<2〜5面> 第36回総会から
<6〜8面> 地方別僧俗指導会(東京第一)から
<9面以下>
本年「出陣の年」の法華講連合会春季総登山会が、去る3月27日から二日間にわたって行われた。この登山会には一泊、日帰り合わせて、全国から27,900余名が総本山に参詣した。総登山会第二日目(28日)には法華講連合会第36回総会が行われ、御法主日顕上人猊下の御臨席のもと、総監・藤本日潤御尊能化をはじめ、宗務院各部の部長・副部長、総本山塔中の御住職方が御出席され、全登山者は、広布坊・客殿・大講堂・常来坊・総一坊・総二坊の六会場に分かれて参加した。
法華講連合会第三十六回総会、まことにおめでとうございます。法華講総講頭・法華講連合会委員長・柳沢喜惣次氏、同副委員長・石毛寅松氏をはじめ連合会各地方部長、諸役員の方々、各法華講支部講頭ならびに役員乃至、全国の法華講員の皆様多数の御参集により、ここに盛大に本年度の連合会総会が開催せられましたことを、心よりお喜びいたすものであります。我が日蓮正宗は、今や真の仏法を弘める世界唯一の教団として、僧俗一致団結の絆もいよいよ堅く、平成14年の宗旨建立七百五十年の佳節に向かい、本年より強固なる前進を開始したのであります。本日のこの集まりは、深信(じんじん)の唱題をもって身も心もしっかりと鍛えられた地涌の同志たる皆様が、心からの喜びをもって宗祖大聖人様の御法魂まします総本山へ、現当二世の洋々たる宿願成就のため参集されたものと確信いたします。
御本仏日蓮大聖人、二祖日興上人、三祖日目上人、御歴代御正師の御加護と不可思議極まる妙法経力により、七百年の正法護持、血脈付法の仏法を覆滅(ふくめつ)せんとする創価学会の我意邪見による、あらゆる嘘八百の宣伝策謀をものともせず、宗門は堂々と広布前進の一路を邁進してまいりました。しかし、その時どきにおいて、この日顕を陥れんとする池田創価学会の邪義策謀は実に執拗・厖大(ぼうだい)なものがありましたが、常に不思議の守護を頂いております。池田創価学会の宗門支配の野望は、池田らの胸中に以前よりわだかまる悪心でありましたが、それが特にはっきりした念慮をもって平成2年ごろより法主批判に動いたのは、彼らの嫉妬(しっと)と怨嫉(おんしつ)によるものであります。
彼らは何に対し、嫉妬したのでしょうか。すなわち、宗門が本来の正義に基づき、僧侶と法華講信徒の方々との堅い連携による平成2年の法華講三万登山を打ち出し、同年7月の総会においてこれが4万有余の信徒の参加をもって大成功裡に執行されたこと、そしてその時、かく申す日顕が、来たる平成6年にちなみ、地涌六万の出現の象徴たる、法華講信徒6万名の大総会を皆様に呼び掛けたことであります。宗門を自らの勢力によって支配せんとする池田創価学会は、大いに嫉(ねた)み怨(うら)み、ここに邪悪の鎌首を持ち上げ、私を中心とした宗門への不平不満と嫉妬による誹謗を、醜魔(しゅうま)・池田の衛星放送等をもって激しく打ち上げ、会員を宗門より離れさせる洗脳を図ったのであります。
かくて、さらに業を煮やした池田の嫉妬の心がはっきり表れたのが、あの同年11月16日の衛星放送によるスピーチでありました。この録音テープを信徒有志から入手した宗門は、かかる謂(い)われのない謗(そし)りに対し、直ちに堂々と質問をいたしましたが、狡猾(こうかつ)な彼らはテープの存在を否定し覆い隠す等、卑怯な行動をもって言を左右にしきるのみか、それに答えず、かえって居直りの、あらぬ批難を浴びせてきたのであります。これにも堂々と宗門は返答しております。これのみならず、あらゆる池田らの虚偽と欺瞞(ぎまん)に満ちた宗門誹謗の行為がいよいよ表れてきましたので、このまま池田やその側近が、宗門信徒の総講頭、大講頭の要職を占領することは正法を守るために不可であるとの決断をもって、平成2年12月27日、法華講本部役員に関する「宗規」を改正し、その結果、池田はもちろん、法華講員を含むすべての本部役員の資格が喪失いたしました。けだし、これは正法を厳正に守る宗門当路者の当然の処置であります。
しかし、池田や側近の者どもはこれを逆恨みし、様々な悪誹謗はさらに喧(かまびす)しく、ここをもって宗門は、かねて戸田城聖第二代会長の誓いの如く、創価学会に解散を命じたのであります。しかるに、彼らの反発・否定の悪言はいよいよ甚だしく、ついに平成3年11月28日、創価学会破門に踏みきり、また、翌年の8月11日には池田大作を信徒除名処分に付したのであります。そののちの彼らの執拗(しつよう)な反復誹謗悪口は言語に絶するものがあり、特に平成4年の6月17日より始まったクロウ事件における虚偽捏造の報道とそれに関する醜悪極まる策謀は、まさにこれが良識を持つはずの人間かと疑わしめるものであり、畜生以下の、地獄の悪逆むき出しの姿が今日まで続いていることは、皆様御承知のとおりであります。この彼らの狂態は何によるのでしょう。
皆さん、これこそ法華経に予言された、「此の経は、如来の現在すら、猶(なお)怨嫉多し。況(いわ)んや滅度の後をや」(新編法華経326)との法師品の経文に照らして明らかであります。すなわち、この直接の導火線は、平成2年の宗門僧侶と法華講信徒皆様との一致和合による正法興隆への願望と実践、すなわち、あの三万名総会とその内容に対する謗徒・創価学会の怨嫉と嫉妬によるものであり、まさに我らは平成2年以来、大聖人様のあの法華経における予言の経文身読により三類の強敵(ごうてき)を扣発(こうはつ)あそばされた御跡に引き続き、至らぬ我らもこの法華経の文を身に当てて読ませていただいたことの実証ではありませんか。大聖人様は、この「況滅度後」の文および「悪口罵詈」(あっくめり)・「刀杖瓦石(がしゃく)」「流罪・死罪」「数数見擯出」(さくさっけんひんずい)の文をもって、「経文に我が身普合(ふごう)せり」(御書541)と仰せあそばされました。私どももまた、平成の今日、下種の法華経を正しく護り弘通するために、大聖人様の千万が一分であっても、「難信難解」そして「猶多(ゆた)怨嫉」の経文を身に当てて読むことができたことは、まさしく我らの信心修行の姿こそ、下種本仏大聖人ならびに御歴代上人、そして釈尊、三世十方の諸仏の御心にかなうものと確信するものであります。
かるが故に、振り返るとき、平成2年以来の仏法の興起は、実に「妙」の一字たる不可思議に満ちております。平成6年の六万総登山の時は、総本山めがけて進んできた台風により総会開催不可能の大混乱を来たすベき直前に、台風が左折して九州へ向かうという、たぐいまれなコースをたどり、そののちは美しい大快晴のもと、六万総登山が見事に成就いたしました。その総会において私は、8年後の平成14年の宗旨建立七百五十年の佳節に当たり、三十万信徒の方々の地涌の輩出と、登山を御提案申し上げたのであります。
しかし、その六万大総会の折には、それからの8年間について特別な行事を予定していなかったにもかかわらず、不思議にもあの阪神の大震災が惹起(じゃっき)し、その耐震問題の考慮・検討により、池田大作の寄進による、傲慢(ごうまん)・悪心に根ざされた旧客殿を取り壊し、堅牢優雅にして、広布の祈念道場にふさわしい現客殿が、総本山ならびに法華講信徒皆様の尊い自発的御供養をもって平成10年の3月、堂々と落慶いたしました。そして、平成6年時において全く予定のなかった新客殿落慶記念法要として、平成10年、すなわち、平成6年と同14年のちょうど中間において十万人の信徒の方々が御報恩の登山をいたされ、4年後の三十万総登山を望んで貴重この上ない体験と教訓を得たのであります。しかもこれは、地涌の菩薩の上首たる上行・無辺行・浄行・安立行の四大菩薩、即、宗祖日蓮大聖人御一身の御徳にちなんで、平成2年、同6年、同10年、そして同14年と、4年ごとに僧俗一致団結しての広布への前進が、初めより全く計算しないにもかかわらず瞭然(りょうぜん)と現れてきたことも、まことに不思議なことではないでしょうか。
思うに宗祖大聖人様は、正嘉元年(1257)丁巳(ひのとみ)8月23日の大地震の因由を各御書にお示しでありますが、この大災害が法然の阿弥陀念仏その他、邪義邪宗による一国総罰の現証であるとともに、さらには釈尊出世の本懐たる法華経と、その結要付嘱の大法を持(たも)って末法に出現する聖人の妙法五字との、種脱仏法の滅と不滅にあるとの御指南であります。しかるとき、今回の阪神大震災も、一国謗法の上に、さらに大聖人よりの血脈正伝の仏法に背反する逆賊・創価学会の御本尊に対する大謗法の最中(さなか)に惹起したこと、また、その因縁がおのずから日蓮正宗の正法正義の高揚と広布への僧俗一致の前進として、昨年の新客殿の建立と十万総登山に明らかに顕れていることを鑑(かんが)みるとき、ますます我ら正宗僧俗の一致団結こそ、大聖人の御(み)教えに儼乎(げんこ)としてかないまいらせておる所以(ゆえん)であると信ずるものであります。
かかる仏法上の大いなる因縁によって建立された新客殿である故に、この慶祝十万の信徒総登山成就の意義は、さらに次の平成14年へ向かっての正法興隆と邪義刷新に連動しなければなりません。ここにおいて、宗祖大聖人の究竟(くきょう)の極説(ごくせつ)たる本門戒壇の大義を、劣悪な我見によって地に堕とさんとした池田大作の大謗法の固まりである正本堂の解体と、それ以前における最重要事たる大御本尊様の御遷座を、断固として執り行った次第であります。もって、宗旨建立七百五十年を目指して、三十万信徒総登山と清浄なる奉安堂の建立に邁進する態勢がここに確立したのであります。
以上述べたことは今までにも分々に種々の機会に申してまいりましたが、本年は「出陣の年」としてのこの連合会総会に、従来の経過を総括して申し上げ、これらが現在および未来の広布への前進にけっして無関係ではなく、否、むしろ重大な仏法興隆の縁由をなすことを御諒知(りょうち)願いたく、申し述べた次第であります。思うに、信仰の中心を大きく狂わせ、いたずらに無智の会員を多数抱え込んで名聞名利に囚われ、悪臭ふんぷんたる邪教・池田創価学会、これに対する正しい仏法上のけじめが平成2年の終わりより平成3年にかけての宗門の断固たる処置でありましたが、不思議なことに、一般経済社会において欲に眼が眩んで商業道徳に種々に違反したバブル経済が音を立てて崩壊し始めたのが、やはり平成3・4年からであります。これまさに、御金言の、「仏法は体(たい)のごとし、世間はかげのごとし。体曲がれば影なゝめなり」(同1469)の如く、内容が汚れ、欲によって大を誇る泡の如き存在が、時来たれば必ず崩れるという原理であり、これが仏法と世法、共に明らかとなる時期であったと断ぜられます。真の仏法の興隆と道義社会の建設、そして一人ひとりの正しい仏法による真の幸福の確立こそ、まさにこの時であります。
さあ、皆さん、出陣によって折伏の陣列に並ばれた以上、次は一歩一歩の前進こそ大切であります。その前進の元になるのは、まず我が身、我が信力をもって折伏を行じようとの偉大な目的感を持って御本尊に祈念することであります。そして、世界何十億の民衆に先駆けて、本地甚深の無上の妙法を、我れこそ持(たも)てり、との堂々たる確信ある生命の喜びをもって唱題するところ、おのずから不思議な実相による折伏の因縁が湧き上がると信ずるものであります。
今回、宗務院として全国を29のブロックに分けて、初の僧俗合同による地方別指導会を実施することと相成り、去る1月25日、宮崎の地を第1回として九州・四国・中国・関西・中部の各方面へと継続してまいり、本日、当常泉寺において東京第一布教区の僧俗を対象とする指導会を開催した次第であります。皆様方には、諸般御多忙の中にもかかわらず、また時間的にも制約せられた中を、お差し繰り御参集をいただき、まことにありがとうございます。
来る平成14年・宗旨建立750年における法華講三十万総登山は、法華講の歴史において古今未曾有の大事業であります。近年創価学会の活動によって、宗勢は大きく拡張したかのごとくに見えましたが、数年前の日本経済のバブル崩壊と同じように、池田創価学会はその不純な信仰の故に、謗法与同へと堕落し、ついに、日顕上人猊下の大英断によって放逐(ほうちく)され、泡沫(ほうまつ)と化したのであります。今や、日蓮正宗は、あの熱原三烈士の純粋にして熱烈な信心を継承して、唯授一人の血脈法水を根本とする、法華講衆のみの唯一清浄な宗団となったのであります。その清浄なる法華講衆による、新たな広布への第一歩が、この平成14年の法華講三十万総登山であります。
したがって、この三十万総登山は、当面の法華講の大目標でありますが、それは決して終点ではなく、未来広布への大きな出発点であるということを認識しなければなりません。故に三十万総登山は絶対に成就達成することが必要であり、そこに、日顕上人が「三十万総登山は大聖人の御命である」(大白法 512号)と御指南せられた所以(ゆえん)があります。大聖人の御命は即ち仏勅(ぶっちょく)でありますから、その仏勅を奉ずる地涌の菩薩としての法華講衆の使命は極めて重大であると申さなければなりません。
本年初頭、1月3日の出陣式における猊下の御指南の意義もそこにあり、法華講衆の一人ひとりが、一人も漏(も)れなく折伏の陣列に並んでこそ、初めて三十万総登山への大前進があり、成就達成への道も大きく開かれてくるのであります。ここで大事なのが、一人も漏れなく折伏の陣列に並ぶということでありますが、これを成し遂げるには、異体同心の和こそ何よりも必要な条件となるのであります。大聖人様の、「異体同心なれば万事を成じ、同体異心なれば諸事叶ふ事なし」(御書 1389ページ)という御金言を、今こそ法華講衆の一人ひとりが肝に銘じて実践に移し、異体同心による大同団結の姿を実現すべき時であります。
もしも今、この大切な時期において、各支部の中で講員同士の間や、指導教師と講員との間で、少しでも争いやトラブルがあるとすれば、そこには必ず魔がつけ入って、様々な障害が現れ、その結果支部目標の達成どころか、遂には支部そのものの衰退へとつながりかねないのであります。大聖人様は、「外道悪人は如来の正法を破りがたし。仏弟子等必ず仏法を破るべし。『獅子身中の虫の獅子を食(は)む』等云云。大果報の人をば他の敵やぶりがたし。親しみより破るべし」(同 579ページ)とお示しであります。もし、支部の中に、少しでも争いやトラブルがあるとすれば、指導教師とその関係者において早急に、その原因を究明して、当事者同士の話し合いによる円満な解決をはかり、そして一刻も早く正常な講中活動を展開していくことができるよう、最大限の努力をしていただきたいと念願する次第であります。また、住職指導教師は、どこまでも御法主上人猊下の御指南を根本として、日蓮正宗僧侶としての道念に基づき、信徒との間に確固とした信頼関係を築きつつ、その指導育成に励み、僧俗和合、異体同心の実を挙げることが肝要であります。
そのための具体的実践としては、常に講員と共に、勤行・唱題・折伏に励み、講員と共に苦しみ、悩み、祈ることであります。そのような実践の中からこそ自(おの)ずから信頼関係が生まれ、育ち、そして強い絆となって、真の僧俗和合・異体同心への構築が出来上がっていくものと確信いたします。
このようにして、宗門全体が真に僧俗和合して、異体同心の御聖訓を実践していくならば、三十万総登山は自ずから達成すると言っても過言ではないと思います。しかし、そうは言っても三十万の達成は決して向うからやってくるものではありません。あくまでも、僧俗和合・異体同心を大前提とした懸命なる唱題と折伏のたゆまざる実践があってこそ、初めて可能となるのであります。3年後の立宗七百五十年に向けて「出陣の年」と銘打たれた本年、この1年間の闘いの結果が、三十万達成の成否の鍵を握るのであり、全僧俗が心を一つにして、打って一丸となって闘わなければならない、非常に大事な1年であります。各支部の三十万登山の目標は既に決定しており、あとは、この目標達成に向けて、住職指導教師と、講頭・副講頭ら幹部とが、しっかり協議して、具体的な数字の上で段階的に3ヵ年計画を立てることが必要であり、そしてその上で、第1年目である本年度の目標を確実に達成することが、当面における最大の肝要事であります。
御法主上人猊下は、常に唱題行こそ一切を開く鍵であり、根本であることを御指南あそばされ、おん自ら陣頭に立って実践なされております。本年もまた、客殿における正月元旦から1ヶ月にわたる唱題行をあそばされ、そして、その最終日に当たって、御歌を認(したた)めた色紙を一同に賜っております。「かぎりなく 境涯ひらく 題目を 常にとなえつ 広布目指さん」と。
この御歌に込められた御指南を拝し、常に唱題行を実践していくところに、限りなく自分自身の境界を開いていくことができるのであり、そこに折伏を成就しつつ、広布達成への道も自ずから開けてくることを確信すべきであります。
特に、この東京第一布教区は、全国法華講の先陣を駆ける位置にありますから、もし、当布教区が、三十万総登山において遅れをとるならば、全国の法華講に与える影響はまことに甚大なるものがあると言うべきであります。そこに、当布教区、当地方部の責任の重、且つ大なることを、しっかりと認識しなければならない所以があります。
能安寺支部の山中節子と申します。29歳の時に主人に出会い折伏をされ、結婚前に入信いたしました。平成3年主人に言われるまま創価学会に脱会届けを出し、お寺へ行くようになり、とてもうれしかったのを覚えています。ゼロからのスタートで会社を起こした主人は、親子関係も大変な中、本当に苦しい思いをしながらも仕事をし、さらに土地を手に入れ、自分たちの住まいを建てることができました。今思うと、主人共々信心にがんばっていたときだからこそできたのだと思います。
そんなある日、主人の母から夜中に電話がありました。知人に御本尊様が良くないと言われ、菩提寺である邪宗の寺で処分したと言うのです。妊娠していた私はとっさに、お腹の赤ちゃんをお守りくださいと祈り、朝一番で八王子にあるその邪宗の寺へ飛んで行き「御本尊様を返してください」と言うと「もう焼いてしまってない」と言われました。御本尊様を御不敬した主人の両親もかわいそうですが、守りきれなかった私自身の力のなさが無念で仕方ありませんでした。何日かした夜、急に40度近い熱が出て、頭からつま先まで湿疹が出来、4日間死ぬほどのかゆさで、ただ御題目を唱えていました。病院では「ひどい風疹でしたね、今回は赤ちゃんを諦めなさい」と言われてしまいました。赤ちゃんは既に5カ月目でした。悲しくて諦めきれず涙が止まりませんでした。事の重大さを子供を通して教えられ、信心で受けとめることができました。その子は今、能安寺で妙栄水子という戒名をいただきお骨を預かっていただいております。それから次第に主人は忙しさのあまり登山できなくなり、欠かしたことのない勤行も、いつしかやらなくなっていました。
それから一年後、妊娠していることが判り、私は不安だったのでお寺の近くの国立病院でのお産に決めました。いつも心の中で、お腹の赤ちゃんをお守りくださいと、必死で御題目を唱えていました。た。そして3人目、念願の男の子が無事に産まれました。しかしこの子はよく具合が悪くなり病院へ行きました。そのとき私たちのサークル長である宮本さんに「福運ってちゃんと信心をしていかないとそのうちなくなっちゃうのよね」と言われ、ハッとしたと同時に妙に心に残り、「そうだ主人がやれないときこそ私が祈っていこう」という気持ちが急に起こり、主人の大切にしていたお数珠で朝晩の勤行を始めました。
それから3年、主人は必死で仕事をし、会社は順調で売り上げはどんどん伸びていきました。そんな折、主人の兄が義父の会社のお得意様を分けてもらって独立し、出ていきました。売り上げ分散のしわよせで義父の会社はつぶれそうになり、主人の会社と合併して立て直すことになりました。主人は寝ずに仕事に励み会社を立て直しました。しかし利益が出てくると、泣いて頼んできた義父がまた主人を追い出そうと、いろいろと手を回してきました。すべての印鑑を持って好き放題の義父、そんな義父に可愛がられてきたにも関わらず離れていく義兄、苦労をしても義父から離れずにいる主人、そんなどうにもならない状態でした。
そういう中でも、平成10年4月4日、快晴に恵まれ客殿新築慶祝記念大法要に一家5人で参加させていただきました。帰宅すると主人が、「俺も4月23日で40歳だし、また再開するよ」と言い、勤行を欠かさずやる以前の主人に戻ってくれました。あんなに安心したことはありませんでした。
しかしがんばり始めると、前にもましていろいろな宿業が出てきました。私がお山で買ってきた本を義父に渡したときなどは、狂ったように怒り「節子はもう家に来させるな。給料も払わない」と主人に当たり散らしました。御住職様に御指導を受けると「どんなことが起ころうと、ドーンと構えてとにかく大物になりなさい。私も祈っていますよ」と言ってくださいました。次の朝、会社へ行った主人に、義父が「いろいろ考えたが、英二にはずいぶん辛く当たってきた。自分が悪かった」と、生まれて初めて謝ったのだそうです。あらためて御本尊様・御住職様に守っていただいている幸せを感じました。
御報恩の心で信心のことを多くの人にお話しようと思い、誰にでも話してきました。能安寺支部の昨年の折伏誓願目標は70世帯、私が所属する富士見ケ丘サークルは7世帯の折伏目標の所、14世帯を成就しました。その中の2世帯を我が家でさせていただきました。一つは、鈴木さんという方の紹介者になり、お世話をさせていただきました。この方はお母様の御本尊様を息子である自分たちがお守りしたいとのことでした。偶然にも、息子さんと私の子供の名前が同じだったので喜んでくださり、とても親近感がわきました。
また数日後、古着を無駄にしてはいけないと思い立って、近くにできたリサイクルショップに持って行きました。店員さんは古着は扱ってないというので帰りかけましたが「一応見せてください」とその店員さんが車の所へ来ました。「8ミリビデオも持ってきているんですけど」と言うと「今は店長がいなくて値段がつけられないので、住所と名前を書いていってください。後で連結します」と言われ、書こうとしたときです。うちの4歳の英行が何を思ったのか「うちにも南無妙さんあるョ、南無妙さんあるんだョ」と店員さんに言ったのです。彼女はすぐに「学会ですか」と聞いてきました。「私は法華講です」「それは何ですか」「私も前は学会にいましたが、今は脱会してお寺へ行っています」「私はずっともんもんとして、お寺へ行きたいと何年かずっと思っていて、ここ何日かは特に強く思っていました。でも方法が判らなかったんです」「御本尊様は取り換えたりしていませんか」「もちろんです。時間を作りますからゆっくり話を聞かせてください。でもこの子が南無妙さんと言ったときは、ビックリして鳥肌が立ってしまいました。こういう話を聞ける人に巡り合えてうれしいです」と、とても喜んでくれました。私もなんだか信じられない気持ちで帰ってきました。
その日の夕方です。先程の店員の小林さんから明日朝一番で能安寺へ行くとの電話が入りました。翌朝、能安寺で待ち合わせ、御住職様にお話をしていただきました。よほど彼女は、心の中でひっかかっていたんだと思いました。「また連絡をします」ということで別れました。
11月21日、御大会法要での布教講演で御住職様が4歳の子が折伏のきっかけを作ったと、我が家のヒデくんの話をしてくださり、そのとき参加していたチームの平岡さんが喜んで電話をくれました。
その2日後の早朝、御住職様から、この前の小林さんが勧誡式を受けに見えているからすくにお寺へ来て一緒に祝ってあげなさいと、電話をいただきました。彼女は勧誡式の問中、涙で顔がぐしゃぐしゃになるほど喜び、彼女の素直な心がはっきりと私たちに伝わってくるようでした。主人が4月に勤行・唱題を再開してから私たちの周りは嵐のようにいろいろなことが起こり、八方塞がりの状態ですが、大御本尊様、御法主上人猊下、御住職様、法華講の人たちに励まされ、守られて、私たちはここまでこられました。信心根本に仕事をがんばっていく中で会社の状態と、親子関係、義兄との関係が必ず良い方へ転換できると信じています。
「をとこ(夫)ははしら(柱)のごとし、女はなかわ(桁)のごとし。をとこ(夫)は足のごとし、女人は身のごとし」(御書1476)との御文があります。
書籍部長として、チーム長として任命を受けた主人を助け、共にがんばって三人の子供たちにも信心を教え、大切に楽しみながら日々自分自身を磨いていきたいと思っています。また実家の母が父の反対で信心できませんが、一日も早く入信できるよう祈っていきます。(※3月12日に入信されました)信心のできる毎日に感謝の気持ちでいっぱいです。平成14年・法華講三十万総登山へ向けて、しつかりと御法主上人猊下に信伏随従し、不惜身命の御奉公をと心から思っています。
※この原稿は日正寺の福原さんの御協力で転載いたしました