・久遠元初の仏として御本尊を顕され、三大秘法を弘通あそばされた宗祖大聖人の仏法を、寸分の狂いもなく受持し信行する集団は、ただ我が日蓮正宗あるのみであります。
それ故に、まさしく妙法広布の大願をもって進む地涌の菩薩は、我ら日蓮正宗の僧俗、法華講の皆様のほかに、どこにありましょう。どこにもけっしてない、と断言するものであります。かの池田創価学会の如く、見せかけのみで、真の志弱く、種々の障害起こればたちまちに節操を捨てて謗法に与同し、我意強盛にして、弱者には非道の限りを尽くして世間・出世間の秩序を乱す者が、絶対に地涌の眷属(けんぞく)ではありえないのであります。
さてそこで、この本日の出陣式の集まりは、その本質においていかなる意義を持つものでありましょうか。一言もって言うならば、地涌の菩薩の折伏の出陣式であると信ずるものであります。大聖人様は『諸法実相抄』に、「末法にして妙法蓮華経の五字を弘めん者は男女はきらふべからず、皆地涌の菩薩の出現に非ずんば唱へがたき題目なり。日蓮一人はじめは南無妙法蓮華経と唱へしが、2人・3人・100人と次第に唱へつたふるなり。未来も又しかるべし。是あに地涌の義に非ずや」(同 666ページ)と仰せられました。この「未来も又しかるべし」とは、まさに今日の出陣式を指し給うと拝信いたします。すなわち、自行化他の題目を唱えて自らも成仏を確信するとともに、他をも導きつつ、三毒強盛にして心の貧困極まる今日の濁悪の世をおのずから救済する功徳を顕すことがそれであります。故に、本日参集の僧俗皆様は老若男女を問わず、妙法を受持して、たとえ一人なりともこの正法を説き勧めんと志すその身に、宛然(えんねん)として地涌の菩薩の深く尊い境界と功徳が具わるのであります。
この地涌の菩薩は、世の腐敗・堕落の泥水に染まらぬこと、蓮華の水に在るが如く、しかもその汚泥を離れず、大慈悲をもって志念力堅固に妙法を弘通することが経文の相であります。つまり、世間の迷いのなかの悪習・悪風に盲従せず、妙法受持を根本として折伏の信念を持って濁悪の世を進むことこそ、地涌の使命であります。今、宗門の600になんなんとする寺院と、そこに組織された法華講信徒皆様の信心の結集と団結こそ、まさにこの崇高な目的を実践すべき場であることを、深くお考え願いたいのであります。
最後に、もうひとこと申し上げることは、この出陣式が、皆様一人ひとりにとって何を意味するか。すなわち、一人ひとりが、一人も漏れなく地涌の菩薩たる折伏の陣列に並ぶことが、出陣の意義と信ずるのであります。大聖人様は南条時光殿に対し、「其の国の仏法は貴辺にまかせたてまつり候ぞ」(同 1242ページ)と仰せであります。御本仏より仏法の弘通を任せられる、これほどの光栄がありましょうか。しかし、この出陣式参加の皆様こそ大聖人様より、その生活の場において大法の折伏を任せられたと信ずべきであります。
さあ皆さん、深い信心に住し、異体同心に楽しく高らかに題目を唱え、いかなる難をも忍び、一歩も撓(たゆ)まず、一年に一人が一人の折伏をなさんとの誓願を立て、本日より宗旨建立750年に向かい、正法護持と折伏の歩みをしっかり進めてまいりましょう。以上、出陣式挨拶といたします。
「出陣の年」の年頭、1月3日正午より、澄み切った青空のもと総本山大石寺の客殿において、宗旨建立七百五十年出陣式が、御法主日顕上人猊下御臨席のもと、盛大かつ厳粛に開催された。この出陣式には、総監・藤本日潤御尊能化、重役・吉田日勇御尊能化をはじめ、全御宗門の指導教師が御出席され、法華講総講頭・柳沢委員長、大講頭・石毛副委員長、井出潔・渡辺定元総本山総代、寺族、法華講連合会幹事、地方部長をはじめ全国各支部の講頭・副講頭ほか講中代表3300余名に加えて、海外17カ国から130余名の海外信徒代表も参加したまた、その他の初登山会参詣者も広布坊におけるテレビ放映に参加した。
○ 開式挨拶 庶務部長・早瀬義寛御尊師
皆さん、「出陣の年」、明けましておめでとうございます。本日は、御法主日顕上人猊下の御臨席を仰ぎ奉り、総監・藤本日潤御尊能化をはじめ全国の教師一同、並びに柳沢総講頭をはじめ海外信徒を含む、全国の法華講各支部の代表の方々の多数の御出席をいただき、このように盛大に出陣式が執り行われ、まことにおめでとうこざいます。
○ 『破邪顕正の折伏で30万総登山の達成』 地方部長代表・河原昭太郎
立宗747年の新春を迎え、御健勝なる御法主日顕上人猊下の御もとに、挙宗一致の出陣式がかくも盛大に開催され、本席参加者はもとより全世界の日蓮正宗僧俗御一同、本日はまことにおめでとうございます。
○ 『宗旨建立750年を迎える我等の信心』 総講頭・柳澤喜惣次
穏やかな天候のもと、清々しく迎える宗旨建立747年の新春、全国の皆さん、並びに海外信徒の皆さん、明けましておめでとうございます。本日は、新客殿落慶後、初めて迎える新年の、また、御宝前において仏祖三宝尊御照覧の御もと、宗旨建立750年に向かって、第67世御法主日顕上人猊下の御臨席を仰ぎ奉り、僧俗一致、30万総登山への出陣式がこのように厳粛に、かつまた、盛大に行われましたことを、衷心よりお祝い申し上げます。皆さん、おめでとうございます。広布坊の皆さん、おめでとうございます。
また、既に御承知のことと存じますが、昨年12月3日、臨時宗会において、宗旨建立750年慶祝記念局が設置されました。その第1回の委員会が12月18日、総本山において開かれ、いよいよ平成14年に向かって、やるべきことが明らかになってまいりました。この記念局には「規約」がありまして、その内容は、29ヶ条、第1章から6章に分かれ、大事なところはさらに詳細に分けられておりますが、たいへん判りやすく、我ら法華講が精魂を傾けて励むところは2つであります。その1つは、宗旨建立750年慶祝記念法華講30万総登山と、 もう1つは、奉安堂建立事業(関連付帯建設事業を含む)の2つであります。
次に、奉安堂建立事業と関連付帯事業の御供養のことでありますが、御供養については、前々から申し上げておりますがごとく、これは勝手にできるものではありません。そこに、この度の御供養は50年に一度(ひとたび)来る慶祝記念事業の中の御供養であります。この御供養の功徳は、私の体験から申し上げますならば、すべてに亘って行き詰まって塞がってしまった、どうにもならない境界でも、不思議と御供養の御功徳で知らず知らずの間に、大きく広がる境界に転換していただけるのであります。そこに有り難いのであります。
○ 『僧俗一致 大折伏戦に決然と立て』 宗務支院長代表・秋山日浄御尊能化
霊峰富士の麓、本門戒壇の大御本尊まします真の霊山・事の寂光土たる我が総本山大石寺に、海外をはじめ日本全国各地の法華講の精鋭が、唯授一人の御法主日顕上人猊下の御もとに馳せ参じ、異体同心に一大団結をし、その大号令のもと、挙宗一致して立宗七百五十年の慶讃30万総登山をはじめ、諸堂宇の建設の完遂に向かって「勝利の出陣」をせんとする平成11年の初春、明けましておめでとうございます。
一閻浮提広宣流布の根源、日蓮正宗総本山大石寺の客殿において、御法主日顕上人猊下御臨席のもと、海外メンバーを含む僧俗代表が結集し、三年後の平成14年・宗旨建立七百五十年に向かって、ここに盛大に出陣式が執り行われ、まことにおめでとうこざいます。
先に昨年11月、御法主上人猊下より宗内一般に『訓諭』を賜り、立宗七百五十年の佳節に向けて具体的指針をお示し下されております。そして、これを受けて12月には、僧俗代表が参画する宗旨建立七百五十年慶祝記念局が設置され、第一回委員会が開催せられました。そこでは、その「規約」のもとに4つの記念事業、即ち『宗旨建立七百五十年慶祝記念大法要』、同『法華講30万総登山』、『総本山奉安堂建立事業』、『記念出版事業』が計画、立案、実施せられることになったのであります。このうち、『法華講30万総登山』は、既に平成6年地涌六万大総会の時に、御法主上人猊下より御命題として賜っており、僧俗共に努力を重ねてきているところでありますが、今回、改めて記念事業の重要な課題として確認せられた次第であります。この課題については、宗門として昨年、綿密な調査と検討を加えた上、各寺院こと、支部ことのそれぞれの目標を設定して御連絡申し上げ、皆様方、既に御承知せられているところであり、それぞれに目標達成のための誓願と計画を立て、真剣な唱題と実践に入られていることと存じます。
○ 御法主上人猊下御指南
本日の出陣式は、仏祖三宝の御照覧のもと、全世界の宗門僧侶ならびに国内信徒幹部御一同、また、海外17カ国より132名の信徒各位がこの客殿に参集せられ、盛大かつ重要な意義をもって執り行われましたことを、私は最も喜びに存ずるものであります。皆様、おめでとうございます。この出陣式は、真の大法の功徳が日本乃至、世界に向かって広宣流布する幕開けの儀式とも言うべきであり、したがって、確固たる教法と因縁の道理に基づくものであります。